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競馬かわらVAN(リレーコラム)

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第75回 レッドディザイアと松永幹夫調教師

2009/10/26(月)

秋華賞のレース後、松永幹夫調教師(42)は何人の人と握手をしただろうか。

松永調教師2009年(平成21年)秋華賞 表彰式

管理するレッドディザイアが激戦を制し、厩舎を開業して3年目でGTのタイトルを手に入れた。誰からも慕われる松永調教師のもとには、次から次へと祝福の人が訪れた。

牝馬3冠のかかった最終戦で見せた執念の優勝だった。桜花賞、オークスともにレッドディザイアはブエナビスタの末脚に屈して、いずれも2着。桜花賞は半馬身差、オークスが鼻差という接戦だっただけに、悔しさはよけいに膨らんだ。

秋華賞後の勝利者インタビューで松永調教師は正直に胸の内を語った。「ローズSで負けてよかったというか、あれがあったから思い切った仕上げができたと思います」

敗れたオークスから4カ月ぶりの実戦となった秋初戦のローズSで、レッドディザイアは体重を10キロ増やし、494キロで出走した。松永調教師の頭の中には当然、その次に来る秋華賞のことがあった。

またブエナビスタ不在のローズSなら、少しぐらい仕上がりが遅れていても、レッドディザイアの実力があれば勝ってくれるだろうという「過信」もあった。

結果はブロードストリートのレコード勝ちの快走の前に首差及ばず、また2着になり、重賞初制覇というチャンスを逃した。

「あの状態でローズSを勝っていたら、今回も馬なりの調教でレースを迎えていたと思います」。ローズSの敗戦で松永調教師の気持ちは引き締まった。中途半端な状態で秋華賞に出走させることはしない、目いっぱいの仕上げで臨む。

レッドディザイア2009年(平成21年)秋華賞

堅い決意はレース4日前の10月14日、坂路での追い切りに表れた。レッドディザイアは同じ厩舎のスマートソロモンを先行させ、後ろから追いかけた。これまでレース直前の追い切りを併せ馬でやったことはなかったが、今回はオーバーワークのリスクを冒し、心を鬼にして愛馬を鍛え抜いた。ゴールでは併せたスマートソロモンに大きく先着した。4ハロン50秒2というタイムは、レース直前のタイムとしては自己最速だった。

秋華賞当日、レッドディザイアの体重は480キロ。ローズSから14キロものシェイプアップをしてレースに挑み、見事に栄冠を手にした。ためらうことなく「攻撃的」な騎乗をした四位騎手の積極プレーも大きな勝因になった。

松永調教師は熊本県出身。競馬学校騎手課程の2期生として86年に騎手デビューした。横山典弘騎手らが同期となる。初白星はデビュー4週目の阪神競馬場。ツルマイスワローという牝馬に乗って記録した。3年目の88年、牝馬のサザンビーナスに騎乗して函館3歳S(現函館2歳S)を制したのが重賞初制覇となった。

松永調教師の競馬人生では節目節目に牝馬が登場する。初めてのGT勝利は91年のオークス。イソノルーブルで2400メートルを逃げ切った。イソノルーブルは1番人気に支持された桜花賞で不運な敗戦を喫した。レース直前に右前脚の蹄鉄が外れていることがわかった。すぐに打ち直しが試みられたが、激しい性格のイソノルーブルは言うことを聞かず、「裸足」のまま走り、5着に終わっていた。そのうっぷんを見事に晴らした。

松永騎手のGT2勝目はファビラスラフインに騎乗した96年の秋華賞だった。これが記念すべき秋華賞の第1回。その時の優勝騎手が今年、優勝調教師となったわけだ。

ヘヴンリーロマンス2005年(平成17年)天皇賞(秋)

06年の現役引退までに97年桜花賞(キョウエイマーチ)、00年桜花賞(チアズグレイス)、00年エリザベス女王杯(ファレノプシス)、05年天皇賞・秋(ヘヴンリーロマンス)と、さらにGT競走で4勝を加え、計6勝でステッキを置いたが、その6勝すべてが牝馬によるものだった。

そして騎手生活最後の日となった06年2月26日、最後の重賞レースだった阪急杯をブルーショットガンで優勝すると、直後の最終レースもフィールドルージュで快勝。JRAでの通算勝利を1400という区切りの数字にした。「競馬の神様が降りてきました」と喜びを表現した。

初勝利、初重賞、そして全GT勝利がすべて牝馬。甘いマスクで女性ファンにも人気のある松永調教師だが、レースでも牝馬に愛されているようだ。

調教師試験に合格した直後、松永調教師にロングインタビューしたことがある。その中で強烈に印象に残っている言葉がある。「厩舎を繁栄させるためなら土下座もできます」という言葉だ。騎手として一流の実績を残しているが、調教師としてはゼロからのスタート。そんな覚悟を感じさせた。

開業して3年目の今年、ダンスアジョイで小倉記念を制して調教師初重賞。さらにサンダルフォンで北九州記念にも勝った。そして一気にGTトレーナーの称号も手に入れた。厩舎のために全力を尽くしてきた成果が形となって表れた。

レッドディザイアの今後の予定を問われた松永調教師は間髪を入れずに答えた。「ブエナビスタが出走するレースを使いたいと思っています。まだ3歳女王になったわけじゃありませんから」

レッドディザイアとブエナビスタの対戦成績は1勝2敗。まだブエナビスタがリードしている。直接対決でもう一度先着し、対戦成績を五分に持っていきたいというのが松永調教師の願いだ。

秋華賞のブエナビスタは残念なことに3着降着という結果になったが、レースで見せたレッドディザイアとの名勝負は強烈な印象を残した。

ウオッカとダイワスカーレットのように、ブエナビスタとレッドディザイアもレベルの高い同期のライバル牝馬として、これからも名勝負を繰り返してくれそうだ。

ライタープロフィール

有吉 正徳 (ありよし まさのり)

1957年1月生まれ、福岡県出身。1984年東京中日スポーツ入社、競馬を担当。92年朝日新聞社入社。東京本社運動部(現スポーツ部)、大阪本社スポーツ部で競馬、サッカー、アメリンカンフットボールなどを取材。02年10月から半年間、英国に留学、現在は東京本社スポーツグループに所属。

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