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第1169回 世界的名手のライアン・ムーア騎手をデータから分析!

2017/11/27(月)

世界屈指の名手と呼ばれるイギリスのライアン・ムーア騎手は、この秋も短期免許を取得して来日。今回はそのムーア騎手についてのデータを調べてみたい。集計期間は、ムーア騎手の騎乗が増えた2012年から2017年11月26日まで。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した

■表1 年度別成績

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
2012年 14- 17- 11- 60/102 13.7% 30.4% 41.2% 90% 126%
2013年 16- 12-  6- 60/ 94 17.0% 29.8% 36.2% 70% 74%
2014年 23- 11- 12- 57/103 22.3% 33.0% 44.7% 74% 70%
2015年 16- 10-  1- 38/ 65 24.6% 40.0% 41.5% 88% 64%
2016年 17-  8-  6- 35/ 66 25.8% 37.9% 47.0% 70% 73%
2017年 12-  9-  9- 30/ 60 20.0% 35.0% 50.0% 63% 78%
全体 98- 67- 45-280/490 20.0% 33.7% 42.9% 77% 83%
※2017年は11月26日まで

表1はムーア騎手の年度別成績。昨年までは勝率が右肩上がりとなっており、日本競馬に慣れるほどに上昇していることがうかがえる。ただし、今年は勝率が若干ダウン。1番人気で9連敗を喫するなど、不調をささやく声も聞こえた。もっとも、11月25日(土曜)には東京競馬場で1日6勝の荒稼ぎ。あくまで一時的な不調にすぎなかったと考えるべきかもしれない。

続いて回収率を見ていく。2012年は単勝回収率90%、複勝回収率126%という高い数値を記録しており、当時はその実力が知れ渡っていなかった様子が見てとれる。2013年以降は、単複ともに70%前後の回収率に収まることが多く、人気を集めるようになったことがわかる。とはいえ、勝率を落とした今年でも複勝率50.0%と、2回に1回は馬券圏内に入ってくる計算。やはり、ムーア騎手の騎乗馬を軽視するわけにはいかなそうだ。

■表2 競馬場別成績

競馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
東京 23- 15- 13- 90/141 16.3% 27.0% 36.2% 48% 63%
中山 11-  9-  4- 24/ 48 22.9% 41.7% 50.0% 118% 130%
中京 10-  3-  1-  9/ 23 43.5% 56.5% 60.9% 143% 96%
京都 9-  4-  4- 30/ 47 19.1% 27.7% 36.2% 76% 61%
阪神 2-  3-  2- 18/ 25 8.0% 20.0% 28.0% 107% 86%
ダート 東京 25- 17-  8- 53/103 24.3% 40.8% 48.5% 84% 97%
中山 6-  3-  3- 22/ 34 17.6% 26.5% 35.3% 54% 67%
中京 6-  4-  2- 10/ 22 27.3% 45.5% 54.5% 60% 70%
京都 3-  6-  3- 15/ 27 11.1% 33.3% 44.4% 59% 75%
阪神 3-  3-  5-  9/ 20 15.0% 30.0% 55.0% 112% 121%

表2は、競馬場別成績を芝ダートに分けて示したもの。芝に関しては中山と中京の数値が優秀で、阪神も回収率が高い。この3競馬場に共通するのは、直線に急坂が設けられていること。ムーア騎手はイギリス出身で起伏に富んだ芝コースには慣れているだけに、この傾向には納得できる。一方、騎乗機会がもっとも多い東京芝の数値がそれほどでもないことは、来年以降に向けて覚えておいてもいいだろう。

ダートは東京の好走率が高い。それ以上に優秀なのが中京で、芝ダートを問わない得意競馬場と考えてもよさそうだ。反面、中山と京都はひと息。関東の開催は今週末から中山に移るが、ムーア騎手はダートより芝のほう狙いやすそうだ。

■表3 距離別成績

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000m〜1300m 2-  4-  1- 12/ 19 10.5% 31.6% 36.8% 28% 113%
1400m〜1600m 22- 12-  8- 77/119 18.5% 28.6% 35.3% 79% 79%
1700m〜2000m 25- 14- 12- 63/114 21.9% 34.2% 44.7% 92% 76%
2100m〜2400m 3-  3-  2- 15/ 23 13.0% 26.1% 34.8% 35% 61%
2500m〜 3-  1-  1-  4/  9 33.3% 44.4% 55.6% 73% 77%
ダート 1000m〜1300m 8-  8-  3- 22/ 41 19.5% 39.0% 46.3% 83% 73%
1400m〜1600m 23- 16- 10- 47/ 96 24.0% 40.6% 51.0% 76% 105%
1700m〜2000m 10-  8-  8- 31/ 57 17.5% 31.6% 45.6% 71% 84%
2100m〜2400m 2-  1-  0-  7/ 10 20.0% 30.0% 30.0% 81% 44%
2500m〜 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表3は、距離別成績を芝ダートに分けて示したもの。芝でもっとも安定しているのは「1700〜2000m」。単勝回収率92%もムーア騎手にしては高く、芝ではいちばん買いやすい距離といえそうだ。一方、「1000〜1300m」や「2100〜2400m」では勝率が下がり、特に単勝回収率が振るわない。なお、「2500m〜」で挙げた3勝は、すべてアルバート(15、16年ステイヤーズS、17年ダイヤモンドS)によるものとなっている。

ダートでは距離による好走率の差はそれほど見られない。そのなかで得意なのは「1400〜1600m」で、若干数字が落ちるのは「1700〜2000m」や「2100〜2400m」。ただし、今週末からの中山では、ダートで得意とする「1400〜1600m」の設定がない。前項でも述べた通り、やはり中山のムーア騎手は芝を中心に狙うのがベターなのかもしれない。

■表4 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 61- 28- 15- 46/150 40.7% 59.3% 69.3% 94% 90%
2番人気 15- 24-  6- 50/ 95 15.8% 41.1% 47.4% 66% 77%
3番人気 10-  1- 11- 44/ 66 15.2% 16.7% 33.3% 100% 68%
4番人気 8-  4-  5- 33/ 50 16.0% 24.0% 34.0% 116% 87%
5番人気 2-  1-  3- 25/ 31 6.5% 9.7% 19.4% 51% 57%
6番人気 0-  2-  0- 17/ 19 0.0% 10.5% 10.5% 0% 40%
7番人気 1-  1-  3- 19/ 24 4.2% 8.3% 20.8% 72% 91%
8番人気 1-  3-  1- 15/ 20 5.0% 20.0% 25.0% 77% 117%
9番人気 0-  1-  0- 12/ 13 0.0% 7.7% 7.7% 0% 38%
10番人気〜 0-  2-  1- 19/ 22 0.0% 9.1% 13.6% 0% 158%

表4は人気別成績。1番人気は勝率40.7%を誇り、単複の回収率も90%台と水準以上で、まずは信用できる。しかし、2番人気では1着15回に対して2着24回と詰めの甘さを見せており、注意して取り扱ったほうがよさそうだ。3番人気と4番人気はいずれも単勝回収率100%以上で、馬券的な狙い目はここか。以下、7番人気や8番人気、10番人気以下から馬券に絡むケースも意外と多く、穴馬に乗ったときも侮れない。

■表5 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 10- 4- 0-12/26 38.5% 53.8% 53.8% 173% 96%
2枠 5- 6- 4-16/31 16.1% 35.5% 48.4% 53% 102%
3枠 6- 2- 2-16/26 23.1% 30.8% 38.5% 89% 73%
4枠 4- 7- 3-18/32 12.5% 34.4% 43.8% 33% 86%
5枠 8- 4- 1-20/33 24.2% 36.4% 39.4% 119% 82%
6枠 6- 5- 4-21/36 16.7% 30.6% 41.7% 50% 71%
7枠 9- 3- 6-29/47 19.1% 25.5% 38.3% 74% 79%
8枠 7- 3- 4-39/53 13.2% 18.9% 26.4% 60% 59%
ダート 1枠 4- 0- 2-18/24 16.7% 16.7% 25.0% 36% 34%
2枠 3- 3- 5- 7/18 16.7% 33.3% 61.1% 50% 126%
3枠 6- 4- 2-12/24 25.0% 41.7% 50.0% 85% 150%
4枠 9- 4- 2-14/29 31.0% 44.8% 51.7% 121% 96%
5枠 4- 6- 0-15/25 16.0% 40.0% 40.0% 50% 60%
6枠 5- 6- 3-20/34 14.7% 32.4% 41.2% 89% 83%
7枠 5- 4- 2-15/26 19.2% 34.6% 42.3% 35% 53%
8枠 7- 6- 5- 8/26 26.9% 50.0% 69.2% 120% 121%

表5は、枠番別成績を芝ダートに分けて示したもの。芝で特筆すべきは、勝率38.5%、単勝回収率173%という優秀な成績を残している1枠だ。さらに、2枠で複勝率48.4%、複勝回収率102%、3枠でも勝率23.1%、単勝回収率89%となっており、芝では内枠を得意としている様子がうかがえる。反面、8枠の数字は振るわず、芝で外枠に入ったときは注意が必要になりそうだ。一方のダートでは8枠の成績が抜群で、1枠は振るわないという、芝とは正反対のデータが出ている。ムーア騎手は芝とダートで枠の傾向が一変することを押さえておきたい。

■表6 厩舎別成績(着別度数順)

厩舎 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
堀宣行 30- 14- 13- 54/111 27.0% 39.6% 51.4% 109% 94%
手塚貴久 8-  0-  1-  3/ 12 66.7% 66.7% 75.0% 193% 130%
安田隆行 5-  5-  0-  5/ 15 33.3% 66.7% 66.7% 82% 95%
角居勝彦 5-  1-  1-  2/  9 55.6% 66.7% 77.8% 184% 114%
友道康夫 4-  1-  1-  2/  8 50.0% 62.5% 75.0% 243% 126%
西浦勝一 3-  0-  1-  1/  5 60.0% 60.0% 80.0% 300% 134%
池江泰寿 2-  3-  0-  9/ 14 14.3% 35.7% 35.7% 30% 44%
田村康仁 2-  2-  2-  8/ 14 14.3% 28.6% 42.9% 63% 70%
高橋義忠 2-  1-  1-  1/  5 40.0% 60.0% 80.0% 222% 152%
斎藤誠 2-  0-  0-  9/ 11 18.2% 18.2% 18.2% 100% 29%

2016/10/30 東京11R 天皇賞(秋)(G1) 1着 8番 モーリス

 

表6は厩舎別成績。ご覧の通り、堀宣行厩舎の馬に騎乗する回数が圧倒的に多い。集計期間内にはモーリスで15年マイルCS、16年天皇賞・秋とG1を2勝するなど、堀厩舎で重賞を合計8勝。しかも、単勝回収率109%と馬券的な価値も高く、このコンビからは今後も目が離せない。2位の手塚貴久厩舎でも13年朝日杯フューチュリティSをアジアエクスプレスで制すなど12戦8勝という凄まじい成績を残しており、こちらも大注目。そのほか、関西の安田隆行厩舎角居勝彦厩舎友道康夫厩舎西浦勝一厩舎高橋義忠厩舎から騎乗依頼があった場合も結果を出している。

■表7 種牡馬別成績(着別度数順)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
ディープインパクト 15- 8- 5-30/58 25.9% 39.7% 48.3% 85% 80%
キングカメハメハ 9-11- 2-17/39 23.1% 51.3% 56.4% 78% 104%
Tapit 4- 1- 0- 3/ 8 50.0% 62.5% 62.5% 130% 121%
ジャングルポケット 3- 1- 1- 4/ 9 33.3% 44.4% 55.6% 152% 103%
アドマイヤドン 3- 0- 1- 1/ 5 60.0% 60.0% 80.0% 132% 106%
シンボリクリスエス 3- 0- 0- 8/11 27.3% 27.3% 27.3% 254% 80%
Henny Hughes 3- 0- 0- 1/ 4 75.0% 75.0% 75.0% 495% 185%
ハーツクライ 2- 2- 1- 6/11 18.2% 36.4% 45.5% 55% 60%
マンハッタンカフェ 2- 2- 0-13/17 11.8% 23.5% 23.5% 35% 40%
アドマイヤムーン 2- 2- 0- 0/ 4 50.0% 100.0% 100.0% 165% 177%

2013/11/24 東京11R ジャパンカップ(G1) 1着 7番 ジェンティルドンナ

 

表7は種牡馬別成績。1位のディープインパクトと2位のキングカメハメハの騎乗回数が明らかに多い。前者の産駒ではジェンティルドンナで13年ジャパンCを制し、後者の産駒でもエアスピネルで今年のマイルCSで2着と、G1でも結果を残している。また、ムーア騎手が両種牡馬の産駒に騎乗するといかにも人気を集めそうだが、どちらの回収率も決して悪くはないことも見逃せない。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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