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第1174回 種牡馬傾向と近2年の厩舎別成績がカギ!? 朝日杯FSを分析する

2017/12/14(木)

先週の阪神JFは新種牡馬オルフェーヴル産駒のラッキーライラックが勝利し、3戦3勝での初タイトル制覇となった。今週は同じく阪神芝1600mで朝日杯FSが行われる。中山から阪神開催へと替わって今年で4年目、昨年は関東馬のサトノアレスが優勝している。今回のデータde出〜たは、阪神開催となった近3年の結果と今開催の阪神芝マイルの傾向、近2年の同コースにおける厩舎別成績から朝日杯FSに迫っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 近3年の朝日杯FSの3着以内馬一覧

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 800m通過 レース上がり
2016
(良)
1 サトノアレス 1分35秒4 6 12 34秒1 48秒3 34秒8
2 モンドキャンノ 1/2馬身 7 14 34秒0
3 ボンセルヴィーソ 2馬身 12 1 35秒2
2015
(良)
1 リオンディーズ 1分34秒3 2 15 33秒3 47秒3 34秒4
2 エアスピネル 3/4馬身 1 6 34秒0
3 シャドウアプローチ 4馬身 11 6 34秒7
2014
(やや重)
1 ダノンプラチナ 1分35秒9 1 12 35秒4 47秒3 36秒1
2 アルマワイオリ 3/4馬身 14 12 35秒5
3 クラリティスカイ 3/4馬身 3 6 35秒9

まず表1は近3年の朝日杯FSの3着以内馬一覧。14年のみやや重で行われているが、勝ちタイムを見ると1分34秒3〜35秒9と時計が掛かっている。前半800mのペースがそれほど速くならないことも要因としてあるが、平均〜スローペースでもレース上がりは34秒台で極端な上がり勝負にはなっていない。33秒台の上がりを使ったのは一昨年の勝ち馬リオンディーズのみで、差し・追い込み馬でも34秒台前半というケースが多い。

人気では昨年は上位人気馬が揃って敗れて、6番人気サトノアレスが勝利。2着に7番人気モンドキャンノ、3着に12番人気ボンセルヴィーソが激走する波乱となった。近3年ともに10番人気以下の人気薄が1頭ずつ好走しており、レースの傾向として伏兵にも注意しておきたい。

■表2 近3年の朝日杯FSの枠順別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
1枠 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 76% 31%
2枠 0- 0- 1- 5/ 6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 151%
3枠 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 176%
4枠 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
5枠 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 68%
6枠 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 18%
7枠 0- 0- 2- 6/ 8 0.0% 0.0% 25.0% 0% 120%
8枠 2- 0- 0- 6/ 8 25.0% 25.0% 25.0% 251% 71%

表2は近3年の枠順別成績。大外の8枠に入った馬が一昨年のリオンディーズ、昨年のサトノアレスと近2年続けて勝利している。7枠の馬も3着2回があり、外枠優勢の傾向が出ている。なお、1枠の馬は14年ダノンプラチナが勝利。4枠の馬からは好走馬が出ていなかった。

■表3 近3年の朝日杯FSの前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
新馬 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 295% 90%
未勝利 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
500万下 2- 0- 0- 9/11 18.2% 18.2% 18.2% 170% 52%
オープン特別 0- 0- 1- 7/ 8 0.0% 0.0% 12.5% 0% 22%
G3 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G2 0- 3- 2-14/19 0.0% 15.8% 26.3% 0% 172%

表3は前走クラス別成績。前走500万下だった馬が14年ダノンプラチナ、昨年のサトノアレスと2勝をあげている。これら2頭は前走東京芝1600mの500万下で勝利をあげていた。その他の1勝は新馬戦組で一昨年のリオンディーズが勝利している。

前走オープン・重賞では前走G2組が勝ち星こそないものの、2・3着に入るケースが多い。デイリー杯2歳S組は【0.2.1.6】で好走馬は前走4着以内、京王杯2歳S組は【0.1.1.8】で好走馬は前走3着以内に入っていた。前走オープン特別組・前走G3組からは連対馬が出ていないが、サンプル数が少ないだけにこれだけで軽視するのは危ないといえそうだ。

■表4 近3年の朝日杯FSの前走距離別成績

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1200m 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1400m 0- 1- 1-16/18 0.0% 5.6% 11.1% 0% 66%
1600m 2- 2- 2-13/19 10.5% 21.1% 31.6% 98% 149%
1800m 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2000m 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 295% 90%

表4は前走距離別成績。表に黄色で強調したように前走1600mだった馬が2勝をあげ、複勝率31.6%と優秀だ。昨年も1・3着が前走1600m組だった。前走2000m組の1勝は前走新馬戦だったリオンディーズ。わずか2戦目で制している同馬は稀有な存在といえるだろう。なお、前走1200m組・前走1800m組から3着以内馬が出ていない。

■表5 近3年の朝日杯FSの種牡馬別成績

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ディープインパクト 2- 0- 0- 1/ 3 66.7% 66.7% 66.7% 626% 193%
キングカメハメハ 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7% 196% 96%
キンシャサノキセキ 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 82%
マツリダゴッホ 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 1060%
ダイワメジャー 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 227%
ジャングルポケット 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 780%
クロフネ 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 180%
その他の種牡馬 0- 0- 0-34/34 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は近3年の種牡馬別成績。ディープインパクト産駒は14年ダノンプラチナ、昨年のサトノアレスと2勝している。表3・表4で示したように両馬は前走東京芝1600mで勝利をあげていた。また、キングカメハメハ産駒は一昨年にリオンディーズが勝利し、エアスピネルが2着に入っている。これら上位2頭の種牡馬の産駒が好成績をあげている。

2・3着馬を出したキンシャサノキセキ〜クロフネはパワータイプの種牡馬といえるのではないか。スピードや瞬発力よりも、直線に坂があって時計が掛かる阪神コースをこなすパワータイプの種牡馬の産駒から好走馬が出ているようだ。

■表6 今開催の阪神マイルでの脚質別成績と上がり順位別成績

脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 506%
先行 4- 1- 3-14/22 18.2% 22.7% 36.4% 51% 67%
差し 1- 4- 1-16/22 4.5% 22.7% 27.3% 18% 43%
追い込み 0- 0- 0-22/22 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
脚質上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
3F 1位 3- 1- 0- 3/ 7 42.9% 57.1% 57.1% 120% 78%
3F 2位 0- 2- 0- 2/ 4 0.0% 50.0% 50.0% 0% 60%
3F 3位 0- 1- 2- 4/ 7 0.0% 14.3% 42.9% 0% 81%
3F〜5位 2- 1- 0- 5/ 8 25.0% 37.5% 37.5% 88% 93%
3F6位〜 0- 0- 3-41/44 0.0% 0.0% 6.8% 0% 65%

 続いては今開催の阪神芝1600m戦の傾向を見ていこう。表6は脚質別と上がり順位別成績。先週の阪神JFを含めて5レースあり、先行馬がリゲルSのレッドアンシェルら4勝をあげている。道中先行できる脚があって、直線抜け出せる馬が勝ちやすい傾向にあるようだ。また、中団からの差し馬は阪神JFのラッキーライラックの1勝。阪神JFは2着リリーノーブル、3着マウレアも差し馬で上位を独占している。なお、逃げ馬・追い込み馬からは連対馬が出ていない。

また、上がり順位別成績では、上がり最速だった馬がラッキーライラックら3勝をあげ、勝率・連対率・複勝率ともに高い。上がり2位の馬も2着2回で連対率・複勝率50%と優秀だ。

■表7 今開催の阪神マイルでの種牡馬別成績

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
ディープインパクト 1- 1- 1- 6/ 9 11.1% 22.2% 33.3% 16% 53%
オルフェーヴル 1- 1- 0- 3/ 5 20.0% 40.0% 40.0% 82% 60%
ステイゴールド 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 76% 46%
マンハッタンカフェ 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 560% 160%
Majestic Warrior 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 200% 110%
タイキシャトル 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 160%
ロードカナロア 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 55%
ルーラーシップ 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 90%
ノヴェリスト 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 50%
マツリダゴッホ 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 160%
スペシャルウィーク 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 2530%
キングズベスト 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 170%
ダイワメジャー 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
キングカメハメハ 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
その他の種牡馬 0- 0- 0-31/31 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表7は今開催の阪神マイルでの種牡馬別成績。オルフェーヴルはステイゴールド産駒で、ディープインパクト・オルフェーヴル・マンハッタンカフェと有馬記念を制した種牡馬の産駒から勝ち馬が出ている。2・3着にもパワータイプの種牡馬が並んでおり、スピードよりも急坂をこなせるパワーを受け継いだ産駒が好走する傾向にあるようだ。

■表8 阪神芝マイルでの調教師別成績(2016〜2017/12/10)

調教師 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
(栗)池江泰寿 7- 7- 0-17/31 22.6% 45.2% 45.2% 67% 64%
(栗)西園正都 7- 2- 2-13/24 29.2% 37.5% 45.8% 273% 212%
(栗)石坂正 5- 4- 2-16/27 18.5% 33.3% 40.7% 135% 89%
(美)藤沢和雄 5- 3- 3- 1/12 41.7% 66.7% 91.7% 222% 245%
(栗)友道康夫 4- 0- 0- 9/13 30.8% 30.8% 30.8% 168% 73%
(栗)矢作芳人 3- 5- 1-23/32 9.4% 25.0% 28.1% 44% 53%
(栗)角居勝彦 3- 3- 1-11/18 16.7% 33.3% 38.9% 55% 53%
(栗)松田国英 3- 0- 0-12/15 20.0% 20.0% 20.0% 376% 96%
(栗)藤原英昭 2- 6- 4-17/29 6.9% 27.6% 41.4% 11% 79%
(栗)藤岡健一 2- 4- 4-11/21 9.5% 28.6% 47.6% 36% 112%
(栗)高野友和 2- 4- 0-12/18 11.1% 33.3% 33.3% 89% 99%
※3勝以上or連対数5回以上

最後に表8は2016年以降の阪神芝マイル戦での調教師別成績。栗東のリーディング上位厩舎が大多数を占める中で、黄色で強調した美浦の藤沢和雄厩舎が特筆すべき好成績をあげている。思い返すと昨年暮れの2歳G1はソウルスターリング、サトノアレスと2週続けて藤沢和雄厩舎が連続勝利。複勝率は驚異の91.7%を誇っており、輸送も含めた阪神マイルへの仕上げ方のノウハウが確立されているのだろう。騎手別ではルメール騎手【3.1.2.1】、シュミノー騎手【1.0.1.0】の2人が複数回好走させている。

他では西園正都厩舎が最多タイの7勝で単勝回収率・複勝回収率ともに高く、藤岡健一厩舎も複勝率47.6%と非常に高い率を残している。

<結論>

■表9 今年の朝日杯FSの出走予定馬(12/13現在)

馬名 種牡馬 前走成績
アイアンクロー アドマイヤムーン ききょうS 5着
アサクサゲンキ ストーミーアトランティック 京王杯2歳S 3着
イシマツ スウェプトオーヴァーボード ウィナーズCH 6着
カシアス キンシャサノキセキ 京王杯2歳S 2着
ケイアイノーテック ディープインパクト デイリー杯2歳S 3着
ケイティクレバー ハービンジャー 京王杯2歳S 3着
ステルヴィオ ロードカナロア サウジアラビアRC 2着
ダノンスマッシュ ロードカナロア もみじS 1着
ダノンプレミアム ディープインパクト サウジアラビアRC 1着
ダブルシャープ ベーカバド サウジアラビアRC 6着
タワーオブロンドン レイヴンズパス 京王杯2歳S 1着
ナムラアッパレ ネオユニヴァース 京都2歳S 6着
ニシノベースマン ノヴェリスト こうやまき賞 6着
ヒシコスマー ブラックタイド 万両賞 1着
ファストアプローチ ドーンアプローチ 芙蓉S 2着
フロンティア ダイワメジャー デイリー杯2歳S 4着
ムスコローソ ヘニーヒューズ 500万下 1着
ライトオンキュー シャマーダル 未勝利戦 1着
※フルゲート18頭。抽選予定馬はなし。

2017/10/7 東京11R サウジアラビアRC(G3) 1着 2番 ダノンプレミアム  

今年の出走予定馬は表9のとおり。

人気を集めそうなのが前走のサウジアラビアRCでレコード勝ちをおさめたダノンプレミアム。速めの流れのなか、道中2番手につけて直線も早めに抜け出して突き放す強い勝ちっぷりだった。週前半にも取り上げた2歳戦で特に好調の中内田厩舎の管理馬で、過去3年で2勝をあげているディープインパクト産駒。前走東京マイルを勝利しているのも好材料で、勝つ可能性が一番高いのではないだろうか。

相手筆頭には表8で示した阪神マイルで好成績をあげる藤沢和雄厩舎のタワーオブロンドンを推したい。前走の京王杯2歳Sは上がり最速の33秒2で、2着に2馬身差をつける快勝。朝日杯FSを目標にしたローテーションで、ルメール騎手が継続騎乗なのも好材料だ。展開によっては、ダノンプレミアムを逆転するシーンも大いにありそうだ。

2017/11/4 東京11R 京王杯2歳ステークス(G2) 1着 1番 タワーオブロンドン  

上記2頭が1着候補で、他の連下候補として同じく藤沢和雄厩舎のファストアプローチ、好成績のディープインパクト産駒からケイアイノーテック、先行して速い上がりが使えるカシアスの3頭を挙げておきたい。ファストアプローチはシュミノー騎手が騎乗予定で、坂を苦にしないパワータイプ。ケイアイノーテックは前走複勝率が高いデイリー杯2歳S組で先行できるのが強みだ。カシアスは前走京王杯2歳Sで2着に敗れたものの、まだ底を見せていない点が強調できる。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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