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第1171回 今年、馬券を買い続ければ儲かった騎手は?

2017/12/4(月)

師走競馬に突入したこの時期、例年よく話題になるのが各種リーディング争いだ。ただ、我々ファンの立場からすると、「いくつ勝ったか」よりも、「どれだけの確率で勝ったか(勝率)」や「買い続ければ儲かったのか(単複の回収率)」のほうが、目の前のレースや通年の馬券で好結果を残すためには重要だ。そこで月曜掲載分の今回は、今年の「回収率」に注目してジョッキーの成績を見てみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用し、本年の11月25日までを対象とした。

■表1 単勝回収率ランキング(20勝以上)

順位 騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 平均人気
1 藤岡佑介 33-37-41-365/476 6.9% 14.7% 23.3% 126% 87% 7.3人気
2 丸山元気 27-37-47-448/559 4.8% 11.4% 19.9% 126% 77% 8.4人気
3 岩崎翼 25-25-24-395/469 5.3% 10.7% 15.8% 124% 72% 9.6人気
4 菱田裕二 35-34-31-448/548 6.4% 12.6% 18.2% 122% 77% 8.4人気
5 石川裕紀人 20-25-23-290/358 5.6% 12.6% 19.0% 121% 78% 8.3人気
6 吉田隼人 80-43-52-486/661 12.1% 18.6% 26.5% 116% 75% 6.5人気
7 森裕太朗 20-31-23-419/493 4.1% 10.3% 15.0% 106% 86% 9.9人気
8 丹内祐次 27-34-34-427/522 5.2% 11.7% 18.2% 100% 80% 8.4人気
9 大野拓弥 52-57-65-588/762 6.8% 14.3% 22.8% 93% 74% 7.1人気
10 小牧太 36-31-21-315/403 8.9% 16.6% 21.8% 93% 72% 7.8人気

まず表1は、今年の中央競馬全レースにおける単勝回収率ランキングである。騎乗数が少ないと1つの大穴で回収率が極端に高くなりやすいほか、今後の役にも立ちづらいため、この表では本年の勝利数20勝以上のジョッキーを対象としている。

その中でトップに立ったのは藤岡佑介騎手だ。今年の初日、京都1レースで単勝5570円の穴を出すと、1月28日には後の菊花賞2着馬・クリンチャーでなんと単勝2万4480円を記録した。ただ、10月半ば以降は好走しても2〜3着ばかり、そして11月25日〜12月3日まで騎乗停止になるなど、ここにきて当初の勢いを欠いているが、その分、復帰後の巻き返しに期待したい。

同じく126%で続くのは丸山元気騎手。こちらは3月26日・中京11レースの鈴鹿特別で記録した単勝3万馬券が効いている。ただ一方で、単勝4倍未満の支持を受けた馬でも【9.5.4.5】で勝率39.1%、複勝率78.3%と安定した結果を出し、単複の回収率はともに110%をマークした。11月26日には負傷で乗り替わりになったが、翌週にはすぐ復帰しており、今後も穴馬はもちろん、人気馬でも狙っていきたい。

そして3位は岩崎翼騎手で124%。こちらは単勝13番人気の3歳牝馬で3勝……、といっても、そんな馬をピンポイントで狙うのはなかなか難しいが、一方で単勝1〜3番人気馬で【13.7.8.16】勝率29.5%、単勝回収率127%をマーク。さらに、単勝4倍未満の馬ではなんと【8.1.2.1】で勝率66.7%、複勝率91.7%と驚異的な数字を叩き出している。本稿執筆中の12月2日中京3レースでも、単勝2.7倍の1番人気・スリーランディアでしぶとくハナ差勝ちを収めており、こちらも上位人気でも注目したいジョッキーだ。

■表2 吉田隼人騎手の単勝オッズ別成績

単勝オッズ 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1.0〜1.4 1-0-0-0/1 100.0% 100.0% 100.0% 140% 100%
1.5〜1.9 5-1-1-4/11 45.5% 54.5% 63.6% 81% 70%
2.0〜2.9 13-6-7-12/38 34.2% 50.0% 68.4% 80% 87%
3.0〜3.9 12-3-7-16/38 31.6% 39.5% 57.9% 107% 86%
4.0〜4.9 8-2-2-16/28 28.6% 35.7% 42.9% 128% 76%
5.0〜6.9 12-12-10-48/82 14.6% 29.3% 41.5% 86% 78%
7.0〜9.9 5-6-7-43/61 8.2% 18.0% 29.5% 67% 69%
10.0〜14.9 10-7-6-51/74 13.5% 23.0% 31.1% 163% 99%
15.0〜19.9 4-1-3-48/56 7.1% 8.9% 14.3% 128% 60%
20.0〜29.9 5-0-4-55/64 7.8% 7.8% 14.1% 196% 86%
30.0〜49.9 4-4-3-63/74 5.4% 10.8% 14.9% 207% 114%
50.0〜99.9 1-1-2-67/71 1.4% 2.8% 5.6% 94% 65%
100.0〜 0-0-0-63/63 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
3.0〜49.9 60-35-42-340/477 12.6% 19.9% 28.7% 138% 85%

2017/4/22 福島11R 福島牝馬S(G3) 1着 6番 ウキヨノカゼ (3番人気・吉田隼人騎手)

 

そして表1の中でも目を引くのが、唯一の勝率10%台・12.1%を記録し、単勝回収率も116%で6位に入った吉田隼人騎手だ。表2は同騎手の単勝オッズ別成績を調べたものだが、単勝50倍以上では1勝のみ。別途人気で見ると11番人気以下は【0.2.1.127】。つまり、人気薄での一撃、二撃で大きく回収率を上げたのではなく、安定して人気相応以上の結果(勝利)を重ねることで、100%を超えてきているということだ。 全体的に見ると、単勝3倍未満や、ひと桁台後半でやや落ち込むものの、3〜4倍台や10倍以上50倍未満ではいずれも100%を突破。3倍以上50倍未満の全馬を買っても138%になるので、あまり細かいことを気にせず狙っていく(覚えられない)なら、そのゾーンに入った馬すべてに手を出しても悪くない。こちらも本稿執筆中の12月2日中山1レースで、単勝12.2倍のロータスクイーンを勝利に導いた。

■表3 複勝回収率ランキング(3着以内60回以上)

順位 騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 平均人気
1 田中勝春 22-22-35-381/460 4.8% 9.6% 17.2% 80% 94% 8.9人気
2 武藤雅 20-28-25-382/455 4.4% 10.5% 16.0% 63% 94% 9.5人気
3 酒井学 19-26-26-400/471 4.0% 9.6% 15.1% 92% 94% 9.7人気
4 国分恭介 22-19-25-340/406 5.4% 10.1% 16.3% 90% 93% 9.5人気
5 北村友一 57-69-64-427/617 9.2% 20.4% 30.8% 62% 89% 6.2人気
6 川田将雅 79-84-66-302/531 14.9% 30.7% 43.1% 66% 87% 3.7人気
7 石橋脩 61-36-48-416/561 10.9% 17.3% 25.8% 79% 87% 6.6人気
8 藤岡佑介 33-37-41-365/476 6.9% 14.7% 23.3% 126% 87% 7.3人気
9 森裕太朗 20-31-23-419/493 4.1% 10.3% 15.0% 106% 86% 9.9人気
10 ルメール 175-121-98-337/731 23.9% 40.5% 53.9% 77% 83% 2.3人気
11 M.デムーロ 159-94-73-290/616 25.8% 41.1% 52.9% 89% 83% 2.2人気
12 岩田康誠 77-69-91-529/766 10.1% 19.1% 30.9% 64% 83% 5.6人気

続いて表3は、複勝回収率のランキングである。こちらは3着以内60回以上で切ったが、1〜3位の田中勝春、武藤雅、酒井学騎手で94%と、100%を超えてくる騎手はいなかった。ただ、今年の新人・武藤雅騎手が2位に食い込んだ。デビューから、いわゆる「表開催」中心の騎乗で、初勝利は4月23日になったが、そこから夏のローカルで多くの勝利を重ね、これまで今年の新人では最多の20勝をマーク。この秋の東京開催でも、何度となく波乱を演出している。単勝万馬券の馬を除けば複勝回収率102%になるため、極端な人気薄の騎乗でなければ穴候補として警戒したい。 また、5位の北村友一騎手は複勝率30.8%、6位の川田将雅騎手は同43.1%の高複勝率で、複勝回収率80%台後半をマークした。彼らを買っていれば儲かるという数字ではないものの、人気サイドの軸候補としては悪くない数字だけに、うまく穴馬とも組み合わせて高配当を狙っていきたい。

■表4 特別レースの単勝回収率ランキング(10勝以上)

順位 騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 平均人気
1 鮫島克駿 10-8-8-101/127 7.9% 14.2% 20.5% 202% 81% 8.7人気
2 丹内祐次 10-15-13-122/160 6.3% 15.6% 23.8% 154% 141% 8.5人気
3 秋山真一郎 16-10-11-131/168 9.5% 15.5% 22.0% 142% 83% 7.1人気
4 和田竜二 29-25-21-203/278 10.4% 19.4% 27.0% 140% 77% 6.7人気
5 石橋脩 30-16-17-130/193 15.5% 23.8% 32.6% 116% 119% 6.7人気
6 田辺裕信 27-19-15-127/188 14.4% 24.5% 32.4% 111% 86% 5.7人気
7 M.デムーロ 67-27-31-122/247 27.1% 38.1% 50.6% 109% 85% 2.4人気
8 吉田隼人 24-15-21-152/212 11.3% 18.4% 28.3% 95% 94% 6.3人気
9 ルメール 61-40-32-118/251 24.3% 40.2% 53.0% 94% 87% 2.5人気
10 池添謙一 14-8-14-134/170 8.2% 12.9% 21.2% 84% 54% 7.1人気

2017/11/19 京都11R マイルチャンピオンS(G1) 1着 18番 ペルシアンナイト (4番人気・M.デムーロ騎手)

 

そして最後に表4は、特別レースにおける単勝回収率ランキング(10勝以上)も見ておこう。こちらの注目は、なんといってもM.デムーロ騎手で、勝率27.1%、単勝回収率109%。ちなみに重賞限定では141%、G1〜G2にかぎれば172%。今年全体では単勝回収率77%なのだから、大舞台になるほど強い傾向は今も続いている。逆に、ファンの側からすると大舞台になれば「よく知っている馬」が多いため、予想ファクターに占める騎手の比重が下がりがちに、条件戦など「よく知らない馬」が多い条件では騎手頼りになりがち、とも言えるかもしれない。今年、あといくつのタイトルを手にするのかも注目されるが、もちろん馬券の面からも見逃せない。 なお、202%で断トツの鮫島克駿騎手は(全レース84%)、今年の2桁人気馬による3勝がすべて特別戦。2位の丹内祐次騎手は10番人気2勝こそ平場だったが、11番人気以下の3勝はやはり特別戦ばかり。ただ、丹内騎手は表1でも8位で、全レースでも100%に到達しているので平場も含めて要注意だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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