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第1389回 昨年キャリアハイの91勝! 今年も期待の松山弘平騎手を分析

2020/1/27(月)

2020年に入って京都金杯でサウンドキアラ、先週の東海Sではエアアルマスに騎乗して勝利に導いた松山弘平騎手。好スタートを切った同騎手は昨年91勝とキャリアハイの成績を残している。今年は2017年皐月賞でのアルアイン以来となるG1勝利も期待される松山騎手の活躍をデータで分析してみたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 松山弘平騎手の年度別成績

開催年 着別度数 勝率 連対率 複勝率
2020 10-8-6-47/71 14.1% 25.4% 33.8%
2019 91-81-82-631/885 10.3% 19.4% 28.7%
2018 84-92-76-659/911 9.2% 19.3% 27.7%
2017 61-65-64-648/838 7.3% 15.0% 22.7%
2016 47-75-59-635/816 5.8% 15.0% 22.2%
2015 70-79-60-698/907 7.7% 16.4% 23.0%
2014 56-58-51-642/807 6.9% 14.1% 20.4%
2013 62-59-64-661/846 7.3% 14.3% 21.9%
2012 74-52-58-609/793 9.3% 15.9% 23.2%
2011 26-32-30-472/560 4.6% 10.4% 15.7%
2010 30-30-26-497/583 5.1% 10.3% 14.8%
2009 36-29-45-443/553 6.5% 11.8% 19.9%

※今年は1/26終了時点

2020/1/5 京都11R スポーツニッポン賞京都金杯(G3) 1着 3番 サウンドキアラ

まず表1は松山弘平騎手の年度別成績。松山騎手は1990年生まれの現在29歳。09年に栗東の池添兼雄厩舎からデビューし、11年よりフリーとなっている。12年中日新聞杯でスマートギアに騎乗して重賞初制覇。この年に74勝と前年を大きく上回る勝ち星をあげた。

そこからしばらく年間勝利数を伸ばすことはできなかったが、17年の皐月賞では9番人気だったアルアインに騎乗してJRA・G1初勝利。一昨年は84勝、昨年は91勝と勝利数が増えてきている。勝利数だけでなく、率にも上昇気配はあらわれており、昨年は勝率・連対率・複勝率いずれも過去最高の成績を残している。一昨年は1着より2着の方が多かったが、昨年は1着数が2着を10鞍上回っており、勝率10%超えを達成している。

今年は、まだ1月中ではあるが、冒頭でも記したように京都金杯、東海Sと重賞を2勝。勝率・連対率・複勝率いずれも過去最高だった昨年を上回っている。ケガさえなければ、100勝超えも十分に期待できそうだ。

■表2 松山弘平騎手の芝・ダート脚質別成績(2019年)

馬場別 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
41- 48- 37-327/453 9.1% 19.6% 27.8% 84% 81%
逃げ 10- 14-  5- 30/ 59 16.9% 40.7% 49.2% 158% 139%
先行 18- 14- 12- 93/137 13.1% 23.4% 32.1% 130% 89%
中団 12- 17- 12-115/156 7.7% 18.6% 26.3% 60% 85%
後方 1-  3-  8- 85/ 97 1.0% 4.1% 12.4% 13% 35%
マクリ 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
ダート 50- 33- 45-304/432 11.6% 19.2% 29.6% 105% 95%
逃げ 11-  4-  5- 13/ 33 33.3% 45.5% 60.6% 167% 171%
先行 26- 15- 21- 82/144 18.1% 28.5% 43.1% 165% 118%
中団 10-  9- 16-123/158 6.3% 12.0% 22.2% 76% 87%
後方 3-  3-  3- 86/ 95 3.2% 6.3% 9.5% 45% 43%
マクリ 0-  2-  0-  0/  2 0.0% 100.0% 100.0% 0% 295%

ここからはキャリアハイの91勝をあげた昨年のデータから分析していく。表2は芝・ダートに分けた脚質別成績。全体的に勝率・複勝率ではダートのほうが高く、連対率では芝が上という傾向となっている。

芝では逃げたときの連対率・複勝率が高く、複勝回収率でも139%と優秀な数字を残している。逆に後方からの追い込みは1勝のみに止まっている。ダートでは逃げた際の成績が、勝率33.3%、複勝率60.6%と非常に高い。また先行しても複勝率43.1%で、複勝回収率100%超えを記録している。

1/13の『データde出〜た』にて、出川塁さんが「逃げ騎手」を分析しているが、昨年逃げた回数は松山騎手の92回が最多だった。前へ行く意識が高く、またその精度が高いことが松山騎手最大の特長といえそうだ

■表3 松山弘平騎手のダート戦での人気別成績(2019年)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気 11-  2-  3- 14/ 30 36.7% 43.3% 53.3% 94% 72%
2番人気 10-  5- 11- 28/ 54 18.5% 27.8% 48.1% 87% 82%
3番人気 8-  5-  3- 25/ 41 19.5% 31.7% 39.0% 122% 94%
4番人気 6-  4- 11- 28/ 49 12.2% 20.4% 42.9% 100% 99%
5番人気 6-  2-  3- 24/ 35 17.1% 22.9% 31.4% 166% 112%
6番人気 4-  5-  3- 29/ 41 9.8% 22.0% 29.3% 118% 86%
7番人気 1-  4-  3- 28/ 36 2.8% 13.9% 22.2% 62% 111%
8番人気 1-  3-  0- 24/ 28 3.6% 14.3% 14.3% 86% 102%
9番人気 0-  1-  3- 27/ 31 0.0% 3.2% 12.9% 0% 83%
10番人気 1-  2-  3- 21/ 27 3.7% 11.1% 22.2% 115% 180%
11番人気以下 2-  0-  2- 56/ 60 3.3% 3.3% 6.7% 160% 68%

表3はダート戦における人気別成績。1番人気馬で11勝をあげ、勝率36.7%と高いのは当然としても、黄色で強調した3〜6番人気馬でいずれも単勝回収率100%以上をマークしている。逃げ・先行有利とされるダート戦において、6番人気以内に支持された松山騎手の騎乗馬はアタマから狙って面白いということだろう。

また、複勝回収率は2〜10番人気でいずれも80%以上と安定している。

■表4 松山弘平騎手の競馬場別成績(2019年)

場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
福島 1-  0-  0- 10/ 11 9.1% 9.1% 9.1% 330% 61%
新潟 0-  1-  1-  5/  7 0.0% 14.3% 28.6% 0% 48%
東京 2-  0-  1- 18/ 21 9.5% 9.5% 14.3% 632% 118%
中山 2-  1-  7- 23/ 33 6.1% 9.1% 30.3% 60% 125%
中京 6-  6-  5- 47/ 64 9.4% 18.8% 26.6% 127% 76%
京都 35- 27- 25-262/349 10.0% 17.8% 24.9% 73% 76%
阪神 29- 33- 27-202/291 10.0% 21.3% 30.6% 68% 90%
小倉 16- 13- 16- 64/109 14.7% 26.6% 41.3% 100% 118%

表4は競馬場別成績。黄色で強調した小倉コースが勝率・連対率・複勝率いずれもトップの成績となっている。平坦小回りというコース形態が先行を得意とする松山騎手の騎乗に合っているということだろう。少し先ではあるが、今年の夏でも注目したい。

京都で最多の35勝をあげているが、連対率・複勝率では阪神の方が上回っている。東京・中山では各2勝と少ないものの、中山での複勝率は30.3%と高い。関東遠征での勝利が増えていくと、全体の勝ち星も増加していくだろう。

■表5 松山弘平騎手のダート戦での前走着順別成績(2019年)

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 3-  2-  1- 35/ 41 7.3% 12.2% 14.6% 81% 44%
前走2着 7-  2-  9- 17/ 35 20.0% 25.7% 51.4% 102% 90%
前走3着 10-  2-  3- 22/ 37 27.0% 32.4% 40.5% 149% 77%
前走4着 8-  5-  4- 26/ 43 18.6% 30.2% 39.5% 266% 131%
前走5着 6-  3-  3- 20/ 32 18.8% 28.1% 37.5% 126% 106%
前走6〜9着 8- 11-  8- 90/117 6.8% 16.2% 23.1% 65% 64%
前走10着以下 5-  5-  8- 74/ 92 5.4% 10.9% 19.6% 68% 119%

表5はダート戦における前走着順別成績。黄色で強調した前走2〜5着だった馬で好成績をあげており、単勝回収率はいずれも100%を超えている。前走同クラスで勝てなかったが掲示板を確保した馬には要注目だ。逆に前走1着だった馬では目立った数字をあげられていない。

■表6 松山弘平騎手の調教師別成績(2019年)

調教師 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
(栗)橋口慎介 8- 3- 3-26/40 20.0% 27.5% 35.0% 271% 110%
(栗)松田国英 7- 4- 1-10/22 31.8% 50.0% 54.5% 440% 211%
(栗)山内研二 5- 3- 4-23/35 14.3% 22.9% 34.3% 179% 127%
(栗)寺島良 5- 3- 1-23/32 15.6% 25.0% 28.1% 92% 91%
(栗)村山明 4- 3- 5-25/37 10.8% 18.9% 32.4% 129% 90%
(栗)本田優 4- 0- 1-13/18 22.2% 22.2% 27.8% 103% 101%
(栗)池江泰寿 3- 5- 1- 9/18 16.7% 44.4% 50.0% 62% 77%
(栗)森秀行 3- 2- 5- 4/14 21.4% 35.7% 71.4% 267% 315%
(栗)加用正 3- 2- 0-15/20 15.0% 25.0% 25.0% 71% 54%
(栗)杉山晴紀 3- 1- 2-10/16 18.8% 25.0% 37.5% 66% 88%
(栗)渡辺薫彦 3- 1- 0- 9/13 23.1% 30.8% 30.8% 194% 83%

※3勝以上を掲載

2019/10/13 京都9R 紫菊賞 1着 4番 ロールオブサンダー

最後に表6は調教師別成績。橋口慎介厩舎の管理馬で最多の8勝をあげている。昨年新馬(11番人気)、1勝クラスの紫菊賞(6番人気)で連勝したロールオブサンダーなど、8勝いずれも1番人気での勝利ではなかった。松田国英厩舎は連対率50.0%・複勝率54.5%と高い。山内研二厩舎では5勝をあげており、複勝回収率も127%と優秀だ。

他では森秀行厩舎に注目。複勝率71.4%と非常に高く、複勝回収率でも315%。3着以内馬10頭中7頭はダート戦での好走だった。今年も1/19の中山10RジャニュアリーSで同厩舎のヨシオ(5番人気)に騎乗し、先行して勝利をおさめている。松山騎手×森厩舎のラインはぜひともチェックしておきたい。

今年好スタートを切った松山騎手。初の年間100勝達成ならびに3年ぶりのG1制覇に期待してみたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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