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第1145回 9〜10月の中山と阪神の芝を分析!

2017/9/4(月)

先週で夏競馬が終わり、今週末から中央競馬は秋シーズンへと突入。ここからの4週は、中山と阪神の2場開催となる。ここで注目したいのが、この時期以外の中山と阪神は洋芝をオーバーシードした馬場で行なわれるのに対して、9〜10月の開催だけは野芝のみの馬場で行なわれるということ。そこで今回は、この時期に限った中山と阪神の芝コースの各種データを調べてみたい。集計期間は2012〜2016年の過去5年。ただし、2014年は中山競馬場改修のため新潟の代替開催となったため、中山は同年を除いた4年分のデータとなる。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 中山・阪神芝1200m(1000万下・良)のタイム比較

競馬場 開催時期 1着馬平均タイム 1着馬平均上がり
中山 9〜10月 1分8秒1 34秒1
それ以外 1分8秒8 34秒3
阪神 9〜10月 1分8秒7 33秒9
それ以外 1分9秒1 34秒4

表1は、中山と阪神で行なわれた「芝1200m・1000万下・良馬場」という条件のレースにおける1着馬の平均タイムと平均上がりを、「9〜10月開催」と「それ以外の開催」で比較したもの。ご覧の通り、平均タイムや平均上がりは、中山、阪神ともに9〜10月開催のほうが速いことがわかる。特に、中山は勝ちタイムが0秒7も速く、一方の阪神は上がりが0秒5も速くなっているのは特徴的だ。そして、これは芝1200mに限ったことではなく、ほかの距離でも近い傾向が出ている。この時期の中山芝では全体の持ちタイムが速い馬、阪神芝では速い上がりを使える馬を狙う作戦が有力になりそうだ。

■表2 9〜10月の中山・種牡馬別成績(着別度数順)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
ディープインパクト 18- 17- 11- 83/129 14.0% 27.1% 35.7% 69% 68%
ステイゴールド 11-  8- 14- 96/129 8.5% 14.7% 25.6% 68% 98%
ダイワメジャー 8- 12-  8- 77/105 7.6% 19.0% 26.7% 23% 62%
キングカメハメハ 8-  5-  8- 86/107 7.5% 12.1% 19.6% 43% 41%
ネオユニヴァース 7-  9-  4- 63/ 83 8.4% 19.3% 24.1% 108% 80%
マツリダゴッホ 7-  4-  8- 33/ 52 13.5% 21.2% 36.5% 78% 161%
アドマイヤムーン 6-  7-  2- 42/ 57 10.5% 22.8% 26.3% 64% 91%
ゼンノロブロイ 5-  8-  2- 52/ 67 7.5% 19.4% 22.4% 43% 96%
シンボリクリスエス 5-  7-  5- 57/ 74 6.8% 16.2% 23.0% 40% 93%
ハーツクライ 5-  6-  7- 53/ 71 7.0% 15.5% 25.4% 58% 50%

2015/9/13 中山11R 京成杯オータムハンデ(G3) 1着 12番 フラアンジェリコ

表2は「9〜10月の中山芝・種牡馬別成績(着別度数順)」。特徴として挙げられるのが、上位の種牡馬たちの回収率が軒並み低調なこと。特に、3位のダイワメジャーは単勝回収率23%と低迷し、4位のキングカメハメハも単複ともに40%台と振るわない。他方、回収率が高いのは、単勝回収率108%の5位ネオユニヴァースや複勝回収率161%の6位マツリダゴッホといったあたり。実際、開幕週に行なわれる京成杯AHでは、15年にネオユニヴァース産駒のフラアンジェリコが13番人気1着と穴をあけ、16年にはマツリダゴッホ産駒のロードクエストが制している。この結果を見ても、両馬はこの時期の中山芝で要注意の種牡馬といえる。

■表3 9〜10月の中山芝・前走競馬場別成績

前走競馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
札幌 18-  15-  29- 212/ 274 6.6% 12.0% 22.6% 48% 102%
函館 8-  12-   8- 118/ 146 5.5% 13.7% 19.2% 79% 82%
福島 18-  13-  14- 169/ 214 8.4% 14.5% 21.0% 119% 82%
新潟 74-  82-  87- 842/1085 6.8% 14.4% 22.4% 70% 73%
東京 23-  19-  11- 150/ 203 11.3% 20.7% 26.1% 115% 94%
中山 13-  15-  11- 235/ 274 4.7% 10.2% 14.2% 59% 45%
中京 7-   3-   1-  21/  32 21.9% 31.3% 34.4% 115% 76%
京都 1-   1-   0-  18/  20 5.0% 10.0% 10.0% 10% 14%
阪神 7-   4-   2-  54/  67 10.4% 16.4% 19.4% 62% 50%
小倉 1-   6-   7-  71/  85 1.2% 8.2% 16.5% 58% 77%

表3は「9〜10月の中山芝・前走競馬場別成績」。関西圏となるため出走数は少ないものの、抜群の成績を残しているのが前走中京組で、該当馬がいたら積極的に狙ってみたい。また、前走東京組の成績も優秀だから、夏の福島や新潟には出走せず、待機していた馬を狙う作戦が有力になりそうだ。時期的に出走例が多い前走新潟組は、可もなく不可もなくといったところ。前走札幌組は複勝回収率が高く、3着に穴馬が突っ込むケースが多いようだ。

■表4 9〜10月の中山芝・休み明けn戦目別成績

間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
休み明け初戦 51- 36- 31-416/534 9.6% 16.3% 22.1% 106% 82%
休み明け2戦目 26- 17- 26-249/318 8.2% 13.5% 21.7% 85% 69%
休み明け3戦目 10- 25- 21-171/227 4.4% 15.4% 24.7% 38% 99%
休み明け4戦目 8-  6-  8- 87/109 7.3% 12.8% 20.2% 44% 53%
休み明け5戦目 6-  5-  3- 65/ 79 7.6% 13.9% 17.7% 38% 58%
休み明け6戦目〜 18- 13- 20-259/310 5.8% 10.0% 16.5% 57% 68%

表4は「9〜10月の中山芝・休み明けn戦目別成績」。なお、ここでいう休み明け初戦とは、中9週以上で出走した馬のことを指す。その休み明け初戦の馬は勝率、連対率、単勝回収率の3項目でトップの数値をマーク。この時期の中山芝で休み明けを理由に人気を落としている馬がいれば、狙ってみる価値がありそうだ。一方、休み明け5戦目や休み明け6戦目以上の馬は全体に数字がダウンしており、使い詰めた馬は過信しないほうがいいかもしれない。

■表5 9〜10月の阪神・種牡馬別成績(着別度数順)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
ディープインパクト 35- 30- 21-161/247 14.2% 26.3% 34.8% 91% 80%
ダイワメジャー 19- 17- 17-106/159 11.9% 22.6% 33.3% 114% 84%
ハーツクライ 19- 15- 13- 93/140 13.6% 24.3% 33.6% 85% 130%
キングカメハメハ 18- 22- 16-122/178 10.1% 22.5% 31.5% 54% 98%
アドマイヤムーン 11-  7-  4- 60/ 82 13.4% 22.0% 26.8% 103% 89%
ステイゴールド 8- 15-  3- 76/102 7.8% 22.5% 25.5% 124% 99%
ネオユニヴァース 8-  8-  7- 82/105 7.6% 15.2% 21.9% 22% 49%
マンハッタンカフェ 7-  7- 13- 72/ 99 7.1% 14.1% 27.3% 243% 136%
ハービンジャー 6-  8-  8- 46/ 68 8.8% 20.6% 32.4% 37% 85%
ジャングルポケット 6-  6-  6- 81/ 99 6.1% 12.1% 18.2% 78% 71%

2013/9/8 阪神11R セントウルステークス(G2) 1着 13番 ハクサンムーン

表5は「9〜10月の阪神芝・種牡馬別成績(着別度数順)」。表2の項で確認した同時期の中山芝とは打って変わって、上位の種牡馬たちの回収率が総じて高い。開幕週に行なわれる重賞のセントウルSでも、2位で単勝回収率114%のダイワメジャー産駒のエピセアロームが12年に、5位で単勝回収率103%のアドマイヤムーン産駒のハクサンムーンが13年にそれぞれ制しており、今年も出走があれば注目したい。また、1位のディープインパクト、3位のハーツクライ、4位のキングカメハメハなど速い上がりを使える産駒が多い種牡馬もなかなかの回収率を残している。これは、表1の項で述べた「この時期の阪神芝では速い上がりを使える馬を狙う作戦が有力」を裏付けるデータのひとつといえるのではないか。ほかに、13番人気と14番人気で勝利を挙げている8位のマンハッタンカフェにも激走を期待できそうだ。

■表6 9〜10月の阪神芝・前走競馬場別成績

前走競馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
札幌 18-  20-  12- 226/ 276 6.5% 13.8% 18.1% 82% 62%
函館 4-   9-   7-  81/ 101 4.0% 12.9% 19.8% 36% 62%
福島 3-   2-   1-  27/  33 9.1% 15.2% 18.2% 20% 50%
新潟 22-  23-  22- 176/ 243 9.1% 18.5% 27.6% 58% 83%
東京 15-  10-   4-  83/ 112 13.4% 22.3% 25.9% 42% 64%
中山 4-   3-   0-  38/  45 8.9% 15.6% 15.6% 304% 90%
中京 25-  22-  14- 169/ 230 10.9% 20.4% 26.5% 84% 78%
京都 7-  15-   6- 117/ 145 4.8% 15.2% 19.3% 35% 79%
阪神 40-  35-  41- 427/ 543 7.4% 13.8% 21.4% 72% 81%
小倉 68-  69- 102-1010/1249 5.4% 11.0% 19.1% 68% 77%

表6は「9〜10月の阪神芝・前走競馬場別成績」。100%以上の回収率を記録したのは出走例が少ない前走中山組の単勝回収率だけで、それ以外の数字は際立った傾向やこれといった狙い目は見当たらず、強いて挙げれば、前走東京組と前走中京組の好走率が若干高いというぐらい。むしろ、ここでより重要なのは、前走福島組や前走京都組、前走函館組の単勝回収率がかなり低い、ということかもしれない。

■表7 9〜10月の阪神芝・休み明けn戦目別成績

間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
休み明け初戦 58- 63- 41-524/686 8.5% 17.6% 23.6% 61% 84%
休み明け2戦目 22- 23- 27-319/391 5.6% 11.5% 18.4% 46% 69%
休み明け3戦目 21- 20- 27-246/314 6.7% 13.1% 21.7% 105% 102%
休み明け4戦目 11- 14- 11-148/184 6.0% 13.6% 19.6% 127% 71%
休み明け5戦目 7-  4-  4-100/115 6.1% 9.6% 13.0% 81% 47%
休み明け6戦目〜 23- 21- 31-299/374 6.1% 11.8% 20.1% 79% 78%

表7は「9〜10月の阪神芝・休み明けn戦目別成績」。好走率が高いのは休み明け初戦の馬だが、回収率は低めで、人気馬を中心に狙ったほうがよさそうだ。好走率と回収率のバランスがとれているのは休み明け3戦目。また、休み明け4戦目は好走率が若干落ちるものの、単勝回収率が高く、穴を期待できる。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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