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第1348回 今年もG1組上位か、それとも? 新潟記念を分析する

2019/8/29(木)

サマー2000シリーズの最終戦・新潟記念。例年は小倉記念を筆頭に、前走でもこのシリーズに参戦した馬が多く好走していたが、昨年は日本ダービー以来のブラストワンピースが優勝し、2着には前走大阪杯のメートルダールが入った。それを受けた今年は、前走G1出走馬が5頭登録。対してサマー2000シリーズ組は4頭の登録にとどまった。今年はどちらの組が優勢か、あるいは別路線組にも有力候補が存在するのか、過去の傾向を分析したい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜たを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 2-2-0-6/10 20.0% 40.0% 40.0% 64% 68%
2 1-0-0-9/10 10.0% 10.0% 10.0% 61% 23%
3 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 46%
4 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 30%
5 3-1-0-6/10 30.0% 40.0% 40.0% 275% 127%
6 2-2-0-6/10 20.0% 40.0% 40.0% 211% 150%
7 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 147% 88%
8 0-1-1-8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 90%
9 0-3-1-7/11 0.0% 27.3% 36.4% 0% 184%
10 1-1-0-7/9 11.1% 22.2% 22.2% 725% 224%
11〜 0-0-4-58/62 0.0% 0.0% 6.5% 0% 61%

※2012年は9番人気2頭

過去10年、1番人気の連対率40.0%はハンデ戦としてはまずまずだが、3着がなく複勝率も40.0%にとどまるのは物足りない。さらに、2〜4番人気は計【1.0.3.26】の不振。注目は5〜10番人気で、計【7.8.3.42】複勝率30.0%、単複の回収率は214%、143%をマークしている。また、11番人気以下になると連対には届いていないが、3着には4頭が食い込んでいるため、警戒は怠れない。

■表2 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去5年
3歳 1-0-0-5/6 16.7% 16.7% 16.7% 30% 20% 1-0-0-4/5
4歳 1-2-2-17/22 4.5% 13.6% 22.7% 42% 76% 0-2-2-5/9
5歳 4-4-4-40/52 7.7% 15.4% 23.1% 59% 86% 3-3-0-15/21
6歳 1-2-2-39/44 2.3% 6.8% 11.4% 148% 83% 0-0-1-22/23
7歳 3-2-2-21/28 10.7% 17.9% 25.0% 120% 147% 1-0-2-17/20
8歳以上 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-6/6

年齢別では、5歳と7歳に好走馬が多い。ただ、7歳馬は近5年にかぎると【1.0.2.17】。その分、4歳馬が成績を上げており、好走馬5頭中4頭はここ5年に出ている。
また、降級制度が廃止になった今年、「3歳以上(6月以降)」の平地G3競走では、4歳馬が【9.7.6.43】複勝率33.8%を記録するのに対し、4歳以外は【7.9.10.140】同15.7%。本競走でも4歳馬への注目は欠かせず、近年の流れ通りにまずは4〜5歳馬を重視したい。

■表3 前走クラス・レース別成績(レース別はG3の好走馬輩出レースのみ)

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1000万(現2勝) 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1600万(現3勝) 1-2-0-18/21 4.8% 14.3% 14.3% 29% 41%
OPEN特別 0-0-2-10/12 0.0% 0.0% 16.7% 0% 193%
G3 8-7-8-91/114 7.0% 13.2% 20.2% 116% 91%
G2 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 1-1-0-7/9 11.1% 22.2% 22.2% 20% 53%
小倉記念 6-2-4-31/43 14.0% 18.6% 27.9% 123% 109%
函館記念 1-1-1-12/15 6.7% 13.3% 20.0% 98% 120%
クイーンS 1-0-0-1/2 50.0% 50.0% 50.0% 3265% 690%
七夕賞 0-3-1-19/23 0.0% 13.0% 17.4% 0% 73%
エプソムC 0-1-0-4/5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 34%
関屋記念 0-0-1-10/11 0.0% 0.0% 9.1% 0% 18%
新潟大賞典 0-0-1-4/5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 88%

表3は、前走クラス・レース別の成績である。冒頭でも触れたように、好走馬数が多いのはサマー2000シリーズ組。中でも前走小倉記念出走馬が【6.2.4.31】と好走馬の3分の1以上を占め、単複の回収率は100%を突破している。一方、昨年は前走G1組のワンツーだったが、過去10年でもG1組で好走したのはこの2頭だけである。
なお、2010年17着のアドマイヤオーラ(福島テレビOP3着→小倉記念除外)、2012年15着のセイクリッドバレー(白富士S3着→新潟大賞典取消)はそれぞれ、小倉記念と新潟大賞典を前走として集計している。

■表4 前走G1レースからの出走馬

馬名 人気 着順 前走 主な重賞実績
レース 着順 芝2000m 芝1800m
2010 メイショウベルーガ 2 4 宝塚記念 6 愛知杯3着 ローズS5着
2012 モンストール 12 12 日本ダービー 12 皐月賞9着 スプリングS6着
2015 スイートサルサ 12 8 ヴィクトリアM 12 愛知杯3着 福島牝馬S1着
ネオブラックダイヤ 11 14 宝塚記念 9 中日新聞杯11着 未経験
アヴニールマルシェ 4 15 NHKマイルC 4 未経験 東スポ杯2歳S2着
ミュゼスルタン 1 16 日本ダービー 6 未経験 スプリングS7着
2017 トーセンバジル 2 7 天皇賞(春) 8 弥生賞5着 未経験
2018 ブラストワンピース 1 1 日本ダービー 5 未経験 毎日杯1着
メートルダール 6 2 大阪杯 10 中日新聞杯1着 共同通信杯3着

2018/9/2 新潟11R 新潟記念(G3) 1着1番 ブラストワンピース

前走G1組の全出走馬は表4の9頭。昨年1、2着を占めた2頭と、その他の7頭の違いを探ると、芝1800〜2000mでの重賞勝ち鞍の有無が挙げられる。ブラストワンピースは3歳でキャリアわずか4戦だったが、2走前に芝1800mの毎日杯を制覇。そしてメートルダールは3走前、本競走と同距離の中日新聞杯を勝っていた。
馬券圏外敗退馬では、2015年8着のスイートサルサが芝1800mで重賞勝ちを挙げていたが、これは小回り福島の福島牝馬Sだった。ブラストワンピースの毎日杯は阪神芝外回り、そしてメートルダールの中日新聞杯は中京と、好走した2頭はともに、本競走と同じく長い直線を持つコースで勝利していたことも共通点だ。

■表5 前走小倉記念出走馬の各種成績

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走着順 1着 1-0-0-3/4 25.0% 25.0% 25.0% 300% 105%
2着 2-0-0-3/5 40.0% 40.0% 40.0% 290% 106%
3着 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
4着 1-0-0-5/6 16.7% 16.7% 16.7% 156% 55%
5着 0-0-1-2/3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 236%
6〜7着 2-1-3-3/9 22.2% 33.3% 66.7% 192% 236%
8着〜 0-1-0-10/11 0.0% 9.1% 9.1% 0% 53%
前走人気 1番人気 2-0-1-3/6 33.3% 33.3% 50.0% 301% 150%
2番人気 1-1-0-2/4 25.0% 50.0% 50.0% 235% 180%
3番人気 0-0-1-1/2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 150%
4番人気 2-0-0-4/6 33.3% 33.3% 33.3% 351% 133%
5番人気 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6〜9番人気 1-1-2-9/13 7.7% 15.4% 30.8% 35% 153%
10番人気〜 0-0-0-8/8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
今回ハンデ 〜54キロ 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
55〜57.5キロ 6-2-4-22/34 17.6% 23.5% 35.3% 156% 138%
58キロ 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

続いて表5は、好走馬が多い小倉記念組について、いくつか注目できるデータを拾ったものである。同レースの成績は、ひと桁人気かつ7着以内が目安。そして、好走馬全12頭は、本競走のハンデが55〜57.5キロだった(小倉記念のハンデではない点に注意)。表3にあったように、小倉記念組は全馬を買っても単複の回収率は100%を超えてくるが、この表5を参考にもうひと絞りすると、一層の好結果を期待できそうだ。

■表6 前走G3(小倉記念以外)出走馬の各種成績

項目 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
前走人気 1番人気 0-1-1-2/4 0.0% 25.0% 50.0% 0% 92%
2番人気 0-2-0-2/4 0.0% 50.0% 50.0% 0% 250%
3番人気 0-1-0-4/5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 42%
4番人気 1-1-0-3/5 20.0% 40.0% 40.0% 294% 232%
5番人気〜 1-0-3-48/52 1.9% 1.9% 7.7% 125% 56%
斤量前走比 今回減 1-0-0-21/22 4.5% 4.5% 4.5% 296% 62%
増減無し 0-3-3-30/36 0.0% 8.3% 16.7% 0% 88%
今回増 1-2-1-9/13 7.7% 23.1% 30.8% 113% 84%
所属 関東馬 2-4-3-39/48 4.2% 12.5% 18.8% 166% 106%
関西馬 0-1-1-21/23 0.0% 4.3% 8.7% 0% 24%

小倉記念以外の前走G3出走馬についても見てみよう。こちらは「前走5番人気以下」「今回斤量減」、そして「関西馬」は複勝率10%未満の不振だ。このうち、「前走5番人気以下」は本競走出走全馬を見ても複勝率10.9%、「今回斤量減」は同じく9.7%と良くはないが、「関西馬」は全体で【6.5.6.69】複勝率19.8%を記録し、関東馬の同17.1%を上回っていた。関西馬でも「前走が小倉記念以外のG3」だった馬は割り引きたい

■表7 前走条件戦・オープン特別からの好走馬

馬名 性齢 ハンデ 人気 着順 前走 クラス コース 人気 着順
2009 サンライズベガ 牡5 54 6 2 日本海S 1600万 新潟芝22 1 1
2014 クランモンタナ 牡5 54 5 2 マレーシアC 中京芝20 1 1
2016 アデイインザライフ 牡5 55 2 1 常総S 中山芝20 1 1
2015 ファントムライト 牡6 54 13 3 モンゴル大統領賞 OP 東京芝18 8 16
2018 ショウナンバッハ 牡7 53 13 3 福島テレビOP 福島芝18 6 7

最後に表7は、前走1600万条件(現3勝クラス)と、オープン特別からの好走馬計5頭。このうち1600万条件組の3頭は、前走で「新潟」か「芝2000m」のいずれかを1番人気で勝ち上がっていた。そしてオープン特別組の2頭は6歳以上のベテラン馬である。このオープン特別組について前走着順別の成績を調べると、5着以内【0.0.0.6】、6着以下【0.0.2.4】となる。前走好走馬より、凡走馬の一発を期待したいのがオープン特別組だ。

【結論】

2017/3/5 中山11R 報知杯弥生賞(G2)1着 11番 カデナ

今年の登録馬でまず注目したいのはカデナだ。前走・小倉記念は6番人気で2着、そして今回のハンデは57キロと、好結果を残す小倉記念組の中でも、好走確率や単複の回収率が高いゾーンに入っている(表5)。5歳馬という点もプラス材料だ(表2)。

小倉記念以外のG3組(表6)では、エプソムCを制したレイエンダが斤量増の関東馬。同レースで5番人気だったことは減点材料になるが、他の2項目はクリアするほか、このレースで近年安定している4歳馬(表2)なら、有力候補としてもいいだろう。

ただ、上記2頭は恐らく上位人気。その他の組(表7)から、新潟芝2000mの3勝クラスを1番人気で勝ってきたアクートが、当日5番人気以下(表2)になるようなら、こちらを中心視する手もある。さらに穴っぽいところでは、オープン特別で掲示板外(表7)だったベテラン・6歳のクラウンディバイダや、4歳馬ではあるがコズミックフォース(本稿執筆時点では出走馬決定順19番目)を挙げておきたい。

一方、前走G1組で表4の「芝1800〜2000mの重賞勝ち」があるのは、サトノワルキューレ(フローラS1着)1頭のみだが、牝馬は過去10年【1.0.0.21】に終わっている。牡・セン馬なら、京都芝外回り2200mの京都記念優勝があるクリンチャー、重賞未勝利ながら本競走で昨年3着のショウナンバッハあたりになるが、いずれも、各データをすんなりクリアするカデナとの比較では劣勢を否めない。今年は前走G1組よりも、G3以下の組をメインに組み立てたほうが良さそうな印象だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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