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SS後継種牡馬に求められる3つの条件

1)ヘイルトゥリーズンのためのレース

 サンデーサイレンス(SS)の初年度産駒であるタヤスツヨシとジェニュインがワン・ツー・フィニッシュを決めたのが1995年。結局90年代には3勝・2着2回の成績を残したが、その勢いは2000年以降も持続、近年ではSS後継種牡馬の産駒が日本ダービーで主役を務めるようになっている。

 1〜5番人気までを非SS系が占めた2001年のみ、この系統が3着以内に入らなかったが、それでも6番人気ボーンキングが4着と掲示板を確保してみせた。

 またSS系以外のヘイルトゥリーズン系(ブライアンズタイム、タニノギムレット、クリスエス)も2勝・2着3回と好成績。日本ダービーは、ほぼ「ヘイルトゥリーズンのためのレース」となっているのが実情である。

父馬 
1着
2着
3着
勝率
連対率
複勝率
サンデーサイレンス   
3回
4回
3回
8.1%
18.9%
27.0%
SSの後継種牡馬    
2回
2回
4回
5.1%
10.3%
20.5%
他のヘイルトゥリーズン系
2回
3回
0回
8.0%
20.0%
20.0%
上記以外の血統     
3回
1回
3回
3.8%
5.1%
8.9%

 ちなみにSSの直子がいなくなった近3年の1〜3着馬を見ると、SS後継種牡馬(アグネスタキオン、ネオユニヴァースなど)が2勝・2着1回・3着2回、そのほかのヘイルトゥリーズン系(タニノギムレット)が1勝・2着1回、それ以外の血統(ホワイトマズル、クロフネ)が2着1回・3着1回。

 つまり「SS後継種牡馬vsそのほかのヘイルトゥリーズン系という構図に、ノーザンダンサー系を中心とする勢力が割って入れるかどうか」が、日本ダービーにおけるパワーバランスである。

【過去10年の連対馬の父と母父】

過去10年の連対馬の父と母父

2)SS後継種牡馬は安定感、ノーザンダンサーの血、マイル適性がカギ

 SS後継種牡馬のうち、アグネスタキオン、スペシャルウィーク、ネオユニヴァースの産駒が日本ダービーで連対を果たしている。またダンスインザダーク、フジキセキ、マンハッタンカフェが3着1回ずつという成績だ。

 このうちマンハッタンカフェを除く5頭の現役時2000m戦成績は、13戦10勝・3着3回と実に安定したものだった。またアグネスタキオンとフジキセキは無敗のまま引退、ダンスインザダークは8戦して4着以下なし。スペシャルウィークは休み明けの京都大賞典7着、ネオユニヴァースは引退レースとなった天皇賞(春)10着を除き、常に掲示板を確保していた。

 ちなみに母父サンデーサイレンスという馬は14頭が走り、2着が2回。勝ち切るには、ちょっと苦しい。

 また下表からは、ノーザンダンサー系の血とマイル適性の重要性もうかがえるのではないだろうか。

【日本ダービー3着以内に入ったサンデーサイレンス系種牡馬の産駒たち】

競走馬 母の父などの成績
ザッツザプレンティ 母父ミスワキ(ミスタープロスペクター系)は1400mのG1勝ち馬
母母父リファール(ノーザンダンサー系)はマイルG1勝ち馬で、ニッポーテイオーの祖父
インティライミ 母父ノーザンテースト(ノーザンダンサー系)は1400mのG1勝ち馬
母母父ガーサント(ハーミット系)はマイルG1勝ち馬
ドリームパスポート 母父トニービン(グレイソヴリン系)の産駒にノースフライトやテレグノシスなど
母母父ディクタス(ファイントップ系)はマイルG1勝ち馬でサッカーボーイの父
アドマイヤオーラ 母父カーリアン(ノーザンダンサー系)の産駒にシンコウラブリイ、ゼンノエルシドなど
母ビワハイジはマイルG1勝ち馬/母母父ロードゲイルはマイル戦・パース賞勝ち馬
ディープスカイ 母父チーフズクラウン(ノーザンダンサー系)はマイルG1勝ち馬
ディープスカイ自身がNHKマイルC勝ち馬
ロジユニヴァース 母父ケープクロス(ノーザンダンサー系)はマイルG1勝ち馬
曾祖母ソニックレディ(ノーザンダンサー系)はマイルG1を3勝
リーチザクラウン 母父シアトルスルー(ボールドルーラー系)の産駒にタイキブリザードやダンツシアトルなど
母母父ミスタープロスペクターの産駒にはマイルG1勝ち馬が多数
アントニオバローズ 母父キングマンボ(ミスタープロスペクター系)はマイルG1を3勝
祖母ボーンアレディはノーザンダンサーの妹

3)その他のヘイルトゥリーズン系は長距離×マイルの配合

 サンデーサイレンス系以外のヘイルトゥリーズン系で日本ダービー3着以内に産駒を送り込んだのは、ブライアンズタイム(ダンツフレームとタニノギムレット)とタニノギムレット(ウオッカとスマイルジャック)の親子、そしてクリスエス(シンボリクリスエス)だ。

 ブライアンズタイム、クリスエス、ともに自身の勝ち鞍は1800mまでだが、ブライアンズタイムは誰もが知るステイヤー血統、クリスエスの産駒には英ダービー馬クリスキンや米BCターフ勝ち馬プライズドがいる。タニノギムレットは日本ダービー馬であり、いずれも2400m以上への対応力を強く持った種牡馬たちといえるだろう。

 またダンツフレームの母父サンキリコ(マイル重賞勝ち馬)、タニノギムレットの母タニノクリスタル(アネモネS1着)、シンボリクリスエスの母ティーケイ(1700mの重賞勝ち馬)、ウオッカの母父ルション(マイルG1勝ち馬)など、ここでも1400m〜マイルに対する適性の重要性が浮かび上がってくる。

4)とにかく大切、ノーザンダンサー系の血とマイル適性

 ヘイルトゥリーズン系以外の成績を系統ごとにまとめると、以下のようになる(ミスタープロスペクター系はネイティヴダンサー系に含む/ナスルーラ系にはグレイソヴリン系・レッドゴッド系・ネヴァーベンド系・ボールドルーラー系を含む)。

父馬の系統  
1着
2着
3着
勝率
連対率
複勝率
ノーザンダンサー系
1回
1回
3回
2.6%
5.3%
13.2%
ネイティヴダンサー系
1回
0回
0回
4.8%
4.8%
4.8%
ナスルーラ系 
1回
0回
0回
5.9%
5.9%
5.9%

 キングカメハメハとジャングルポケットはともに母父がノーザンダンサー系だから、3着以内に入った7頭すべてが「父か母父がノーザンダンサー系」ということになる。またこの7頭の父・母父を見ると、ダンシングブレーヴ、コンキスタドールシエロ、キングマンボ、ラストタイクーン、クロフネとマイルG1の勝ち馬がズラリ。やはりノーザンダンサー系の血とマイル適性が重要となってくるようだ。


■■結論■■

 日本ダービーで狙いたいのは、以下の3つのタイプだ。

 ◎現役時2000m戦を得意とし、生涯成績が安定しているサンデーサイレンス系種牡馬
  母父はノーザンダンサー系で、マイル適性も高い血統
 ○2400m以上に適性のあるヘイルトゥリーズン系×マイル系種牡馬
 ▲それ以外の系統はノーザンダンサー系の血とマイル適性が必須

 今年、サンデーサイレンス系×ノーザンダンサー系という配合の馬はヒルノダムールのみとなりそう。ただし父マンハッタンカフェの現役時成績や血統的なマイル適性の少なさを考えると2着まで。ヴィクトワールピサ、ペルーサ、ダノンシャンティといった人気どころもノーザンダンサーの血が足りずに不安、やはり2着までか。

 このグループでは母の母の父がノーザンダンサー系、近親にマイルGI勝ち馬のいるリルダヴァルを1番手としてあげておこう。

 ローズキングダム、ルーラーシップ、トゥザグローリーのキングカメハメハ産駒3頭は母父がノーザンダンサー系ではないので軽視、やはり2着までだ。

 ならば浮上するのが2400m以上OKのシンボリクリスエス×マイルGI馬フジキセキというアリゼオ。もっとも狙ってみたい血統である。

【アリゼオの血統表】

アリゼオの血統表

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