セレクトセール 高額取引馬(当歳)

当歳 リアアントニアの2018
(牡 黒鹿毛)

2億9000万円

リアアントニアの2018
ディープインパクト リアアントニア 母父 Rockport Harbor
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 (株)サトミホースカンパニー

父はここ1年、海外産駒の活躍により世界屈指の大種牡馬へと評価を高めた。2012年以降リーディングサイアーの座にあり、日本におけるJRA平地GT勝利数は「42」。さらに今年春、本場欧州のクラシックレースである英2000ギニーと仏ダービーを制覇。海外G1勝利数を「12」に伸ばした。父サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力を武器とし、芝のマイルから中距離で圧倒的に強い。

母は米国産。カナダ調教馬ながらブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(米G1・ダ約1700m)を制し、3歳時は勝てなかったものの、サンタアニタオークス(米G1・ダ約1700m)とスピンスターS(米G1・ダ約1800m)で2着となった。スピード豊かなアメリカ血統で構成された配合は素軽さ満点。基本的にはマイラーで、サンデー系と交配すれば芝向きの子を出せる。

母の父は米国産。G1は勝てなかったものの8〜9ハロンで3つの重賞を制し、通算8戦5勝の成績を残した。種牡馬としては前出のリアアントニアのほかに、ゴールドCアットサンタアニタS(米G1・ダ約2000m)など4つの重賞を制したマジェスティックハーバーを出した。日本では芝短距離で準オープンまで出世したラインアンジュが代表格。仕上がりの早いスピード型で芝・ダート兼用。

当歳 シルヴァースカヤの2018
(牡 鹿毛)

1億8000万円

シルヴァースカヤの2018
ディープインパクト シルヴァースカヤ 母父 Silver Hawk
販売者 ノーザンファーム 落札者 トニー倶楽部

父はここ1年、海外産駒の活躍により世界屈指の大種牡馬へと評価を高めた。2012年以降リーディングサイアーの座にあり、日本におけるJRA平地GT勝利数は「42」。さらに今年春、本場欧州のクラシックレースである英2000ギニーと仏ダービーを制覇。海外G1勝利数を「12」に伸ばした。父サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力を武器とし、芝のマイルから中距離で圧倒的に強い。

母はロワイヨモン賞(仏G3・芝2400m)を勝つなどフランスの芝中長距離で実績を残した。輸入前にATCザメトロポリタン(豪G1・芝2400m)を勝ったセヴィルを産み、輸入後は本馬の全兄シルバーステート(5戦4勝、現種牡馬)の母となった。スタミナと底力に加え、芝中距離向きのスピードを伝えている。京都記念(GU・芝2200m)を勝ったシックスセンスは甥にあたる。

母の父はロベルト系で、現役時代は愛ダービー(愛G1・芝約2400m)2着、英ダービー(英G1・芝約2400m)3着が目立つ程度だったが、種牡馬として大成功。芝中距離向きの大物を多数送り出した。粘り強いスピードを伝え、欧州だけでなく北米や日本でも成功した。芝12ハロンの世界レコードを樹立したホークスターや、有馬記念(GT)を連覇したグラスワンダーの父として有名。

当歳 アイムユアーズの2018
(牡 栗毛)

1億8000万円

アイムユアーズの2018
ドゥラメンテ アイムユアーズ 母父 ファルブラヴ
販売者 ノーザンファーム 落札者 (株)NICKS

父は皐月賞(GT)と日本ダービー(GT)の二冠を制覇し、ドバイシーマクラシック(首G1・芝2410m)では道中落鉄しながら欧州の強豪ポストポンドの2着となった。母アドマイヤグルーヴ(エリザベス女王杯2回)、2代母エアグルーヴ(年度代表馬)、3代母ダイナカール(オークス)という超良血で、近親にはルーラーシップをはじめ活躍馬多数。日本を代表する名牝系の出身だ。

母は2歳の早い時期から頭角を現し、フィリーズレビュー(GU)、クイーンS(GV)など4つの重賞を制覇。スピードを活かせるレースで強さを発揮した。3代母ダイナカールはオークス馬で、近親にはエアグルーヴ(年度代表馬)、ルーラーシップ(重賞5勝)、ドゥラメンテ(二冠馬)など。本馬の父は同牝系から誕生したドゥラメンテなので、ダイナカール4×4の牝馬クロスが生じる。

母の父は愛国産。イタリアで競走馬となり、同国で頂点を極めたあとイギリスへ移籍。ジャパンC(GT)、クイーンエリザベス二世S(英G1)をはじめ8つのG1を制した。サドラーズウェルズの全弟フェアリーキングを父に持ち、洋芝向きのスピードを伝えて成功した。主な産駒はワンカラット、アイムユアーズ、トランスワープなど。牝馬とセン馬の成績が良く、母の父としても優秀。

当歳 ラスティングソングの2018
(牡 鹿毛)

1億7000万円

ラスティングソングの2018
モーリス ラスティングソング 母父 フジキセキ
販売者 ノーザンファーム 落札者 (株)KTレーシング

モーリスは安田記念(GT)、マイルCS(GT)、香港マイル(G1)、チャンピオンズマイル(G1)と4連勝した近年最高のマイラーで、2000mの天皇賞・秋(GT)、香港C(G1)も勝って無敵ぶりを示した。父系はスクリーンヒーロー→グラスワンダー→シルヴァーホーク→ロベルトとさかのぼり、2代母は重賞を4勝した名牝メジロモントレー。底力あふれる中距離血統だ。

母ラスティングソングはJRAで未勝利に終わったものの、名繁殖牝馬ハルーワスウィート(ヴィルシーナ、ヴィブロス、シュヴァルグランの母)、フレールジャック(ラジオNIKKEI賞)、マーティンボロ(新潟記念、中日新聞杯)を兄弟に持つ良血。繁殖牝馬としては上々の成績で、チューリップ賞(GV)4着のクィーンズベスト、若葉S(OP)3着のインヴィクタを出している。

母の父はサンデーサイレンスの初年度産駒のなかで最も素質に恵まれた馬で、朝日杯3歳S(GT)を制して最優秀3歳牡馬(現在の最優秀2歳牡馬)に選ばれた。通算成績は4戦全勝。種牡馬としてはカネヒキリ、イスラボニータ、ダノンシャンティ、キンシャサノキセキなど、馬場や距離を問わず多数の活躍馬を送り出した。基本的にはマイラーで短距離も強い。ダート向きの産駒も少なくない。

当歳 ライトニングパールの2018
(牡 鹿毛)

1億5000万円

ライトニングパールの2018
ディープインパクト ライトニングパール 母父 Marju
販売者 (有)三嶋牧場 落札者 (株)ダノックス

父はここ1年、海外産駒の活躍により世界屈指の大種牡馬へと評価を高めた。2012年以降リーディングサイアーの座にあり、日本におけるJRA平地GT勝利数は「42」。さらに今年春、本場欧州のクラシックレースである英2000ギニーと仏ダービーを制覇。海外G1勝利数を「12」に伸ばした。父サンデーサイレンス譲りの鋭い瞬発力を武器とし、芝のマイルから中距離で圧倒的に強い。

母はチェヴァリーパークS(英G1・芝約1200m)の勝ち馬。繁殖成績も優秀で、本馬の半姉ライトニングクイックはアサシS(愛G3・芝約1400m)を勝った。本馬の叔父にサトノクラウン(宝塚記念、香港ヴァーズなど重賞6勝)、従兄弟にファストアプローチ(札幌2歳S-2着)がいるなど活発にファミリーを発展させている。欧州馬ながらアメリカ血統が主体なので素軽さがある。

母の父はセントジェームズパレスS(英G1・芝約1600m)の勝ち馬で、女傑サルサビル(愛ダービー、英1000ギニー、英オークス、ヴェルメイユ賞)の半弟にあたる。種牡馬として成功し、サトノクラウン(宝塚記念、香港ヴァーズ)をはじめ多くのGTホースの父となっている。マルセリーナ(桜花賞)の母の父、スノーフェアリー(エリザベス女王杯2回)の2代母の父でもある。

当歳 ヒカルアマランサスの2018
(牡 栗毛)

1億4000万円

ヒカルアマランサスの2018
キングカメハメハ ヒカルアマランサス 母父 アグネスタキオン
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 小笹 芳央

父は2010、11年のリーディングサイアーで、12年以降は2位をキープしている。サンデー系が支配するわが国における最も重要な対抗勢力の祖で、短距離王ロードカナロア、ダート王ホッコータルマエ、二冠馬ドゥラメンテ、中長距離型のルーラーシップなど、さまざまなタイプの産駒を出せるオールラウンダー。ロードカナロアとルーラーシップが後継種牡馬として成功している。

母は金鯱賞(GU)を勝ったカレンミロティックの4分の3姉で、現役時代に京都牝馬S(GV)を勝ったほか、ヴィクトリアマイル(GT)で女傑ブエナビスタのクビ差2着と健闘した。繁殖牝馬としてはフラワーC(GV)4着馬ギモーヴや、本馬の全姉にあたるクインアマランサス(現2勝)を出している。芝向きの血とパワー型の血を併せ持つので、配合次第でどちらにも向いた産駒も出せる。

母の父は2008年のリーディングサイアー。日本ダービー馬アグネスフライトの全弟、母アグネスフローラは桜花賞馬という超良血で、現役時代は皐月賞(GI)など4戦全勝の成績を残した。種牡馬としては女傑ダイワスカーレット、日本ダービー馬ディープスカイ、皐月賞馬キャプテントゥーレなど多くの活躍馬を送り出し、母の父としてはノンコノユメ、ジューヌエコールなどを出している。

当歳 シュガーハートの2018
(牡 鹿毛)

1億2500万円

シュガーハートの2018
ブラックタイド シュガーハート 母父 サクラバクシンオー
販売者 (有)ヤナガワ牧場 落札者 (同)DMM.com

父ブラックタイドはJRAで22戦3勝。重賞勝ちはスプリングS(GU)しかないが、希代の名馬ディープインパクトの全兄であったため種牡馬入りを果たした。弟よりも馬格がある一方、パワー型でスパッと切れる脚はない。それゆえに先行して粘り強い産駒が多く、年度代表馬キタサンブラックを出したことで「ディープインパクトの兄」からサンデー系の重要な一分枝となった感がある。

母は競走馬となるべくトレセンに入厩するも、結局出走することなく引退した。オトメゴコロ(札幌スプリントS-5着)の娘にあたる。繁殖牝馬としては2番仔ショウナンバッハがアメリカJCC(GU)で3着となって頭角を現すと、3番仔キタサンブラック(ジャパンC、有馬記念、天皇賞・春2回、天皇賞・秋、大阪杯、菊花賞)が年度代表馬となって名牝の仲間入りを果たした。

母の父はスプリンターズS(GT)2連覇を含めて1400m以下では無敵を誇った短距離王。十数年にわたって日本の短距離路線を牽引した名種牡馬でもあった。ビッグアーサー、ショウナンカンプ、シーイズトウショウなど多くの名スプリンターだけでなく、グランプリボスのようなマイラー型も出した。また、母の父としてもキタサンブラック、ハクサンムーンなどを出している。

当歳 レディスキッパーの2018
(牡 芦毛)

1億2000万円

レディスキッパーの2018
ハーツクライ レディスキッパー 母父 クロフネ
販売者 ノーザンファーム 落札者 東洋木材

父は有馬記念(GT)、ドバイシーマクラシック(首G1・芝2400m)を制した名馬。種牡馬としても成功し、ジャスタウェイ(天皇賞・秋、安田記念)、スワーヴリチャード(大阪杯)、シュヴァルグラン(ジャパンC)など8頭のGTホースを出している。そのうちジャスタウェイ、アドマイヤラクティ、ヨシダが海外G1を勝った。トニービンを含んだ配合構成なので芝中長距離に強い。

母は現役時代に一度も勝てず引退したものの、名牝ウインドインハーヘア(ディープインパクトとブラックタイドの母)の直系の孫にあたる血統がモノをいい、繁殖牝馬として成功。アドマイヤミヤビ(クイーンC)、グランアルマダ(ステイヤーズS-6着)などを産んでいる。まだ年齢は若く、父クロフネはブルードメアサイアーとして定評があるだけに、これからも活躍馬を生み出せるはずだ。

母の父は日本史上最強のダートホース。武蔵野S(GV・ダ1600m)を1分33秒3、ジャパンCダート(GT・ダ2100m)を2分05秒9という驚異的なレコードで連勝した。砂専用馬ではなく芝のNHKマイルC(GT)も制している。種牡馬としては芝・ダート兼用タイプで、カレンチャン、ホエールキャプチャをはじめ多くのGTホースを送り出し、母の父としても優秀。

当歳 サンデースマイル2の2018
(牡 鹿毛)

1億1500万円

サンデースマイル2の2018
キングカメハメハ サンデースマイル2 母父 サンデーサイレンス
販売者 ノーザンファーム 落札者 小笹 芳央

父は2010、11年のリーディングサイアーで、12年以降は2位をキープしている。サンデー系が支配するわが国における最も重要な対抗勢力の祖で、短距離王ロードカナロア、ダート王ホッコータルマエ、二冠馬ドゥラメンテ、中長距離型のルーラーシップなど、さまざまなタイプの産駒を出せるオールラウンダー。ロードカナロアとルーラーシップが後継種牡馬として成功している。

母は英国産。同国で4戦1勝の成績を挙げた。2代母センセーションはファルマスS(英G2・芝約1600m)、サンドリンガム賞(仏G3・芝1600m)を勝った優秀なマイラーで、3代母アウトスタンディングリーは米2歳牝馬チャンピオン。この良血がモノをいい繁殖牝馬としては成功、フルーキー(チャレンジC)をはじめデビューした5頭はすべて勝ち上がっている。

母の父は日本史上最高の名種牡馬。13年連続リーディングサイアーの座につき、ブルードメアサイアーランキングでも07年以降首位を独走している。ディープインパクトを筆頭にハーツクライ、ステイゴールド、ダイワメジャー、マンハッタンカフェ、アグネスタキオンなどの息子たちが大成功し、日本競馬の枠を超えて世界的に名声をとどろかせている。芝向きのスピードと瞬発力が持ち味。

当歳 アゲヒバリの2018
(牡 鹿毛)

1億1000万円

アゲヒバリの2018
ロードカナロア アゲヒバリ 母父 クロフネ
販売者 (有)ノーザンレーシング 落札者 金子真人ホールディングス(株)

父はスプリンターズS(GT)2回、高松宮記念(GT)、安田記念(GT)などを制覇し、香港に遠征して香港スプリント(G1・芝1200m)を2連覇した。このレースは世界有数の芝スプリント戦で、これを5馬身差圧勝した能力は尋常ではない。種牡馬としても成功、牝馬二冠馬アーモンドアイ、スプリングS(GU)優勝馬ステルヴィオを出した。芝1400〜1600mがベスト。

母は南関東公営で走り、牝馬クラシックのひとつ東京プリンセス賞で4着となった。トゥザグローリー(重賞5勝)、トゥザワールド(弥生賞)、トーセンビクトリー(中山牝馬S)の半姉にあたる良血。繁殖牝馬としては七夕賞(GV)を勝ったメドウラーク、京都新聞杯(GU)3着馬ダノンディスタンスを出しており、デビューした産駒5頭中4頭が勝ち上がる好成績。芝も問題ない。

母の父は日本史上最強のダートホース。武蔵野S(GV・ダ1600m)を1分33秒3、ジャパンCダート(GT・ダ2100m)を2分05秒9という驚異的なレコードで連勝した。砂専用馬ではなく芝のNHKマイルC(GT)も制している。種牡馬としては芝・ダート兼用タイプで、カレンチャン、ホエールキャプチャをはじめ多くのGTホースを送り出し、母の父としても優秀。

栗山求(血統評論家)

大学在学中の1989年に競馬通信社入社。血統専門誌「週刊競馬通信」編集長を経て、現在はフリー。血統関係を中心に執筆活動を展開中。