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競馬かわらVAN(リレーコラム)

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第59回 ジンクス

2009/7/6(月)

6月下旬、「競馬のジンクス」について考えさせられることが続いた。

まずは帝王賞だった。6月24日の東京・大井競馬場は昼間に降っていた雨があがり、レースが行われる午後8時前には傘の必要もなくなっていた。ファンには絶好のコンディションで第32回帝王賞(ダート2000メートル)を迎えた。

1着賞金7000万円のダートグレードJpnTには、過去3年の優勝馬が顔をそろえていた。06年の覇者アジュディミツオー(牡8歳、船橋・川島正行厩舎)、07年の王者ボンネビルレコード(牡7歳、美浦・堀井雅広厩舎)、そして08年の優勝馬フリオーソ(牡5歳、船橋・川島正行厩舎)である。

ところが帝王賞には有名なジンクスがあった。「帝王賞に連覇なし」。春のダート王を決める一戦で過去に連覇を果たした馬は1頭もいない。さらにいえば、88年と91年の2度頂点に立ったチヤンピオンスター以外に帝王賞を2度制した馬も存在しないのだ。つまりフリオーソ、ボンネビルレコード、アジュディミツオーにとっては12頭のライバル以外に「ジンクス」との闘いが立ちはだかっていた。

ヴァーミリアン 2009年(平成21年)帝王賞

レースは石崎隆之騎手を背にしたアジュディミツオーが思い切って逃げる展開で始まった。しかし、その逃げも3コーナー手前まで。直後を進んでいたフリオーソとヴァーミリアン(牡7歳、栗東・石坂正厩舎)が並ぶ間もなくかわしていくと、最後の直線はこの2頭のマッチレースになった。ヴァーミリアン優勝、2着フリオーソ、3着ボンネビルレコード、逃げたアジュディミツオーは10着に沈んだ。

過去2年、春はドバイ・ワールドカップに遠征していたためヴァーミリアンはこれが帝王賞初挑戦だった。そして優勝経験のある3頭を尻目にフリオーソ以下に3馬身の差をつけて圧勝した。

帝王賞の4日後、阪神競馬場では第50回宝塚記念が行われた。

ドリームジャーニー 2009年(平成21年)宝塚記念

この宝塚記念にも「ジンクス」が存在していた。「宝塚記念に父子制覇なし」というジンクスである。優勝馬を父に持つ何頭かの息子が宝塚記念に挑みながら、まだ優勝を果たしていない。唯一記録されている親子2代制覇は66年に優勝したエイトクラウンを母に持つナオキが75年に優勝した「母と息子」によるものだけだった。

今年はグラスワンダー(99年優勝)の息子であるサクラメガワンダー(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)とスクリーンヒーロー(牡5歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)、マーベラスサンデー(97年優勝)の息子スマートギア(牡4歳、栗東・佐山優厩舎)の3組が宝塚記念のジンクスに挑んだ。結果はサクラメガワンダーの2着が最高でスクリーンヒーローは5着、スマートギアは8着とジンクス破りは来年以降の宿題として残された。

ジンクスには意味のあるジンクスと意味のないジンクスがあると思う。

時に「○○ステークスは8文字馬名が勝てない」といったたぐいのジンクスを見ることがあるが、これは意味のないジンクスだと思う。レースの本質と何ら関係がなく、もし10年もそのジンクスが続いていたとしても信用する必要はない。軽い話題ぐらいに受け止めておけばいいと思う。

逆に意味のあるジンクスとは、どんなものだろうか。僕が思いつく中では「青葉賞組はダービーで優勝できない」というものがある。これは無視できない。

ダービートライアルとして定着した青葉賞(GU、芝2400メートル)は、ダービー指定オープンとして84年に創設された。ダービーと同じ競馬場の同じ距離で行われる青葉賞は絶好のステップレースと考えられている。ところが今年を含めた26年間、青葉賞をステップにしたグループからはただの1頭もダービー優勝馬が誕生していない。

4半世紀以上の歴史を重ねながら、そのジンクスが破られていない事実は重い。このジンクスに関して、僕なりに出した結論は、この時期の3歳馬にとっては厳しすぎるローテーションだろうというものだ。

青葉賞は通常、ダービーの4週間前に行われる。ただでさえ過酷といわれる東京競馬場の芝2400メートルを短期間のうちに2回走らなければならない。青葉賞に出走するほとんどの出走馬はその時点でダービーの出走権を持っていない。優先出走権を得ることのできる3着以内を目指し、全力を振り絞って疾走する。狙い通りに出走権を得たら、4週間後にまたダービーに挑む。ダービーでは青葉賞以上に強力なライバルが待っている。改めて考えてみると、青葉賞組の前にはかなり高いハードルが立ちはだかっていることがわかる。

こうした視点で帝王賞と宝塚記念のジンクスを考えてみる。

春のダート王者を決める帝王賞はやはりレベルが高いのだ。ダート路線は芝の路線に比べると、勢力図がはっきりしている感じはあるが、それでも頂点を狙うレースとなれば様相は変わる。次から次へと若い才能が現れ、王者が王者であるためには、相当な上積みがなければならない。

宝塚記念の父子2代制覇は近い将来、達成され、ジンクスは破られるだろうと思う。それは日本の種牡馬事情に変化が見られるからだ。

アグネスタキオン 2001年(平成13年)皐月賞

先日、アグネスタキオンが11歳の若さで急死した。アグネスタキオンは昨年、産駒が中央競馬で129勝、賞金総額33億円あまりを稼ぎ、種牡馬ナンバーワンの座に就いた。日本で生まれた内国産種牡馬が種牡馬ナンバーワンの座に就いたのはクモハタ以来51年ぶりの快挙だった。

クモハタの後はヒンドスタン、ネヴァービート、パーソロン、テスコボーイ、ノーザンテースト、サンデーサイレンスなどの外国産種牡馬が首位の座を占めてきた。

アグネスタキオン、フジキセキ、ダンスインザダークなどの内国産種牡馬がランキングの上位を占めるようになったのは、つい最近のことだ。宝塚記念はこうした種牡馬の勢力図の影響をもっとも受けていたと考えられる。今年2歳になったタップダンスシチー産駒をはじめディープインパクト、アドマイヤムーンら宝塚記念で優勝した種牡馬の2世が未来の競走馬を目指して準備を進めている。

ライタープロフィール

有吉 正徳 (ありよし まさのり)

1957年1月生まれ、福岡県出身。1984年東京中日スポーツ入社、競馬を担当。92年朝日新聞社入社。東京本社運動部(現スポーツ部)、大阪本社スポーツ部で競馬、サッカー、アメリンカンフットボールなどを取材。02年10月から半年間、英国に留学、現在は東京本社スポーツグループに所属。

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