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第1472回 阪神芝2200mのエリザベス女王杯で注目したい馬は?

2020/11/12(木)

今週日曜日はエリザベス女王杯が行われる。今年は京都競馬場の改装工事により阪神芝2200mでレースが行われることになった。例年エリザベス女王杯は京都芝2200mが舞台のため、過去のデータが全く参考にならない可能性もでてきた。そこで今回は京都から阪神に替わったことがプラスになりそうな馬はいないか、という観点から出走予定馬を個別に分析してみたい。芝2200mの距離実績や頭数、ローテーションも加味して注目馬を探してみることにする。データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 2020年エリザベス女王杯出走予定馬の阪神・京都芝の成績など

馬名 間隔 阪神芝 京都芝 芝2200m 頭数(9〜13頭) 頭数(14頭以上) ローテーション
ウインマイティー 4 1-0-0-1 1-1-0-2 未経験 3-1-0-2 0-0-1-2 1-1-1-1(4〜6週)
ウインマリリン 4 未経験 0-0-0-1 未経験 1-0-0-1 2-1-0-1 1-1-0-1(4〜6週)
ウラヌスチャーム 3 0-0-0-1 0-0-0-2 2-1-0-2 5-3-0-2 0-1-0-11 0-1-0-3(3週)
エスポワール 3 2-0-0-0 1-0-1-1 0-1-0-0 3-2-1-0 1-1-1-2 未経験(3週)
サトノガーネット 10 2-0-0-4 1-2-1-4 0-0-0-1 0-0-0-4 5-2-1-10 1-0-0-2(10週以上)
サムシングジャスト 4 0-1-0-3 2-0-1-0 未経験 2-1-1-3 2-0-0-4 2-0-0-2(4〜6週)
サラキア 4 0-1-0-2 0-1-0-3 0-0-0-1 2-1-1-1 1-2-0-9 0-2-0-2(4〜6週)
シャドウディーヴァ 4 0-0-0-2 0-0-0-2 0-0-0-1 2-1-0-2 0-3-0-7 1-1-0-6(4〜6週)
センテリュオ 7 1-3-0-3 1-2-0-1 2-2-0-1 3-4-0-0 1-1-0-6 1-1-0-1(7〜9週)
ソフトフルート 4 0-0-1-1 1-0-1-1 1-0-0-0 2-0-0-2 1-0-3-2 2-0-1-3(4〜6週)
ノームコア 12 未経験 0-0-0-1 0-0-0-1 1-0-1-1 4-1-2-4 3-1-1-1(10週以上)
ミスニューヨーク 4 0-0-1-0 0-0-1-2 未経験 1-0-0-0 1-0-1-3 2-0-0-1(4〜6週)
ラッキーライラック 12 3-1-0-2 1-0-0-1 1-0-0-1 2-2-1-0 4-2-2-4 2-2-1-2(10週以上)
ラヴズオンリーユー 4 1-1-0-0 2-0-1-0 0-0-1-0 2-0-0-0 1-1-1-1 1-0-0-0(4〜6週)
リアアメリア 4 1-0-0-2 0-0-0-1 未経験 1-0-0-0 1-0-0-4 0-0-0-3(4〜6週)
リュヌルージュ 18 1-2-2-1 1-1-4-2 0-1-1-0 1-2-4-2 2-2-1-4 2-1-0-1(10週以上)
リリーピュアハート 2 0-0-1-0 1-0-0-0 未経験 2-0-1-0 0-1-0-2 未経験(2週)
ロサグラウカ 3 0-0-0-1 未経験 1-1-0-1 2-1-0-2 1-0-0-5 未経験(3週)

フルゲート18頭、その他にも登録馬あり。

2019/11/10 京都11R エリザベス女王杯(G1) 1着 2番 ラッキーライラック

表1は2020年エリザベス女王杯に出走を予定している馬の一覧。各馬のレース間隔、阪神および京都・芝2200mの成績を記し、さらに頭数(9〜13頭と14頭以上)、ローテーション別の成績も記載した。

まず阪神芝で2回以上出走し、複勝率60.0%以上をマークしている馬を探したところ、エスポワール、ラッキーライラック、ラヴズオンリーユー、リュヌルージュの4頭が該当した。エスポワールは未勝利戦と1勝クラスの実績ながら阪神芝は2戦2勝だ。ラッキーライラックは昨年のエリザベス女王杯を優勝しており、今年は連覇がかかる。京都芝よりも阪神芝の方が成績は良く、今回のコース変更はプラスに働く可能性がある。

ラヴズオンリーユーは阪神芝の連対率が100%。忘れな草賞1着、鳴尾記念2着の実績がある。リュヌルージュは阪神芝の複勝率が83.3%。一方、京都芝の複勝率は75.0%とこちらも優秀だが、阪神の方がよりいい。

センテリュオも阪神芝は1-3-0-3で複勝率は57.1%と悪くないが、京都芝は1-2-0-1で複勝率75.0%。この馬にとっては京都芝2200mで行われた方が良かったかもしれない。

2020/9/27 中山11R 産経賞オールカマー(G2) 1着 4番 センテリュオ

次に芝2200mの成績をみていく。2回以上出走し、複勝率60.0%以上をマークしている馬は、ウラヌスチャーム、センテリュオ、リュヌルージュ、ロサグラウカの4頭。ウラヌスチャームは前走新潟牝馬S(新潟芝2200m)を7馬身差で圧勝。新設されたオープン特別を重馬場のなか、力強く駆け抜けた。センテリュオは前走オールカマーを直線大外から一気の末脚で差し切り重賞初制覇。勝って勢いに乗っているこの2頭の存在が光る。リュヌルージュは500万(1勝)クラスのレースながら阪神芝2200mで2着の経験がある。

続いて出走頭数で分けた成績に注目してみた。比較的手ごろな9〜13頭と、フルゲートの多頭数を含んだ14頭以上とで分けている。例えば、ウラヌスチャームは9〜13頭では5-3-0-2の好成績だが、14頭以上では0-1-0-11と苦しんでいる。サトノガーネットは逆に14頭以上の方が好成績(複勝率44.4%)だ。センテリュオは9〜13頭が7戦3勝2着4回と連対率100%。前走オールカマーも相手は実績上位馬で手ごわかったが、9頭立てと頭数は少なかった。この馬の場合、多頭数では馬群をうまく捌き切れるかが課題となりそうだ。

ノームコアやラッキーライラックは14頭以上で4勝をマークしている。すでに古馬のG1を勝っているこの両頭にとっては、地力の高さの証しだろうか。多頭数の混戦で心強い印象だ。14頭以上のレースで複勝率60.0%以上をマークしているその他の馬は、ウインマリリン、エスポワール、ソフトフルート、ラヴズオンリーユーだ。

最後にローテーションをチェックしておく。今回のレース間隔に応じた成績を表1に記載した。最も注目したいのはノームコア。今回の間隔は12週だが、本馬の10週以上の成績は3-1-1-1と、複勝率83.3%の好成績だ。前走札幌記念を勝利した勢いがあり、なおかつ適度に間隔を開けたことが良い方に出そうだ。

今回と近いレース間隔で過去に2回以上出走があり、複勝率60.0%以上をマークしているその他の馬は、ウインマリリン、センテリュオ、ミスニューヨーク、ラッキーライラック、リュヌルージュだ。

以上のファクターを総合的に考えると、ラッキーライラックが最も有力と考えられる1頭。阪神芝、頭数、ローテーション別の成績が非常に優秀だ。芝2200mは昨年のこの本競走で勝っており、すべての項目が好感触。死角らしきものは見当たらない。

リュヌルージュも阪神芝と芝2200m、ローテーション面で強調できる1頭。重賞未勝利なので格は見劣るが、今年の中山牝馬Sを14番人気で2着と激走するなど意外性がある印象。伏兵馬としてピックアップしてみたい。

2つの項目で好成績を残しているのがウインマリリン、エスポワール、センテリュオ、ノームコア、ラヴズオンリーユー。手広くなるが、このあたりの馬まで注目してみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。


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