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競馬かわらVAN(リレーコラム)

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第27回 忘れられない名勝負、天皇賞

2008/11/24(月)

何度、映像を見直しても、秋の天皇賞は素晴らしいレースだったと思う。10年に1度あるかないかの名勝負といっていい。

レースは安藤勝己騎手を背にしたダイワスカーレットが、すっと先頭に飛び出して始まった。すぐにキングストレイルが追いかけようとするが、ダイワスカーレットのスピードが勝る。向こう正面に入ったところで独走態勢に入る。しかしライバルもだまってはいない。ペリエ騎手のトーセンキャプテンが外からダイワスカーレットに競りかけていく。

先頭を行くダイワスカーレットはスタートから800メートルの地点を47秒1で通過した。ゲートを出てから、200メートルごとに12秒6、11秒1、11秒5というラップを刻んだ。600メートル地点から800地点までの200メートルでは11秒9までペースを落としたが、トーセンキャプテンが競りかけてきたことによって、次の200メートルでは再び11秒6へとピッチを上げなければならなかった。残り1200メートルからのスパート。思惑よりも少し早めに仕掛けなければならなかった。結果的に、ここに安藤騎手の誤算があったかもしれない。

1400メートル通過1分22秒0。コースが改修された2003年以降、東京競馬場の芝2000メートルで行われた191レースの中でこれ以上速いペースになったのは03年秋の天皇賞1レースだけしかない。直線に入った。このハイペースに、さすがのダイワスカーレットも脚色が鈍ったかに見えた。だが、そこからが真骨頂だった。いったんは武豊騎手のウオッカ、四位洋文騎手のディープスカイの末脚に先を譲りながら、再び「二の脚」を繰り出した。粘りに粘った。死力を尽くしたウオッカとダイワスカーレットの競り合い。最後の200メートルは互いに12秒6までラップを落とした。最後の最後まで力を振り絞った結果だった。

2008年(平成20年) 天皇賞(秋)2008年(平成20年) 天皇賞(秋)

長い写真判定の末、わずか2センチの差で軍配はウオッカに上がった。このレースを名勝負へと変えた最大の功労者はダイワスカーレットだった。大阪杯以来7カ月ぶりという不利を克服しての快走はいくらほめても、ほめすぎることはない。予定通り、有馬記念に出走してきた時には熱烈に応援したいと今から思っている。

しかし勝ったウオッカにも頭が下がった。優勝タイムの1分57秒2は、03年にシンボリクリスエスが秋の天皇賞で記録した1分58秒0を、0秒8も更新するコースレコードとなった。また秋の天皇賞が2000メートルで行われるようになってから、エアグルーヴ(97年)、ヘヴンリーロマンス(05年)に続く3頭目の優勝牝馬となった。

これでGⅠ競走は4勝目だ。最初のタイトルは2歳時の阪神ジュベナイルフィリーズだった。そして3歳時のダービー。その後、スランプに陥った時期もあったが、今年6月の安田記念で完全復活。そして秋の天皇賞へとつなげた。

日本中央競馬会(JRA)が重賞レースの格付けをするグレード制を導入した84年以降、JRAのGⅠ競走をもっとも数多く制したのはシンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクトの3頭で、優勝回数は「7」。これに続くのがナリタブライアン、メジロドーベル、ダイワメジャーの5勝だ。GⅠ競走4勝馬は秋の天皇賞が終了した時点で、ウオッカのほかにはオグリキャップ、メジロマックイーン、トウカイテイオー、マヤノトップガン、タイキシャトル、グラスワンダー、スペシャルウィーク、アグネスデジタル、シンボリクリスエス、メイショウサムソンの10頭を数えるのみである。

ウオッカはまたGⅠ競走4勝のうち3勝を牡馬を相手にして勝ち得た点が特筆される。GⅠ競走4勝以上の17頭で牝馬はメジロドーベルとウオッカの2頭しかいないが、メジロドーベルの5勝はすべて牝馬限定戦でのもの。内容ではウオッカが上回っている。

また、この3勝をすべて東京競馬場で挙げている点もすごい。東京競馬場でGⅠ競走3勝というのは最多タイ記録で、過去にヤマニンゼファー(安田記念2勝、天皇賞・秋)、スペシャルウィーク(ダービー、天皇賞・秋、ジャパンカップ)、アグネスデジタル(天皇賞・秋、フェブラリーS、安田記念)の3頭しかいない。しかもウオッカの場合、ダービー(2400メートル)、安田記念(1600メートル)、天皇賞・秋(2000メートル)と東京競馬場の「芝の基本距離」を完全制覇したことになる。これは史上初の快挙である。

この天皇賞では、コース外でも珍記録が誕生していた。8種類ある的中馬券がすべて人気サイドで収まったのだ。ウオッカの単勝270円。ウオッカとダイワスカーレットの馬連550円、馬単1050円。3着のディープスカイを加えた3連複710円、3連単3250円はどれも1番人気。複勝も順に120円、130円、150円と1、2、3番人気。ワイドも220円、280円、360円ときれいに1〜3番人気で収まった。3連単の発売が始まった04年以降、こんなケースはGⅠ競走史上初の出来事だった。

さて今週はジャパンカップ。ダイワスカーレットこそ出走しないが、外国馬4頭を迎え撃つ日本勢は、それでも超のつく強力布陣だ。天皇賞優勝のウオッカと、3着ディープスカイに加え、凱旋門賞から帰国したメイショウサムソンが参戦し、日本競馬史上初めて3世代のダービー馬がそろい踏みをする。

この3頭に加え、オウケンブルースリ、アサクサキングスという新旧の菊花賞馬、昨年の有馬記念を制したマツリダゴッホが出走の構えだ。ぜいたくきわまりないメンバーがそろった。はじめに天皇賞を「10年に1度あるかないかの名勝負」と書いたが、ひょっとしたらジャパンカップが、それを軽く超えるかもしれない。絶対に見逃してはいけないレースだ。

 

2008年11月2日 第138回天皇賞(秋)

着順
枠番
馬番
馬名
性齢
斤量
騎手
タイム
着差
調教師
1
7
14
ウオッカ
牝4
56
武豊 1.57.2
角居勝彦
2
4
7
ダイワスカーレット
牝4
56
安藤勝己 1.57.2
ハナ
松田国英
3
1
2
ディープスカイ
牡3
56
四位洋文 1.57.2
クビ
昆貢
4
8
16
カンパニー
牡7
58
横山典弘 1.57.2
ハナ
音無秀孝
5
2
3
エアシェイディ
牡7
58
後藤浩輝 1.57.3
クビ
伊藤正徳
6
3
5
サクラメガワンダー
牡5
58
福永祐一 1.57.5
1
友道康夫
7
7
13
オースミグラスワン
牡6
58
蛯名正義 1.57.5
アタマ
荒川義之
8
1
1
アサクサキングス
牡4
58
藤岡佑介 1.57.7
1 1/2
大久保龍志
9
5
10
キングストレイル
牡6
58
北村宏司 1.57.7
ハナ
藤沢和雄
10
8
17
ドリームジャーニー
牡4
58
池添謙一 1.58.0
1 3/4
池江泰寿
11
5
9
アドマイヤフジ
牡6
58
川田将雅 1.58.0
ハナ
橋田満
12
2
4
アドマイヤモナーク
牡7
58
岩田康誠 1.58.2
1 1/2
松田博資
13
3
6
エリモハリアー
せん8
58
吉田豊 1.58.3
クビ
田所英孝
14
4
8
ポップロック
牡7
58
内田博幸 1.58.3
クビ
角居勝彦
15
6
11
ハイアーゲーム
牡7
58
柴田善臣 1.58.4
3/4
大久保洋吉
16
8
15
トーセンキャプテン
牡4
58
ペリエ 1.58.6
1
角居勝彦
17
6
12
タスカータソルテ
牡4
58
ルメール 1.58.8
1
藤原英昭

ライタープロフィール

有吉 正徳 (ありよし まさのり)

1957年1月生まれ、福岡県出身。1984年東京中日スポーツ入社、競馬を担当。92年朝日新聞社入社。東京本社運動部(現スポーツ部)、大阪本社スポーツ部で競馬、サッカー、アメリンカンフットボールなどを取材。02年10月から半年間、英国に留学、現在は東京本社スポーツグループに所属。

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