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第1598回 安田記念やヴィクトリアMをにらむ一戦 東京新聞杯を分析する

2022/2/3(木)

東京競馬場の芝1600mで行われる東京新聞杯。まだ2月上旬のG3ということで一線級の参戦こそ少ないが、春競馬後半に同じ舞台で行われるヴィクトリアMや安田記念を目指す馬も多く出走するレースだ。近年では2019年にインディチャンプがここで重賞初制覇を達成し、同年の春秋マイルG1制覇への足がかりとした。今年はどんな結果が待っているのか、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用して分析したい。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去5年
1 1-0-2-7/10 10.0% 10.0% 30.0% 27% 43% 1-0-1-3
2 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 51% 36% 0-0-1-4
3 3-1-1-5/10 30.0% 40.0% 50.0% 179% 108% 2-0-1-2
4 1-1-2-6/10 10.0% 20.0% 40.0% 78% 104% 1-0-1-3
5 2-3-2-3/10 20.0% 50.0% 70.0% 212% 202% 1-2-1-1
6 0-3-0-7/10 0.0% 30.0% 30.0% 0% 92% 0-2-0-3
7 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 38% 0-1-0-42
8 2-0-0-8/10 20.0% 20.0% 20.0% 374% 92%
9 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 79%
10 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
11〜 0-1-1-47/49 0.0% 2.0% 4.1% 0% 37%

2021/2/7 東京11R 東京新聞杯(G3) 1着 10番 カラテ(5番人気)

過去10年、1〜2番人気は合計で【2.0.3.15】連対率10.0%止まり。5番人気が5連対、3番人気が4連対、6番人気が3連対など、連対馬は3〜6番人気から多く出ている。また過去10年でみると7番人気以下からも6頭が好走しているが、過去5年では【0.1.0.42】と穴馬の激走は減っている。

■表2 性齢別成績

性別 年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
牡・セン 4 3-3-3-25/34 8.8% 17.6% 26.5% 41% 54%
5 2-3-5-24/34 5.9% 14.7% 29.4% 83% 121%
6 1-1-0-26/28 3.6% 7.1% 7.1% 21% 36%
7〜 0-1-1-35/37 0.0% 2.7% 5.4% 0% 14%
6-8-9-110/133 4.5% 10.5% 17.3% 36% 56%
4 1-1-0-1/3 33.3% 66.7% 66.7% 183% 183%
5 1-1-1-6/9 11.1% 22.2% 33.3% 86% 85%
6 2-0-0-2/4 50.0% 50.0% 50.0% 755% 220%
4-2-1-9/16 25.0% 37.5% 43.8% 271% 137%

性齢別では、まず牝馬が【4.2.1.9】複勝率43.8%の好成績をマークしているのが目立つ。一方、牡・セン馬は4〜5歳なら【5.6.8.49】複勝率27.9%と上々だが、6歳以上になると【1.2.1.61】同6.2%と不振だ。牝馬、もしくは4〜5歳の牡・セン馬を上位にとりたい。

■表3 枠番・馬番別成績

枠番・馬番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1枠 1-1-1-14/17 5.9% 11.8% 17.6% 45% 45%
2枠 2-2-0-13/17 11.8% 23.5% 23.5% 53% 77%
3枠 3-2-0-14/19 15.8% 26.3% 26.3% 146% 76%
4枠 3-1-2-13/19 15.8% 21.1% 31.6% 187% 101%
5枠 1-1-1-16/19 5.3% 10.5% 15.8% 61% 42%
6枠 0-2-3-14/19 0.0% 10.5% 26.3% 0% 111%
7枠 0-1-2-17/20 0.0% 5.0% 15.0% 0% 60%
8枠 0-0-1-18/19 0.0% 0.0% 5.3% 0% 8%
1〜6番 7-7-1-44/59 11.9% 23.7% 25.4% 92% 74%
7〜10番 3-0-5-32/40 7.5% 7.5% 20.0% 94% 77%
11〜13番 0-3-3-21/27 0.0% 11.1% 22.2% 0% 78%
14〜16番 0-0-1-22/23 0.0% 0.0% 4.3% 0% 7%

枠番・馬番別成績をみると、優勝馬は10頭すべて5枠以内・馬番10番以内から出ていた。6〜7枠・馬番11〜13番は好走しても2着まで。そして8枠・馬番14〜16番は3着1回のみと、外めの枠を引いた馬は苦しい。

■表4 前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去5年 同複勝率
3勝 3-1-0-5/9 33.3% 44.4% 44.4% 225% 122% 2-1-0-4 42.9%
OPEN 1-4-1-40/46 2.2% 10.9% 13.0% 36% 62% 0-2-0-21 8.7%
中央G3 1-4-4-41/50 2.0% 10.0% 18.0% 12% 37% 1-1-2-20 16.7%
中央G2 1-0-3-15/19 5.3% 5.3% 21.1% 26% 91% 0-0-1-6 14.3%
中央G1 4-1-2-16/23 17.4% 21.7% 30.4% 189% 93% 2-1-2-6 45.5%
海外 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-1 0.0%

前走クラス別では、3勝クラス(旧1600万条件)組が連対率44.4%と抜群。次いで中央G1組が複勝率30.4%をマークしており、過去5年ではG1組が複勝率45.5%、3勝クラス組が同42.9%と近年はG1組のほうが複勝率は高い。この3勝クラス組・G1組と比較するとオープン特別〜G2組の好走確率はかなり低いが、好走馬数は多いためまったく無視してしまうのは危険だ。

■表5 前走3勝クラス(1600万条件)からの好走馬

馬名 東京新聞杯 前走 2〜5走前着順
人気 着順 レース 人気 着順 2前 3前 4前 5前
2015 ヴァンセンヌ 3 1 元町S 2 1 1 1 2 6
2019 インディチャンプ 1 1 元町S 1 1 1 2 4 3
2020 シャドウディーヴァ 6 2 常総S 2 1 15 4 9 6
2021 カラテ 5 1 若潮S 8 1 1 7 5 1

前走3勝クラスからの好走馬は表5の4頭で、うち3頭は連勝中だった。残る1頭、シャドウディーヴァは重賞でやや苦戦していたものの、3勝クラス以下では【2.2.1.0】の複勝率100%。約10カ月ぶりの条件戦出走だった前走を勝ち上がってここでの好走につなげていた。

■表6 前走G1からの好走馬

馬名 年齢 東京新聞杯 前走
人気 着順 レース 人気 着順
2014 ホエールキャプチャ 6 8 1 女王杯 4 6
2016 スマートレイアー 6 5 1 女王杯 8 5
2017 プロディガルサン 4 5 2 菊花賞 11 11
2018 リスグラシュー 4 3 1 女王杯 7 8
2020 プリモシーン 5 4 1 マイルCS 9 11
クリノガウディー 4 5 3 マイルCS 12 7
2021 シャドウディーヴァ 5 3 3 女王杯 14 8

表6は前走G1組の好走馬7頭である。この組は前走11着以内でさえあれば【4.1.2.8】複勝率46.7%となり、特に近6年は【3.1.2.2】複勝率75.0%まで跳ね上がる。

■表7 その他のレースからの好走馬(過去5年)

馬名 年齢 東京新聞杯 前走 東京芝16実績
人気 着順 レース 距離 人気 着順
2017 ブラックスピネル 4 3 1 京都金杯 芝16 6 2 (富士S7着)
エアスピネル 4 1 3 京都金杯 芝16 1 1 未経験
2018 サトノアレス 4 5 2 キャピタルS 芝16 2 2 ベゴニア賞1着
ダイワキャグニー 4 2 3 中山金杯 芝20 3 5 キャピタルS(2走前)1着
2019 レッドオルガ 5 6 2 ターコイズS 芝16 6 6 紅葉S(2走前)1着
サトノアレス 5 4 3 阪神C 芝14 5 15 前年本競走2着
2021 カテドラル 5 12 2 キャピタルS 芝16 2 9 NHKマイルC3着

最後に表7はその他(前走オープン特別、G3、G2)の好走馬。表4で触れたように好走確率こそ低くても好走馬数は多いため、過去5年分を対象とした。この組は10〜6年前には6歳以上の好走馬もみられたが、過去5年の7頭はすべて4〜5歳馬だった。また、前走マイル戦で連対(3頭)、2走前に東京芝1600mで優勝(2頭)、東京芝1600mで重賞連対かG1・3着以内(2頭)のいずれかには該当していた。

【結論】

2021/11/6 東京10R ノベンバーステークス 1着 4番 イルーシヴパンサー(1番人気)

東京新聞杯は、前走3勝クラス組とG1組の好走確率が高いレースだ(表4)。今年の3勝クラス組(表5)では、現在3連勝中で条件戦【4.2.0.0】の4歳馬・イルーシヴパンサーが筆頭格。昨春はスプリングSで4着、皐月賞では10着敗退も、今度は好結果が期待できそうだ。

3勝クラス組で連勝中の馬はそのイルーシヴパンサー1頭のみだが、4歳牝馬エイシンチラーは3勝クラス以下【4.1.1.1】で重賞を除けば3連勝中。また、4歳牡馬ワールドバローズは5戦連続連対中で3勝クラス以下【4.5.0.0】と、いずれも表5のシャドウディーヴァ(2020年2着)と遜色ない成績を残している。

前走G1組は登録のある3頭すべて前走9着以内で、表6の「前走11着以内」をクリア。中でも4歳牝馬のファインルージュは3勝クラス組と同等に評価したい。カテドラルは好走確率の低い6歳馬(表2)、ダーリントンホールは除外対象だ。

その他、オープン特別〜G2組(表7)からは5歳馬2頭、前走・キャピタルS(東京芝1600m)優勝のプリンスリターンと、同レース3着馬で2走前に紅葉S(東京芝1600m)を勝っているアオイクレアトールが候補として挙げられる。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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