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第1470回 レース傾向から探るアルゼンチン共和国杯の特徴とは?

2020/11/5(木)

秋のG1シリーズの谷間となる今週は日曜に東京でアルゼンチン共和国杯、阪神でみやこSが行われる。今回の当コラムではハンデG2のアルゼンチン共和国杯をピックアップ。2010年以降・過去10年のレース傾向から同レースの特徴を分析し、馬券的に狙える馬を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 アルゼンチン共和国杯 過去10年の人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1番人気 3-  2-  1-  4/ 10 30.0% 50.0% 60.0% 72 91
2番人気 4-  1-  0-  5/ 10 40.0% 50.0% 50.0% 174 84
3番人気 2-  1-  5-  2/ 10 20.0% 30.0% 80.0% 111 167
4番人気 0-  4-  0-  6/ 10 0.0% 40.0% 40.0% 0 94
5番人気 0-  1-  0-  9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0 26
6番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0 37
7番人気 1-  1-  0-  8/ 10 10.0% 20.0% 20.0% 127 68
8番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0 43
9番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0 66
10番人気以下 0-  0-  1- 70/ 71 0.0% 0.0% 1.4% 0 10

まず表1は過去10年の人気別成績。1番人気馬は17年スワーヴリチャードら3勝をあげ、連対率50%・複勝率60%。2番人気馬は昨年のムイトオブリガードら最多の4勝をあげており、連対率・複勝率50%。3番人気馬は一昨年のパフォーマプロミスら2勝で、複勝率は80%でトップだ。これら上位3番人気以内で大半の9勝と、人気馬が勝ち切る傾向が強い

その他の1勝は7番人気で勝利した13年アスカクリチャン。連対馬はすべて7番人気以内から出ている。3着馬は下位人気まで幅広く分布しているが、10番人気以下の激走は一昨年3着マコトガラハッド(11番人気)の1回のみ。ハンデ戦とはいえ、上位人気馬が強い傾向が出ている。

■表2 アルゼンチン共和国杯 過去10年の年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
3歳 1-  0-  3-  0/  4 25.0% 25.0% 100.0% 50 325
4歳 6-  4-  3- 22/ 35 17.1% 28.6% 37.1% 68 78
5歳 1-  4-  4- 40/ 49 2.0% 10.2% 18.4% 9 50
6歳 2-  2-  0- 30/ 34 5.9% 11.8% 11.8% 51 29
7歳以上 0-  0-  0- 39/ 39 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

表2は年齢別成績。4歳馬が16年シュヴァルグランら過半数の6勝をあげており、連対率28.6%・複勝率37.1%と優秀だ。少数ながら3歳馬は17年スワーヴリチャードが勝利し、出走した4頭すべて馬券圏内に入っている。出走数最多の5歳馬は昨年ムイトオブリガードが勝利するも、2・3着が4回ずつと多い。6歳馬は一昨年のパフォーマプロミスら2勝も、複勝率11.8%。なお、7歳以上の馬はすべて5着以下に敗れている。

■表3 アルゼンチン共和国杯 過去10年の斤量別成績

斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
48kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
49kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
50kg 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
51kg 0-  0-  2-  7/  9 0.0% 0.0% 22.2% 0 157
52kg 0-  0-  1-  5/  6 0.0% 0.0% 16.7% 0 61
53kg 0-  1-  0- 16/ 17 0.0% 5.9% 5.9% 0 19
54kg 0-  0-  1- 25/ 26 0.0% 0.0% 3.8% 0 9
55kg 1-  4-  5- 23/ 33 3.0% 15.2% 30.3% 19 70
56kg 6-  2-  0- 17/ 25 24.0% 32.0% 32.0% 120 60
56.5kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
57kg 2-  1-  0- 18/ 21 9.5% 14.3% 14.3% 38 24
57.5kg 0-  1-  1-  2/  4 0.0% 25.0% 50.0% 0 107
58kg 1-  0-  0-  8/  9 11.1% 11.1% 11.1% 43 16
58.5kg 0-  1-  0-  2/  3 0.0% 33.3% 33.3% 0 63
59kg 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

表3は斤量別成績。56キロの馬が昨年のムイトオブリガードら近3年を含め過半数の6勝をあげており、連対率・複勝率32.0%と優秀だ。55キロの馬は11年トレイルブレイザーの1勝のみだが、複勝率は30.3%と高い。これら55〜56キロの馬が3着以内馬30頭中18頭と6割を占めており、中心。勝ち馬はすべて55〜58キロの範囲から出ている。

連対馬は53〜58.5キロの範囲におさまっており、52キロ以下の軽ハンデ馬は3着までに止まっている。

■表4 アルゼンチン共和国杯 過去10年の前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1000万下 0-  0-  2-  1/  3 0.0% 0.0% 66.7% 0 343
1600万下 2-  3-  3- 19/ 27 7.4% 18.5% 29.6% 31 77
オープン特別 2-  1-  2- 36/ 41 4.9% 7.3% 12.2% 38 35
G3 0-  0-  1- 12/ 13 0.0% 0.0% 7.7% 0 19
G2 3-  5-  1- 56/ 65 4.6% 12.3% 13.8% 20 28
G1 3-  1-  1-  7/ 12 25.0% 33.3% 41.7% 89 75

表4は前走クラス別成績。前走G1組が一昨年のパフォーマプロミスら3勝をあげており、連対率33.3%・複勝率41.7%と優秀だ。3着以内馬5頭はいずれも前走G1で1ケタ着順に入っていた。出走数最多の前走G2組は14年フェイムゲームら3勝も、複勝率13.8%といまひとつ。3着以内馬9頭中7頭は前走で5番人気以内に支持されていた。

1000万下(現2勝クラス)、1600万下(現3勝クラス)が黄色で強調したように好成績をあげているが、これらの組で好走した10頭はいずれも前走で3着以内に入っていた。

■表5 アルゼンチン共和国杯 過去10年の前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
前走1着 2-  2-  5- 16/ 25 8.0% 16.0% 36.0% 20 89
前走2着 2-  0-  1-  6/  9 22.2% 22.2% 33.3% 92 84
前走3着 0-  4-  2-  6/ 12 0.0% 33.3% 50.0% 0 167
前走4着 2-  1-  0-  8/ 11 18.2% 27.3% 27.3% 150 70
前走5着 1-  1-  0- 12/ 14 7.1% 14.3% 14.3% 34 24
前走6〜9着 3-  2-  1- 40/ 46 6.5% 10.9% 13.0% 29 26
前走10着以下 0-  0-  1- 41/ 42 0.0% 0.0% 2.4% 0 4

表5は前走着順別成績。黄色で強調した前走1〜3着馬がいずれも複勝率30%以上と優秀だ。これら前走3着以内馬が好走馬30頭中18頭と6割を占めている。また、前走4着馬の連対率も27.3%と高い。

また、連対馬はすべて前走1ケタ着順の馬から出ており、前走10着以下からは3着1回のみと大敗からの巻き返しは厳しい

■表6 アルゼンチン共和国杯 過去10年の前走からの斤量増減別成績

前走斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
増減無し 3-  2-  1- 36/ 42 7.1% 11.9% 14.3% 29 28
今回増 2-  2-  1- 22/ 27 7.4% 14.8% 18.5% 29 35
今回減 5-  6-  8- 73/ 92 5.4% 12.0% 20.7% 30 58
前走1着 1- 2- 4-10/17 5.9% 17.6% 41.2% 12 107
前走2着 2- 0- 1- 3/ 6 33.3% 33.3% 50.0% 138 126
前走3着 0- 1- 2- 3/ 6 0.0% 16.7% 50.0% 0 221
前走4着 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 317 87
前走5着 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0 38
前走6〜9着 1- 2- 1-20/24 4.2% 12.5% 16.7% 20 37
前走10着以下 0- 0- 0-30/30 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

最後に表6は前走からの斤量増減別成績。今回増減なしの馬は昨年のムイトオブリガードら3勝で、3着以内馬6頭はいずれも5番人気以内。今回斤量増の馬は14年フェイムゲームら2勝。3着以内馬5頭はすべて4番人気以内で、15年以降は3着以内馬が出ていない。

出走馬の半数以上を占める斤量減の馬は前走の着順別成績も示している。今回斤量減の馬は15年ゴールドアクターら5勝をあげ、複勝率20.7%。昨年は3着アフリカンゴールドが該当し、毎年1頭は3着以内に入っている。黄色で示したように前走3着以内だった馬が好成績を示しており、複勝回収率でいずれも100%を超えている。なお、前走10着以下だった馬はすべて馬券圏外に敗れている。

<結論>

■表7 今年のアルゼンチン共和国杯の出走予定馬(11/4時点)

馬名 性齢 斤量 前走成績
ユーキャンスマイル 牡5 58(0) 天皇賞春 4着
サトノルークス 牡4 56(0) 小倉記念 11着
アドマイヤジャスタ 牡4 56(-1) 札幌記念 10着
トーセンカンビーナ 牡4 55(-2) オクトーバーS 12着
オーソリティ 牡3 54(-2) 青葉賞 1着
アイスバブル 牡5 55(-1) 京都大賞典 8着
アールスター 牡5 56(0) 新潟記念 14着
エアウィンザー セン6 57(0) 七夕賞 15着
タイセイトレイル 牡5 55(-1) 京都大賞典 14着
メイショウテンゲン 牡4 56(-2) 宝塚記念 5着
サンレイポケット 牡5 55(-1) 毎日王冠 3着
サンアップルトン 牡4 55(-1) オールカマー 6着
ラストドラフト 牡4 56(-1) ケフェウスS 8着
オセアグレイト 牡4 55(0) 七夕賞 12着
ゴールドギア 牡5 53(0) 新潟記念 9着
バレリオ 牡5 55(0) 丹頂S 2着
ミュゼエイリアン セン8 53(-1) 目黒記念 14着
プリンスオブペスカ 牡6 54(0) 丹頂S 7着
ベストアプローチ セン6 56(0) 函館記念 10着
オーシャンビュー 牡7 50(-7) 六社S(3勝クラス)7着
ヒュミドール セン4 51(-6) 日本海S(3勝クラス) 6着
ナムラドノヴァン 牡5 51(-6) 六社S(3勝クラス)15着

※フルゲート18頭。ベストアプローチ以下は除外対象。

2019/3/3 中山11R 報知杯弥生賞(G2) 1着 10番 メイショウテンゲン 2020/5/2 東京11R テレビ東京杯青葉賞(G2) 1着 3番 オーソリティ  

今年の出走予定馬は表7のとおり。人気を集めそうなのは前走春の天皇賞で4着だったユーキャンスマイル。昨秋の天皇賞で4着、JCでは5着とG1で上位に入った実績があり、今回も当然有力な1頭だろう。ただ、2・3着が目立つ5歳馬、58キロは【1.0.0.8】、今回斤量増減なしという点も気にかかる。

これまでのデータから推奨したいのはメイショウテンゲンオーソリティの2頭だ。メイショウテンゲンは6勝をあげている4歳馬、56キロ、好相性の前走G1組と狙える条件が揃っている。今年2月には東京のダイヤモンドSで2着と好走しており、前走宝塚記念5着など近走は安定して走れるようになってきた。

オーソリティは過去10年の出走馬がすべて馬券圏内に入っている3歳馬で、前走青葉賞は1着。古馬とは初対戦となるが、斤量2キロ減も恵まれている。仕上がりが良ければ、十分勝ち負けになるだろう。

最後に前走毎日王冠で3着と好走したサンレイポケット。今回55キロ、前走3着以内で斤量減も買い材料で、再度馬券圏内に入る可能性も大いにある。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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