第1142回 スプリンターズSへ注目の一戦! キーンランドCを分析|競馬情報ならJRA-VAN

JRA公式データ配信サービス JRA-VAN

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第1142回 スプリンターズSへ注目の一戦! キーンランドCを分析

2017/8/24(木)

日曜に札幌競馬場で芝1200m重賞のキーンランドCが行われる。サマースプリントシリーズの第5戦であるとともに、秋のスプリンターズSに向けても注目の一戦だ。実際に11年優勝のカレンチャンが次走でスプリンターズSを制するなど活躍馬が多く輩出している。今回はキーンランドCをピックアップし、2010年以降に札幌(13年は函館)で行われた過去6回のデータから好走馬の特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 キーンランドC近6回の上位3着以内馬一覧(2010年以降の札幌開催)

着順 馬名 性齢 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり 前半3F通過 レース上がり
2016
(良)
1 ブランボヌール 牝3 1分8秒5 2 5 34秒0 34秒1 34秒4
2 シュウジ 牡3 1/2馬身 1 1 34秒5
3 レッツゴードンキ 牝4 1/2馬身 3 8 33秒9
2015
(良)
1 ウキヨノカゼ 牝5 1分8秒6 8 7 33秒5 34秒0 34秒6
2 トーホウアマポーラ 牝6 3/4馬身 9 11 33秒8
3 ティーハーフ 牡5 1/2馬身 1 11 34秒1
2014
(良)
1 ローブティサージュ 牝4 1分9秒0 3 6 34秒4 34秒1 34秒9
2 レッドオーヴァル 牝4 クビ 1 9 34秒2
3 マジンプロスパー 牡7 アタマ 5 2 34秒8
2012
(良)
1 パドトロワ 牡5 1分7秒6 3 1 34秒1 33秒5 34秒1
2 ダッシャーゴーゴー 牡5 ハナ 1 3 33秒8
3 テイエムオオタカ 牡4 1馬身1/4 4 2 34秒1
2011
(良)
1 カレンチャン 牝4 1分8秒6 1 2 35秒5 33秒0 35秒6
2 ビービーガルダン 牡7 クビ 6 3 35秒2
3 パドトロワ 牡4 ハナ 4 1 35秒6
2010
(良)
1 ワンカラット 牝4 1分8秒4 2 2 34秒4 33秒7 34秒7
2 ジェイケイセラヴィ セ6 1/2馬身 6 4 34秒5
3 ベストロケーション 牝5 1/2馬身 8 7 34秒4

まず表1は過去6回の上位3着以内馬一覧。勝ちタイムは前残りで決まった12年を除くと、1分8秒4〜9秒0と洋芝のレースらしくやや時計が掛かっている。先週の札幌記念が2分0秒4と掛かっていることから、今年も1分8秒台後半あたりの決着になるのではないか。ペースは年によって異なるが、レース上がりは11年を除いてすべて34秒台だった。近3年は前残り決着ではなく、4コーナー5番手以降の馬の好走が目立っている

また、昨年1着のブランボヌールをはじめ、牝馬の好走が目立っているのもこのレースの特徴だ。牝馬が【5.2.2.23】で6回中5勝をあげ、連対率21.9%・複勝率28.1%と牡馬・セン馬を大きく上回っている

人気順を見ると、1番人気馬は11年カレンチャンが勝利してから毎年3着以内に入っている。ただし、近3年は2・3着と勝ち切れていない。以下、2・3番人気馬が2勝ずつ、8番人気馬が1勝。2・3着馬には中位人気の馬も絡んでいるが、10番人気以下の激走はなかった。一昨年は1着ウキヨノカゼ、2着トーホウアマポーラと人気薄が好走し、馬連3万円台の波乱となったが、例年は堅めの決着が多い一戦となっている。

■表2 キーンランドCの所属別成績(2010年以降の札幌開催)

調教師分類 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
美浦 1- 1- 2-34/38 2.6% 5.3% 10.5% 76% 58%
栗東 5- 5- 4-38/52 9.6% 19.2% 26.9% 46% 61%
地方 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表2は所属別成績。栗東所属の関西馬が昨年のブランボヌールら5勝をあげ、連対率・複勝率でも関東馬を大きく上回っている。近3年では3着以内馬9頭中8頭が関西馬と活躍が目立っている。

対して、美浦所属の関東馬は一昨年のウキヨノカゼの1勝のみ。なお、好走した4頭はいずれも4番人気以下の伏兵だった。

■表3 キーンランドCの年齢別成績(2010年以降の札幌開催)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
3歳 1- 1- 0-12/14 7.1% 14.3% 14.3% 40% 21%
4歳 3- 1- 3- 8/15 20.0% 26.7% 46.7% 80% 90%
5歳 2- 1- 2-16/21 9.5% 14.3% 23.8% 169% 97%
6歳 0- 2- 0-18/20 0.0% 10.0% 10.0% 0% 54%
7歳以上 0- 1- 1-20/22 0.0% 4.5% 9.1% 0% 28%

表3は年齢別成績。4歳馬が【3.1.3.8】で14年ローブティサージュら最多の3勝をあげ、連対率26.7%・複勝率46.7%と高い。昨年もレッツゴードンキが3着に入っており、15年を除いて毎年1頭は3着以内に好走している。5歳馬は一昨年のウキヨノカゼら2勝で、複勝率は4歳馬に次いで高い。

連対率・複勝率こそそれほど高くないが、注目しておきたいのは3歳馬。昨年はブランボヌール、シュウジが1・2着と好走。4着にもソルヴェイグが入っており、健闘が目立った。ソルヴェイグも含めて、3歳の好走馬はいずれも芝短距離の重賞を勝利した経歴があった。3歳馬がここで古馬と対戦して、スプリンターズSへと進むローテーションが確立されつつある。

■表4 キーンランドCの前走レース別成績(2010年以降の札幌開催)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
函館スプリントS 3- 1- 2-14/20 15.0% 20.0% 30.0% 60% 50%
アイビスSD 1- 1- 0- 9/11 9.1% 18.2% 18.2% 58% 60%
NHKマイルC 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 186% 63%
TVh杯 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 2910% 630%
CBC賞 0- 2- 1- 3/ 6 0.0% 33.3% 50.0% 0% 280%
札幌日刊スポーツ杯 0- 1- 1- 0/ 2 0.0% 50.0% 100.0% 0% 170%
安田記念 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 180%
高松宮記念 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 135%
UHB賞 0- 0- 0-22/22 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
その他のレース 0- 0- 0-15/15 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
※11年まで行われていたUHB杯(函館)を除く。

表4は前走レース別成績。函館スプリントS組が14年ローブティサージュら最多の3勝をあげている。昨年は2・3着が該当しており、12年を除いて毎年1頭は3着以内に入っている。その他ではアイビスSD組から12年パドトロワ、NHKマイルC組から昨年のブランボヌール、TVh杯(1600万下)組から一昨年のウキヨノカゼがそれぞれ勝利している。ウキヨノカゼのように前走1600万下組は【1.1.1.4】で複勝率が高いが、今年は出走馬がいなかった。

また、勝ち星こそないもののCBC賞組が好相性。ただ、この組の3着以内馬3頭はいずれも古馬重賞で連対した経歴があった。なお、出走数最多のUHB賞組は3着以内馬なしと苦戦傾向にある。

■表5 函館スプリントS組の前走着順別成績(2010年以降の札幌開催)

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
前走1着 2- 0- 1- 2/ 5 40.0% 40.0% 60.0% 112% 94%
前走2着 1- 1- 0- 1/ 3 33.3% 66.7% 66.7% 213% 110%
前走3着 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 100%
前走4着以下 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は表4で示した函館スプリントS組の前走着順別成績。黄色で強調したようにこの組の好走馬はいずれも前走で3着以内に入っていた。前走で力を見せていた馬が同じ洋芝で続けて好走するパターンなのだが、今年の函館スプリントSが超ハイペースからの差し競馬となったために例年のパターンと異なる可能性は考えたい

■表6 キーンランドCの前走上がり順位別成績(2010年以降の札幌開催)

前走上がり順位 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
上がり3F 1位 5- 1- 1- 5/12 41.7% 50.0% 58.3% 395% 137%
上がり3F 2位 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
上がり3F 3位 0- 1- 0- 6/ 7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 18%
上がり3F〜5位 0- 1- 3- 9/13 0.0% 7.7% 30.8% 0% 60%
上がり3F6位以下 1- 3- 2-43/49 2.0% 8.2% 12.2% 11% 58%

表6は前走上がり順位別成績。前走で上がり最速だった馬が一昨年のウキヨノカゼら5勝と勝ち切る傾向が強い。連対率・複勝率ともに高く、単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えている。

なお、前走上がり2位では3着以内馬がおらず、やはり上がり最速馬だけをチェックしておきたい。

■表7 キーンランドCの前走からの間隔別成績(2010年以降の札幌開催)

間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
中1週 0- 0- 0-13/13 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
中2週 0- 0- 0-11/11 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
中3週 0- 1- 1-11/13 0.0% 7.7% 15.4% 0% 33%
中4〜8週 4- 3- 1-17/25 16.0% 28.0% 32.0% 164% 100%
中9〜半年 2- 2- 4-21/29 6.9% 13.8% 27.6% 41% 84%
半年以上 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

最後に表7は前走からの間隔別成績。好走馬は中4週〜半年の間に集中している。特に前走から中4〜8週の馬は一昨年のウキヨノカゼら4勝をあげ、連対率・複勝率ともに高い。中9〜半年の馬は昨年のブランボヌールら2勝で、昨年の1〜3着馬など近3年の3着以内馬9頭中6頭が該当している。

なお、中3週以内の馬、特に中2週以内は3着以内馬がおらず、苦戦傾向にある。

<結論>

■表8 今年のキーンランドCの出走予定馬(8/23時点)

馬名 性齢/所属 前走レース成績 前走との間隔
イッテツ 牡5/美浦 UHB賞 1着 中2週
エポワス セ9/美浦 UHB賞 7着 中2週
シュウジ 牡4/栗東 函館SS 10着 中9〜半年
ソルヴェイグ 牝4/栗東 ヴィクトリアM 5着 中9〜半年
ナックビーナス 牝4/美浦 高松宮記念 8着 中9〜半年
ネロ 牡6/栗東 アイビスSD 10着 中3週
ノボバカラ 牡5/美浦 函館SS 7着 中9〜半年
ヒルノデイバロー 牡6/栗東 UHB賞 2着 中2週
フミノムーン 牡5/栗東 バーデンバーデンC 1着 中5週
ブランボヌール 牝4/栗東 函館SS 9着 中9〜半年
マユキ 牝6/栗東 STV賞(1000万下) 5着 中1週
メイソンジュニア 牡3/栗東 CBC賞 12着 中7週
モンドキャンノ 牡3/栗東 NHKマイルC 9着 中9〜半年
ライトフェアリー 牝5/美浦 HBC賞(1000万下) 1着 中2週
※フルゲート16頭。除外対象馬なし。

2016/11/5 東京11R 京王杯2歳ステークス(G2) 1着 13番 モンドキャンノ

今年の出走予定馬は表8のとおり。

昨年の2着馬で阪神Cを勝利しているシュウジが格上的存在なのだが、前走の函館スプリントSでは暴走気味にハイペースで飛ばして失速して10着。複勝率が優秀な4歳馬ではあるが、気性的な面を考えても主軸には推せない。

当コラムで推奨したいのは3歳馬モンドキャンノ昨年の勝ち馬ブランボヌールモンドキャンノは前走NHKマイルC9着も先行して持ち味が発揮できなかった。京王杯2歳S、勝ちと重賞勝ちがある3歳馬。カレンチャンなどこのレースでも実績がある安田隆行厩舎で、スプリンターズSへ向けて狙ったローテーションといえそうだ。先行策でなく、本来の差す競馬ができれば好勝負になりそうだ。

2016/8/28 札幌11R キーンランドカップ(G3) 1着 14番 ブランボヌール

ブランボヌールは複勝率が高い4歳馬。近3戦はいずれも着外と成績こそ出ていないが、昨年のキーンランドCを含めて洋芝では3勝と適性が高い。前走も先行して9着だが、それほど負けておらず、今回は狙い目となりそうだ。

ソルヴェイグは前走ヴィクトリアMで5着と好走。本来のスプリント戦に戻って好勝負できるだろう。穴では前走函館スプリントSで上がり最速を出したノボバカラ。前走が初芝だったが、対応できていた。イッテツをはじめUHB賞組、バーデンバーデンCを勝利したフミノムーンなどの前走オープン特別組は苦戦傾向にあり、評価を下げたい。ネロもアイビスSDで見せ場がなく、まだ復調途上だろう。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)