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第1281回 年間215勝の新記録! ルメール騎手の2018年を振り返る

2019/1/7(月)

2018/11/25 東京11R ジャパンカップ(G1) 1着 1番 アーモンドアイ

アーモンドアイとのコンビで牝馬三冠&ジャパンC制覇を達成し、武豊騎手が持つ212勝の年間最多勝記録をも更新するなど、2018年はまさしくクリストフ・ルメール騎手の年となった。今回は記録ずくめとなった昨年のルメール騎手を、データから振り返ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 148- 67- 49-111/375 39.5% 57.3% 70.4% 80% 84%
2番人気 46- 42- 25- 69/182 25.3% 48.4% 62.1% 95% 99%
3番人気 10- 20- 12- 63/105 9.5% 28.6% 40.0% 49% 76%
4番人気 7-  3-  4- 38/ 52 13.5% 19.2% 26.9% 103% 59%
5番人気 2-  2-  3- 22/ 29 6.9% 13.8% 24.1% 57% 71%
6番人気 0-  0-  1- 10/ 11 0.0% 0.0% 9.1% 0% 28%
7番人気 1-  0-  3-  3/  7 14.3% 14.3% 57.1% 207% 240%
8番人気 0-  1-  1-  6/  8 0.0% 12.5% 25.0% 0% 156%
9番人気 1-  0-  0-  0/  1 100.0% 100.0% 100.0% 1570% 410%
10番人気〜 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
全体 215-135- 98-324/772 27.8% 45.3% 58.0% 81% 86%

表1は人気別成績。1、2番人気にはルメール騎手騎乗ということで必要以上に売れた馬も少なからず含まれていそうだが、それでも水準となる80%以上の回収率を単複ともに記録。特に2番人気は単複の回収率がともに90%台と優秀な数字が残っている。3番人気は、1着10回に対して2着20回と2着どまりのケースも多いことに注意。4番人気は勝率13.5%、単勝回収率103%と良好で、馬券的に面白い存在となりそう。また、騎乗は少ないものの7〜9番人気の回収率も高く、今のルメール騎手がこのあたりのダークホースに乗ってきたら侮らないほうがよさそうだ。

■表2 競馬場別成績

競馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
札幌 26- 20-  8- 36/ 90 28.9% 51.1% 60.0% 81% 87%
函館 18- 13- 12- 27/ 70 25.7% 44.3% 61.4% 75% 79%
福島 0-  0-  0-  0/  0          
新潟 6-  2-  3-  4/ 15 40.0% 53.3% 73.3% 82% 91%
東京 67- 25- 27- 81/200 33.5% 46.0% 59.5% 97% 93%
中山 39- 13- 18- 41/111 35.1% 46.8% 63.1% 92% 89%
中京 5-  2-  2-  8/ 17 29.4% 41.2% 52.9% 90% 78%
京都 27- 29-  8- 59/123 22.0% 45.5% 52.0% 77% 83%
阪神 27- 31- 20- 68/146 18.5% 39.7% 53.4% 53% 80%
小倉 0-  0-  0-  0/  0          

表2は競馬場別成績。関西所属のルメール騎手だが最近は関東圏で騎乗する機会も多く、実際に2018年に最多騎乗となったのも東京だった。その東京のほか、中山や新潟でも数字がよく、今では関東圏のほうが狙いやすいようだ。反面、関西の中央場である京都、阪神の数字はもうひとつ。なかでも阪神の勝率18.5%は、自身全体の勝率27.8%に比べて10ポイント近くも低く、勝ち切れないケースに気をつけたい。

■表3 距離別成績

馬場 距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000〜1300m 12- 10-  4- 28/ 54 22.2% 40.7% 48.1% 56% 62%
1400〜1600m 44- 22- 28- 59/153 28.8% 43.1% 61.4% 85% 88%
1700〜2000m 63- 45- 22- 66/196 32.1% 55.1% 66.3% 88% 87%
2100〜2400m 12-  6-  4- 18/ 40 30.0% 45.0% 55.0% 66% 85%
2500m〜 6-  2-  3-  9/ 20 30.0% 40.0% 55.0% 191% 100%
全距離 137- 85- 61-180/463 29.6% 47.9% 61.1% 86% 85%
ダート 1000〜1300m 14- 11-  6- 29/ 60 23.3% 41.7% 51.7% 79% 85%
1400〜1600m 23- 12- 14- 52/101 22.8% 34.7% 48.5% 66% 81%
1700〜2000m 37- 24- 15- 57/133 27.8% 45.9% 57.1% 79% 87%
2100〜2400m 4-  3-  2-  6/ 15 26.7% 46.7% 60.0% 56% 140%
2500m〜 0-  0-  0-  0/  0          
全距離 78- 50- 37-144/309 25.2% 41.4% 53.4% 73% 88%

表3は距離別成績。芝とダートに分けて示しているが、どちらにも共通した傾向がふたつ見られる。ひとつは、芝・ダートともに1700〜2000mの勝率がもっとも高いこと。もうひとつは、1000〜1300mや1400〜1600mといった短めの距離では好走率が落ちることだ。ルメール騎手を狙う場合、データからは中〜長距離のほうが安心して買える。

■表4 クラス別成績

クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
新馬 31- 19- 10- 22/ 82 37.8% 61.0% 73.2% 96% 92%
未勝利 60- 41- 24- 90/215 27.9% 47.0% 58.1% 73% 82%
500万下 57- 39- 33- 77/206 27.7% 46.6% 62.6% 75% 93%
1000万下 34- 15- 15- 56/120 28.3% 40.8% 53.3% 76% 76%
1600万下 9-  4-  6- 32/ 51 17.6% 25.5% 37.3% 67% 56%
OPEN特別 4-  6-  4- 16/ 30 13.3% 33.3% 46.7% 32% 102%
G3 7-  4-  3- 11/ 25 28.0% 44.0% 56.0% 89% 113%
G2 5-  5-  1-  9/ 20 25.0% 50.0% 55.0% 115% 89%
G1 8-  2-  2- 11/ 23 34.8% 43.5% 52.2% 233% 100%

表4はクラス別成績。好走率がもっとも高いのは新馬戦で、期待の大きい若駒のデビュー戦でしばしば手綱を任されている様子が伺える。重賞ではG1からG3まで優秀な成績を収めており、合計して【20.11.6.31】、勝率29.4%、複勝率54.4%、単勝回収率145%、複勝回収率101%。このデータを見る限り、やはり重賞でルメール騎手を軽視するのは危険なようだ。ただし、オープン特別の成績はあまりよくなく、1600万下の数字も振るわない。また、今年から導入されるリステッド競走に関しては、重賞とオープン特別のどちらに近い成績になっていくのか、注目していきたい。

■表5 枠番別成績

馬場 枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 13-13- 6-20/52 25.0% 50.0% 61.5% 60% 77%
2枠 10-13-11-26/60 16.7% 38.3% 56.7% 47% 81%
3枠 14- 9- 6-21/50 28.0% 46.0% 58.0% 70% 80%
4枠 20- 8- 5-23/56 35.7% 50.0% 58.9% 97% 78%
5枠 19-14-11-15/59 32.2% 55.9% 74.6% 96% 105%
6枠 13-10-10-23/56 23.2% 41.1% 58.9% 81% 88%
7枠 25- 7- 7-30/69 36.2% 46.4% 56.5% 111% 82%
8枠 23-11- 5-22/61 37.7% 55.7% 63.9% 114% 86%
ダート 1枠 7-11- 2-17/37 18.9% 48.6% 54.1% 53% 112%
2枠 8- 9- 5-15/37 21.6% 45.9% 59.5% 59% 100%
3枠 10- 6- 2-25/43 23.3% 37.2% 41.9% 109% 71%
4枠 6- 4- 3-16/29 20.7% 34.5% 44.8% 60% 70%
5枠 11- 6- 5-13/35 31.4% 48.6% 62.9% 101% 94%
6枠 15- 5- 5-17/42 35.7% 47.6% 59.5% 67% 81%
7枠 7- 5- 8-23/43 16.3% 27.9% 46.5% 43% 78%
8枠 14- 4- 7-18/43 32.6% 41.9% 58.1% 91% 94%

表5は枠番別成績で、芝とダートに分けて示している。芝に関しては7枠や8枠の成績が非常によく、外枠を得意としていることがわかる。一方、1枠や2枠は勝率、単勝回収率がやや低調で、内枠は若干の割引が必要か。続いてダートを見ると、5枠、6枠、8枠の好走率が高く、こちらも外目の枠のほうがいいようだ。内の1枠や2枠は面白い傾向が出ており、どちらも単勝回収率は50%台と冴えないが、複勝回収率は100%以上を記録している。

■表6 厩舎別成績

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
着別度数 藤沢和雄 23- 9-14-28/74 31.1% 43.2% 62.2% 77% 86%
木村哲也 16- 8- 5-18/47 34.0% 51.1% 61.7% 67% 81%
国枝栄 11- 4- 5-14/34 32.4% 44.1% 58.8% 70% 72%
須貝尚介 8- 6- 4-14/32 25.0% 43.8% 56.3% 72% 79%
萩原清 8- 5- 2- 8/23 34.8% 56.5% 65.2% 97% 97%
単勝回収率 矢作芳人 4- 4- 1- 4/13 30.8% 61.5% 69.2% 214% 116%
田村康仁 8- 0- 4- 3/15 53.3% 53.3% 80.0% 153% 107%
手塚貴久 2- 1- 3- 7/13 15.4% 23.1% 46.2% 140% 114%
松田国英 8- 5- 1- 4/18 44.4% 72.2% 77.8% 122% 110%
加藤征弘 7- 1- 1-10/19 36.8% 42.1% 47.4% 116% 79%

表6は厩舎別成績で、上半分は着別度数順の上位5厩舎、下半分は単勝回収率順(騎乗10回以上)の上位5厩舎を表している。着別度数順から見ていくと、1位の藤沢和雄厩舎で最多の23勝をマーク。レイデオロの天皇賞・秋など、同厩舎が2018年に挙げた重賞7勝のうち5勝をルメール騎手が占めており、東西の枠を越えた主戦ジョッキーとなっている。以下、木村哲也厩舎、国枝栄厩舎、萩原清厩舎と、勝利数ベスト5厩舎のうち4厩舎が関東所属というのが大きな特徴だ。単勝回収率順で1位となったのは矢作芳人厩舎で、9番人気のモズアスコットで制した安田記念が効いている。2位の田村康仁厩舎ではG1を2勝したメジャーエンブレムでの活躍が印象深いが、現在も高勝率を記録する名コンビだ。

■表7 種牡馬別成績

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
着別度数 ディープインパクト 25-13-14-40/92 27.2% 41.3% 56.5% 86% 85%
キングカメハメハ 23-14- 4-22/63 36.5% 58.7% 65.1% 90% 88%
ロードカナロア 15-12- 4-13/44 34.1% 61.4% 70.5% 78% 83%
ハーツクライ 10- 6- 9-19/44 22.7% 36.4% 56.8% 65% 89%
ゴールドアリュール 10- 4- 3-12/29 34.5% 48.3% 58.6% 98% 82%
単勝回収率 ハービンジャー 9- 0- 2- 5/16 56.3% 56.3% 68.8% 203% 117%
Frankel 3- 3- 0- 6/12 25.0% 50.0% 50.0% 159% 83%
ブラックタイド 5- 1- 1- 4/11 45.5% 54.5% 63.6% 147% 80%
マンハッタンカフェ 8- 3- 4- 5/20 40.0% 55.0% 75.0% 142% 136%
クロフネ 8- 3- 2- 8/21 38.1% 52.4% 61.9% 118% 118%

表7は種牡馬別成績で、上半分は着別度数順の上位5頭、下半分は単勝回収率順(騎乗10回以上)の上位5頭を表している。着別度数順から見ていくと、ディープインパクトで最多の25勝を挙げているが、好走率としては2位のキングカメハメハのほうが高い。また、キングカメハメハの後継種牡馬となる3位のロードカナロアでも高い好走率を記録しており、この系統との相性のよさを感じさせる。単勝回収率順では1位がハービンジャー、2位がFrankelとなっており、いずれも現役時代は欧州で活躍した馬。欧州・フランス育ちのルメール騎手だけに、欧州血統と相性がいいのも大いに納得できる。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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