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第1189回 伝統の長距離ハンデ戦! ダイヤモンドSを分析する

2018/2/12(月)

今週は土曜にダイヤモンドSと京都牝馬S、日曜にフェブラリーSと小倉大賞典と計4鞍の重賞が組まれている。今回のデータde出〜たでは平地重賞でステイヤーズSに次ぐ芝3400mの長距離ハンデ戦、ステイヤーズSをピックアップ。2013年以降の過去5年のデータから好走馬の特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 ダイヤモンドS近5年の上位3着以内馬一覧

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 性齢 人気 4角通過順 上がり3F 1000m通過 レース上がり
2017
(良)
1 アルバート 3分35秒2 牡6 1 12 33秒4 64秒3 34秒4
2 ラブラドライト 1馬身1/4 セ8 6 2 34秒5
3 カフジプリンス 1馬身1/4 牡4 2 5 34秒3
2016
(稍重)
1 トゥインクル 3分37秒8 牡5 4 1 37秒1 63秒0 37秒1
2 フェイムゲーム 4馬身 牡6 2 8 37秒0
3 ファタモルガーナ 5馬身 セ8 8 11 37秒5
2015
(良)
1 フェイムゲーム 3分31秒9 牡5 1 10 34秒6 61秒9 35秒2
2 ファタモルガーナ 2馬身 セ7 2 2 35秒4
3 カムフィー 2馬身1/2 牡6 8 10 35秒3
2014
(良)
1 フェイムゲーム 3分30秒2 牡4 1 2 35秒8 63秒8 36秒0
2 セイクリッドバレー 1馬身1/2 牡8 5 6 35秒9
3 タニノエポレット 3/4馬身 牡7 3 8 35秒8
2013
(良)
1 アドマイヤラクティ 3分31秒9 牡5 1 6 35秒6 59秒9 36秒3
2 ジャガーメイル 2馬身1/2 牡9 4 9 35秒6
3 メイショウカドマツ クビ 牡4 6 7 35秒9

2017/2/18 東京11R ダイヤモンドステークス(G3) 1着 12番 アルバート

表1はダイヤモンドS近5年の上位3着以内馬一覧。16年は稍重、昨年はスローペースで勝ちタイムが遅くなっているが、13〜15年にかけては3分30〜31秒台の決着となっていた。良馬場で前半1000m通過が平均ペースもしくは道中が緩まない流れになれば、3分30秒台前半が出るレースだ。上がりタイムはスローの瞬発力勝負となった昨年だけ速く、その他の年は34〜35秒台、道悪となった一昨年は37秒台とやはり持久力が問われる一戦といえるだろう。

 また、好走馬の特徴としては昨年2着のラブラドライトのように、7歳以上の高齢馬が毎年1頭は3着以内に入っている。人気順では、1番人気馬が【4.0.0.1】で昨年のアルバートら4勝と勝ち切る傾向が強い。2・3着には2〜8番人気までが分布しており、1番人気から伏兵へのヒモ荒れが多いレースとなっている。10番人気以下の激走がないように大波乱こそ見込めないが、やや配当がつくレースを少点数で取りたいレースだ。

■表2 ダイヤモンドSの枠番別と大外馬番の成績(過去5年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 1- 0- 0- 7/ 8 12.5% 12.5% 12.5% 36% 18%
2枠 0- 0- 1- 8/ 9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 37%
3枠 0- 2- 0- 7/ 9 0.0% 22.2% 22.2% 0% 66%
4枠 0- 1- 1- 7/ 9 0.0% 11.1% 22.2% 0% 68%
5枠 1- 0- 1- 7/ 9 11.1% 11.1% 22.2% 75% 42%
6枠 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
7枠 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 21% 11%
8枠 2- 2- 2- 4/10 20.0% 40.0% 60.0% 80% 121%
大外 1- 1- 1- 2/ 5 20.0% 40.0% 60.0% 74% 144%

表2は枠番別と大外馬番の成績。表に黄色で強調したように8枠が15年フェイムゲームら2勝をあげ、連対率40%・複勝率60%と非常に高い。長距離戦で大外枠は一見不利に思われそうだが、他馬に絡まれずに走れるメリットが大きいのだろう。

また、大外馬番の馬は5年中3年で3着以内に入っている。昨年は3着以内に入らなかったが、14番人気トウシンモンステラが僅差4着と健闘した。やはり大外馬番のメリットがあるのだろう。8枠そして大外馬番の馬は人気に関わらず、チェックしておきたい。

■表3 ダイヤモンドSの前走レース別成績(過去5年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
アメリカJCC 3- 0- 0- 4/ 7 42.9% 42.9% 42.9% 155% 68%
万葉S 1- 1- 1-14/17 5.9% 11.8% 17.6% 40% 42%
有馬記念 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 105% 55%
ステイヤーズS 0- 1- 1- 9/11 0.0% 9.1% 18.2% 0% 46%
白富士S 0- 1- 0- 7/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 30%
メルボルンC 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 125%
香港ヴァーズ 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 250%
早春S(1600万下) 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 190%
日経新春杯 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 50%
松籟S(1600万下) 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 155%
その他のレース 0- 0- 0-19/19 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は前走レース別成績。アメリカJCC組が15年フェイムゲームら最多の3勝をあげている。これら3勝はいずれも1番人気に推されてのものだった。その他の2勝は万葉S組から一昨年のトゥインクル、有馬記念組から昨年のアルバートが出ている。万葉S組で3着以内に入った3頭はいずれも前走で5着以内に入っていた。

意外にもステイヤーズS組からは勝ち馬が出ておらず、2・3着1回ずつで連対率・複勝率ともに高くない。また、前走1600万下組からは連対馬なしで、3着止まりとなっている。

■表4 ダイヤモンドSの前走脚質と前走上がり順位別成績(過去5年)

前走脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 0- 1- 1- 8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 48%
先行 0- 0- 2-18/20 0.0% 0.0% 10.0% 0% 20%
差し 2- 1- 1-18/22 9.1% 13.6% 18.2% 44% 35%
追い込み 2- 1- 1-11/15 13.3% 20.0% 26.7% 38% 66%
マクリ 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 143% 56%
3F  1位 0- 1- 1- 1/ 3 0.0% 33.3% 66.7% 0% 166%
3F  2位 1- 1- 0- 2/ 4 25.0% 50.0% 50.0% 52% 87%
3F  3位 1- 0- 2- 6/ 9 11.1% 11.1% 33.3% 75% 84%
3F 〜5位 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 43% 17%
3F 6位以下 2- 1- 2-38/43 4.7% 7.0% 11.6% 15% 26%

表4は前走脚質と前走上がり順位別成績。まず前走脚質を見ると、前走逃げ・先行組よりも差し・追い込みだった組の方が活躍していることがわかる。前走追い込み組は昨年アルバート、ラブラドライトと1・2着が該当している。

また、前走上がり順位別では上がり3位までに入った馬の複勝率が軒並み高い。のべ16頭で【2.2.3.9】で連対率25.0%・複勝率43.8%と非常に優秀だ。スローペースを見込んで前走逃げ・先行組を狙うよりも、前走差し・追い込み組で速い上がりを使った馬の方が狙いを立てやすい

■表5 ダイヤモンドSの前走からの斤量増減別成績(過去5年)

前走斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
増減無し 2- 2- 2-20/26 7.7% 15.4% 23.1% 27% 51%
今回斤量増 2- 2- 1- 5/10 20.0% 40.0% 50.0% 58% 92%
今回斤量減 1- 1- 2-34/38 2.6% 5.3% 10.5% 17% 30%

2015/2/21 東京11R ダイヤモンドステークス(G3) 1着 16番 フェイムゲーム

表5は前走からの斤量増減別成績。黄色で強調したように今回斤量増となる馬が15年フェイムゲーム、昨年のアルバートと2勝しており、連対率40%・複勝率50%と非常に高い。フェイムゲームは前走アメリカJCCで57キロを背負って12着と敗れていたが、1キロ増の58キロで快勝。昨年のアルバートも有馬記念57キロから1キロ重い58キロで勝利と、58キロ以上背負った馬はのべ【2.2.0.1】と好成績を残している。ハンデ戦で斤量が重くなる馬はハンデキャッパーに実力が認められているわけで、馬券の軸にはなりやすい。

斤量増に次いで高いのが増減増減なしの馬で、昨年は2・3着馬が該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。連対率・複勝率ともに最も低いのが今回斤量減の馬。一昨年のトゥインクルの1勝のみで、今回53キロ以下からは勝ち馬が出ていない。

■表6 ダイヤモンドSの種牡馬別成績(過去5年)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ハーツクライ 3- 1- 1- 5/10 30.0% 40.0% 50.0% 109% 88%
ステイゴールド 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 340% 115%
アドマイヤドン 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 210% 110%
ディープインパクト 0- 1- 1- 7/ 9 0.0% 11.1% 22.2% 0% 56%
キングカメハメハ 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 70%
ジャングルポケット 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 83%
タニノギムレット 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 240%
ダンスインザダーク 0- 0- 2- 3/ 5 0.0% 0.0% 40.0% 0% 106%
ダイワメジャー 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 103%
その他の種牡馬 0- 0- 0-35/35 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

最後に表6は種牡馬別成績。ハーツクライ産駒が13年アドマイヤラクティ、14・15年連覇のフェイムゲームと3勝をあげ、連対率40%・複勝率50%と優秀だ。昨年もカフジプリンスが3着で、毎年1頭は3着以内に入っている。その他ではステイゴールド産駒が一昨年のトゥインクル、アドマイヤドン産駒が昨年のアルバートがそれぞれ勝利している。

他の種牡馬を見ると、ディープインパクト産駒は勝ち星がなく、ファタモルガーナの2・3着1回ずつのみ。キングカメハメハ産駒も昨年2年のラブラドライトのみとやや苦戦傾向にある。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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