第1517回 オークスへの出走権を手にする馬は? フローラS分析|競馬情報ならJRA-VAN

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第1517回 オークスへの出走権を手にする馬は? フローラS分析

2021/4/22(木)

春のG1が中休みとなる今週は、そのG1へ向けたステップレースが3競走組まれている。このうち福島牝馬Sは新潟、マイラーズCは阪神での代替開催。例年と同じコースで行われるのは東京のフローラSのみのため、今回はそのオークストライアル・フローラSを取り上げたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気・単勝オッズ別成績

人気・単オッズ 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 3-1-0-6/10 30.0% 40.0% 40.0% 87% 59%
2 1-5-1-3/10 10.0% 60.0% 70.0% 60% 135%
3 2-0-2-6/10 20.0% 20.0% 40.0% 124% 94%
4 2-0-0-8/10 20.0% 20.0% 20.0% 205% 65%
5 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 63%
6 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 32%
7 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9 1-0-2-7/10 10.0% 10.0% 30.0% 269% 179%
10 0-1-0-9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0% 73%
11〜 1-2-3-69/75 1.3% 4.0% 8.0% 49% 156%
2.0〜2.9 2-0-0-3/5 40.0% 40.0% 40.0% 100% 56%
3.0〜4.9 1-3-1-3/8 12.5% 50.0% 62.5% 46% 110%
5.0〜6.9 3-3-2-10/18 16.7% 33.3% 44.4% 102% 95%
7.0〜14.9 2-1-2-23/28 7.1% 10.7% 17.9% 73% 57%
15.0〜24.9 0-0-0-23/23 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
25.0〜49.9 2-1-2-22/27 7.4% 11.1% 18.5% 237% 120%
50.0〜99.9 0-1-2-26/29 0.0% 3.4% 10.3% 0% 143%
100.0〜 0-1-1-35/37 0.0% 2.7% 5.4% 0% 185%

2020/4/26 東京11R フローラステークス(G2) 1着 3番 ウインマリリン(4番人気)

過去10年の人気別では、1番人気が3勝、3、4番人気が各2勝。そして1勝止まりの2番人気も複勝率は70.0%と高く、この1〜4番人気はまずまずの成績といっていいだろう。単勝オッズでみれば7倍未満の連対率・複勝率が上々だ。一方、中位人気勢は5〜8番人気が【0.1.2.37】と苦しんでおり、単勝オッズでは15倍以上25倍未満が【0.0.0.23】と好走なし。穴なら9番人気以下・単勝25倍以上の人気薄を拾っていくのがおもしろい。

■表2 枠番・馬番別成績

枠番・馬番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 単25倍以上 同複勝率
1枠 2-2-1-15/20 10.0% 20.0% 25.0% 231% 290% 1-1-0-8 20.0%
2枠 3-0-0-17/20 15.0% 15.0% 15.0% 104% 36% 0-0-0-8 0.0%
3枠 2-2-4-12/20 10.0% 20.0% 40.0% 41% 263% 0-0-3-7 30.0%
4枠 1-2-0-17/20 5.0% 15.0% 15.0% 134% 85% 1-1-0-11 15.4%
5枠 0-2-1-17/20 0.0% 10.0% 15.0% 0% 45% 0-0-1-9 10.0%
6枠 1-1-0-18/20 5.0% 10.0% 10.0% 18% 19% 0-0-0-9 0.0%
7枠 0-0-1-25/26 0.0% 0.0% 3.8% 0% 7% 0-0-0-16 0.0%
8枠 1-1-3-24/29 3.4% 6.9% 17.2% 19% 128% 0-1-1-15 11.8%
1〜9番 8-6-6-70/90 8.9% 15.6% 22.2% 113% 156% 2-2-4-38 17.4%
10〜18番 2-4-4-75/85 2.4% 7.1% 11.8% 11% 55% 0-1-1-45 4.3%

枠番・馬番別では内〜中を引いた馬の好走確率が高く、馬番で9番以内なら【8.6.6.70】複勝率22.2%、10番より外は【2.4.4.75】同11.8%。特に表1で触れた単勝25倍以上の馬は、馬券に絡んだ10頭中8頭が馬番9番以内だった。

■表3 前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1着 9-3-2-42/56 16.1% 21.4% 25.0% 183% 98%
2着 0-3-2-20/25 0.0% 12.0% 20.0% 0% 61%
3着 0-1-2-11/14 0.0% 7.1% 21.4% 0% 42%
4着 1-1-0-16/18 5.6% 11.1% 11.1% 50% 28%
5着 0-0-1-12/13 0.0% 0.0% 7.7% 0% 41%
6〜9着 0-2-3-26/31 0.0% 6.5% 16.1% 0% 323%
10着〜 0-0-0-18/18 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

前走着順別の成績を見ると、優勝馬は10頭中9頭が前走1着。2、3着には前走馬券圏外から巻き返した馬も多く見られるが、前走10着以下に敗れていた18頭はすべてこのレースでも4着以下に敗退している。

■表4 前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
新馬 0-0-0-5/5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
未勝利 2-1-2-25/30 6.7% 10.0% 16.7% 102% 98%
1勝 7-5-4-55/71 9.9% 16.9% 22.5% 106% 171%
OPEN 1-0-0-14/15 6.7% 6.7% 6.7% 38% 15%
G3 0-4-4-38/46 0.0% 8.7% 17.4% 0% 73%
G2 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

前走クラス別で注意したい点は、重賞に出走していた馬が【0.4.4.46】と勝利がないことだ。オープン特別からは2016年にチェッキーノが優勝しているが、2〜3着も含め好走したのはこの馬1頭のみ。G1・G2組が計【0.0.0.8】に終わっているように、前走の格はまったくアテにならない。

好走馬が多く、好走確率も高いのは1勝クラス(旧500万条件)組で【7.5.4.55】複勝率22.5%。また、未勝利戦組も5頭が馬券に絡んで複勝率16.7%と、重賞組にもまったく見劣らない結果を出している。

■表5 前走1勝クラス(500万条件)からの好走馬

馬名 フローラS 前走
人気 着順 レース 距離 人気 着順
2011 マイネソルシエール 15 2 500万下 芝18 13 9
ピュアブリーゼ 3 3 500万下 芝18 2 2
2012 ミッドサマーフェア 1 1 君子蘭賞 芝18 1 1
アイスフォーリス 2 2 ミモザ賞 芝20 5 2
ダイワデッセー 18 3 梅花賞 芝24 7 6
2014 サングレアル 4 1 福寿草特別 芝20 2 4
ブランネージュ 6 2 君子蘭賞 芝18 2 1
2015 シングウィズジョイ 2 1 君子蘭賞 芝18 2 1
マキシマムドパリ 3 3 君子蘭賞 芝18 1 2
2016 パールコード 2 2 ミモザ賞 芝20 1 1
アウェイク 13 3 フリージア賞 芝20 6 8
2017 モズカッチャン 12 1 500万下 芝18 2 1
ヤマカツグレース 10 2 君子蘭賞 芝18 4 2
2018 サトノワルキューレ 1 1 ゆきやなぎ賞 芝24 4 1
2019 ウィクトーリア 3 1 500万下 芝18 2 1
2020 ウインマリリン 4 1 ミモザ賞 芝20 4 1

前走1勝クラスからの好走馬は表5の16頭で、そのすべてに共通するのは前走で芝1800m以上のレースに出走していたこと。また、半数の8頭は前走1着だった。この「前走芝1800m以上で1着」を満たす馬は【6.2.0.10】で勝率33.3%、連対率44.4%、単複の回収率368%、128%の好成績を残している。「前走芝1800m以上で2着」なら【0.2.2.9】複勝率30.8%、「前走芝1800m以上で3着以下」は【1.1.2.26】同13.3%となる。この前走3着以下から好走した4頭のうち3頭は前走が牡馬相手。残る1頭・マイネソルシエールはこのレースがキャリア8戦目で初の重馬場だった。

■表6 前走未勝利戦からの好走馬

馬名 フローラS 前走
人気 着順 レース 距離 人気 着順 2着との差
2011 バウンシーチューン 9 1 未勝利・牝 芝18 1 1 0.2秒
2013 デニムアンドルビー 1 1 未勝利・牝 芝20 1 1 0.3秒
ブリュネット 9 3 未勝利 芝18 5 1 0.2秒
2018 パイオニアバイオ 13 2 未勝利 芝20 1 1 0.2秒
2020 フアナ 5 3 未勝利・牝 芝18 1 1 0.2秒

表6は前走未勝利戦からの好走馬5頭である。こちらは5頭とも前走で芝1800〜2000mのレースに出走し、2着に0.2秒以上のタイム差(着差では1馬身1/4以上)をつけて勝利をあげていた。この条件をクリアする馬は【2.1.2.10】複勝率33.3%、単複の回収率204%、196%となる。

■表7 前走オープン・重賞からの好走馬

馬名 所属 人気 着順 前走 人気 着順 2走前以前の実績
2013 エバーブロッサム 美浦 2 2 フラワーC 3 2  
2014 マイネオーラム 13 3 フラワーC 11 6 500万条件1着
2015 ディアマイダーリン 1 2 フラワーC 2 3 赤松賞1着
2016 チェッキーノ 3 1 アネモネS 3 1  
2017 フローレスマジック 2 3 クイーンC 2 3 アルテミスS2着
2018 ノームコア 5 3 フラワーC 4 3 アスター賞1着
2019 シャドウディーヴァ 2 2 フラワーC 3 4 (フリージア賞3着)
ジョディー 9 3 フラワーC 8 5 赤松賞1着
2020 ホウオウピースフル 2 2 クイーンC 3 6 百日草特別1着

最後に表7は前走オープン・重賞組。ここで注目したいのは、好走した9頭がすべて関東馬だったことだ。このレース全体では関東馬【5.7.6.85】複勝率17.5%、関西馬【5.3.4.60】同16.7%と関東馬の好走がやや多い程度で、好走確率に大差はない。しかし前走でオープン・重賞に出走していた関西馬は【0.0.0.28】に終わっている。

また、好走した9頭はすべて前走で中山か東京のレースに出走し6着以内に入っていた。この「関東馬、前走中山か東京、前走6着以内」の3項目に合致する馬は【1.4.4.16】で複勝率36.0%になる。加えて、格上挑戦馬の好走はシャドウディーヴァ1頭のみで、残る8頭には1勝クラス(500万条件)1着か重賞連対の実績があった。

【結論】

2021/3/7 阪神9R アルメリア賞 1着 7番 オヌール(1番人気)

前走1勝クラス組が好成績を残しているフローラS。今年は芝1800mのアルメリア賞を勝ち上がってきたオヌールがその筆頭格だ。しっかりした末脚を武器にここまで2戦2勝。前走412キロと小柄な点は気にかかるが、このレースで前走420キロ未満の馬は【2.1.0.8】連対率27.3%(うち関西馬【1.0.0.3】)を記録しており問題視する必要はないだろう。

また、該当馬こそ少ないが前走2400m戦からも2頭が好走しているため、ゆりかもめ賞を勝ってきたパープルレディーにもチャンスがある。キャリア2戦(オヌール)【1.0.1.25】に対し、4戦(本馬)【3.0.2.19】という優位点もあるだけに、こちらを上位にとる手もありそうだ。

前走未勝利戦組では、芝2000m戦で2着に0.2秒差(1馬身1/4)をつけて勝利したララサンスフル。3着はさらに6馬身離れており、いきなりの重賞挑戦でも勝負になって不思議はない。恐らく人気はないだろうが、9番人気以下・単勝25倍以上(表1)になるようなら最大の惑星になる。重賞組では、前走フラワーC3着の関東馬・ユーバーレーベン(4走前に札幌2歳S2着)が有力だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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