第1350回 秋のマイル路線を占う! 京成杯AHを分析する |競馬情報ならJRA-VAN

競馬予想・競馬情報ならJRA-VAN

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第1350回 秋のマイル路線を占う! 京成杯AHを分析する

2019/9/5(木)

秋競馬開幕週の中山と阪神開催では土日に計3鞍の重賞が行われる。日曜には中山で京成杯AH、阪神ではセントウルSがメインレースとして組まれている。今回はサマーマイルシリーズの最終レースでハンデ戦と馬券的にも面白そうな京成杯AHをピックアップ。2009年以降に中山競馬場で施行された過去9回からレース傾向を探っていきたい。なお、データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 京成杯AHの人気別成績(中山開催・2009年以降の過去9回)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1番人気 3-  0-  0-  6/  9 33.3% 33.3% 33.3% 101% 46%
2番人気 3-  1-  2-  3/  9 33.3% 44.4% 66.7% 176% 124%
3番人気 1-  1-  2-  5/  9 11.1% 22.2% 44.4% 60% 91%
4番人気 1-  0-  1-  7/  9 11.1% 11.1% 22.2% 85% 54%
5番人気 0-  0-  1-  8/  9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 36%
6番人気 0-  2-  1-  6/  9 0.0% 22.2% 33.3% 0% 115%
7番人気 0-  2-  2-  5/  9 0.0% 22.2% 44.4% 0% 172%
8番人気 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気以下 1-  3-  0- 50/ 54 1.9% 7.4% 7.4% 116% 81%

まず表1は京成杯AHの人気別成績。1番人気馬は【3.0.0.6】と1着か4着以下にはっきり分かれているが、昨年のミッキーグローリーら近3年は続けて勝利している。2番人気馬は12年のレオアクティブら最多タイの3勝をあげ、連対率44.4%・複勝率66.7%で好走率はトップだ。3・4番人気馬が1勝ずつ。10番人気以下の1勝は15年に13番人気で制したフラアンジェリコである。

勝ち馬9頭中8頭は上位4番人気以内に入っているが、2着馬は6番人気以下が7頭と伏兵の激走が目立っている。特に6〜7番人気馬が複勝回収率100%超と健闘し、10番人気以下も4頭連対している。人気薄にも注意を払いたい一戦だ。

■表2 京成杯AHの年齢別成績(中山開催・2009年以降の過去9回)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
3歳 2-  0-  3- 10/ 15 13.3% 13.3% 33.3% 50% 98%
4歳 2-  1-  1- 12/ 16 12.5% 18.8% 25.0% 81% 69%
5歳 4-  3-  2- 32/ 41 9.8% 17.1% 22.0% 42% 44%
6歳 0-  3-  2- 36/ 41 0.0% 7.3% 12.2% 0% 50%
7歳以上 1-  2-  1- 18/ 22 4.5% 13.6% 18.2% 285% 169%

表2は年齢別成績。黄色で強調した3歳馬が16年ロードクエストら2勝をあげ、複勝率33.3%は最も高い。5歳馬は昨年のミッキーグローリーら最多の4勝をあげ、3着以内数も9頭と多い。4歳馬の複勝率は3歳馬に次ぐ25.0%と高いが、6歳馬は勝ち星がなく、連対率・複勝率ともに低い。

なお、7歳以上は15年フラアンジェリコが7歳で勝利しており、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を大きく上回っている。人気薄の高齢馬も軽視はできない。

■表3 京成杯AHの枠番別成績(中山開催・2009年以降の過去9回)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 0- 1- 0-12/13 0.0% 7.7% 7.7% 0% 31%
2枠 2- 2- 1-10/15 13.3% 26.7% 33.3% 82% 102%
3枠 1- 0- 2-15/18 5.6% 5.6% 16.7% 16% 37%
4枠 0- 2- 0-16/18 0.0% 11.1% 11.1% 0% 141%
5枠 4- 1- 1-11/17 23.5% 29.4% 35.3% 114% 68%
6枠 2- 1- 2-13/18 11.1% 16.7% 27.8% 366% 125%
7枠 0- 0- 3-15/18 0.0% 0.0% 16.7% 0% 53%
8枠 0- 2- 0-16/18 0.0% 11.1% 11.1% 0% 33%

表3は枠番別成績。5枠に入った馬が16年ロードクエストら最多の4勝をあげ、勝率・連対率・複勝率いずれもトップだ。次いで2枠、6枠の順に成績はいい

逆に最内の1枠、外目の7・8枠からは勝ち馬が出ておらず、連対率・複勝率ともに低い傾向にある。

■表4 京成杯AHの前走クラス別成績(中山開催・2009年以降の過去9回)

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1000万下 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1600万下 3-  0-  0-  2/  5 60.0% 60.0% 60.0% 328% 126%
オープン特別 2-  1-  0- 42/ 45 4.4% 6.7% 6.7% 18% 49%
G3 3-  6-  8- 49/ 66 4.5% 13.6% 25.8% 110% 95%
G2 0-  0-  0-  3/  3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 1-  2-  1- 10/ 14 7.1% 21.4% 28.6% 20% 72%

表4は前走クラス別成績。前走1600万下(現3勝クラス)だった馬が昨年のミッキーグローリーら3勝と勝ち切る傾向が強い。勝ち馬3頭はいずれも前走を勝ち上がっており、1600万下勝ち馬は注目しておきたい。

前走G3組は一昨年のグランシルクら3勝をあげ、昨年は2・3着馬が該当。13年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。前走G1組は16年ロードクエストが勝利し、連対率・複勝率ともにG3組を上回っている。なお、オープン特別組は12年レオアクティブら2勝も連対率・複勝率ともに低く、13年以降は好走馬が出ていない。

■表5 京成杯AHの前走着順別成績(中山開催・2009年以降の過去9回)

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 5-  0-  1-  8/ 14 35.7% 35.7% 42.9% 177% 84%
前走2着 2-  1-  1- 11/ 15 13.3% 20.0% 26.7% 70% 46%
前走3着 0-  1-  4-  9/ 14 0.0% 7.1% 35.7% 0% 97%
前走4着 0-  0-  2- 11/ 13 0.0% 0.0% 15.4% 0% 40%
前走5着 0-  0-  0-  3/  3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 0-  5-  0- 32/ 37 0.0% 13.5% 13.5% 0% 105%
前走10着以下 2-  2-  1- 34/ 39 5.1% 10.3% 12.8% 167% 63%

表5は前走着順別成績。前走1着馬が昨年のミッキーグローリーら過半数の5勝をあげており、勝ち切る傾向が強い。3着以内に入った6頭はすべて京成杯AHで上位4番人気以内に支持されていた。前走2着馬は一昨年のグランシルクら2勝、前走3着馬は3着が4回で複勝率は前走1着馬に次いで高い。

注目したいのは2着馬7頭が前走6着以下から出ている点だ。表1で示した2着馬7頭が6番人気以下だったように、前走着外から人気薄で激走するパターンが多く見られる。前走10着以下から15年フラアンジェリコ(前走七夕賞11着)、16年ロードクエスト(前走日本ダービー11着)と2勝しており、着外から連対圏に巻き返す可能性は考えておきたい

■表6 京成杯AHの前走からの斤量増減別成績(中山開催・2009年以降の過去9回)

斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
増減無し 1-  4-  2- 34/ 41 2.4% 12.2% 17.1% 7% 60%
今回増 2-  0-  5- 14/ 21 9.5% 9.5% 33.3% 40% 78%
今回減 6-  5-  2- 60/ 73 8.2% 15.1% 17.8% 122% 82%

表6は前走からの斤量増減別成績。出走数の半数以上を占める今回斤量減の馬が昨年のミッキーグローリーら6勝をあげている。これら斤量減の馬は前走2着以内【4.1.0.8】で連対率・複勝率38.5%と高い。また、斤量減+前走10着以下も【2.2.1.18】で連対率17.4%・複勝率21.7%と高く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

今回斤量増の馬は連対率こそ低いが、3着5回で複勝率は33.3%と優秀だ。

■表7 京成杯AHの種牡馬別成績(中山開催・2009年以降の過去9回)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ディープインパクト 1- 4- 1- 6/12 8.3% 41.7% 50.0% 27% 167%
キングカメハメハ 1- 0- 1- 7/ 9 11.1% 11.1% 22.2% 40% 50%
ダイワメジャー 1- 0- 0- 6/ 7 14.3% 14.3% 14.3% 77% 30%
ステイゴールド 1- 0- 0- 6/ 7 14.3% 14.3% 14.3% 42% 20%
マツリダゴッホ 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 140% 70%
スペシャルウィーク 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 192% 70%
ネオユニヴァース 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 2090% 406%
アドマイヤムーン 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 160% 66%
ダンスインザダーク 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 750% 250%
タニノギムレット 0- 1- 1- 3/ 5 0.0% 20.0% 40.0% 0% 124%
スウェプトオーヴァーボード 0- 1- 1- 1/ 3 0.0% 33.3% 66.7% 0% 220%
ジャングルポケット 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 140%
ブライアンズタイム 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 165%
エルコンドルパサー 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 1880%
その他の種牡馬 0- 0- 5-68/73 0.0% 0.0% 6.8% 0% 18%

表7は種牡馬別成績。ディープインパクト産駒は昨年のミッキーグローリーが勝利し、連対率41.7%・複勝率50.0%と非常に高い。15年以降の近4年において毎年1頭は3着以内に入っている。過去9回で勝ち馬の父はすべて異なっているが、いずれもサンデーサイレンス後継種牡馬もしくはミスタープロスペクター系の種牡馬だった。

2着馬はディープインパクト産駒とジャングルポケット産駒を除くと、サンデー系以外のヘイルトゥリーズン系とミスタープロスペクター系種牡馬の子が占めていた。

<結論>

■表8 今年の京成杯AHの出走予定馬(9/4現在)

馬名 性齢 前走成績 種牡馬
ロードクエスト 牡6 関屋記念 6着 マツリダゴッホ
グルーヴィット 牡3 中京記念 1着 ロードカナロア
クリノガウディー 牡3 中京記念 2着 スクリーンヒーロー
プールヴィル 牝3 NHKマイルC 12着 ルアーヴル
シュウジ 牡6 キーンランドC 13着 キンシャサノキセキ
ヤングマンパワー 牡7 関屋記念 16着 スニッツェル
フローレスマジック 牝5 関屋記念 12着 ディープインパクト
ジャンダルム 牡4 中京記念 6着 キトゥンズジョイ
ストーミーシー 牡6 朱鷺S 1着 アドマイヤムーン
ハーレムライン 牝4 関屋記念 11着 マンハッタンカフェ
ヒーズインラブ 牡6 中京記念 14着 ハービンジャー
トロワゼトワル 牝4 豊明S(3勝クラス) 1着 ロードカナロア
ディメンシオン 牝5 関屋記念 4着 ディープインパクト
レインボーフラッグ 牡6 朱鷺S 5着 ジャングルポケット
カルヴァリオ セン6 朱鷺S  12着 マツリダゴッホ
キャプテンペリー セン6 パラダイスS 7着 クロフネ
プロディガルサン 牡6 エプソムC 6着 ディープインパクト
トウショウドラフタ 牡6 朱鷺S 10着 アンライバルド
メイクハッピー 牝3 檜山特別(2勝クラス) 1着 スクエアエディー

※フルゲート16頭。プロディガルサン以下は除外対象。

2019/7/6 中京11R 豊明ステークス 1着 1番 トロワゼトワル 2018/11/4 京都9R 清水ステークス 1着 2番 フローレスマジック

今年の京成杯AHの出走予定馬は表8のとおり。

人気になりそうなのは中京記念1着グルーヴィット、2着クリノガウディーの3歳馬2頭だろう。ただ前走はともに52キロで、今回は斤量増。この2頭の比較では前走1着のグルーヴィットを上位に取りたいが、絶対視は危険と見る。

これまでのデータから推奨したいのが、トロワゼトワルフローレスマジックの牝馬2頭だ。トロワゼトワルは前走3勝クラスの豊明Sを勝利し、今回が斤量減。前走3勝クラス1着馬、斤量減の好走パターンに該当する。アタマから積極的に狙ってみたい。フローレスマジックは好相性のディープインパクト産駒で5歳馬、前走10着以下で今回斤量減。人気薄で好走するパターンに合致している。

他ではディープインパクト産駒のディメンシオン、今回と同じ中山芝1600mのアネモネS勝ちがあるハーレムラインといった牝馬を中心に馬券を組み立ててみたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)