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第1164回 実績馬が揃ったエリザベス女王杯を勝ち切る馬は?

2017/11/9(木)

先週は大井でJBC競走が行われ、中央のG1はひと休み。しかし今週からは年末の有馬記念、ホープフルSまで8週連続でG1が行われる。その皮切りは牝馬の頂上決戦・エリザベス女王杯。3歳、古馬ともにG1好走実績を持つ馬がズラリと揃い、ハイレベルの戦いが見られそうだ。果たして頂点に立つのはどの馬か、過去の傾向を分析してみよう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜たを利用した

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去5年
1 2-4-2-2/10 20.0% 60.0% 80.0% 46% 98% 0-3-0-2
2 1-2-3-4/10 10.0% 30.0% 60.0% 39% 100% 1-0-1-3
3 2-1-0-7/10 20.0% 30.0% 30.0% 129% 63% 2-0-0-3
4 2-0-2-6/10 20.0% 20.0% 40.0% 217% 96% 0-0-1-4
5 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 83% 0-0-2-3
6 1-1-1-7/10 10.0% 20.0% 30.0% 152% 117% 1-1-1-2
7 1-0-0-9/10 10.0% 10.0% 10.0% 230% 38% 1-0-0-4
8 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-5
9 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-5
10 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-5
11〜 1-2-0-66/69 1.4% 4.3% 4.3% 111% 68% 0-1-0-34

2015/11/15 京都11R エリザベス女王杯(G1) 1着 12番 マリアライト (6番人気)

 

過去10年、1〜2番人気は計【3.6.5.6】で勝率15.0%は物足りないものの、連対率45.0%、複勝率は70.0%と、馬券圏内確保という意味では安定した走りを見せている。ただ、表の右に記したように、過去5年の1〜2番人気は【1.3.1.5】で複勝率は50.0%とやや低下。かわって、5〜7番人気の好走馬はすべて過去5年から出現し、その5年間の合計【2.1.3.9】で複勝率は40.0%。単複の回収率は254%、158%になる。8番人気以下の好走は5年で1頭のみのため、穴を狙うならこの5〜7番人気あたりから選ぶのが良さそうだ。

■表2 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 6番人気〜 過去5年
3歳 4-4-3-36/47 8.5% 17.0% 23.4% 58% 45% 0-1-0-24 1-3-1-15
4歳 4-3-6-42/55 7.3% 12.7% 23.6% 56% 75% 1-1-1-34 3-2-4-22
5歳 2-2-0-43/47 4.3% 8.5% 8.5% 212% 42% 2-0-0-38 1-0-0-24
6歳 0-1-1-12/14 0.0% 7.1% 14.3% 0% 168% 0-1-0-10 0-0-0-8
7歳以上 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-6 0-0-0-1

過去10年でも3着以内馬30頭中24頭を3〜4歳が占めるが、特に近年は3、4歳馬の好走が多く、過去5年の好走馬で5歳以上だったのは、12年の優勝馬・レインボーダリア(5歳)1頭のみだ。ただ、3歳の好走馬はほぼ上位人気馬が占め、3歳・6番人気以下の好走は13年の2着馬・ラキシスのみ。それも6番人気と、3歳馬に波乱の演出を期待するのは難しい。

■表3 枠番別成績

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 5番人気以下
1枠 1-1-1-15/18 5.6% 11.1% 16.7% 37% 27% 0-0-0-15/15
2枠 2-0-1-16/19 10.5% 10.5% 15.8% 52% 37% 0-0-0-15/15
3枠 1-1-3-14/19 5.3% 10.5% 26.3% 44% 55% 0-0-1-10/11
4枠 1-0-2-17/20 5.0% 5.0% 15.0% 385% 104% 1-0-1-15/17
5枠 1-2-0-17/20 5.0% 15.0% 15.0% 9% 71% 0-1-0-12/13
6枠 1-2-0-16/19 5.3% 15.8% 15.8% 80% 136% 1-1-0-11/13
7枠 0-2-2-23/27 0.0% 7.4% 14.8% 0% 30% 0-0-1-21/22
8枠 3-2-1-21/27 11.1% 18.5% 22.2% 144% 57% 1-1-0-21/23
1〜4枠 5-2-7-62/76 6.6% 9.2% 18.4% 134% 57% 1-0-2-55/58
5〜8枠 5-8-3-77/93 5.4% 14.0% 17.2% 60% 68% 2-3-1-65/71

枠番別の成績では、連対率で15%を超えたのは5、6、8枠と、連対候補としては外有利。ただ、勝率や複勝率ではわずかに1〜4枠が上回るため、1着候補か、3連複の候補か、券種によっても変わってくる点は要注意だ。また、表の右に記したように、5番人気以下の馬が1〜2枠に入ると計【0.0.0.30】。穴なら3枠より外の馬を狙いたい。

■表4 脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去7年
逃げ 2-0-0-8/10 20.0% 20.0% 20.0% 790% 152% 0-0-0-7/7
先行 1-7-1-27/36 2.8% 22.2% 25.0% 36% 139% 0-5-1-20/26
中団 7-3-7-58/75 9.3% 13.3% 22.7% 88% 49% 7-2-5-40/54
後方 0-0-1-43/44 0.0% 0.0% 2.3% 0% 8% 0-0-1-31/32
マクリ 0-0-1-2/3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 36% 0-0-0-1/1
※TARGET frontier JVによる分類

脚質別の成績を見ると、「先行」した馬は【1.7.1.27】と好走馬9頭中7頭が2着。3コーナーの通過順で見れば2〜5番手で計【1.7.1.35】になる。07年ダイワスカーレット、09年クィーンスプマンテと2頭の逃げ切りこそあるが、好位勢で勝利を手にしたのは08年リトルアマポーラ(通過順[5-5-5-3])のみ。また、この3頭とも07〜09年のため、10年以降の勝ち馬はすべて「中団」だ。ただ、「後方」になると過去10年【0.0.1.43】。3コーナー通過順なら12番手以下の馬は【0.1.3.47】と、あまり後ろからでは厳しくなる。

■表5 種牡馬別成績(過去5年)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
ディープインパクト サンデーサイレンス 2-2-3-11/18 11.1% 22.2% 38.9% 122% 104%
マンハッタンカフェ サンデーサイレンス 1-1-0-6/8 12.5% 25.0% 25.0% 76% 178%
スズカマンボ サンデーサイレンス 1-0-0-4/5 20.0% 20.0% 20.0% 78% 40%
ブライアンズタイム Roberto 1-0-0-1/2 50.0% 50.0% 50.0% 1150% 190%
ハーツクライ サンデーサイレンス 0-2-0-5/7 0.0% 28.6% 28.6% 0% 38%
キングカメハメハ Kingmambo 0-0-2-5/7 0.0% 0.0% 28.6% 0% 112%

過去5年の種牡馬別成績では、好走馬15頭中13頭、連対馬10頭中9頭がサンデーサイレンス系。近年はそんな傾向のレースも多いが、このレースではディープインパクトでも単複の回収率が100%を超えてきている点は注目に値する。なお、ブライアンズタイム産駒の連対は、重馬場だった12年のレインボーダリアだ。

■表6 日本馬の前走クラス・レース別成績

前走クラス・レース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 11年〜
500万下 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-1
1000万下 0-1-1-6/8 0.0% 12.5% 25.0% 0% 111% 0-1-1-5
1600万下 0-0-0-18/18 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-14
OPEN特別 0-0-0-6/6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-4
G3 0-2-1-31/34 0.0% 5.9% 8.8% 0% 14% 0-0-0-2
G2 5-4-4-43/56 8.9% 16.1% 23.2% 228% 132% 4-2-3-42
G1 3-3-4-28/38 7.9% 15.8% 26.3% 50% 41% 1-3-2-16
海外 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-0
秋華賞 3-3-3-25/34 8.8% 17.6% 26.5% 55% 41% 1-3-1-13
府中牝馬S 2-2-4-57/65 3.1% 6.2% 12.3% 44% 48% 2-1-3-32
オールカマー 2-1-0-2/5 40.0% 60.0% 60.0% 440% 128% 2-1-0-2
京都大賞典 1-2-0-8/11 9.1% 27.3% 27.3% 700% 334% 0-0-0-8
鳴滝特別 0-1-0-0/1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 530% 0-1-0-0
エルムS 0-1-0-0/1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 210% 0-0-0-0
スワンS 0-0-1-0/1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 210% 0-0-0-0
ヴィクトリアM 0-0-1-0/1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 150% 0-0-1-0

表6は、日本馬の前走レース・クラス別成績。11年より古馬のステップレース・府中牝馬SがG3からG2に昇格し、以降はG3組の好走なし。G3〜1600万組は過去6年計【0.0.0.20】と好走馬がまったく出ていない。1000万組も今年は不在のため、狙いは前走G1〜G2組に絞られる。ただ、09、10年に立て続けに連対した京都大賞典組はそれ以降の好走がない。過去6年では1〜2番人気馬でも【0.0.0.4】で、13年の1番人気・ヴィルシーナ10着など、4頭すべて2桁着順に終わっているのは気に掛かる。なお、休養明けでの好走は昨年の3着馬・ミッキークイーン(ヴィクトリアM2着以来)1頭のみだ。

■表7 前走秋華賞からの好走馬

馬名 女王杯 秋華賞
人気 着順 人気 着順
07 ダイワスカーレット 1 1 2 1
08 リトルアマポーラ 4 1 6 6
09 ブエナビスタ 1 3 1 2→3
10 アパパネ 1 3 1 1
11 アヴェンチュラ 2 2 2 1
12 ヴィルシーナ 1 2 2 2
13 メイショウマンボ 2 1 3 1
14 ヌーヴォレコルト 1 2 1 2
15 タッチングスピーチ 4 3 2 6

前走秋華賞からの好走馬は表7の9頭。うち8頭は同レース3番人気以内、7頭は2位以内に入線していた。昨年は古馬勢が上位を独占したが、それまでは毎年好走馬を出していた。ただ、好走は1年に1頭のみで、秋華賞組から2頭以上が馬券に絡んだ年はない。秋華賞以外も含めた3歳馬の2頭好走は、前走が英セントレジャーだった英国馬・スノーフェアリーが優勝した10年(3着アパパネ)と、前走1000万勝ちのラキシスが2着になった13年(1着メイショウマンボ)の2回。ただ、今年登録してきた3歳馬は秋華賞の1〜3着馬だ。

■表8 前走秋華賞以外からの好走馬(日本馬、11年以降)

馬名 年齢 人気 着順 前走 人気 着順
11 アパパネ 4 4 3 府中牝馬S 1 14
12 レインボーダリア 5 7 1 府中牝馬S 9 4
ピクシープリンセス 4 5 3 1000万下 1 1
13 ラキシス 3 6 2 鳴滝特別 1 1
アロマティコ 4 5 3 府中牝馬S 1 7
14 ラキシス 4 3 1 オールカマー 7 2
ディアデラマドレ 4 6 3 府中牝馬S 4 1
15 マリアライト 4 6 1 オールカマー 4 5
ヌーヴォレコルト 4 1 2 オールカマー 1 2
16 クイーンズリング 4 3 1 府中牝馬S 3 1
シングウィズジョイ 4 12 2 府中牝馬S 8 7
ミッキークイーン 4 2 3 ヴィクトリアM 1 2

最後に、秋華賞以外からの好走馬も見ておこう(日本馬、府中牝馬SのG2昇格後)。まず前述の3歳馬ラキシスと、12年の5歳馬・レインボーダリア以外の10頭はすべて4歳馬。その4歳の府中牝馬S組は掲示板外からも巻き返しがあり、その他は5着以内が条件になる。もっとも4歳の府中牝馬S組でも、牝馬三冠馬・アパパネ以外は7着以内と、大敗しているようでは苦しい。そして好走12頭中9頭は前走4番人気以内。また、連対馬7頭中6頭は府中牝馬Sかオールカマー組だった。

【結論】

近年は3〜4歳馬が中心となるエリザベス女王杯。過去10年では1〜2番人気が安定していたが、ここ5年は5〜7番人気の健闘が目立つ。また、近7年の優勝馬はすべて「中団」から進めた馬で、先行勢は2着止まり。秋華賞組なら前走3番人気以内の連対馬、その他ではオールカマー5着以内、府中牝馬Sなら7着以内が目安になる。また、1〜2枠の5番人気以下は好走がないため、穴を狙うなら枠順も重視したい。

2016/10/16 京都11R 秋華賞(G1) 1着 7番 ヴィブロス

 

今年は5歳以上にも上位人気に推されそうな馬は少なくないが、表2にあったように、近年のエリザベス女王杯は3〜4歳馬が中心のレースだ。中でも注目は、昨年の秋華賞馬・ヴィブロス。今年はドバイターフを制し、それ以来の一戦だった前走・府中牝馬Sでは1番人気2着で表8はクリア。ディープインパクト産駒(表5)、差し脚質(表4)という点も好材料だ。

同じ4歳で穴っぽい馬を探すなら、その府中牝馬Sでヴィブロスを下したクロコスミア。同レース7着以内の4歳馬(表8)で駒を進めてきたのは、本馬とヴィブロスの2頭だけだ。ステイゴールド産駒は過去10年【0.0.0.8】だが、全馬8番人気以下。サンデーサイレンス系という点では好走傾向に合致はしており、近年好走の多い5〜7番人気までに入れば楽しみがある。8、10年前とはいえ逃げ切りの例もあるだけに、ハナを切れるとみれば一発の期待もかけられる。

一方、今年は秋華賞上位馬のみの参戦となった3歳勢で、同レース3番人気以内の連対馬(表7)はディアドラだが、ハービンジャー産駒という点がどう出るかがカギ(表5)。4番人気でも、2着のリスグラシューはハーツクライ産駒だけに、対ディアドラなら大きなマイナスにはならなそうだ。ただ、減点材料を抱える3歳馬との比較なら、5歳馬から、ここにきて好走馬の出始めたオールカマーを制したルージュバック(父マンハッタンカフェ)や、昨年3着と同じく休養明けで出走してきたミッキークイーン(父ディープインパクト)、そして昨年の覇者・クイーンズリング(父マンハッタンカフェ)あたりを買う手もある。この5頭、いずれもG1連対実績馬だが、前述のように近年は5〜7番人気の健闘が目立つだけに、配当のつく馬から順に候補に入れてもおもしろい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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