セレクトセール 高額取引馬(1歳)

1歳 キングスローズの2017
(牡 鹿毛)

2億5000万円

キングスローズの2017
ディープインパクト キングスローズ 母父 Redoute's Choice
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 (株)ダノックス

父はここ1年、海外産駒の活躍により世界屈指の大種牡馬へと評価を高めた。2012年以降リーディングサイアーの座にあり、日本におけるJRA平地GT勝利数は「42」。さらに今年春、本場欧州のクラシックレースである英2000ギニーと仏ダービーを制覇。海外G1勝利数を「12」に伸ばした。父サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力を武器とし、芝のマイルから中距離で圧倒的に強い。

母はニュージーランド産。CJCニュージーランド1000ギニー(G1・芝1600m)をはじめ6つの重賞を制し、同国の3歳牝馬チャンピオンに輝いた。リヴァーマン、ヌレイエフ、リダウツチョイスと、主要国でリーディングサイアーとなった経験のある芝向きの名血を抱え、日本の芝に対する適性は高い。繁殖牝馬としては本馬の全兄にあたるサトノアーサー(エプソムC)を出している。

母の父は豪州産。現役時代はコーフィールドギニー(豪G1・芝1600m)をはじめ4つのG1を制したスピードタイプで、種牡馬としても大成功、計3回豪リーディングサイアーとなった。母方にオーストラリアの素軽いスピード血統を抱えているので、日本ではパワー過多といった傾向が垣間見えるデインヒル系にしては軽さがあり、フルーキーがチャレンジC(GV)を勝っている。

1歳 ミスセレンディピティの2017
(牡 黒鹿毛)

2億4000万円

ミスセレンディピティの2017
キングカメハメハ ミスセレンディピティ 母父 Not For Sale
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 小笹 芳央

父は2010、11年のリーディングサイアーで、12年以降は2位をキープしている。サンデー系が支配するわが国における最も重要な対抗勢力の祖で、短距離王ロードカナロア、ダート王ホッコータルマエ、二冠馬ドゥラメンテ、中長距離型のルーラーシップなど、さまざまなタイプの産駒を出せるオールラウンダー。ロードカナロアとルーラーシップが後継種牡馬として成功している。

母はアルゼンチン産。同国の3歳以上牝馬ナンバーワン決定戦エストレジャス大賞ディスタフ(亜G1・芝2000m)を勝ってアメリカへ移籍し、ゲイムリーS(米G1・芝約1800m)、イエローリボンH(米G2・芝約1700m)を制覇。南米だけでなく北米でも通用する実力を見せつけた。20世紀前半からアルゼンチンに根付く牝系で、代々一流種牡馬を配されているので血の質は高い。

母の父はアルゼンチン生まれのスプリンターで、シウダッドデブエノスアイレス大賞(亜G1・ダ1000m)を制覇。しかし、種牡馬としては距離の壁がなく、2000mはもちろん2400mの大レースを勝った子もいる。スワップス4×3なのでダート向きの適性は高いが、芝でも問題なく、豊かな成長力と大レース向きの底力も特長のひとつ。クラシック向きの血統として魅力的だ。

1歳 ライフフォーセールの2017
(牡 黒鹿毛)

2億3000万円

ライフフォーセールの2017
ハーツクライ ライフフォーセール 母父 Not For Sale
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 近藤 利一

父は有馬記念(GT)、ドバイシーマクラシック(首G1・芝2400m)を制した名馬。種牡馬としても成功し、ジャスタウェイ(天皇賞・秋、安田記念)、スワーヴリチャード(大阪杯)、シュヴァルグラン(ジャパンC)など8頭のGTホースを出している。そのうちジャスタウェイ、アドマイヤラクティ、ヨシダが海外G1を勝った。トニービンを含んだ配合構成なので芝中長距離に強い。

母はアルゼンチン産。ブエノスアイレス州大賞(亜G1・ダ2200m)、セレクシオンデポトランカス大賞(亜G1・ダ2000m)など6つの重賞を制し、通算10戦8勝の成績を残した。ダートで実績を残した馬だが、母としては芝向きの子を産んでおり、ロクセラーナ(1勝)のほか新馬戦(芝1600m)で1分33秒9のタイムで2着に敗れたダノンファンタジーを出している。

母の父はアルゼンチン生まれのスプリンターで、シウダッドデブエノスアイレス大賞(亜G1・ダ1000m)を制覇。しかし、種牡馬としては距離の壁がなく、2000mはもちろん2400mの大レースを勝った子もいる。スワップス4×3なのでダート向きの適性は高いが、芝でも問題なく、豊かな成長力と大レース向きの底力も特長のひとつ。クラシック向きの血統として魅力的だ。

1歳 ソーメニーウェイズの2017
(牡 栗毛)

2億円

ソーメニーウェイズの2017
ハーツクライ ソーメニーウェイズ 母父 Sightseeing
販売者 ノーザンファーム 落札者 (株)ダノックス

父は有馬記念(GT)、ドバイシーマクラシック(首G1・芝2400m)を制した名馬。種牡馬としても成功し、ジャスタウェイ(天皇賞・秋、安田記念)、スワーヴリチャード(大阪杯)、シュヴァルグラン(ジャパンC)など8頭のGTホースを出している。そのうちジャスタウェイ、アドマイヤラクティ、ヨシダが海外G1を勝った。トニービンを含んだ配合構成なので芝中長距離に強い。

母は米国産。北米5勝。スピナウェイS(米G1・ダ約1400m)をはじめ3つの重賞を制した。本馬が3番仔となる。3代母リアリーハッピーはベイメドウズオークス(米G3・ダ約1700m)の勝ち馬で、日本に輸入され、関屋記念3着馬サトノフローラを産んだ。シアトルスルー4×4、セクレタリアト5×4と、米三冠を制した名馬の血をクロスさせており、繁殖牝馬としての楽しみが大きい。

母の父は米国産。北米2勝。重賞勝ちはピーターパンS(米G2・ダ約1800m)だけ。アメリカで勢いのあるエーピーインディ系に属し、父プルピットは北米リーディングサイアー3回のタピットを出した。フィップス家が育てた名門牝系に属しており、近親に多くの活躍馬がいる。こうした血統背景の支えにより、このクラスの種牡馬としては上々の成績。スタミナ血統が豊富だがスピードがある。

1歳 リッスンの2017
(牡 黒鹿毛)

1億9000万円

リッスンの2017
ディープインパクト リッスン 母父 Sadler's Wells
販売者 ノーザンファーム 落札者 トニー倶楽部

父はここ1年、海外産駒の活躍により世界屈指の大種牡馬へと評価を高めた。2012年以降リーディングサイアーの座にあり、日本におけるJRA平地GT勝利数は「42」。さらに今年春、本場欧州のクラシックレースである英2000ギニーと仏ダービーを制覇。海外G1勝利数を「12」に伸ばした。父サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力を武器とし、芝のマイルから中距離で圧倒的に強い。

母は愛国産。2歳時にフィリーズマイル(英G1・芝約1600m)を勝った。晩成傾向とスタミナを伝えるサドラーズウェルズを父に持つものの、母方の奥にあるアメリカ血統がスピードと仕上がりの早さを補っている。本馬の全姉にタッチングスピーチ(ローズS)、全兄にムーヴザワールド(共同通信杯-3着)がいるように、父ディープインパクトとの血統的相性は悪くない。芝中距離向き。

母の父は英・愛リーディングサイアーに14回輝いた大種牡馬。日本向きのスピードや瞬発力には欠けるものの、スタミナと底力は抜群で、ガリレオやモンジューをはじめ多くの大物を送り出した。この2頭は種牡馬としても成功し、とくにガリレオは現在、ヨーロッパでは並ぶもののない大種牡馬として君臨。史上最強馬フランケルなどを送り出して強力なサイアーラインを築いている。

1歳 ジンジャーパンチの2017
(牡 鹿毛)

1億9000万円

ジンジャーパンチの2017
ディープインパクト ジンジャーパンチ 母父 Awesome Again
販売者 ノーザンファーム 落札者 金子真人ホールディングス(株)

父はここ1年、海外産駒の活躍により世界屈指の大種牡馬へと評価を高めた。2012年以降リーディングサイアーの座にあり、日本におけるJRA平地GT勝利数は「42」。さらに今年春、本場欧州のクラシックレースである英2000ギニーと仏ダービーを制覇。海外G1勝利数を「12」に伸ばした。父サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力を武器とし、芝のマイルから中距離で圧倒的に強い。

母はブリーダーズCディスタフ(米G1・ダ約1800m)、パーソナルエンスンH(米G1・ダ約2000m)をはじめ米G1を6勝。通算22戦12勝という成績を残し、米古牝馬チャンピオンに輝いた。繁殖成績も優秀で、マンハッタンカフェを父に持つルージュバックは毎日王冠(GU)、オールカマー(GU)など4つの重賞を制した。自身はダート向きだったが芝向きの産駒も出せる。

母の父はマッチョウノ(米2歳牡馬チャンピオン)の半兄で、現役時代にブリーダーズCクラシック(米G1・ダ約2000m)、ホイットニーH(米G1・ダ約1800m)など6つの重賞を制した。ゴーストザッパー(米年度代表馬)、ゲームオンデュード(米G1を6勝)など多くの活躍馬を出して種牡馬としても成功。母の父としてもJRAで連対率27.8%と驚異的な成績を挙げている。

1歳 ドバウィハイツの2017
(牡 鹿毛)

1億8000万円

ドバウィハイツの2017
ディープインパクト ドバウィハイツ 母父 Dubawi
販売者 社台ファーム 落札者 (株)サトミホースカンパニー

父はここ1年、海外産駒の活躍により世界屈指の大種牡馬へと評価を高めた。2012年以降リーディングサイアーの座にあり、日本におけるJRA平地GT勝利数は「42」。さらに今年春、本場欧州のクラシックレースである英2000ギニーと仏ダービーを制覇。海外G1勝利数を「12」に伸ばした。父サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力を武器とし、芝のマイルから中距離で圧倒的に強い。

母は英国産。同国でデビューし、2歳時にロウザーS(英G2・芝約1200m)で3着となったが、6戦して一度も勝てなかった。3歳時にアメリカへ移籍すると才能が開花し、ゲイムリーS(米G1・芝約1800m)、イエローリボンS(米G1・芝約2000m)など3つの重賞を制覇。繁殖成績も優秀で、キングカメハメハを父に持つリバティハイツはフィリーズレビュー(GU)の勝ち馬となった。

母の父は愛国産。わずか1世代を残して早世した名馬ドバイミレニアムの忘れ形見で、現役時代に愛2000ギニー(G1・芝約1600m)、ジャックルマロワ賞(仏G1・芝1600m)、愛ナショナルS(G1・芝約1400m)を制した。種牡馬としても成功。G1を4勝したポストポンドをはじめ多くの活躍馬を出している。四角いマイラー体型で筋肉量が豊富。スピードの出る軽い芝もこなす。

1歳 クリスプの2017
(牡 青鹿毛)

1億8000万円

クリスプの2017
American Pharoah クリスプ 母父 El Corredor
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 (株)ダノックス

父は米国産。本邦輸入種牡馬エンパイアメーカーの孫にあたる。2戦目から連勝街道を突っ走り、ケンタッキーダービー(米G1・ダ約2000m)、プリークネスS(米G1・ダ約1900m)、ベルモントS(米G1・ダ約2400m)を制して37年ぶり12頭目の米三冠馬となった。ブリーダーズCクラシック(米G1・ダ約2000m)も勝っている。底力あふれるダート向きのスタミナタイプ。

母は米国産。北米3勝。西海岸を本拠地とし、サンタアニタオークス(米G1・AW約1700m)、サンタイサベルS(米G3・AW約1700m)を勝った。「ミスタープロスペクター系×ストームキャット系」という構成は一見軽そうだが、母方の奥は重厚な血で構成されており、浮ついた感じはない。繁殖牝馬としてはパワー型のマイラー適性を伝えそう。仕上がりは早い。

母の父は米国産。ミスタープロスペクター3×4なのでダート適性の高いスプリンター〜マイラーとなっている。現役時代にシガーマイルH(米G1・ダ約1600m)など4つのGレースを制覇。種牡馬としてもアデュー、バックシートリズム、ドミニカンといったGT勝ち馬を送り出している。芝よりもダート、長距離よりも短距離のほうが向いている。馬体の頑丈さはセールスポイントのひとつ。

1歳 ノヴァホークの2017
(牡 青鹿毛)

1億6000万円

ノヴァホークの2017
ディープインパクト ノヴァホーク 母父 Hawk Wing
販売者 社台ファーム 落札者 (株)サトミホースカンパニー

父はここ1年、海外産駒の活躍により世界屈指の大種牡馬へと評価を高めた。2012年以降リーディングサイアーの座にあり、日本におけるJRA平地GT勝利数は「42」。さらに今年春、本場欧州のクラシックレースである英2000ギニーと仏ダービーを制覇。海外G1勝利数を「12」に伸ばした。父サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力を武器とし、芝のマイルから中距離で圧倒的に強い。

母は英国産。重賞勝ちは4歳時のセルジオクマニ賞(伊G3・芝1600m)のみだが、コロネーションS(英G1・芝約1600m)2着、リディアテシオ賞(伊G1・芝2000m)3着、英1000ギニー(G1・芝約1600m)4着など、ビッグレースできわどい勝負に持ち込んだ実力の持ち主だった。競走年齢に達した産駒2頭はいずれも勝ち上がっている。芝向きの中距離タイプ。

母の父は米国産。アイルランドを拠点に走り、エクリプスS(英G1・芝約2000m)、ロッキンジS(英G1・芝約1600m)、愛ナショナルS(G1・芝約1400m)などを制した。ミスタープロスペクター系のウッドマン産駒ながら、「ヴァルドロルヌ×ニジンスキー」というスタミナ血統の母から誕生した影響により、距離的には万能タイプ。スプリンターから中距離馬まで幅広く出している。

1歳 ファイナルスコアの2017
(牡 青鹿毛)

1億4000万円

ファイナルスコアの2017
ブラックタイド ファイナルスコア 母父 Dylan Thomas
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 (株)KTレーシング

父ブラックタイドはJRAで22戦3勝。重賞勝ちはスプリングS(GU)しかないが、希代の名馬ディープインパクトの全兄であったため種牡馬入りを果たした。弟よりも馬格がある一方、パワー型でスパッと切れる脚はない。それゆえに先行して粘り強い産駒が多く、年度代表馬キタサンブラックを出したことで「ディープインパクトの兄」からサンデー系の重要な一分枝となった感がある。

母は愛国産。イギリスとイタリアで走り、リディアテシオ賞(伊G1・芝2000m)、伊オークス(G2・芝2200m)などを勝った。2代母は繁殖牝馬として優れており、本馬の母のほかにチャリティーライン(リディアテシオ賞、伊オークス)、チェリーコレクト(伊オークス、伊1000ギニー)、ワードレス(ヴェルツィエーレ賞)を出した。活力豊かなファミリーなので期待できる。

母の父は愛国産。凱旋門賞(仏G1・芝2400m)、愛チャンピオンS(G1・芝約2000m)2連覇、愛ダービー(G1・芝約2400m)など6つのG1を制した名馬で、4分の3妹に英1000ギニー馬ホームカミングクイーン、半姉にチェヴァリーパークS(英G1・芝約1200m)を勝ったクイーンズロジックがいる。日本では母の父としてカシアス(函館2歳S)を出している。

1歳 アゼリの2017
(牡 鹿毛)

1億4000万円

アゼリの2017
ディープインパクト アゼリ 母父 ジェイドハンター
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 金子真人ホールディングス(株)

父はここ1年、海外産駒の活躍により世界屈指の大種牡馬へと評価を高めた。2012年以降リーディングサイアーの座にあり、日本におけるJRA平地GT勝利数は「42」。さらに今年春、本場欧州のクラシックレースである英2000ギニーと仏ダービーを制覇。海外G1勝利数を「12」に伸ばした。父サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力を武器とし、芝のマイルから中距離で圧倒的に強い。

母は米国産。ブリーダーズCディスタフ(米G1・ダ約1800m)、アップルブラッサムH(米G1・ダ約1700m)3連覇などG1を11勝した女傑で、牝馬ながら米年度代表馬に選出された。すでに名誉の殿堂入りも果たしている。アメリカ時代に産んだ3頭は重賞2勝のワインプリンセスを筆頭にすべて重賞で入着し、日本で誕生したロイカバード(本馬の全兄)は京都新聞杯(GU)3着馬。

母の父は米国産。北米を中心に14戦6勝。ガルフストリームパークH(米G1・ダ約2000m)などG1を2勝した中距離馬で、種牡馬としても成功。アゼリのほかにヤグリ(マンハッタンHなど米G1を3勝)、エーピーグランプリ(ラジオたんぱ賞)など多数の活躍馬を送り出した。ミスタープロスペクター系ながら母方に入るヨーロッパ血統の影響でスタミナと底力には侮れないものがある。

栗山求(血統評論家)

大学在学中の1989年に競馬通信社入社。血統専門誌「週刊競馬通信」編集長を経て、現在はフリー。血統関係を中心に執筆活動を展開中。