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第1197回 穴馬の資格は!? フラワーCを分析する

2018/3/12(月)

今週は中山、中京、阪神と3競馬場で土日に4鞍の重賞が行われる。土曜中山のメインレースは芝1800mの3歳牝馬限定重賞・フラワーC。昨年のファンディーナの快勝劇は記憶に新しいところだ。ただ、桜花賞へ向かうにしては時期が遅く、賞金を加算したい上がり馬が多く出走するために波乱の要素もある一戦だ。今回は2013年以降の近5年のフラワーCのデータから好走馬の特徴や穴馬の資格を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 フラワーC近5年の上位3着以内馬一覧

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 1000m通過 レース上がり
2017
(良)
1 ファンディーナ 1分48秒7 1 2 34秒9 61秒1 35秒3
2 シーズララバイ 5馬身 8 7 34秒9
3 ドロウアカード クビ 7 1 36秒1
2016
(良)
1 エンジェルフェイス 1分49秒3 1 1 35秒6 61秒5 35秒6
2 ゲッカコウ 1馬身1/4 2 7 35秒4
3 ウインクルサルーテ ハナ 14 8 35秒2
2015
(良)
1 アルビアーノ 1分49秒4 1 1 35秒4 61秒7 35秒4
2 アースライズ 1馬身1/2 12 8 34秒9
3 ディアマイダーリン ハナ 2 5 35秒0
2014
(良)
1 バウンスシャッセ 1分51秒3 3 4 36秒6 62秒1 37秒0
2 マイネグレヴィル 2馬身 4 2 37秒2
パシフィックギャル 同着 6 3 37秒0
2013
(良)
1 サクラプレジール 1分50秒0 2 3 35秒2 62秒0 35秒5
2 エバーブロッサム ハナ 3 12 34秒3
3 リラコサージュ クビ 6 3 34秒9
※2014年は2着同着。

2017/3/20 中山11R フラワーカップ(G3) 1着 12番 ファンディーナ

まず表1は近5年の上位3着以内馬一覧。13・14年は勝ちタイムが1分50秒以上と掛かっているが、近3年は1分48秒7〜49秒4と速めの時計でおさまっている。1000m通過も61秒台、レース上がりも35秒台半ばと共通しているのが近3年の特徴だ。

 コーナー4回の中山芝1800mらしく毎年先行馬が好走しており、近3年は4コーナー先頭の馬が3着以内に入っている。先週の中山牝馬Sでもカワキタエンカが逃げ切り勝ちを決めたように、ペースが速くならなければ前に行った馬が好走しやすいコースだ。ただし、近3年はアースライズ、ウインクルサルーテ、シーズララバイといった人気薄の差し馬が穴をあけている点は注目しておきたい。

 人気面では1番人気馬が昨年のファンディーナら近3年続けて勝利している。ファンディーナは道中2番手から楽に抜け出して5馬身差の圧勝を決めたが、2着には8番人気シーズララバイが激走。3着ドロウアカードとクビ差の4着にも12番人気馬が入っており、1番人気馬が勝利しても波乱の目がある一戦といえる。近5年でも毎年6番人気以下の伏兵が1頭は馬券に絡んでいる。

■表2 フラワーCの前走クラス別成績(過去5年)

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収率
新馬 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 120% 56%
未勝利 1- 2- 1-15/19 5.3% 15.8% 21.1% 15% 92%
500万下 3- 2- 3-21/29 10.3% 17.2% 27.6% 38% 111%
オープン特別 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 75%
G3 0- 1- 0-15/16 0.0% 6.3% 6.3% 0% 16%
G1 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

続いて表2は前走クラス別成績。勝ち馬5頭はいずれも新馬、未勝利、500万下と下のクラスを使ってきた馬から出ている。なかでも前走500万下組は昨年のファンディーナら最多の3勝をあげており、15年1・3着、一昨年2・3着、昨年1〜3着と最近の活躍が目立っている。前走未勝利組からは一昨年のエンジェルフェイス、前走新馬組からは13年サクラプレジールがそれぞれ勝利し、初勝利を挙げたばかりでも通用するレースだ。

 逆に前走G3、G1を使われた重賞組の不振が顕著だ。前走G3組は14年2着マイネグレヴィル(前走京成杯5着)のみで、近3年は好走馬なし。これら前走重賞組は上位人気にはなるものの、期待外れのことが多いことを示している。

■表3 前走500万下組の前走着順別成績(過去5年)

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 3- 1- 1- 3/ 8 37.5% 50.0% 62.5% 141% 115%
前走2着 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走3着 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 290%
前走4着 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走5着 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6〜9着 0- 1- 1- 6/ 8 0.0% 12.5% 25.0% 0% 216%
前走10着以下 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

2015/3/21 中山11R フラワーカップ(G3) 1着 1番 アルビアーノ

表3は好走馬が多い前走500万下組の前走着順別成績。黄色で強調したように前走1着馬が14年バウンスシャッセ、15年アルビアーノ、昨年のファンディーナと3勝をあげている。ファンディーナはその後勝利していないが、バウンスシャッセとアルビアーノはその後も重賞勝ちをおさめている。連対率・複勝率も非常に高く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

 また、近2年は前走6〜9着のゾーンから一昨年3着ウインクルサルーテ、昨年2着シーズララバイと穴馬が激走している。両馬は前走芝2000m以上のレースを使われて、今回距離短縮での激走となった。

■表4 フラワーCの前走からの距離増減別成績(過去5年)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
同距離 2- 2- 0-16/20 10.0% 20.0% 20.0% 21% 69%
今回延長 2- 1- 3-39/45 4.4% 6.7% 13.3% 15% 41%
今回短縮 1- 3- 1- 5/10 10.0% 40.0% 50.0% 68% 247%

表4は前走からの距離増減別成績。黄色で強調した今回短縮の馬が少数ながら好成績をあげている。15年を除いて、昨年のシーズララバイら毎年1頭は3着以内に好走しており、連対率・複勝率ともに高い。中山芝1800mは瞬発力よりも持続力が問われることが多く、前走で長めの距離を経験したことが今回生かされることが多いのだろう。3着以内馬5頭はいずれも3番人気以下で、伏兵としても注目だ。

同距離組、今回延長組は2勝ずつをあげているが、3着以内馬も人気サイドの馬が多く、複勝回収率は低くおさまっている。

■表5 フラワーCの前走脚質別成績(過去5年)

前走脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 2- 0- 0- 5/ 7 28.6% 28.6% 28.6% 87% 45%
先行 3- 3- 3-17/26 11.5% 23.1% 34.6% 45% 160%
差し 0- 2- 1-21/24 0.0% 8.3% 12.5% 0% 28%
追い込み 0- 1- 0-15/16 0.0% 6.3% 6.3% 0% 33%
マクリ 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は前走脚質別成績。前走逃げ・先行と前に行った馬が全5勝をあげ、連対率・複勝率ともに高い。特に前走で先行した馬は昨年のファンディーナら3勝で、毎年連対馬を出している。これら前走逃げ・先行で好走した11頭中8頭は前走で勝利をおさめていた。

一方、前走中団からの差し、後方からの追い込みだった馬からは勝ち馬が出ておらず、連対率・複勝率が低い。先行馬有利になりやすいフラワーCの予行演習が前走で出来ているかがポイントとなってくるだろう。

■表6 フラワーCの馬体重別成績(過去5年)

馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
〜399kg 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 240%
400〜419kg 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 238%
420〜439kg 0- 2- 0-20/22 0.0% 9.1% 9.1% 0% 65%
440〜459kg 0- 1- 1-16/18 0.0% 5.6% 11.1% 0% 43%
460〜479kg 1- 2- 0- 9/12 8.3% 25.0% 25.0% 30% 54%
480〜499kg 1- 1- 1- 5/ 8 12.5% 25.0% 37.5% 36% 77%
500〜519kg 3- 0- 0- 5/ 8 37.5% 37.5% 37.5% 141% 67%

最後に表6はフラワーC出走時の馬体重別成績。勝ち馬5頭はいずれも460キロ以上あり、特に大型の500キロ以上の馬が昨年のファンディーナら過半数の3勝をあげている。牝馬にしては大型の460キロ以上の馬が3着以内馬15頭中9頭までを占めており、馬券でも連対馬候補としては最適だろう。

逆に440キロ未満で3着以内に好走した4頭はいずれも8番人気以下の伏兵だった。これら4頭中3頭は前走で1800m以上のレースを使われていた。小柄な馬でも前走1800mか距離短縮組には注目しておきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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