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競馬かわらVAN(リレーコラム)

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第93回 積雪で思い出すあの日あのとき『アメリカJCC』

2010/3/1(月)

今シーズンのGI第1戦フェブラリーステークスは、北国は秋田県にある「横手場外」で、東北の熱心な競馬ファンとともにのレース観戦でした。幸いこの日は降雪の心配もなく、朝から気温が上がる好天に恵まれ、県内はもとより、遠くは岩手、山形からマイカーで駆けつけるファンも多く、発売窓口には珍しく長い行列ができ、狭いフロアは人、人であふれ、異様なほどの盛り上がりようでした。「横手場外」は岩手県競馬組合の発売所であり、県競馬開催期間中のJRAの発売は東西の重賞と一部の特別競走に限定されていますが、県競馬の開催のないこの時期は、東京、中山の関東の全競走が発売されており、県外からも大勢のファンが訪れ、毎年フェブラリーSの日はダービー、有馬記念なみの賑わいぶりのようです。

東京競馬場での土曜日の仕事を終えたあと、東京駅から東北新幹線はこまち号に飛び乗って、終着駅秋田の一つ手前の大曲駅で在来線に乗り換え、横手に着いてホテルに入るのは午後10時過ぎ。さすがに寒い北国だけあって夜の冷え込みは厳しく、身震いしながら粉雪舞うプラットホームに降りましたが、びっくりしたのは降雪量の多さでした。

私の横手行きも今年で7回目。この時期もこれまでに3度訪れていて、寒さには慣れっこになっていますが、これほどの積雪を目の前にしたのは初めてのこと。車道は除雪されていて車の往来には影響はありませんが、歩道につまれた除雪された雪はそのまま放置されていてその高さは2m近く。その白壁に囲まれた歩道は狭く、夜ともなるとかちんかちんに凍りついて、まるで氷上を歩いているよう。一歩一歩踏みしめてホテルにたどり着きましたが、同じような夜の雪道で足を滑らせ、転倒して右腕を骨折した遠い昔の出来事が、そのとき鮮明に思い出されてきました。

いや、あの日のことは決して忘れることはできません。今年は珍しく都心でも、粉雪がちらほら舞う日が2度、3度とありました。そんな舞い落ちる雪を目にすると、ぞっとして“雪は大嫌い”と思うのは、いまも変わりはありません。

右腕の大小2本の骨を折って救急車で運ばれ、7週間もの間、白い包帯を首から吊っての病院通い。その間、1日も仕事は休まず、左手で原稿を書いてきました。

その雪が大嫌いになった悪夢のような夜は、いまから26年前、まだデイリースポーツ新聞社在籍中の昭和59年1月21日でした。2日前の19日に降った雪がまだ溶けずに残っていた翌々日の土曜日。朝は晴れ間がのぞいていた中山競馬場でしたが、1レース前から降り出した雪は、昼前には一段と激しくなってコースはあっという間に白一色。向こう正面から3コーナーあたりの視界はゼロで、この状況でのレース、騎乗はとても無理との騎手の進言。そしてJRAも公正確保に大きな支障をきたすの判断で、6レース以降の中止を発表しました。

しかし、レースは中止になっても、予定されていたテレビ中継は行われ、通常どおり夕方に競馬場をあとにして新聞社へ。日曜競馬の開催はどうなるのか、紙面作成の打ち合わせが終わって帰路についたのは午後10時を回っていました。

日中からの雪は降りやまず、10分、20分待てどタクシーの姿はなく、やむなく地下鉄に乗って我が家へ。冷えこんだ夜道、2日前に降った雪は凍りついて、歩道はアイスバーンさながら。慎重に歩みを進めて、見えてきた我が家まで残り2ハロン。気をゆるめたわけではないですが、傾斜面であっという間に転倒。手をついた右手は運が悪く工事中の鉄パイプ。鈍い音がして痛みとともに右手ははれ上がり、呼んだ救急車もすぐには来てくれず、運ばれた救急病院では「骨折だ。週明けの月曜日にちゃんとした医者に診てもらえ」の冷たい態度。痛み止めとそえ木をしてもらって帰宅したが、痛みが激しく眠れぬ長い夜となっていました。

都内で雪で転んで救急車で運ばれた人は200人余り。とんだ災難にあった1人となってしまいましたが、翌日曜日の中山競馬は平常どおり開催され、競馬場に来ていた整形外科の先生に診てもらって、骨折の方は大事に至らず事なきを得ました。その骨折後の痛みをこらえて観戦したのが、芝コースをダートコースに変更して行われたアメリカJCCです。

アメリカジョッキークラブカップ1984年(昭和59)

ダート変更になって前年の三冠馬ミスターシービーが出走を取り止めて8頭立て。しかし菊花賞2着馬ビンゴカンタや、その前の年の菊花賞馬ホリスキー、そして女傑ビクトリアクラウン、トウショウゴッドなど一線級が顔をそろえて、ダート変更になったものの、伝統の重賞らしさを感じさせたアメリカJCCでした。

結果は重賞勝ちのなかった7番人気シュウザンキングの逃げ切り勝ち。4番人気ホリスキーは最後方から砂を蹴散らして追い込みましたが、首差届かずの2着。1番人気に支持されたトウショウゴッド、3番人気の牝馬ビクトリアクランの重賞ウイナーはダートでは持ち味が生きないのか、8、7着とよいところなく大敗でした。2番人気の菊花賞2着のビンゴカンタはホリスキーから1馬身1/4離された3着。芝コースでなくても、期待にこたえたのはホリスキーだけでした。

北国の横手場外に出向いて目にした驚くほどの大雪に、26年前のあの日あのときが懐かしく思い出されてきましたが、ホリスキーのアメリカJCC2着力走も、つい最近のレースのように、はっきりと頭に浮かんできます。

菊花賞優勝後は惜敗続きで勝ち星に恵まれず、4歳春の天皇賞でアンバーシャダイの2着して復活の兆しが見られましたが、その後不運にも右前脚の屈ケン炎を発症して、戦列を離れること9ヶ月。復帰第1戦が前述のアメリカJCCでした。19戦して5勝2着4回3着3回。重賞の表彰台に立ったのは金星を挙げた3歳時のGI菊花賞の1つだけ。コンビを組んできた主戦菅原泰夫現調教師も、忘れることのできない愛馬の1頭として、“無事に来ていたら”の思いではなかったでしょうか。私の心の中にもその思いは強く残されてきました。

ライタープロフィール

原 良馬 (はら りょうま)

1933年10月生まれ、群馬県出身。デイリースポーツ東京本社、中央競馬の予想記者担当を経て、独立。競馬ジャーナリスト活動を本格化した。ラジオNIKKEI『中央競馬実況中継・土曜日午前中』、テレビ東京『ウイニング競馬』のレギュラー解説、また雑誌の競馬コラムや美浦トレーニング・センターで行われるGIレース公開調教会の司会進行なども担当している。

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