第1502回 オーシャンSが行われる中山芝1200mを分析する|競馬情報ならJRA-VAN

競馬予想・競馬情報ならJRA-VAN

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第1502回 オーシャンSが行われる中山芝1200mを分析する

2021/3/1(月)

今週は土曜に中山でオーシャンS、阪神でチューリップ賞、日曜に中山で弥生賞ディープインパクト記念と3鞍の重賞が組まれている。今回はオーシャンSが施行される中山芝1200mに注目。2018年以降の古馬オープン・重賞におけるレース傾向ならびに2016年以降・近5年のオーシャンSにおける好走馬の特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 中山芝1200mで行われた古馬オープン・重賞の人気別成績(2018年以降)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1番人気 9-  3-  3-  1/ 16 56.3% 75.0% 93.8% 145 135
2番人気 1-  4-  2-  9/ 16 6.3% 31.3% 43.8% 18 63
3番人気 0-  4-  1- 11/ 16 0.0% 25.0% 31.3% 0 47
4番人気 1-  0-  1- 14/ 16 6.3% 6.3% 12.5% 50 23
5番人気 0-  1-  1- 14/ 16 0.0% 6.3% 12.5% 0 33
6番人気 0-  2-  2- 12/ 16 0.0% 12.5% 25.0% 0 81
7番人気 0-  0-  3- 13/ 16 0.0% 0.0% 18.8% 0 65
8番人気 2-  0-  0- 14/ 16 12.5% 12.5% 12.5% 285 62
9番人気 1-  0-  0- 15/ 16 6.3% 6.3% 6.3% 111 30
10番人気 2-  1-  1- 10/ 14 14.3% 21.4% 28.6% 440 210
11番人気以下 0-  1-  2- 71/ 74 0.0% 1.4% 4.1% 0 60

まず表1は2018年以降に中山芝1200mで行われた古馬オープン・重賞での人気別成績。該当するのは16レースで、1番人気馬が昨秋のスプリンターズSにおけるグランアレグリアら過半数の9勝をあげている。16頭中15頭が馬券圏内に入っており、複勝率93.8%と非常に高い。唯一馬券対象外に敗れたのが今年1月のカーバンクルSでのケープコッドで、それでも僅差4着だった。1番人気馬が安定して走れており、馬券からは外せない。

また、8〜10番人気が計5勝をあげており、人気薄の一発がある。1番人気と人気薄の組み合わせも多く、伏兵を狙っても面白いコースといえる。

■表2 中山芝1200mで行われた古馬オープン・重賞の枠番別成績(2018年以降)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1枠 1- 0- 4-23/28 3.6% 3.6% 17.9% 7 71
2枠 1- 2- 0-25/28 3.6% 10.7% 10.7% 14 17
3枠 0- 0- 4-24/28 0.0% 0.0% 14.3% 0 35
4枠 5- 1- 0-22/28 17.9% 21.4% 21.4% 224 63
5枠 1- 3- 3-21/28 3.6% 14.3% 25.0% 7 70
6枠 2- 3- 2-23/30 6.7% 16.7% 23.3% 12 143
7枠 4- 2- 1-23/30 13.3% 20.0% 23.3% 170 64
8枠 2- 5- 2-23/32 6.3% 21.9% 28.1% 104 84

表2は枠番別成績。真ん中から外の4〜8枠が16勝中14勝をあげており、各枠の複勝率も軒並み20%を超えている。特に大外の8枠に入った馬は連対率21.9%・複勝率28.1%でともにトップだ。短距離戦でコースロスの少ない内枠が優勢と思われがちだが、実際はそうではなく、中〜外枠の馬が好走しやすい傾向にある。

■表3 中山芝1200mで行われた古馬オープン・重賞の脚質別成績(2018年以降)

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
逃げ 4-  3-  2-  7/ 16 25.0% 43.8% 56.3% 56 228
先行 5-  8-  3- 42/ 58 8.6% 22.4% 27.6% 143 102
差し 3-  3-  7- 69/ 82 3.7% 7.3% 15.9% 16 31
追い込み 4-  2-  4- 66/ 76 5.3% 7.9% 13.2% 70 51

2019/3/2 中山11R オーシャンステークス(G3) 1着 14番 モズスーパーフレア

表3は脚質別成績。逃げ馬が一昨年のオーシャンSにおけるモズスーパーフレアら4勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれも抜けて高い率を残している。今年1月のカーバンクルSでも15番人気エレナアヴァンティが3着に逃げ粘って、大波乱を演出している。テンのスピードがある馬には注意が必要だ。

また先行馬が最多の5勝をあげ、連対率・複勝率は逃げ馬に次いで高い。先行馬で3着以内に好走した16頭中6頭は7番人気以下の伏兵で、複勝回収率でも先行馬は100%超えと穴を開けるケースも多い。

■表4 中山芝1200mで行われた古馬オープン・重賞の種牡馬別成績(2018年以降)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
ダイワメジャー 5- 4- 1-13/23 21.7% 39.1% 43.5% 294 111
Speightstown 2- 2- 0- 3/ 7 28.6% 57.1% 57.1% 68 77
ハーツクライ 1- 2- 0- 7/10 10.0% 30.0% 30.0% 41 46
アグネスデジタル 1- 1- 2- 1/ 5 20.0% 40.0% 80.0% 160 248
ロードカナロア 1- 1- 1- 4/ 7 14.3% 28.6% 42.9% 28 58
オレハマッテルゼ 1- 0- 1- 9/11 9.1% 9.1% 18.2% 284 87
アドマイヤムーン 1- 0- 1-10/12 8.3% 8.3% 16.7% 23 226
Raven's Pass 1- 0- 1- 0/ 2 50.0% 50.0% 100.0% 145 120
ディープインパクト 1- 0- 0- 7/ 8 12.5% 12.5% 12.5% 27 17
キズナ 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 1010 266
ルーラーシップ 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 160 70

※1勝以上を掲載。

表4は種牡馬別成績。ダイワメジャー産駒が最多の5勝をあげており、連対率39.1%・複勝率43.5%と高い。同産駒の中ではナックビーナスが期間中【2.4.0.1】、7走中6連対と好相性を示していた。

ナックビーナスのように同じ馬が何度も好走する傾向があるコースで、Speightstown産駒モズスーパーフレアは【2.2.0.1】、ハーツクライ産駒ペイシャフェリシタは【1.2.0.2】、アグネスデジタル産駒ダイメイフジは【1.1.2.1】、ロードカナロア産駒ダノンスマッシュが【1.1.1.0】など、中山芝1200mを得意とする馬が存在する。過去に中山芝1200mで好走経験がある馬は必ずチェックしておきたい。

■表5 オーシャンS近5年の年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
4歳 1- 1- 1-12/15 6.7% 13.3% 20.0% 20 38
5歳 4- 1- 2-10/17 23.5% 29.4% 41.2% 274 108
6歳 0- 1- 1-16/18 0.0% 5.6% 11.1% 0 18
7歳以上 0- 2- 1-27/30 0.0% 6.7% 10.0% 0 33

ここからはオーシャンS近5年のレース傾向から好走馬の特徴を探っていく。表5は年齢別成績。5歳馬が昨年のダノンスマッシュら大半の4勝をあげており、連対率29.4%・複勝率41.2%と優秀だ。昨年は1・3着馬が該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。

4歳馬は一昨年のモズスーパーフレアが勝利し、連対率・複勝率は5歳馬に次いで高い。勝ち馬はすべて4・5歳馬から出ている。なお、勝ち馬5頭のうち、16年エイシンブルズアイ、17年メラグラーナ、一昨年モズスーパーフレアの3頭はマル外の馬だった。

■表6 オーシャンS近5年の馬体重別成績

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
420〜439kg 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
440〜459kg 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
460〜479kg 2- 0- 1-16/19 10.5% 10.5% 15.8% 68 34
480〜499kg 1- 1- 0-25/27 3.7% 7.4% 7.4% 11 17
500〜519kg 2- 1- 3-13/19 10.5% 15.8% 31.6% 176 111
520〜539kg 0- 3- 1- 0/ 4 0.0% 75.0% 100.0% 0 132

2018/3/3 中山11R オーシャンステークス(G3) 1着 7番 キングハート

最後に表6は出走時の馬体重別成績。黄色で強調したように馬体重500kg以上の馬が好成績をあげている500〜519kgの馬は18年キングハートら2勝をあげ、複勝率31.6%と高い。500kg〜519kgの範囲の3着以内馬6頭のうち、18年1着キングハート(10番人気)ら3頭は7番人気以下の伏兵だった。

また、520〜539kgの馬はナックビーナスが2着3回、タワーオブロンドンが3着1回で、複勝率100%と崩れていない。開幕週だった先週の芝レースはかなり高速決着となっており、今週もその傾向が続くだろう。オーシャンSは、過去に中山芝1200mで好走経験があり、馬体重500kg以上で前に行ける馬を積極的に 狙っていきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)