G1特集 第154回 天皇賞(秋)G1特集 第154回 天皇賞(秋)

血統分析

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2400mG1適性と経験でリアルスティールが連軸候補!

1)狙う馬券によって本命候補が異なる

過去10年のうち9年はサンデーサイレンス(SS)系種牡馬が連対している。SS系の勝率自体は5.1%と大きなアドバンテージはないし、出走頭数の多さで稼いだ好成績とも受け取れるが、連対率16.5%は主要系統中トップの数字。またSS系は、1〜3番人気時には15頭中6頭が連対(1勝・2着5回/連対率40%)、4番人気以下では64頭中7頭が連対(3勝・2着4回/連対率10.9%)と、人気にかかわらず上位争いできるのもポイントだ。

【過去10年の連対馬の父と母父】

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日付L 馬名 種牡馬 母父馬
2015.11.1 1 8 ラブリーデイ キングカメハメハ ダンスインザダーク
2015.11.1 2 14 ステファノス ディープインパクト クロフネ
2014.11.2 1 4 スピルバーグ ディープインパクト Lycius
2014.11.2 2 1 ジェンティルドンナ ディープインパクト Bertolini
2013.10.27 1 7 ジャスタウェイ ハーツクライ Wild Again
2013.10.27 2 9 ジェンティルドンナ ディープインパクト Bertolini
2012.10.28 1 12 エイシンフラッシュ King's Best Platini
2012.10.28 2 4 フェノーメノ ステイゴールド Danehill
2011.10.30 1 12 トーセンジョーダン ジャングルポケット ノーザンテースト
2011.10.30 2 7 ダークシャドウ ダンスインザダーク Private Account
2010.10.31 1 2 ブエナビスタ スペシャルウィーク Caerleon
2010.10.31 2 7 ペルーサ ゼンノロブロイ Candy Stripes
2009.11.1 1 3 カンパニー ミラクルアドマイヤ ノーザンテースト
2009.11.1 2 2 スクリーンヒーロー グラスワンダー サンデーサイレンス
2008.11.2 1 14 ウオッカ タニノギムレット ルション
2008.11.2 2 7 ダイワスカーレット アグネスタキオン ノーザンテースト
2007.10.28 1 1 メイショウサムソン オペラハウス ダンシングブレーヴ
2007.10.28 2 9 アグネスアーク アグネスタキオン ベリフア
2006.10.29 1 14 ダイワメジャー サンデーサイレンス ノーザンテースト
2006.10.29 2 10 スウィフトカレント サンデーサイレンス Machiavellian

ただ、ミスタープロスペクター系が2勝(馬券に絡んだ5頭は1〜5番人気)、ナスルーラ系も2勝(馬券に絡んだ3頭は5番人気以下)、その他のヘイルトゥリーズン系が1勝(1〜3番人気に推された3頭がすべて馬券圏内)、ノーザンダンサー系が1勝(唯一の1番人気メイショウサムソンが勝利)と、各系統から勝ち馬が出ている。

イメージとしては「連軸または3連複の軸なら人気サイドのヘイルトゥリーズン系〜SS系」、「ミスタープロスペクター系とノーザンダンサー系は人気なら買い」、「人気薄の激走を期待できるのはSS系とナスルーラ系」といったところだ。

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父馬の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
サンデーサイレンス系 4回 9回 4回 79頭 5.1% 16.5% 21.5%
その他のヘイルトゥリーズン系 1回 1回 2回 18頭 5.6% 11.1% 22.2%
ミスタープロスペクター系 2回 0回 3回 22頭 9.1% 9.1% 22.7%
ナスルーラ系 2回 0回 1回 24頭 8.3% 8.3% 12.5%
ノーザンダンサー系 1回 0回 0回 31頭 3.2% 3.2% 3.2%
2)芝2400m・G1との関連性が深そう

連対馬の父が芝2400m・G1で残した成績は以下の通りだ。

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連対馬の父 芝2400m・G1実績
サンデーサイレンス 不出走(日本ダービー、オークス、ジャパンCの勝ち馬を多数輩出)
オペラハウス キングジョージ1着
アグネスタキオン 不出走(日本ダービー馬を輩出/兄は日本ダービー馬)
タニノギムレット 日本ダービー1着
ミラクルアドマイヤ 不出走(兄は日本ダービー馬/父は凱旋門賞馬)
グラスワンダー 不出走(ジャパンC勝ち馬を輩出)
スペシャルウィーク 日本ダービー1着/ジャパンC1着
ゼンノロブロイ ジャパンC1着
ジャングルポケット 日本ダービー1着/ジャパンC1着
ダンスインザダーク 日本ダービー2着(姉はオークス馬)
King's Best 愛ダービー11着(英ダービー馬を輩出)
ステイゴールド 香港ヴァーズ1着
ハーツクライ ドバイシーマクラシック1着/ジャパンC2着
ディープインパクト 日本ダービー1着/ジャパンC1着
キングカメハメハ 日本ダービー1着

各国のダービーをはじめとする芝2400m・G1への適性が認められるラインナップ。種牡馬自身に2400mの実績がなくとも、G1級の活躍産駒を多数出している。

天皇賞(秋)の勝ち馬自身にも芝2400m・G1好走馬が多い。メイショウサムソン、ウオッカ、エイシンフラッシュは日本ダービー馬、ブエナビスタはオークス馬。また、ダイワメジャー、ジャスタウェイ、スピルバーグ、ラブリーデイは日本ダービーに出走している。トーセンジョーダンは天皇賞以前に芝2400m・G1を走っていないが、次走でジャパンC2着と好走した。

8歳になって本格化したカンパニーという特殊な例を除けば、芝2400m・G1の経験はかなり重要といえるだろう。

3)父の系統によって狙うべき配合が変わる

以下は母父の系統別成績。数・率ともノーザンダンサー系が一歩リードしている。

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母父の系統 1着 2着 3着 出走 勝率 連対率 複勝率
ノーザンダンサー系 5回 6回 2回 49頭 10.2% 22.4% 26.5%
ミスタープロスペクター系 1回 1回 0回 18頭 5.6% 11.1% 11.1%
ナスルーラ系 1回 1回 6回 38頭 2.6% 5.3% 21.1%
サンデーサイレンス系 1回 1回 1回 45頭 2.2% 4.4% 6.7%
その他のヘイルトゥリーズン系 0回 0回 0回 3頭 0.0% 0.0% 0.0%
その他の系統 2回 1回 1回 21頭 9.5% 14.3% 19.0%

父SS系から出た天皇賞(秋)勝ち馬を見ると、ダイワメジャーは母スカーレットブーケ、ブエナビスタは母ビワハイジ、ジャスタウェイは母父Wild Againが米BCクラシック勝ち馬、祖母シャロンが米G1馬、スピルバーグは兄に米G1馬Flower AlleyやマイルCS勝ち馬トーセンラーがいる。父SS系ならば、母系や兄姉に活躍馬がいる良血配合を狙うのがセオリーといえそうだ。

父SS系以外の天皇賞(秋)勝ち馬は、オペラハウス×ダンシングブレーヴ(英2000ギニー)のメイショウサムソン、タニノギムレット×ルション(ムーランドロンシャン賞)のウオッカ、ミラクルアドマイヤ×ノーザンテースト(フォレ賞)のカンパニー、ジャングルポケット×ノーザンテーストのトーセンジョーダンと、これらは「父に長距離の、母父にはマイルへの対応力あり」といったイメージ。

父がミスタープロスペクター系の場合は逆になって、King's Best(英2000ギニー)×Platini(ミラノ大賞)のエイシンフラッシュ、キングカメハメハ(NHKマイルC)×ダンスインザダーク(菊花賞)のラブリーデイと「父にマイルの、母父に長距離の対応力あり」パターンとなるのが面白い。

4)高齢の種牡馬・繁殖牝馬から天皇賞馬が出る?

過去10年の勝ち馬は、ダイワメジャーが父サンデーサイレンス15歳時、母スカーレットブーケ13歳時の産駒であるなど、父または母または双方が10歳を超えている時に生まれた子がほとんど。例外はトーセンジョーダン(父ジャングルポケットが8歳、母エヴリウィスパーが9歳の時の産駒)だけだ。

結論

天皇賞(秋)で狙うべき馬としては、まず「父の芝2400m・G1適性」と「自身の芝2400mG1実績・経験」が必須条件。父馬または母馬が10歳以上の時の産駒であればベターだ。母父がノーザンダンサー系なら安定感が増す。以上を前提に、次の3パターンに当てはまるかどうかをチェックしたい。

(1)父SS系×優秀な母系……人気サイドを連軸または3連複の軸とする

(2)父ミスタープロスペクター系マイラー×母父が長距離系……人気サイド

(3)父は上記以外の長距離型×母父マイラー型

父SS系からはリアルスティール。父ディープインパクト×母父ノーザンダンサー系Storm Catで父10歳時の産駒。曾祖母が全欧古馬チャンピオンのミエスクなど母系も超一流で、自身に日本ダービー4着の経験あり。人気になれば連軸または3連複の軸として活用したい。アンビシャスは自身の芝2400mG1実績・経験、ルージュバックは父マンハッタンカフェの芝2400mG1実績などで見劣る。

父ミスタープロスペクター系からは昨年の勝ち馬ラブリーデイで文句なし。モーリスは父がジャパンC勝ち馬スクリーンヒーローという点はいいのだが、自身に2400mG1経験がなく、長距離型×長距離型の配合もネックとなる。

【リアルスティールの血統表】

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ディープインパクト
 Deep Impact
 2002年 鹿毛(早来町)
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
 1986年 青鹿(米)
Halo
1969年(米)
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975年
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss
*ウインドインハーヘア
Wind In Her Hair
 1991年 鹿毛(愛)
Alzao
1980年
Lyphard Northern Dancer
Goofed
リアルスティール
 Real Steel(JPN)
 牡 4歳 父10歳・母 6歳時産駒
 2012年 鹿毛(安平町)
Lady Rebecca Sir Ivor
Pocahontas
Burghclere
1977年
Busted Crepello
Sans Le Sou
Highclere Queen's Hussar
Highlight
Storm Cat
 1983年(米)
Storm Bird
1978年(加)
Northen Dancer Neactic
Natalma
South Ocean New Providence
Shining Sun
Terlingua
1976年
Secretariat Bold Ruler
Somethingroyal
*ラヴズオンリーミー
 Loves Only Me
 2006年 鹿毛(米)
Crimson Saint Crimson Satan
Bolero Rose
Monevassia
 1994年
Mr.Prospector
1970年(米)
Raise a Native Native Dancer
Raise You
Gold Digger Nashua
Sequence
Miesque
1984年
Nureyev Northern Dancer
Special
Pasadoble Prove Out
Santa Quilla