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第1146回 秋競馬の開幕を彩る京成杯AHを展望する

2017/9/7(木)

秋シーズンの開幕週に行なわれる重賞は3つ。そのなかから、秋の中山の幕開けを飾るG3としてお馴染みの京成杯AHを取り上げたい。ハンデ戦という条件や3歳馬の参戦もあり、一筋縄ではいかないレース。今回は主に前走との斤量の増減に着目して、傾向を浮かび上がらせてみたい。集計期間は過去10年だが、新潟で行なわれた2014年は除外し、実質的には9年分となる。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 1-  0-  1-  7/  9 11.1% 11.1% 22.2% 31% 41%
2番人気 4-  1-  2-  2/  9 44.4% 55.6% 77.8% 243% 166%
3番人気 2-  0-  2-  5/  9 22.2% 22.2% 44.4% 135% 101%
4番人気 1-  1-  1-  6/  9 11.1% 22.2% 33.3% 85% 77%
5番人気 0-  0-  1-  8/  9 0.0% 0.0% 11.1% 0% 36%
6番人気 0-  2-  0-  7/  9 0.0% 22.2% 22.2% 0% 82%
7番人気 0-  2-  2-  5/  9 0.0% 22.2% 44.4% 0% 172%
8番人気 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気〜 1-  3-  0- 52/ 56 1.8% 7.1% 7.1% 111% 75%

表1は人気別成績。1番人気の不振が目につき、集計対象の9年で勝ったのは昨年のロードクエストのみで、あとは3着が1回あるだけとなっている。この1番人気の不調とは対照的に2番人気や3番人気の成績は良好なので、人気馬に頼るならこちらを重視したほうがいいかもしれない。以下、7番人気までは好走のチャンスが十分にありそうだ。10番人気以下の人気薄からは、15年に13番人気のフラアンジェリコが勝った例があるものの、頻繁に突っ込んできているというほどではない。ハンデ戦ではあるが、穴馬狙いはほどほどにしたほうがよさそうだ。

■表2 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 1- 1- 0-12/14 7.1% 14.3% 14.3% 42% 45%
2枠 2- 3- 1- 9/15 13.3% 33.3% 40.0% 82% 116%
3枠 0- 0- 3-15/18 0.0% 0.0% 16.7% 0% 42%
4枠 0- 2- 0-16/18 0.0% 11.1% 11.1% 0% 141%
5枠 4- 1- 1-12/18 22.2% 27.8% 33.3% 108% 65%
6枠 1- 1- 2-14/18 5.6% 11.1% 22.2% 348% 117%
7枠 0- 0- 2-16/18 0.0% 0.0% 11.1% 0% 37%
8枠 1- 1- 0-16/18 5.6% 11.1% 11.1% 37% 38%

表2は枠番別成績。中山芝1600mは内枠有利のコースとよくいわれるが、京成杯AHの傾向はどうなっているだろうか。表2を見ると、2枠の数字こそ優秀だが、1枠や3、4枠の好走率はそれほどでもない。7、8枠の成績がやや不振ということを考慮すると、京成杯AHは内枠有利というより外枠不利のレースと見たほうが実態に近いかもしれない。

■表3 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 2-  1-  4- 11/ 18 11.1% 16.7% 38.9% 42% 120%
4歳 2-  1-  1- 15/ 19 10.5% 15.8% 21.1% 68% 58%
5歳 4-  2-  1- 30/ 37 10.8% 16.2% 18.9% 64% 45%
6歳 0-  2-  2- 35/ 39 0.0% 5.1% 10.3% 0% 36%
7歳以上 1-  3-  1- 19/ 24 4.2% 16.7% 20.8% 261% 163%

表3は年齢別成績。3歳から5歳までそれぞれ1着馬を複数出しており、そのなかでも3歳馬の好走率が頭ひとつリードしている。しかし、7歳以上の連対率や複勝率も決して負けてはおらず、あまり人気にならないぶん回収率は高い。基本的には若い馬が有利ながら、高齢馬も侮らないほうがいいレースといえそうだ。

■表4 前走クラスと斤量増減の関係

前走クラス 斤量増減 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
G1 今回増 0- 0- 0- 0/ 0          
増減なし 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 190%
今回減 2- 2- 2- 8/14 14.3% 28.6% 42.9% 68% 128%
G2・G3 今回増 0- 0- 4-11/15 0.0% 0.0% 26.7% 0% 78%
増減なし 0- 3- 2-25/30 0.0% 10.0% 16.7% 0% 57%
今回減 2- 2- 1-20/25 8.0% 16.0% 20.0% 280% 100%
オープン特別 今回増 3- 0- 0- 2/ 5 60.0% 60.0% 60.0% 288% 116%
増減なし 0- 0- 0- 9/ 9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
今回減 0- 1- 0-27/28 0.0% 3.6% 3.6% 0% 67%
条件戦 今回増 0- 0- 0- 0/ 0          
増減なし 0- 0- 0- 0/ 0          
今回減 2- 0- 0- 5/ 7 28.6% 28.6% 28.6% 187% 70%

表4は「前走クラスと斤量増減の関係」を示したデータ。上から順に見ていこう。前走G1出走のケースでは斤量が「今回減」となる馬が大半を占めており、その成績も優秀。「増減なし」だった唯一の馬もしっかりと2着に入っている。「今回増」は該当例がないものの、前走G1出走で「今回減」か「増減なし」なら好走する確率は高そうだ。前走G2・G3出走の場合は、「今回減」で勝ち馬2頭を送り出し、「増減なし」だと2着まで、「今回増」だと3着までとなっている。前走オープン特別出走の場合は、「今回増」だと5走して3勝と結果を出している一方、「増減なし」は好走例がなく、「今回減」も28走で2着が1回あるのみと苦しい。前走が条件戦だった場合はすべて「今回減」となり、7走して2勝と悪くない成績が残っている。

■表5 前走着順と斤量増減の関係(前走オープンクラスのみ)

前走着順 斤量増減 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1着 今回増 3- 0- 1- 1/ 5 60.0% 60.0% 80.0% 288% 156%
増減なし 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
今回減 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
2、3着 今回増 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 88%
増減なし 0- 1- 1- 8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 42%
今回減 1- 0- 1- 9/11 9.1% 9.1% 18.2% 68% 41%
4、5着 今回増 0- 0- 2- 1/ 3 0.0% 0.0% 66.7% 0% 176%
増減なし 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 52%
今回減 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6〜9着 今回増 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
増減なし 0- 2- 1-10/13 0.0% 15.4% 23.1% 0% 98%
今回減 1- 2- 1-19/23 4.3% 13.0% 17.4% 29% 121%
10着〜 今回増 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
増減なし 0- 0- 0-12/12 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
今回減 2- 3- 1-17/23 8.7% 21.7% 26.1% 284% 127%

表5は「前走着順と斤量増減の関係」を示したデータ。なお、このデータでは前走でオープンクラスに出走していた馬のみを集計対象とし、条件戦だった馬は除外している。まず、前走1着の場合は「今回増」なら【3.0.1.1】とかなりの確率で好走している一方、「増減なし」と「今回減」ではすべて凡走に終わっている。前走2、3着の場合は全体に低調な印象もあるが、傾向としては「今回増」は3着まで、「増減なし」は2着まで、「今回減」は1着までとなっている。前走4、5着の場合は、「今回減」の好走例が皆無。このケースでは「今回増」か「増減なし」のほうがいいようだ。前走6〜9着の場合は、「増減なし」か「今回減」、前走10着以下の場合は「今回減」であることが巻き返しの条件となる。

■表6 休み明けn戦目別成績

間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
休み明け初戦 4- 3- 4-24/35 11.4% 20.0% 31.4% 54% 82%
休み明け2戦目 3- 3- 3-25/34 8.8% 17.6% 26.5% 221% 113%
休み明け3戦目 0- 0- 1-19/20 0.0% 0.0% 5.0% 0% 10%
休み明け4戦目 0- 2- 0- 9/11 0.0% 18.2% 18.2% 0% 208%
休み明け5戦目 0- 1- 0- 8/ 9 0.0% 11.1% 11.1% 0% 36%
休み明け6戦目〜 2- 0- 1-25/28 7.1% 7.1% 10.7% 46% 26%

表6は「休み明けn戦目別成績」で、ここでは中9週以上での出走を休み明け初戦と定義している。これを見ると、京成杯AHでは休み明け初戦や休み明け2戦目のフレッシュな馬の好走率が高い。迷った場合は使い込まれていない馬を狙うと好結果を得やすいのではないだろうか。

【結論】

■表7 2017年京成杯AH登録馬

馬名 斤量増減 前走 休み明け
クラス 着順
アスカビレン 増減なし G3 4 2戦目
アドマイヤゴッド 増減なし OP特別 5 4戦目
ウインフルブルーム 今回増 G2 7 初戦
ウキヨノカゼ 増減なし G3 10 2戦目
オールザゴー 増減なし G3 13 2戦目
ガリバルディ 増減なし G3 9 初戦
グランシルク 増減なし G3 2 5戦目
ストーミーシー 今回減 条件戦 (5) 10戦目
ダイワリベラル 今回減 OP特別 9 初戦
ダノンプラチナ 今回増 G3 5 2戦目
ダノンリバティ 増減なし G3 3 3戦目
トーセンデューク 今回減 G3 11 12戦目
ノットフォーマル 今回減 OP特別 10 7戦目
ブラックスピネル 今回減 G1 18 初戦
ボンセルヴィーソ 今回減 G1 3 初戦
マイネルアウラート 増減なし G3 16 2戦目
マルターズアポジー 今回増 G3 1 3戦目
ミッキージョイ 今回減 OP特別 6 初戦
ロードクエスト 今回増 G3 6 3戦目
ロサギガンティア 増減なし G3 7 2戦目

2017/2/5 東京11R 東京新聞杯(G3) 1着 2番 ブラックスピネル

今年の京成杯AH登録馬に関して、前走クラスおよび前走着順と斤量増減の関係、加えて休み明け何戦目にあたるかを表7にまとめた。

好走率が高い前走G1出走馬は、ブラックスピネルボンセルヴィーゾの2頭。どちらも斤量は「今回減」で、休み明け初戦となるローテーションもいい。「今回減」の場合、前走10着以下のほうが前走2、3着よりかえって好走率が高いため、本稿ではブラックスピネルをより重視してみたい。


2017/3/12 中京11R トリトンステークス 1着 2番 トーセンデューク

前走G2・G3出走馬の場合、「今回減」は1着まで、「増減なし」は2着まで、「今回増」は3着までという傾向だった。この組で「今回減」となるのはトーセンデュークのみ。前走11着と大敗したものの、「今回減」なら巻き返しの可能性はある。この組で「増減なし」の馬は8頭と多い。そこで、前走着順が9着までに収まっていて、なおかつ休み明け初戦か2戦目となるアスカビレンガリバルディロサギガンティアの3頭を挙げておきたい。この組で「今回増」だと3着までとあまり相性はよくないが、マルターズアポジーは勝率が非常に高い「前走1着で今回増」でもあり、今回も侮れない存在となりそうだ。また、ダノンプラチナの「前走5着で今回増」は連対例こそないものの、3着に入る確率は高いパターンとなっており、こちらもマークが必要だろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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