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私の競馬はちょっと新しい
第56回 中央競馬騎手 菱田裕二さん

「自分の感覚にはとらわれずに、データや結果を見るようにしています」
菱田裕二さん写真
1992年生まれ、京都府出身。競馬学校卒業後、2012年に中央競馬の騎手としてデビュー。この年23勝を挙げて、中央競馬関西放送記者クラブ賞を受賞。本年は10月20日現在で43勝を記録し、デビュー2年目にして中央競馬全国リーディング19位(関西8位)と活躍中。

留年の悔しさも糧に関西新人賞を獲得

市丸: その厳しさの部分になりますが、
  まず入学試験から16倍という
  難関だったと聞いています。
  手応えはいかがでしたか。
   
菱田: 手応えではないですけれど、
  1次試験、2次試験とも
  「ここに集まっている中で、
  ジョッキーになりたいという気持ちを
  一番強く持っているのは自分だろう」
  と思っていました。
  どうしようもなくジョッキーになりたかったですし、
  気持ちは絶対に負けていないという、
  変な自信だけはありましたね。
   
市丸: その難関を突破して合格されましたが、
  競馬学校では1回留年をされているそうですね。
  これはケガをされたのですか?
   
菱田: いえ、ケガではなく
  「精神項目」という部分で、
  恐怖心やプレッシャーに打ち勝つ力が弱いと、
  1年生をもう1度やるように言われました。
  ただ、その年は同期が4人退学していて、
  自分も退学なのかと思ったら、
  ぎりぎり留年ということで残してもらえました。
   
市丸: 厳しいですね。
  その留年したことがプラスになった部分は……。
   
菱田: 基礎乗馬から
  もう一度しっかり学ぶことができました。
  また、ただただ悔しい1年間でしたから、
  そういう意味でも大きかったです。
  今も大した成績ではありませんけれど、
  この留年がなかったら今の技術もないと思います。

菱田さんインタビュー写真5

市丸: それによって、
  昨年新人最多勝を争った中井裕二騎手と
  同期になりました。
  我々は菱田さんと中井さんが1、2着になると
  「ダブル裕二」などと言っていますが、
  競馬学校時代に
  そのあたりで意識されたことはありましたか?
   
菱田: 特に名前で意識することはなかったですが、
  卒業して同期の栗東所属が二人になりましたから、
  そのときには負けたくない気持ちはありました。
   
市丸: 中井騎手とは、1年目は同じ23勝でした。
  新人賞は菱田さんが取られましたけれど、
  勝ち星が並んでいると
  「勝った」という感じではなかったですか。
   
菱田: まったく思いませんでした。
  また、いつも同じ競馬場ではなく、
  この夏にしても北海道(菱田騎手)と
  小倉(中井騎手)に分かれていましたから、
  あまり意識せず乗っていますね。
  それに、上のジョッキーも
  たくさんいらっしゃいますので、
  そこに食らいついていきたいという
  気持ちが大きいです。
   
市丸: 若手のジョッキーでも、
  先日は浜中騎手と川田騎手が、
  岩田騎手と同日に年間100勝を達成されました。
   
菱田: 年齢がさほど離れているわけではない、
  近い先輩が活躍されていることは、
  自分にとってたいへん刺激になります。
   
市丸: さきほど夏競馬の話題が出ましたけれど、
  菱田さんは2年続けて北海道で騎乗されています。
   
菱田: 函館は競馬場も好きですけれど、
  街の雰囲気も良いですし、
  ご飯がおいしいですね(笑)。
   
市丸: 今年の函館は連続開催の後半になって雨が多く、
  芝コースは非常に重い馬場になりましたね。
   
菱田: ああいった馬場で騎乗したことはなかったので、
  びっくりしましたけれど、良い経験になりました。

菱田さんインタビュー写真6

ジョッキーならではのJRA-VAN活用法とは?
   
市丸: 今年の函館はかなり特殊な例になりますけれど、
  そういった馬場状態による脚質の傾向なども、
  JRA-VANで調べられることはありますか?
   
菱田: レース映像も見ますし、
  データでも傾向を確認しています。
  そうやって見ていると、
  自分の感覚だけを信じてしまうのも良くないのかな、
  と思いますね。
   
市丸: 感覚よりも、
  データのほうが正しい場合もあるということですか。
   
菱田: そう思っています。
  乗っていて
  「そろそろ外差しが届くのかな」と思っても、
  実際に結果を見ると
  前の馬が多く残っていることもありますから、
  自分の感覚にはとらわれずに
  データや結果を見るようにしています。
   
市丸: そういった傾向と、
  メンバーや自身の騎乗馬を考えて、
  ゆっくり行っても差しきれるかな、とか、
  前へ行ったほうが良さそうだ、とか、
  そういったあたりも……。
   
菱田: そのあたりはすごく考えて乗っています。

成績としてはダートを得意とされています。ご自身ではいかがですか?

「私の競馬はちょっと新しい」インタビュー一覧

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