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第77話 エリザベス女王杯第1回の覇者

2009/11/9(月)

迎えて今年が34回目という秋の女王決定戦のエリザベス女王杯。秋華賞馬レッドディザイアの不出場は残念だが、そのレッドディザイアに桜花賞、オークス、秋華賞の3歳牝馬三冠を阻止されたブエナビスタが、キャリア豊富なカワカミプリンセス、レジネッタ、リトルアマポーラの先輩GⅠホース相手に、秋華賞3着降着のうっぷんをどう晴すのか。見どころとなると、安藤勝己騎手がどう乗るか、ブエナビスタのレースぶりだろう。

ここ3年は“若さ”が“キャリア”を圧倒、3歳牝馬が連続して秋の女王の座を射止めてきたが、そのレース名からして気品に富んだ重みを感じる「エリザベス女王杯」。歴代の覇者には一昨年のダイワスカーレットまで、連覇を果たしてきたメジロドーベル、アドマイヤグルーヴはじめ、男まさりのそうそうたる女傑が名を連ねてきている。

ディアマンテ 1976年(昭和51年)エリザベス女王杯

3歳以上牝馬のトップクラスには、最高峰レースともいえるエリザベス女王杯。その初代のチャンピオンが、ディアマンテという牝馬である。ブエナビスタのような、デビュー前から将来を嘱望されてきた、期待の超一流の良血馬ではない。

初勝利はデビューから4戦目、遠征した秋の福島競馬の未出走未勝利戦であり、2勝目を挙げたのも、年明けての3歳の3月下旬、中山競馬の山桜賞と遅かった。桜花賞、オークスの晴れ舞台には縁がなく、春シーズンは無名の並みの牝馬の1頭だった。

ディアマンテを管理する稲葉幸夫厩舎には、1971年にナスノカオリが桜花賞を勝ってからというもの、担当記者として毎朝の調教取材後には、必ず足を運んできた。その翌年にはタケフブキがオークスを勝ち、さらに翌73年には牡馬のタケホープが、人気絶頂のハイセイコーに土をつけてダービー馬に。番記者としての稲葉幸厩舎詣では、一段と力が入り、欠かすことのできない日課となっていた。

2勝目を挙げたディアマンテはその後、重賞フラワーC、4歳牝馬Sとコマを進めたが、追い込みは一息届かずの4、2着と敗れて、晴れ舞台への出走権は手にできなかった。3勝目はオークスも終わった6月初旬の東京戦。そのころのディアマンテには、足しげく厩舎取材に出かけた記者の私も、正直云って関心は薄かった。

報道陣が数多く稲葉幸厩舎を訪れ、馬房の前に立ってきたのは、春に桜花賞、オークスの二冠を制してきた僚馬テイタニヤであり、私もその輪の中の1人だった。無事に暑い夏を過ごしたテイタニヤに、報道陣ばかりでなく、全国ファンも、桜花賞、オークスに次いで新設のエリザベス女王杯のビッグスリーの制覇なるか、期待はがぜん高まってきた。

そんなある日のこと、「テイタニヤもいいが、ひと雨降ればディアマンテも怖いぞ」の声が、陣営から私の耳に飛び込んできた。

白藤賞を勝って3勝目を挙げたディアマンテは、中山競馬場での日本短波賞(現ラジオNIKKEI賞)に出走、後方のままよいところなく7着と敗れ、暑い夏は戦列を離れて鋭気を養ってきた。そして元気に秋を迎えたディアマンテは、エリザベス女王杯への関東予選会ともいえるクイーンSにコマを進めてきた。ここでオークスをテイタニヤの2着と善戦のニッショウダイヤの3着と力走したあと、重馬場での条件戦京葉特別を圧勝。見事1番人気にこたえて、エリザベス女王杯への出走権を手にしたディアマンテ。陣営から「面白いぞ」の声が聞かれてきたのもこのころである。

春先きから華やかなフットライトを浴びてきたテイタニヤ、その影に隠れてまったく目立たなかったディアマンテ。ひと夏越してめきめき頭角を現わしてきた上がり馬。こんな馬には心を動かされるものである。

いまでこそエリザベス女王杯は“3歳以上”の牝馬限定となっているが、当時は“3歳牝馬”限定のレースだった。牡馬の菊花賞に相当する3歳牝馬限定のGⅠ競走を、秋季にも施行しようという意図から、70年に京都競馬距離2400mの「ビクトリアカップ」を創設、75年に英国のエリザベス女王が来日されたのを記念して、翌76年から「エリザベス女王杯」と改称し、新たに第1回の競走として施行している。その初年度の優勝馬がディアマンテである。

このエリザベス女王杯は96年から“3歳以上牝馬”の2200mの競走に衣替え、同じ年に3歳牝馬三冠の最終関門となる2000mの「秋華賞」が新設され、こんにちに至っている。

テイタニヤの三冠なるか、注目された第1回のエリザベス女王杯。むろん1番人気はテイタニヤ、2番人気はクイーンS優勝のニッショウダイヤ、3番人気は桜花賞1番人気で7着と期待を裏切ったスカッシュソロンで、春の実績が重視されたか、夏を境に急成長のディアマンテは、8番目と人気は低かった。

しかし前夜の雨は上がったが、馬場は回復せず稍重。オークス3着馬シービークインの逃げを、ミナガワイチが早めに交わして、人気のテイタニヤは中団、ニッショウダイヤは後方から2番手、その前にディアマンテという位置どりで、レースは坂を下って勝負どころの4コーナーへ。あと1ハロンで馬群を鋭く割って先頭に踊り出たディアマンテ、外へ持ち出したテイタニヤは伸びを欠き、後方から中を割ったニッショウダイヤを、2馬身振り切るディアマンテの圧勝だった。三冠の夢破れたテイタニヤは、内を突いたフジエクスプレスに頭差届かずの4着と敗れている。

第1回の覇者として記録の1頁にその名を残したディアマンテ。その後は牡馬相手の重賞挑戦で苦戦が続き、4歳秋の福島記念を勝ったあと、5歳春のオープン戦9着をラストランに、ターフを去って繁殖入りしている。戦績は28戦6勝。その勝ち星すべてが“稍重”“重”馬場という道悪巧者だった。エリザベス女王杯前に陣営から聞こえてきた「ひと雨降れば」のひと言は、いまなお強く胸に刻み込まれているが、エリザベス女王杯を迎えると、あの日あのときのディアマンテが懐かしく思い出されてくる。

晩年は“功労馬のふるさと”と親しまれている北海道は白老町にある「イーハトーヴ・オーシャンファーム」で余世を過ごしていたが、平成11年に26歳の高齢で天国に旅立っている。

 

ディアマンテ号の血統

ディアマンテ
黒鹿毛 1973年生
トピオ
黒鹿毛 1964年生
Fine Top
1949年生
Fine Art
Toupie
Deliriosa
1956年生
Delirium
La Fougueuse
アテナ
鹿毛 1965年生
パーソロン
1960年生
Milesian
Paleo
クレイギバーン
1949年生
Roussel Water
Mirthful

ライタープロフィール

原 良馬 (はら りょうま)

1933年10月生まれ、群馬県出身。デイリースポーツ東京本社、中央競馬の予想記者担当を経て、独立。競馬ジャーナリスト活動を本格化した。ラジオNIKKEI『中央競馬実況中継・土曜日午前中』、テレビ東京『ウイニング競馬』のレギュラー解説、また雑誌の競馬コラムや美浦トレーニング・センターで行われるGIレース公開調教会の司会進行なども担当している。

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