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第1175回 ラストスパート! 中山・阪神芝コースの逃げ馬の狙いは?

2017/12/18(月)

今週末には有馬記念が行われる。次週ホープフルSの開催が残ってはいるが、年内最後に向けてラストスパートの時期だ。この週に限った話ではないが、馬券的に大きな当たりがほしいのは筆者だけではないはず。しっかりと当てて、気持ちよく一年を締めくくりたい。

高配当が生まれる要因として考えられるのが逃げ馬の存在。特に芝のレースでは逃げ馬が残って波乱というケースは多々ある。人気に限らず、逃げ馬の取捨そのものがかなり重要だ。今年も大活躍したキタサンブラックが奇しくも逃げ馬。ラストランを予定している有馬記念での、逃げ馬の成績というのも気になるところである。そのあたりも含めて、今開催で使用する中山・阪神芝のレースを対象に逃げ馬の分析をしてみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 中山芝コースの逃げ馬成績(2014年〜2017年12月17日)

コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
中山・芝1600 33- 34- 24-175/266 12.4% 25.2% 34.2% 115 143
中山・芝2000 20- 24- 10-142/196 10.2% 22.4% 27.6% 223 146
中山・芝1800 19- 13- 17- 88/137 13.9% 23.4% 35.8% 147 185
中山・芝1200 15- 17-  7- 83/122 12.3% 26.2% 32.0% 95 98
中山・芝2200 4-  8-  0- 49/ 61 6.6% 19.7% 19.7% 140 142
中山・芝2500 1-  3-  3- 33/ 40 2.5% 10.0% 17.5% 31 56
中山・芝3600 0-  1-  0-  7/  8 0.0% 12.5% 12.5% 0 26

まずは中山芝コースについての分析。2014年から今年12月17日開催終了時点までのデータを対象とし、逃げ馬の成績をコース別で集計した(表1参照)。レース数は距離によってかなり違うため、単純に勝ち鞍が多い方がいいというわけではない。勝率や連対率、そして複勝率の方が重要だ。回収率も同じぐらい注目すべき要素となる。勝率は1800mが最も高く、13.9%をマーク。連対率は22.4%とやや低いが、複勝率は35.8%とかなり高い。2000mのレースとの比較では、1800mの方が逃げ馬にとって分がいいように見える。ただ、回収率は2000mもかなり優秀。単勝の回収率は223%で、最もいい成績だ。

2017/10/29 東京11R 天皇賞(秋)(G1) 1着 7番 キタサンブラック  

同じ中距離でも2200mはやや案外な成績。回収率は単・複ともに100%を超えているが、好走率は低い。前々で競馬ができる馬にとっては有利なコースという印象だったが、そうでもないことがわかる。2500mはもっと厳しい成績。勝率は2.5%、連対率は10.0%と苦しい成績。回収率も低く、伏兵馬の逃げ切りや粘りを期待しにくいコースになっている。キタサンブラックは伏兵馬ではないし、逃げるかどうかもまだわからないが、あまりいいデータではないか。

連対率では1200mが26.2%と高い。ただ、回収率は100%を切っている。伏兵馬の残り目を期待するコースとしては、期待値は高くない。むしろ勝率や連対率はさほど変わらないが、1600mの方が回収率の面で優秀。また、中山芝1600mといえば内枠有利というイメージがある。だが、逃げ馬にとってはほとんど関係ない。枠順成績はほぼフラットであり、外枠だからといって割り引く必要はない

■表2 阪神芝コースの逃げ馬成績(2014年〜2017年12月17日)

コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
阪神・芝1400 30- 16- 15- 94/155 19.4% 29.7% 39.4% 281 236
阪神・芝1600外 24- 11- 19-126/180 13.3% 19.4% 30.0% 473 220
阪神・芝1200 23- 15-  8- 44/ 90 25.6% 42.2% 51.1% 203 131
阪神・芝2000 23- 14- 12- 92/141 16.3% 26.2% 34.8% 318 152
阪神・芝1800外 17- 16- 17-132/182 9.3% 18.1% 27.5% 129 139
阪神・芝2400外 11-  4-  5- 45/ 65 16.9% 23.1% 30.8% 361 134
阪神・芝2200 7-  6-  7- 26/ 46 15.2% 28.3% 43.5% 156 124
阪神・芝2600外 1-  0-  0-  2/  3 33.3% 33.3% 33.3% 46 36
阪神・芝3000 0-  0-  1-  3/  4 0.0% 0.0% 25.0% 0 37

続いて阪神芝コースの逃げ馬について調べた。集計期間はさきほどと同じだが、中山の成績傾向とは明らかに違うことがわかる。まず、1200mの成績が抜群にいい。対象レース10回以上のコースに限れば、勝率は25.6%でトップ。中山芝1200mに比べて倍以上の成績であり、阪神芝コース全体としても唯一の20%台。連対率は42.2%でこちらもハイアベレージ。30%台が2600mしかないことを考えると、異常なまでの好成績だ。そして複勝率は51.1%。2回に1回以上は馬券になるという成績だった。短距離戦がゆえに先行争いは激化しやすいはずだが、行き切れた場合は、かなりアドバンテージがあるコースとみていいだろう。無論、回収率も優秀。重賞では15年のセントウルSで、アクティブミノルが10番人気で優勝した例がある。

2015/9/13 阪神11R セントウルステークス(G2) 1着 6番 アクティブミノル  

勝率や連対率で1200mの次に高いのが、1400m。回収率では1200mよりも高い。阪神芝コースは1200〜1400mといった短距離のレースで、逃げ馬が狙い目と言える。複勝率では2200mの43.5%が高い。中山芝2200mとは対照的な成績だ。芝1600mは単勝回収率が473%と非常に高い。ただ、連対率や複勝率は中山よりも若干低い。このあたりは、最後の直線の長さが影響しているだろうか。同距離は外回りコースとなったことで、終いの脚が鋭い馬の方が活躍しやすい。

1800mも外回りコースだけに逃げ馬にとってはやや鬼門。勝率は9.3%となっており、逃げ切りはかなり困難と言える。連対率は1600mよりも低い。2000mは内回りコースなので、勝率は上がる。総合的には中山芝2000mよりも優秀。2200mは先ほど複勝率が優秀と述べたように、狙い目となる。2400mは外回りコースだが、成績は悪くない。近い距離でも中山芝2500mとはかなり差があることがわかる。

こうしてみると阪神芝コースはどの距離も回収率がかなり高い。特に短距離戦では逃げることができた際、3着以内に残る確率も高い。したがって、予想の際には、「どの馬が逃げるのか?」そして「逃げた馬は残れるのか?」といった考えはかなり重要だと言える。高配当の馬券をゲットするための足掛かりとなるだろう。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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