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競馬かわらVAN(リレーコラム)

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第5回 心に残る名馬たちNo.2 天皇賞馬メジロアサマ

2008/6/23(月)

 もう、すっかり忘れてきていた。いや、かなわぬ夢と、あきらめてきていた。あれからすでに、十数年もの歳月が流れているのだから、無理もない。しかしそれが、ここに来て“ひょっとしたら”“いや必ずその日は近い”と思いも新たに、改めて希望が沸いてきた。それはホクトスルタンの力走である。

  「父子4代の天皇賞馬の走りを目の前で、これが私の残された記者生活での願い」――メジロマックイーンがターフを去って種牡馬入りしたとき、だれはばかることなく周囲に公言してきたこの言葉。ホクトスルタンのこのところの活躍ぶりに、機は熟して一気に現実味はおびてきた。

  天皇賞・春の3連覇はならなかったが、菊花賞、宝塚記念など21戦12勝、長距離ランナーとしてファンの信頼にこたえてきたメジロマックイーン。ホクトスルタンはその偉大な父の子である。

  むろんまだ父の域には遠く及ばないが、充実の4歳春を迎えて、その活躍ぶりは目覚ましい。菊花賞6着以来の春3月、中山の準オープン戦を逃げて楽勝したあと、一線級相手の天皇賞・春に挑戦。ここでも果敢に先行して0秒5差の4着。そしてダービーの日に行われた目黒記念では、菊花賞で先着されているライバルのアルナスライン、ロックドゥカンブの追撃を、首差の辛勝ながら振り切っての重賞初制覇である。

  私はこの日は、馬産地は北海道日高の静内で、ウインズファンとともにのダービー、目黒記念観戦となったが、強さが際立ったダービーのディープスカイ同様に、感動、興奮したのが、目黒記念のホクトスルタンのレースぶりだった。いったんは並ばれながら、また突き放したゴール前、その並んで抜かせない勝負根性と粘り腰に、父メジロマックイーンの走りをダブらせ、今後の期待は大と改めて感じとり、“父子4代”の誕生も近いと確信した、ホクトスルタン勝利の瞬間だった。

  思い起こせば駆け出し記者時代のいまから40年ほど前、ホクトスルタンの曽祖父となるメジロアサマとの出会いである。夏競馬開催中の平日の午後、骨折して長いこと戦列を離れている皐月賞馬ワイルドモアを、東京競馬場内の尾形藤吉厩舎に取材に出向いたときだった。 メジロアサマ 1970年天皇賞(秋)1着

  応対してくれたのは、夏競馬は留守番役というダービージョッキーの森安重勝さん。厩舎内の木陰の周囲を、午後の引き運動に汗を流す尾形厩舎の馬たち。ワイルドモアにダービー2、3着のミノル、ハクエイホウ、そして古豪フイニイ。スターホース勢ぞろいの中に、私の目に飛び込んできた1頭の芦毛馬がいた。

  「あれはこの春に保田(隆芳厩舎)さんのところへ移籍したメジロアサマだ。4歳のダービーのころは伸び悩んできたが、5歳になってたくましくなったナ。安田記念も勝ったし、これから遠征する宝塚記念も勝てるだろう。憶えておきな、この馬は」、ぶっきら棒の説明ながら親切心は伝わってきた森安さん。駆け出し記者にはうれしい初仕事だった。

  尾形藤吉厩舎の主戦騎手として活躍してきた保田隆芳さん。騎手を引退して調教師として再出発したのがその年の春、“1棟そっくりの方がやりやすいだろう”と尾形藤吉師の親心で譲り受けた1棟に、メジロアサマをはじめハクマサル、ケンポウなど、オープン馬も少なくなかった。

  函館記念を勝って帰厩してきたメジロアサマ、秋競馬を迎えて私も水、木曜の調教取材日には必ず、メジロアサマの馬房に足を運んできた。

  “パーソロンの子に3200mの距離は長すぎる”と不安視された天皇賞、しかし「状態は相変わらずいいネ」の厩務員の田村さんのひと言は、駆け出し記者には“自信あり”と聞こえてしまい、迷わず◎印を打って応援したメジロアサマだった。

  結果は1,2番人気のアカネテンリュウ、フイニイを3、2着に抑えてのメジロアサマの優勝だった。記者席で初めて観戦した今でいうGIレース、それも◎印がまっ先にゴールである。昭和45年11月29日、天皇賞馬メジロアサマの誕生である。あの日あのときの感激は、決して忘れることはないだろう。私の競馬記者生活のスタートともいえるサラブレッドの1頭であり、強く心に残る名馬である。

  種牡馬として再スタートしたメジロアサマ、しかし受精能力が低く、産駒には恵まれなかった。産駒頭数はわずかの19頭だったという。だがその優れた血は1頭のサラブレッドが受け継いできた。メジロティターンがそれである。4歳夏の函館戦で2連勝して、帰京後のセントライト記念で重賞初制覇、不運にも骨折して菊花賞は断念したが、5歳春に復帰して2戦目の日経賞に優勝、そしてその秋、ヒカリデユールの猛追を1馬身1/2振り切って、父メジロアサマに次いで父子2代の天皇賞馬となっている。

三冠レースには縁のなかったメジロティターン、その子メジロマックイーンも、皐月賞、ダービーのシーズンは条件クラスに甘んじていたが、受け継がれてきた祖父、父の長距離で本領発揮の血は菊花賞で花開き、前述のように平成3年春、4年春の連覇、それも父子3代の記録達成となっている。

メジロマックイーン 1991年天皇賞(春) 1着    メジロティターン 1982年天皇賞(秋)1着

ホクトスルタン 2008年目黒記念1着  メジロアサマからメジロティターン、メジロマックイーン、待たれるのはホクトスルタンの、この秋か来春か、父子4代にわたっての天皇賞制覇、その偉業達成である。これを心待ちにしているのは、これまで身近で愛馬に接してきたオーナー、調教師、騎手など、厩舎関係者はもちろんのこと、多くのファンも同じではないだろうか。

  ホクトスルタンが頑張って走り続ければ、父子5代、6代と夢は続くことだろう。ドラマ、夢、ロマン、これも競馬の楽しさ、面白さであり、40年前を思い起こして、ホクトスルタンの走りには1票を投じて、応援していきたいものである。

 

6月23日掲載時、上記文中
「函館記念を勝って帰厩してきたメジロアサマ」とすべきところを、編集時に誤って「宝塚記念を勝って」と掲載いたしました。
読者の皆様ならびに著者の原良馬様にお詫び申し上げます。

JRAシステムサービス(株)
メディア事業部
馬名
生年月
父母
競走成績
GT勝ち鞍
メジロアサマ
1966年2月生
父 パーソロン
48戦17勝
70天皇賞(秋)
母 スヰート
メジロティターン
1978年3月生
父 メジロアサマ
27戦7勝
82天皇賞(秋)
母 シェリル
メジロマックイーン
1987年4月生
父 メジロティターン
21戦12勝(重賞9勝)
90菊花賞、91天皇賞(春)、92天皇賞(春)、93宝塚記念
母 メジロオーロラ
ホクトスルタン
2004年5月生
父 メジロマックイーン
15戦5勝(重賞1勝)※
なし※
母ダイイチアピール
※は2008年6月23日現在

 

ホクトスルタンの血統

ホクトスルタン
芦毛 2004年生
メジロマックイーン
芦毛 1987年生
メジロティターン
芦毛 1978年生
メジロアサマ
シェリル
メジロオーロラ
栗毛 1978年生
リマンド
メジロアイリス
ダイイチアピール
鹿毛 1996年生
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986年生
Halo
Wishing Well
ダイイチリカー
黒鹿毛 1990年生
リアルシャダイ
ダイナフェアリー

 

ホクトスルタンの成績(2008年6月23日現在)

開催日
開催場
競走名
着順
騎手
コース
タイム
2006/9/17
中山
2歳新馬
2
柴田善臣
芝1600
1.36.7
2006/10/7
東京
2歳未勝利
取消
柴田善臣
芝1800
-
2006/10/22
東京
2歳未勝利
2
柴田善臣
芝1600
1.36.3
2006/11/12
東京
2歳未勝利
1
横山典弘
芝2000
2.02.3
2007/1/28
東京
ゆりかもめ賞
8
横山典弘
芝2400
2.28.0
2007/2/10
東京
セントポーリア賞
2
四位洋文
芝2000
2.01.1
2007/3/10
中山
3歳500万下
10
内田博幸
芝2000
2.03.8
2007/4/1
福島
ひめさゆり賞
1
菊沢隆徳
芝2000
2.00.6
2007/4/28
東京
青葉賞
12
菊沢隆徳
芝2400
2.27.8
2007/6/16
福島
福島市制施行100周年記念
2
中舘英二
芝1800
1.46.2
2007/8/25
札幌
阿寒湖特別
1
横山典弘
芝2600
2.42.3
2007/9/23
阪神
神戸新聞杯
4
横山典弘
芝2400
2.25.3
2007/10/21
京都
菊花賞
6
横山典弘
芝3000
3.05.7
2008/3/16
中山
サンシャインS
1
横山典弘
芝2500
2.33.1
2008/5/4
京都
天皇賞(春)
4
横山典弘
芝3200
3.15.6
2008/6/1
東京
目黒記念
1
横山典弘
芝2500
2.31.9

ライタープロフィール

原 良馬 (はら りょうま)

1933年10月生まれ、群馬県出身。デイリースポーツ東京本社、中央競馬の予想記者担当を経て、独立。競馬ジャーナリスト活動を本格化した。ラジオNIKKEI『中央競馬実況中継・土曜日午前中』、テレビ東京『ウイニング競馬』のレギュラー解説、また雑誌の競馬コラムや美浦トレーニング・センターで行われるGIレース公開調教会の司会進行なども担当している。

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