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第1269回 今年も波乱となるか!? 京阪杯を分析する

2018/11/19(月)

今週は東京と京都の2場開催で、日曜の東京最終レースは15時40分発走予定の11Rジャパンカップ、京都の最終レースは16時15分発走予定の京阪杯となっている。芝1200m重賞の京阪杯は昨年3連単で100万円以上の高配当が飛び出すなど波乱傾向が強い一戦だ。今回は過去の京阪杯のデータから馬券で狙えるタイプを探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 京阪杯近5年の上位3着以内馬一覧

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前半600m通過
2017
(良/16頭)
1 ネロ 1分8秒8 9 1 34秒5 34秒3
2 ビップライブリー クビ 6 5 34秒1
3 イッテツ クビ 14 12 33秒8
2016
(重/18頭)
1 ネロ 1分10秒3 2 1 36秒2 34秒1
2 エイシンスパルタン 4馬身 3 4 35秒9
3 フミノムーン 1馬身1/4 6 10 35秒4
アースソニック 同着 10 7 35秒8
2015
(良/15頭)
1 サトノルパン 1分7秒4 4 4 33秒1 34秒0
2 ビッグアーサー アタマ 1 7 32秒8
3 アースソニック 3馬身1/2 5 10 33秒2
2014
(良/18頭)
1 アンバルブライベン 1分8秒3 5 1 33秒6 34秒7
2 サドンストーム 1馬身1/4 11 9 33秒2
3 サカジロロイヤル クビ 15 2 33秒7
2013
(良/18頭)
1 アースソニック 1分7秒5 7 2 33秒3 34秒1
2 アイラブリリ クビ 8 1 33秒4
3 スギノエンデバー クビ 10 3 33秒2

2017/11/26 京都12R 京阪杯(G3) 1着 4番 ネロ

まず表1は2013年以降の京阪杯の3着以内馬一覧。重馬場だった一昨年、良馬場ながら前開催の雨の影響が大きかった昨年は勝ち時計が掛かっている。また、前半600m通過を見るとすべて34秒以上掛かっており、平均〜スローの流れにおさまっている。それゆえ逃げ馬が馬券に絡むことが多く、一昨年・昨年優勝のネロをはじめ5年中4年で3着以内に入っている。近3年は3着に4角10番手以降の差し馬も入っているが、活躍が目立つのは前に行った逃げ・先行馬だ。

また、近5年の人気順を見ると15年・一昨年は堅めの決着だったが、13年・14年・昨年は馬連で万馬券。14年と昨年は3連単で100万円を軽く超えるような大波乱となっている。上位人気馬が総崩れとなることもあり、非常に波乱傾向が強い一戦といえる。

■表2 京阪杯過去10年の脚質別成績

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 4-  1-  0-  5/ 10 40.0% 50.0% 50.0% 864% 371%
先行 5-  1-  3- 31/ 40 12.5% 15.0% 22.5% 125% 113%
差し 0-  7-  6- 54/ 67 0.0% 10.4% 19.4% 0% 87%
追い込み 1-  1-  2- 49/ 53 1.9% 3.8% 7.5% 32% 76%

表2は京阪杯過去10年の脚質別成績。過去10年で見ても逃げ馬4勝、先行馬5勝でのべ9勝と前に行った馬が勝ち切るケースが目立っている。逃げ・先行ともに単勝回収率・複勝回収率は100%を超えている。

対して、差し馬は勝ち星がなく、2着・3着が非常に多い。差し・追い込みタイプを合わせると2・3着が各8回と勝ち切れないが、馬券圏内には突っ込んでくるというケースが多い。つまり、レース傾向から1着には逃げ・先行タイプ(特に逃げ馬は要チェック)で、2・3着には差し・追い込み馬を絡めた馬券が有効といえそうだ。

■表3 京阪杯過去10年の枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 2- 1- 1-14/18 11.1% 16.7% 22.2% 212% 134%
2枠 4- 1- 0-15/20 20.0% 25.0% 25.0% 349% 113%
3枠 2- 2- 3-13/20 10.0% 20.0% 35.0% 85% 152%
4枠 1- 2- 2-15/20 5.0% 15.0% 25.0% 56% 126%
5枠 0- 0- 3-17/20 0.0% 0.0% 15.0% 0% 131%
6枠 0- 1- 1-18/20 0.0% 5.0% 10.0% 0% 103%
7枠 1- 0- 1-24/26 3.8% 3.8% 7.7% 66% 71%
8枠 0- 3- 0-24/27 0.0% 11.1% 11.1% 0% 50%

表3は枠番別成績。黄色で強調したように内目の1〜4枠で大半の9勝をあげており、複勝率も軒並み20%以上と内枠有利の傾向が出ている。平均〜スローになりやすい京阪杯ではコースロスの少ない内枠の方が好走しやすいのだろう。

対して、5枠から外では7枠の09年プレミアムボックスの1勝のみで、連対率・複勝率ともに低い。人気にかかわらず、内目の1〜4枠の馬を積極的に狙っていきたい

■表4 京阪杯過去10年の前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
京洛S 3- 2- 3-38/46 6.5% 10.9% 17.4% 98% 115%
スワンS 2- 5- 2-26/35 5.7% 20.0% 25.7% 94% 145%
スプリンターズS 1- 0- 1-16/18 5.6% 5.6% 11.1% 22% 50%
桂川S(1600万下) 1- 0- 1- 3/ 5 20.0% 20.0% 40.0% 316% 162%
福島民友C(ハンデ) 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1130% 440%
長岡京S(1600万下) 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 740% 290%
JBCスプリント 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 3690% 1160%
オパールS(別定) 0- 2- 1- 5/ 8 0.0% 25.0% 37.5% 0% 235%
信越S 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 86%
福島民友C(別定) 0- 0- 1- 6/ 7 0.0% 0.0% 14.3% 0% 50%
セントウルS 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 85%
オパールS(ハンデ) 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 266%
その他のレース 0- 0- 0-37/37 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は前走レース別成績。出走数最多の京洛Sが12年ハクサンムーンら3勝をあげているが、16年以降は施行されていない。代わって中心となるのがスワンS組で15年サトノルパンら2勝をあげており、昨年2着のビップライブリーなど近4年は毎年連対馬を出している。距離短縮となるスワンS組は今年も要チェックだ。

対して、不振傾向にあるのがスプリンターズS組。一昨年のネロは勝利しているが、上位人気に推された馬がかなり馬券圏外に敗れている。また、前走1600万下組が勝利することもあり、前走クラスは問わないレースといえる。他では一昨年より別定戦からハンデ戦に替わったオパールS組も昨年14番人気3着のイッテツが激走しており、好相性といえる。

■表5 京阪杯過去10年の前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 4-  1-  3- 18/ 26 15.4% 19.2% 30.8% 138% 87%
前走2着 1-  1-  1- 12/ 15 6.7% 13.3% 20.0% 64% 54%
前走3着 0-  3-  2- 10/ 15 0.0% 20.0% 33.3% 0% 311%
前走4着 1-  3-  1-  3/  8 12.5% 50.0% 62.5% 461% 391%
前走5着 0-  1-  0- 12/ 13 0.0% 7.7% 7.7% 0% 55%
前走6〜9着 3-  1-  2- 41/ 47 6.4% 8.5% 12.8% 78% 54%
前走10着以下 1-  0-  2- 44/ 47 2.1% 2.1% 6.4% 72% 85%

2014/11/30 京都12R 京阪杯(G3) 1着 7番 アンバルブライベン

表5は前走着順別成績。前走1着馬が14年アンバルブライベンら最多の4勝をあげている。同馬は前走で福島芝1200mのオープン特別・福島民友Cを逃げ切って勝利していた。これら前走4着以内だった馬の複勝率が高い傾向にある。特に前走3着馬・4着馬は前走1着馬を連対率・複勝率で上回っていた

前走5着以下から巻き返す馬はいるものの、全体的な頭数が多く、連対率・複勝率では低調な数字を示している。

■表6 京阪杯過去10年の前走斤量別成績

前走斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
49.5〜51kg 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
51.5〜53kg 2- 2- 0-30/34 5.9% 11.8% 11.8% 61% 49%
53.5〜55kg 2- 3- 6-56/67 3.0% 7.5% 16.4% 53% 144%
55.5〜57kg 6- 5- 5-49/65 9.2% 16.9% 24.6% 149% 104%
1600万下 2- 0- 1- 1/ 4 50.0% 50.0% 75.0% 580% 275%
OPEN特別 0- 1- 2-18/21 0.0% 4.8% 14.3% 0% 35%
G3 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G2 2- 4- 1-16/23 8.7% 26.1% 30.4% 143% 125%
G1 1- 0- 1- 8/10 10.0% 10.0% 20.0% 41% 90%
57.5〜59kg 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
59.5〜 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

最後に表6は前走斤量別成績。前走55.5〜57キロの馬が昨年のネロら過半数の6勝をあげており、連対率・複勝率ともに高い。特に近3年は15年1〜3着、一昨年1〜3着(3着同着の2頭とも)、昨年1・2着と活躍が顕著だ。この組の前走クラス別成績では前走1600万下もしくは前走G2だった馬が好成績をあげていた。

また、前走51.5〜53キロの馬は14年アンバルブライベンら2勝、前走53.5〜55キロの馬は12年ハクサンムーンら2勝をあげているものの、連対率・複勝率で前走55.5〜57キロの馬にやや離されている。なお、前走57.5キロ以上の馬からは好走馬が出ていない。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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