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第1176回 有終の美を飾れるか!? 有馬記念を占う

2017/12/21(木)

今週は有馬記念が行われる。翌週にホープフルSが控えるが、今年一年の中央競馬を締めくくる意味でもなんとしても当てたいレースだ。出走メンバーは引退レースとなるキタサンブラックや、ジャパンCに続く勝利を狙うシュヴァルグラン。3歳馬のスワーヴリチャードあたりが特に注目を集めそうだ。有終の美を飾るか、それとも新星が世代交代を高らかに宣言することになるのか。注目の大一番をデータから占う。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去10年の有馬記念好走馬一覧

着順 馬名 人気 性別 年齢 騎手 調教師 馬番
16年 1 サトノダイヤモンド 1 3 ルメール 池江泰寿 11
2 キタサンブラック 2 4 武豊 清水久詞 1
3 ゴールドアクター 3 5 吉田隼人 中川公成 2
15年 1 ゴールドアクター 8 4 吉田隼人 中川公成 7
2 サウンズオブアース 5 4 M.デムーロ 藤岡健一 9
3 キタサンブラック 4 3 横山典弘 清水久詞 11
14年 1 ジェンティルドンナ 4 5 戸崎圭太 石坂正 4
2 トゥザワールド 9 3 ビュイック 池江泰寿 6
3 ゴールドシップ 1 5 岩田康誠 須貝尚介 14
13年 1 オルフェーヴル 1 5 池添謙一 池江泰寿 6
2 ウインバリアシオン 4 5 岩田康誠 松永昌博 4
3 ゴールドシップ 2 4 ムーア 須貝尚介 14
12年 1 ゴールドシップ 1 3 内田博幸 須貝尚介 13
2 オーシャンブルー 10 4 ルメール 池江泰寿 6
3 ルーラーシップ 2 5 ウィリアムズ 角居勝彦 9
11年 1 オルフェーヴル 1 3 池添謙一 池江泰寿 9
2 エイシンフラッシュ 7 4 ルメール 藤原英昭 5
3 トゥザグローリー 9 4 福永祐一 池江泰寿 7
10年 1 ヴィクトワールピサ 2 3 M.デムーロ 角居勝彦 1
2 ブエナビスタ 1 4 スミヨン 松田博資 7
3 トゥザグローリー 14 3 ウィリアムズ 池江泰郎 11
09年 1 ドリームジャーニー 2 5 池添謙一 池江泰寿 9
2 ブエナビスタ 1 3 横山典弘 松田博資 2
3 エアシェイディ 11 8 後藤浩輝 伊藤正徳 6
08年 1 ダイワスカーレット 1 4 安藤勝己 松田国英 13
2 アドマイヤモナーク 14 7 川田将雅 松田博資 14
3 エアシェイディ 10 7 後藤浩輝 伊藤正徳 6
07年 1 マツリダゴッホ 9 4 蛯名正義 国枝栄 3
2 ダイワスカーレット 5 3 安藤勝己 松田国英 7
3 ダイワメジャー 6 6 M.デムーロ 上原博之 4

表1は過去10年の有馬記念好走馬の一覧。3着以内に好走した馬の情報を記し、何か特徴的な傾向がないかをまずは調べる。注目のキタサンブラックは3年連続での参戦。昨年は2着、一昨年は3着とすでに好走を果たしている。このように同じ馬が複数回好走するケースは、中山においてはめずらしくない。有馬記念だけでなく中山記念なども、リピーターが強いレースとして有名だ。

有馬記念ではゴールドアクターやゴールドシップ、オルフェーヴルやダイワスカーレットといった馬が過去10年で複数回好走している。その中でも一度は1着となるケースが多い。ブエナビスタは2着が2回だが、連対を果たして人気馬としての責任は果たした。キタサンブラックはまだこのレースで勝利がなく、勝ち切れるかどうかが焦点だ。同馬の3着以内の好走を予想することは全く難しくはない。上位人気は間違いなく、無事ならば高確率で走ってくるはず。何着になるかという正確な着順まで予測しなければいけないタイプと言えるだろう。

人気面は波乱含み。昨年こそ1〜3番人気で占める人気サイドだったが、例年は7番人気以下の馬が食い込んでくる。二けた人気の激走はやや減りつつあるが、人気馬だけで決まるケースの方が少ない

性別は牡馬が優勢。2500mという距離で、タフな暮れの中山という舞台だけあって牝馬にとってはかなり厳しいと思われる。過去10年で好走した牝馬はジェンティルドンナやブエナビスタ、ダイワスカーレット。名牝クラスの実力馬しか好走していない

年齢面では若い馬が優勢。有馬記念に限ったことではないが、ハイレベルのレースだけに3〜4歳馬の活躍が目立つ。以前は7〜8歳馬の好走もあったが、近年は不振だ。

騎手も相性のいい人とそうでない人がありそうだ。複数回好走しているのは池添謙一騎手やルメール騎手、M.デムーロ騎手らがいる。特にルメール騎手やM.デムーロ騎手は異なる馬で好走し、なおかつ穴馬でも食い込んでいる。外国人出身という意味では、ムーア騎手やウィリアムズ騎手、スミヨン騎手なども実績を残している。トリッキーなコースでもあり、鞍上の手腕もかなり大事だと考えたい。

調教師は何といっても池江泰寿厩舎の猛攻が凄い。昨年優勝のサトノダイヤモンドを筆頭にオルフェーヴル、ドリームジャーニーといった勝ち馬を輩出。さらにトゥザワールド、オーシャンブルーなど、伏兵馬まで滑り込ませる活躍。有馬記念で好走させるための馬の作り、仕上げ方を熟知している。角居勝彦厩舎もルーラーシップ、ヴィクトワールピサといった異なる馬で好走を果たしている。リーディング上位の名トレーナーは、この大一番で特に頼りになる存在だ。

あとは好走馬の馬番を記した。このレースは枠順がかなり重要。なるべく内枠がほしいコースだ。ただ、実際には二けた馬番でも好走しているケースは多い。昨年優勝したサトノダイヤモンドは11番だった。ゴールドシップの好走はいずれも二けた馬番だったし、ダイワスカーレットやアドマイヤモナークも二けた馬番で好走している。ただ、いずれも力が上位の馬ばかり。やや力が見劣ると考えられる馬は、外枠ではなく内枠を引けないと厳しくなる。

■表2 過去10年の有馬記念好走馬の前走成績

着順 馬名 前走レース名 前着
16年 1 サトノダイヤモンド 菊花賞G1 1
2 キタサンブラック JCG1 1
3 ゴールドアクター JCG1 4
15年 1 ゴールドアクター アルゼンHG2 1
2 サウンズオブアース JCG1 5
3 キタサンブラック 菊花賞G1 1
14年 1 ジェンティルドンナ JCG1 4
2 トゥザワールド 菊花賞G1 16
3 ゴールドシップ 凱旋門G1 14
13年 1 オルフェーヴル 凱旋門G1 2
2 ウインバリアシオン 金鯱賞G2 3
3 ゴールドシップ JCG1 15
12年 1 ゴールドシップ 菊花賞G1 1
2 オーシャンブルー 金鯱賞G2 1
3 ルーラーシップ JCG1 3
11年 1 オルフェーヴル 菊花賞G1 1
2 エイシンフラッシュ JCG1 8
3 トゥザグローリー JCG1 11
10年 1 ヴィクトワールピサ JCG1 3
2 ブエナビスタ JCG1 2
3 トゥザグローリー 中日新聞HG3 1
09年 1 ドリームジャーニー 天皇賞秋G1 6
2 ブエナビスタ エリザベG1 3
3 エアシェイディ JCG1 5
08年 1 ダイワスカーレット 天皇賞秋G1 2
2 アドマイヤモナーク JCG1 12
3 エアシェイディ 天皇賞秋G1 5
07年 1 マツリダゴッホ 天皇賞秋G1 15
2 ダイワスカーレット エリザベG1 1
3 ダイワメジャー マイルチG1 1

過去10年の好走馬についてもう少し調べていく。表2は前走レース名と前走着順を記した。最も多いのは前走JC組。のべ12頭が該当しており、好走馬の4割を占める。着順は関係あるようで、あまり関係はない。というのもJC1着→有馬記念1着という成績の馬が1頭もいないからだ。昨年キタサンブラックが惜しくもその成績を逃しており、やはり容易ではない。実際にはJCで少し敗れている(5着以内)馬が着順を上げてくるケースの方が多い。二けた着順に惨敗していた馬の巻き返しもあるが、数としてはそこまで多くない。

■表3 有馬記念出走馬の前走レース別成績(過去10年)

順位 前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 菊花賞G1 3- 1- 1- 7/12 25.0% 33.3% 41.7% 62 102
2 天皇賞秋G1 3- 0- 1- 7/11 27.3% 27.3% 36.4% 535 173
3 JCG1 2- 5- 5-51/63 3.2% 11.1% 19.0% 27 85
4 凱旋門G1 1- 0- 1- 1/ 3 33.3% 33.3% 66.7% 53 90
5 アルゼンHG2 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 340 82
6 エリザベG1 0- 2- 0- 9/11 0.0% 18.2% 18.2% 0 46
7 金鯱賞G2 0- 2- 0-13/15 0.0% 13.3% 13.3% 0 52
8 マイルチG1 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 265
9 中日新聞HG3 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 1260
10 ステイヤG2 0- 0- 0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
11 福島記念HG3 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
12 宝塚記念G1 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
13 朝日チャHG3 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
14 鳴尾記念G3 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

前走JC組以外の馬を調べるため、前走レース別成績をまとめてみた(表3参照)。好走馬の多くを占めるJC組とは対照的に、少数ながら高い好走率を誇るのが菊花賞組と天皇賞(秋)組。菊花賞組はほぼ勝ち馬となっており、昨年のサトノダイヤモンドのようなケースだ。天皇賞(秋)組はJCをパスしていることになる。好走馬はドリームジャーニーやマツリダゴッホ。東京芝2400mよりも中山芝2500mを好むタイプが多い印象だ。

あとはきついローテーションで、毎年いるタイプではないが凱旋門賞組。基本的にはG1からきている馬が有力だ。ただ、回収率の面では異質のローテーションにも注意。マイルCSや中日新聞杯から3着馬が出ている。15年優勝のゴールドアクターは前走アルゼンチン共和国杯制覇から、一気のG1制覇となった。主流とは言えない別路線組でも気になる馬がいれば思い切って狙う手はありそうだ。

【結論】

それでは今年の有馬記念を占っていくことにする。出走予定馬は表4の通り。

■表4 今年の有馬記念出走予定馬

馬名 騎手(予定) 調教師 前走レース 前着
カレンミロティック 9 川田将雅 平田修 アルゼンHG2 5
キタサンブラック 5 武豊 清水久詞 JCG1 3
クイーンズリング 5 ルメール 吉村圭司 エリザベG1 7
サウンズオブアース 6 C.デムーロ 藤岡健一 JCG1 12
サクラアンプルール 6 蛯名正義 金成貴史 天皇賞秋G1 8
サトノクラウン 5 ムーア 堀宣行 JCG1 10
サトノクロニクル 3 戸崎圭太 池江泰寿 チャレンG3 1
シャケトラ 4 福永祐一 角居勝彦 JCG1 11
シュヴァルグラン 5 ボウマン 友道康夫 JCG1 1
スワーヴリチャード 3 M.デムーロ 庄野靖志 アルゼンHG2 1
トーセンビクトリー 5 田辺裕信 角居勝彦 エリザベG1 10
ブレスジャーニー 3 三浦皇成 佐々木晶 チャレンG3 3
ミッキークイーン 5 浜中俊 池江泰寿 エリザベG1 3
ヤマカツエース 5 池添謙一 池添兼雄 JCG1 8
ルージュバック 5 北村宏司 大竹正博 エリザベG1 9
レインボーライン 4 岩田康誠 浅見秀一 JCG1 6

2017/10/29 東京11R 天皇賞(秋)(G1) 1着 7番 キタサンブラック  

まずはここがラストランとなるキタサンブラックについて。前走はジャパンCで3着と敗れたが、データ的には悲観する必要がない。同レースで5着以内には踏ん張っており、ここでは主力となる。ジャパンCを勝ったシュヴァルグランの方が、難易度が高いG1・連勝(JC→有馬記念)に挑むことになる。キタサンブラックは5歳馬。年齢的にはギリギリ持つところ。14年に勝利したジェンティルドンナと状況が似ているように感じる。実績は明らかに上位ながらグランプリ制覇の実績はなく、なおかつ5歳馬。ラストランで有終の美を飾っており、今回、劇的なシーンが生まれる可能性は十分あるとみる。

そのほかのJC組からの巻き返しもあってはおかしくないが、6着以下から勝ち切るまでの道のりはかなり困難だ。勝機があるとすれば別路線組。なぜならば今年は菊花賞馬の参戦がない。天皇賞(秋)などの別のG1組も今一つという印象だ。

2017/11/5 東京11R アルゼンチン共和国杯(G2) 1着 4番 スワーヴリチャード  

前走アルゼンチン共和国杯を勝ったスワーヴリチャードにやはり注目が集まる。鞍上はM.デムーロ騎手の予定。今秋のG1戦線における3歳馬の勢い・活躍を考えれば、本馬もかなり有力と考えるのが自然だろう。牝馬も実力的には好走があってもおかしくなさそうだが、過去10年の名牝クラスと比較すると、明らかに落ちる印象はぬぐえない。ミッキークイーンは注目の池江泰寿厩舎だが、果たしてどうか。もう1頭のサトノクロニクルの方が不気味だ。格下だが前走重賞1着の3歳馬。こうしたタイプが過去に穴となっている。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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