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第25回 心に残る名馬たちNo.7 トウショウボーイ

2008/11/10(月)

トウショウボーイのラストランに、ライバルだったテンポイントが闘志をむき出しにして、スタートからゴールまでがぶり四つに組んでマッチレースを演じた昭和52年暮れの有馬記念は、30年も経ったいまでも忘れることのできない名勝負として、私の心に深く刻み込まれているが、人気を分けた3強のゴール前の攻防に、スタンドは興奮、感動、酔いしれたこの秋の天皇賞も、多くのファンの心に残る名勝負として、20年後、30年後まで語り継がれていくことだろう。

 

逃げたダイワスカーレットに襲いかかったウオッカとディープスカイ、長い長い写真判定となった鼻、首差の大接戦は、今後のビッグレースを観戦するたびに、目の前に浮かんでは消え、何度となく思い出されてくるだろう。

 

長い長い写真判定といえば、古くはタケホープがハイセイコーを鼻差捕らえていた昭和48年の菊花賞を、そして最近では人気を分けたグラスワンダー、スペシャルウィークのわずか4cm攻防となった平成11年の有馬記念が思い出されてくる。

感動の名勝負、名場面、そしてそこで華やかなフットライトを浴びてきた名馬たちは、決して忘れることはできず、いつまでもわれわれファンの心の中で走り続けているのである。

トウショウボーイ1977(昭和52年) 有馬記念

前回のこのコラムで取り上げたのは、悲運な名馬と知られる“貴公子”テンポイントだが、その終生のライバルとして全国ファンの人気を二分して、スタンドを大いに盛り上げてきたのが、“天馬”と呼ばれ多くのファンから愛され親しまれてきた、“華麗なる一族の申し子”トウショウボーイである。

私がこのトウショウボーイに初めて会ったのは、まだデビュー前の2歳の春だった。そのころは勝ち星を積み重ねて、“クラシック候補”とがぜん注目を集めはじめたカブラヤオーを取材に、茂木厩舎に足しげく通う毎日だった。

そんなある日のこと、「保田さん(厩舎)とこへ入った2歳馬を見てきたかい?来年のダービー馬だから、いまからマークしておいたほうがいいよ」、親しくしていた茂木厩舎の堀口厩務員が、声をかけてきた。

中山記念など重賞3勝を含む9勝を挙げたトウショウピット、重賞勝ちはないが同じように9勝のトウショウプリンス。このトウショウボーイの兄の2頭を世話してきた堀口さん、オーナーや牧場の人たちとの関係も深くトウショウボーイには生まれたときから、強い関心を寄せてきていた。

保田厩舎ならメジロアサマが天皇賞を勝ったときから、何度となく取材に足を運んだ厩舎である。しかし私が馬房を訪ねて2週後には、トウショウボーイは牧場へ帰ってしまった。

1歳上の姉ソシアルトウショウが、1勝馬ながらオークスに出走して、テスコガビーの2着と力走、その血すじのよさにますます期待は高まる弟トウショウボーイ。しかし「腰が甘い馬で、馬場へ入ると腰を落としたり・・・。見映えはするこれほどの良血馬だから、いいかげんな状態では出せない、無理せずに腰を完全に治してから」と、保田隆芳調教師が決断しての放牧だった。

北海道シリーズ遠征馬とともに9月末には府中の厩舎に帰ってきたトウショウボーイだったが、デビュー戦は年明けての3歳の1月31日と大幅に遅れていた。

そのころライバルのテンポイントはというと、2歳夏の函館戦からデビュー、杉本清アナウンサーが「見てくれこの脚!これが関西の期待テンポイントだ!」と絶叫した阪神3歳S(現阪神JF)を7馬身差で圧勝、土つかずの3連勝で新たな年を迎えている。

18番の大外枠に入った東京1400m芝コースでのトウショウボーイのデビュー戦だったが、500sを超す巨体から繰り出すスピードは圧巻、常に先頭を奪って坂のある長い直線を一気に駈け上がって、2着馬を3馬身突き放しての快勝だった。

トウショウボーイ1976年(昭和51年) 皐月賞

4戦目の皐月賞でテンポイントを5馬身離して早くも一冠制覇を果たしたトウショウボーイ、以後の戦績は周知のとおり、4歳暮れの有馬記念を最後に、2年足らずの競走生活にピリオドを打ってターフを去っていったが、この間の戦績は15戦10勝2着3回。種牡馬になってからも、三冠馬ミスターシービーはじめ、多くのGIウイナーを輩出するなど、華やかなフットライトを浴びてきたトウショウボーイだったが、保田調教師、担当の長沼厩務員には、人知れぬ苦労の日々だったようである。

「いまだから話せるが、パンとして状態で使えたというレースは一度もなかった。腰が弱かった馬だから、脚元がもつだろうか。こんな大きな体を支えていけるだろうかと、心配しながらの調教だったし、使い出してからもおっかなびっくり。腰が治ったと思ったら肩を痛めて、そのあと深管を気にしはじめたり。引退するまで“これなら”と自信をもって送り出せた記憶はないね。しかし素質のよさ、能力の高さだろうか。自分の体調を感じ取る利口な馬だったから、気になるところがあると、調教でも走るのをやめてしまう。だから骨折という大きな事故もなかったんだろうね」、当時を思い起すようにしみじみ語ってくれた保田調教師。

馬房の前で保田師、長沼厩務員、池上騎手の3人が、いつまでも無言のまま心配そうに、トウショウボーイの脚元を見守る光景を目にしてきたものである。

必ずしも順風満帆とはいかなかった競走生活。むろんテンポイントと死闘を演じたラストラン有馬記念が、心に残る名勝負として思い出されてくるが、勝ち星には結びつかなかったものの、差し返す根性を見せた日本ダービー、出遅れながら古馬グレートセイカンに首差つめ寄ったダービー後の札幌記念2着も、いま鮮明によみがえってくる。

姉ソシアルトウショウからエイティトウショウが、エイティトウショウからマザートウショウが、また妹ガールトウショウには孫のトウショウファルコがと、その華麗なるファミリーは多くのファンの心の中で、いまでも走り続けていることだろう。

 

トウショウボーイの血統

トウショウボーイ
鹿毛 1973年生
テスコボーイ
黒鹿毛 1963年生
Princely Gift
1951年生
Nasrullah
Blue Gem
Suncourt
1952年生
Hyperion
Inquisition
ソシアルバターフライ
鹿毛 1957年生
Your Host
1947年生
Alibhai
Boudoir
Wisteria
1948年生
Easton
Blue Cyprus

 

トウショウボーイの成績

開催日 開催場 競走名 着順 騎手 コース タイム
1976/1/31
東京
4歳新馬
1
池上昌弘
芝1400 1.24.7
1976/2/22
東京
つくし賞
1
池上昌弘
ダ1400 1.24.8
1976/3/20
中山
れんげ賞
1
池上昌弘
芝1800 1.51.9
1976/4/25
東京
皐月賞
1
池上昌弘
芝2000 2.01.6
1976/5/30
東京
東京優駿
2
池上昌弘
芝2400 2.27.8
1976/7/11
札幌
札幌記念
2
池上昌弘
ダ2000 2.03.5
1976/10/3
阪神
神戸新聞杯
1
福永洋一
芝2000 1.58.9
1976/10/24
阪神
京都新聞杯
1
福永洋一
芝2000 2.02.2
1976/11/14
京都
菊花賞
3
福永洋一
芝3000 3.10.7
1976/12/19
中山
有馬記念
1
武邦彦
芝2500 2.34.0
1977/6/5
阪神
宝塚記念
1
武邦彦
芝2200 2.13.0
1977/6/26
中京
高松宮杯
1
武邦彦
芝2000 2.03.8
1977/10/23
中山
4歳上オープン
1
黛幸弘
芝1600 1.33.6
1977/11/27
東京
天皇賞(秋)
7
武邦彦
芝3200 3.23.8
1977/12/18
中山
有馬記念
2
武邦彦
芝2500 2.35.5

ライタープロフィール

原 良馬 (はら りょうま)

1933年10月生まれ、群馬県出身。デイリースポーツ東京本社、中央競馬の予想記者担当を経て、独立。競馬ジャーナリスト活動を本格化した。ラジオNIKKEI『中央競馬実況中継・土曜日午前中』、テレビ東京『ウイニング競馬』のレギュラー解説、また雑誌の競馬コラムや美浦トレーニング・センターで行われるGIレース公開調教会の司会進行なども担当している。

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