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競馬かわらVAN(リレーコラム)

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第31回 牝馬が鍵を握る有馬記念

2008/12/22(月)

有馬記念の本命は、昨年2着の雪辱を期すダイワスカーレットと決めている。

2着に敗れたとはいえ、天皇賞・秋の記録を分析すればするほど、その卓越したスピード能力が浮き彫りになるからだ。彼女は天皇賞・秋で前半1000メートル通過58秒7というハイラップを踏んで逃げた。しかも後半、ペースを落とすどころか、上げてみせた。後半1000メートルのラップは驚異の58秒5。3コーナー手前で2番手のトーセンキャプテンにからまれたこと、大阪杯後、約7カ月の休養理由が脚部不安だったことを考慮すれば、あきれるしかない素晴らしいパフォーマンスだ。

2002年から03年にかけての工事により、東京競馬場は大幅にコースが改修された。改修後の03年4月以降、08年11月までの5年間で、芝2000メートルのコースで、合わせて198のレースが行われた。

このうち前半の1000メートル通過タイムが59秒を切ったのは、14レースしかない。もちろん今年の天皇賞・秋も、この中に含まれている。さらに優勝タイムが2分を切ったレースに絞り込むと、それは8レースに減る。天皇賞・秋を除く7レースで逃げた馬がどんな着順で、勝ち馬からどれほど離されてゴールインしたかを拾い上げてみる。

古い順に並べると、03年天皇賞・秋は13着で1秒7、05年オリエンタル賞は14着で2秒5、06年府中Sは8着で1秒7、06年天皇賞・秋は15着で2秒4、07年白富士Sは8着で1秒3、07年金峰山特別は7着で0秒7、07年秩父特別は最下位15着で4秒4ということになる。

ウオッカ
2008年(平成20年)年天皇賞(秋)

どれだけ頑張っても勝ち馬から0秒7差、着差にすれば約4馬身は離されてしまう。これぐらいのハイペースで行ったら、東京競馬場の芝2000メートルでは逃げつぶれるのがふつうなのだ。そんな不利な展開になったにもかかわらず、ダイワスカーレットはウオッカの2着。それも着差約2センチという微差だった。勝ったに等しい内容である。

消耗を避けてジャパンカップを自重。短期放牧をしたローテーションもいい。充電たっぷりで臨む有馬記念では、自信の本命馬にしようと心に決めていた。

ところが、有馬記念が近づくにつれて、僕の中に「弱気の虫」がはい出してきた。過去のデータというやつに惑わされてしまう。牝馬は有馬記念に弱いのだ。ダイワスカーレットで大丈夫だろうか。牝馬苦戦の歴史はもう、36年も続いている。

過去52回を数える有馬記念で、牝馬の優勝はわずかに3回。1959年のガーネツト、60年のスターロツチ、そして71年のトウメイである。だがトウメイの勝ち星を最後に72年以降、昨年までの36回で、のべ63頭の牝馬が有馬記念に出走しているが、優勝の栄冠に届いた例はない。

3着以内に健闘した例を拾い上げても、すぐにリストアップを終えてしまう。59年ガーネツト優勝、60年スターロツチ優勝、63年トキクイン3着、64年トースト2着、71年トウメイ優勝、73年ニットウチドリ2着、78年インターグロリア2着、94年ヒシアマゾン2着、97年エアグルーヴ3着、01年トゥザヴィクトリー3着、07年ダイワスカーレット2着の11回を数えるのみである。

だが、過去の歴史とは逆にダイワスカーレット本命を後押しするデータもある。今年は牝馬の当たり年なのである。

スリープレスナイト
2008年(平成20年)スプリンターズステークス ブルーメンブラット
2008年(平成20年)マイルチャンピオンシップ

牡馬と牝馬が同じ舞台で戦うGTレースで今年、牝馬は4勝も挙げている。ウオッカが安田記念と天皇賞・秋の2レースを制し、スリープレスナイトがスプリンターズSで優勝した。そしてブルーメンブラットがマイルチャンピオンシップでスーパーホーネット以下を下した。84年に重賞レースのグレード制が導入されて以降、同じケースで牝馬がGTを3勝した年はあったけれども、4勝となると、初めてだ。

ウオッカのダービー制覇やピンクカメオのNHKマイルカップ優勝、アストンマーチャンのスプリンターズS制覇などに象徴されるように、昨年も牝馬が大活躍した1年であった。それでも、牡馬と同じ条件の平地重賞レースでは13勝にとどまった。今年は12月14日の時点で、すでに14勝。早くも昨年を上回る実績を残している。

牝馬が強かったという点では、日本と欧州は共通していた。日本からもメイショウサムソンが出走した第87回凱旋門賞(10月5日、パリ・ロンシャン競馬場)で優勝をさらったのは3歳牝馬のザルカヴァだった。これで7戦7勝。無敗のまま現役生活にピリオドを打った。

1番人気に支持されたとはいえ、ザルカヴァにも死角はあった。それまでの6戦がすべて牝馬同士のレースだったこと、血統的に2400メートルの距離ではスタミナ不足がささやかれていたこと、そして実績のない1番枠からのスタートといくつもの試練が待っていた。

けれどもザルカヴァは自らの力で、こうした不安を克服し、現役最後にして最大のレースを見事に白星で飾った。

ブエナビスタ
2008年(平成20年)阪神ジュベナイルフィリーズ

14日に行われた2歳女王決定戦の阪神ジュベナイルフィリーズはブエナビスタの完勝で終わった。その圧倒的な内容に「来年は皐月賞、ダービー路線に進んでは」と期待する声が上がった。気の早い人は「女性版ディープインパクト」「和製ザルカヴァ」と呼び始めている。

有馬記念は時代を映す鏡ともいわれる。牝馬が強かった1年の総決算。有馬記念ではダイワスカーレットの歴史に残る快走を期待しながら、もう1頭の牝馬カワカミプリンセスにも注目しておきたい。




ダイワスカーレット 血統

ダイワスカーレット
栗毛 2004年生
アグネスタキオン
栗毛 1998年生
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986年生
Halo
Wishing Well
アグネスフローラ
鹿毛 1987年生
ロイヤルスキー
アグネスレディー
スカーレットブーケ
栗毛 1988年生
ノーザンテースト
1971年生
Nothern Dancer
Lady Victoria
スカーレットインク
1971年生
Crimson Satan
Consentida

 

ダイワスカーレット 成績

開催日
開催場
競走名
着順
騎手
コース
タイム
2006/11/19
京都
2歳新馬
1
安藤勝己 芝2000 2.04.1
2006/12/16
中京
中京2歳S
1
安藤勝己 芝1800 1.47.8
2007/1/8
京都
シンザン記念
2
安藤勝己 芝1600 1.35.3
2008/3/3
阪神
チューリップ賞
2
安藤勝己 芝1600 1.33.7
2007/4/8
阪神
桜花賞
1
安藤勝己 芝1600 1.33.7
2007/9/16
阪神
ローズS
1
安藤勝己 芝1800 1.46.1
2007/10/14
京都
秋華賞
1
安藤勝己 芝2000 1.59.1
2007/11/11
京都
エリザベス女王杯
1
安藤勝己 芝2200 2.11.9
2007/12/23
中山
有馬記念
2
安藤勝己 芝2500 2.33.8
2008/4/6
阪神
産経大阪杯
1
安藤勝己 芝2000 1.58.7
2008/11/2
東京
天皇賞(秋)
2
安藤勝己 芝2000 1.57.2
※2008年12月22日現在

ライタープロフィール

有吉 正徳 (ありよし まさのり)

1957年1月生まれ、福岡県出身。1984年東京中日スポーツ入社、競馬を担当。92年朝日新聞社入社。東京本社運動部(現スポーツ部)、大阪本社スポーツ部で競馬、サッカー、アメリンカンフットボールなどを取材。02年10月から半年間、英国に留学、現在は東京本社スポーツグループに所属。

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