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第1155回 エリザベス女王杯へ向けたステップレース・府中牝馬Sを分析する

2017/10/9(月)

今週は京都競馬場で3歳牝馬の最終決戦・秋華賞が行われるが、土曜の府中を舞台に行われる府中牝馬Sも、エリザベス女王杯へ向けた有力なステップレースだ。昨年は、ここで重賞3勝目を挙げたクイーンズリングが、続くエリザベス女王杯で見事にG1初制覇。そして2着にもシングウィズジョイが入り、府中牝馬Sのワンツー決着となった。そこで月曜掲載分の今回は、今年も本番へ向けて注目の欠かせない府中牝馬Sを分析したい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。なお、G1・秋華賞は木曜掲載分で取り上げる予定だ。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去6年
1 0-4-2-4/10 0.0% 40.0% 60.0% 0% 88% 0-2-2-2
2 0-1-3-6/10 0.0% 10.0% 40.0% 0% 72% 0-1-1-4
3 1-1-2-6/10 10.0% 20.0% 40.0% 65% 88% 1-0-1-4
4 5-1-0-4/10 50.0% 60.0% 60.0% 372% 141% 2-1-0-3
5 1-2-1-6/10 10.0% 30.0% 40.0% 96% 124% 1-2-1-2
6 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-6
7 1-0-1-8/10 10.0% 10.0% 20.0% 185% 100% 0-0-1-5
8 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-6
9 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-6
10 1-0-0-9/10 10.0% 10.0% 10.0% 318% 64% 1-0-0-5
11〜 1-1-1-55/58 1.7% 3.4% 5.2% 55% 57% 1-0-0-28

2014/10/18 東京11R 府中牝馬ステークス(G2) 1着 5番 ディアデラマドレ (4番人気)

過去10年、1〜2番人気は計【0.5.5.10】でその半数が馬券に絡んでいるものの、勝利はなし。3番人気も1勝止まりで、5勝を挙げた4番人気が光っている。この過去10年で3連対以上を記録したのは、1、4、5番人気。G2昇格後の過去6年で2連対以上しているのも同じく1、4、5番人気と、人気面ではG2昇格はあまり影響を及ぼしていないことがわかる。ただ、昇格後でも2桁人気が2頭優勝しており、1着候補は1〜2番人気以外の、下位人気も含めた中から選び出したい。一方で、6番人気以下が2頭馬券に絡んだのは09年だけのため、人気馬2頭以上、穴馬は1頭までというのが3連系馬券での狙いになる。

■表2 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 過去6年
3歳 0-0-2-0/2 0.0% 0.0% 100.0% 0% 340% 0-0-1-0/1
4歳 5-3-4-43/55 9.1% 14.5% 21.8% 129% 75% 3-2-1-24/30
5歳 5-6-2-56/69 7.2% 15.9% 18.8% 93% 52% 3-4-2-33/42
6歳 0-1-2-19/22 0.0% 4.5% 13.6% 0% 76% 0-0-2-10/12
7歳 0-0-0-9/9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-4/4
8歳 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-0/0

年齢別では、ほぼ4歳勢対5歳勢の対決という構図で、過去10年の連対馬20頭中19頭は4〜5歳馬。G2昇格後にかぎれば、連対12頭すべてが4〜5歳馬だ。ただ、3歳馬は出走2頭のみながら、その2頭(10年スマートシルエット、13年スイートサルサ)がともに3着と好走している。2頭とも前走条件戦を勝ち上がってきた馬だったが、秋華賞ではなくこちらに駒を進める馬がいれば警戒したい。

■表3 枠番別成績

着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 4番人気以下
1枠 0-2-2-13/17 0.0% 11.8% 23.5% 0% 111% 0-1-0-12/13
2枠 1-1-0-15/17 5.9% 11.8% 11.8% 108% 47% 1-0-0-10/11
3枠 0-1-2-14/17 0.0% 5.9% 17.6% 0% 47% 0-0-1-13/14
4枠 2-2-0-16/20 10.0% 20.0% 20.0% 79% 43% 2-1-0-12/15
5枠 0-1-2-17/20 0.0% 5.0% 15.0% 0% 77% 0-0-1-16/17
6枠 0-0-1-19/20 0.0% 0.0% 5.0% 0% 7% 0-0-0-19/19
7枠 4-0-1-17/22 18.2% 18.2% 22.7% 249% 80% 4-0-0-15/19
8枠 3-3-2-17/25 12.0% 24.0% 32.0% 186% 92% 2-2-1-15/20

2016/10/15 東京11R 府中牝馬ステークス(G2) 1着 13番 クイーンズリング

枠番別の成績は、7〜8枠で計7勝と、まずは外枠が優勢。ほかに複数の勝利を挙げているのは4枠で、この4、7、8枠で優勝馬10頭中9頭を占めている。表1にあったように、3番人気以内の勝利は1頭だけ(昨年のクイーンズリング・3番人気)のため、この4、7、8枠は表の右にある通り、4番人気以下の馬が勝利を手にしたことになる。特に8枠は2〜3着にも4番人気以下の馬が3頭絡んでおり注目したい。一方、5〜6枠は過去10年で1連対のみ、特に4番人気以下は【0.0.1.35】に終わっており、割引が必要だ。

■表4 脚質・上がり順位別成績

脚質・上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
逃げ 1-0-0-10/11 9.1% 9.1% 9.1% 60% 22%
先行 3-6-3-22/34 8.8% 26.5% 35.3% 62% 113%
中団 3-1-4-60/68 4.4% 5.9% 11.8% 105% 36%
後方 3-3-3-36/45 6.7% 13.3% 20.0% 80% 78%
3F  1位 3-2-1-5/11 27.3% 45.5% 54.5% 313% 159%
3F  2位 2-1-3-6/12 16.7% 25.0% 50.0% 320% 150%
3F  3位 2-0-1-7/10 20.0% 20.0% 30.0% 174% 175%
3F 〜5位 1-1-1-24/27 3.7% 7.4% 11.1% 117% 35%
3F 6位〜 2-6-4-86/98 2.0% 8.2% 12.2% 13% 39%

表4は、脚質・上がり別の成績である。秋の東京開幕2週目で、良好な馬場で行われる年が多いレースだが、好走馬の脚質はさまざまだ。他のレースではなかなか多くの好走馬を出しづらい「後方」からでも計9頭が馬券に絡んでいるように、直線一気でも勝負になる。ただ、09年と11年は「後方」組の1〜3着独占、14年は「後方」のワンツーと、展開によって届く年と勝負にならない年がはっきり分かれやすい傾向にある。 そんなこともあり、上がり3ハロンの順位を見ると、6位以下だった馬でも12頭が好走している。もちろん上がりが速いほど好走確率は高くなるが、特に2〜3着に関しては、直線で早めに抜け出し、少々脚が上がろうとも、その貯金を生かして粘り込みをはかるようなタイプも多い。しっかりと展開を読み切ることも大事になる一戦だ。

■表5 前走クラス・レース別成績(G2昇格後6年、レースは好走馬輩出レース)

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1000万下 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1600万下 0-0-1-13/14 0.0% 0.0% 7.1% 0% 28%
OPEN特別 2-1-0-6/9 22.2% 33.3% 33.3% 427% 128%
G3 3-5-3-35/46 6.5% 17.4% 23.9% 107% 66%
G2 1-0-1-7/9 11.1% 11.1% 22.2% 75% 45%
G1 0-0-1-8/9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 14%
地方 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
クイーンS 1-2-0-15/18 5.6% 16.7% 16.7% 44% 35%
新潟記念 1-1-0-3/5 20.0% 40.0% 40.0% 636% 190%
米子S 1-1-0-0/2 50.0% 100.0% 100.0% 325% 195%
札幌記念 1-0-1-3/5 20.0% 20.0% 40.0% 136% 82%
小倉日経OP 1-0-0-0/1 100.0% 100.0% 100.0% 3200% 770%
小倉記念 1-0-0-0/1 100.0% 100.0% 100.0% 960% 350%
関屋記念 0-2-2-1/5 0.0% 40.0% 80.0% 0% 172%
マーメイドS 0-0-1-8/9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 27%
ヴィクトリアM 0-0-1-3/4 0.0% 0.0% 25.0% 0% 32%
長岡S 0-0-1-2/3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 133%

G2昇格後の前走クラス別の成績を見ると、G1のステップレースにも関わらず、前走でG1に出走していた馬は【0.0.1.8】で、11年にはアパパネが1番人気14着、12年にはホエールキャプチャが2番人気で11着など、人気馬の大敗も見られる。3着1回は昨年のスマートレイアー(今年は京都大賞典へ出走)だが、これも1番人気での3着のため、「好走」というよりは「敗退」だ。一方、好走馬が多いのは前走G3組。そしてオープン特別組も出走数こそ少ないものの好走確率は高い。G2に昇格したとはいえ、前走がG3やオープン特別だった馬でも大いにチャンスがあるレースになっている。

■表6 前走G3からの好走馬(G2昇格後)

馬名 人気 着順 前走 人気 着順 主な実績
11 イタリアンレッド 5 1 小倉記念 4 1 七夕賞
アニメイトバイオ 4 2 クイーンS 3 3 ローズS
フミノイマージン 3 3 マーメイドS 2 1 福島牝馬S
12 マイネイサベル 10 1 新潟記念 9 17 新潟2歳S
スマートシルエット 5 2 新潟記念 4 6 前々年3着
ドナウブルー 1 3 関屋記念 1 1 京都牝馬S
13 ドナウブルー 5 2 関屋記念 2 4 関屋記念
14 ディアデラマドレ 4 1 クイーンS 3 5 マーメイドS
スマートレイアー 1 2 クイーンS 1 3 阪神牝馬S
15 カフェブリリアント 5 3 関屋記念 1 7 阪神牝馬S
16 マジックタイム 2 2 関屋記念 1 3 ダービー卿CT

表6は、前走G3組の好走馬11頭である。今回5番人気以内の馬が多いのは、他の組にも共通する傾向だが、その11頭中10頭は、前走でも4番人気以内と上位人気に推された馬だった。また、8頭は前走で掲示板は確保。そして11頭中10頭には前々走以前に重賞勝ちの実績があり、残る1頭・12年2着のスマートシルエットは、前々年の府中牝馬Sで3着に好走した実績を持っていた。いずれにしても、近走まったくの不振では厳しく、重賞実績もある馬が前走G3組の狙いだ。

■表7 前走G3以外からの好走馬(G2昇格後)

馬名 人気 着順 前走 人気 着順 主な実績
13 ホエールキャプチャ 4 1 札幌記念 9 14 ヴィクトリアM
スイートサルサ 7 3 長岡S 3 1 クイーンC2着
14 ホエールキャプチャ 2 3 札幌記念 7 3 ヴィクトリアM
15 ノボリディアーナ 11 1 小倉日経OP 4 2 白百合S
スマートレイアー 1 2 米子S 1 1 阪神牝馬S
16 クイーンズリング 3 1 米子S 1 2 フィリーズR
スマートレイアー 1 3 ヴィクトリアM 3 4 秋華賞2着

一方、表7は前走G3以外からの好走馬7頭である。G2昇格からの2年間は前走G3組ばかりが馬券に絡んでいたが、13年以降はこちらからも安定して好走馬が出ている。こちらの組に共通するのは、まず前走4番人気以内での連対馬で、これが7頭中4頭。残る3頭はホエールキャプチャ2回と昨年のスマートレイアーで、ともにG1連対実績を持つ馬だった。ただ、このうち前走自体がG1だったのは、昨年のスマートレイアーだけ。前述のように、3着とはいえ1番人気で敗退した馬である。G1実績を持ち、前走もG1に出走していた馬よりは、その他の馬を狙ったほうが良さそうな傾向だ。また、G1実績のない馬でも、オープン勝ちか重賞連対くらいの実績は必要になる。

以上、府中牝馬Sの傾向をざっと洗ってみた。前週が土〜月の3日間開催だったため、本稿執筆時点でまだ登録馬は発表されていないが、まず覚えておきたいのは、1〜2番人気馬の勝利がないこと(表1)。好走できるのはほぼ4〜5歳馬ばかり(表2)で、G1の前哨戦だからといって、前走G1やG2出走馬が強いわけではない(表5)ことにも要注意。また、1着候補、あるいは4番人気以下の好走候補は枠順もカギを握る(表3)。そのため、枠順確定前はおおまかに候補馬を探るにとどめ、枠順を見てから1着候補や穴の2〜3着候補を決めていくことをおすすめしたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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