第1139回 波乱の北九州記念を分析する|競馬情報ならJRA-VAN

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第1139回 波乱の北九州記念を分析する

2017/8/14(月)

今週は札幌記念と北九州記念の2重賞が行われる。秋のG1へ向けてという意味では、もちろん注目レースは札幌記念。しかし馬券的には、過去10年で90万馬券超が3度も出ているハンデ戦・北九州記念も見逃せない。そこで月曜掲載分の今回は、まずその北九州記念の傾向を探ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JV馬天楼 for データde出〜たを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1 1-2-2-5/10 10.0% 30.0% 50.0% 25% 70%
2 1-2-1-6/10 10.0% 30.0% 40.0% 50% 76%
3 0-2-1-7/10 0.0% 20.0% 30.0% 0% 72%
4 0-0-2-8/10 0.0% 0.0% 20.0% 0% 56%
5 1-1-0-8/10 10.0% 20.0% 20.0% 134% 80%
6 1-1-2-6/10 10.0% 20.0% 40.0% 102% 180%
7 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8 5-0-0-5/10 50.0% 50.0% 50.0% 878% 214%
9 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10 0-0-1-9/10 0.0% 0.0% 10.0% 0% 84%
11〜 1-2-1-61/65 1.5% 4.6% 6.2% 112% 118%

2016/8/21 小倉11R TV西日本北九州記念(G3) 1着 9番 バクシンテイオー (8番人気)

過去10年の人気別成績を見ると、1〜5番人気の合計で【3.7.6.34】複勝率32.0%。上位人気に2〜3着馬は多い一方で、勝ち馬数は物足りない。その分、8番人気が【5.0.0.5】と馬券に絡めば1着で、昨年のバクシンテイオーなど計5勝。8番人気以下の合計では【6.2.2.85】で単勝回収率は169%と、中位人気以下の単勝を毎年買い続ければ儲かるというこの10年間だった。

■表2 1〜3着馬の人気と3連単配当

単勝人気順 3連単
1着 2着 3着
07 11 6 10 157万0690円
08 1 3 4 3万1510円
09 8 2 1 3万5790円
10 5 3 6 20万2330円
11 8 2 1 3万9250円
12 8 12 6 99万7220円
13 6 5 2 5万5230円
14 8 13 17 395万3810円
15 2 1 4 1万3770円
16 8 1 3 3万4850円

1〜3着馬の単勝人気順を見ると、99万馬券以上となった07年、12年、14年は6番人気以下が1〜3着を独占。ただ、その他の年は5番人気以内が最低2頭は絡んでおり、5番人気以内が1頭だけ、という年は一度もない。そのため、上記3回と10年(20万馬券)を除いた、計6回の3連単は5万馬券以下。どうしても一昨年の300万馬券などに目が行ってしまうが、荒れる年なのか、上位人気が2頭以上絡む年なのか、しっかり波乱度を見極めて馬券作戦を立てる必要がある。穴を狙うなら、中途半端にならず100万馬券を狙っていくくらいの思い切りを持ちたい。

■表3 性齢別成績

性別 年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 1〜5人気
牡・セン 3歳 0-1-0-6/7 0.0% 14.3% 14.3% 0% 172% 0-0-0-4
4歳 1-3-1-13/18 5.6% 22.2% 27.8% 80% 80% 0-3-1-5
5歳 1-0-1-18/20 5.0% 5.0% 10.0% 51% 26% 0-0-1-4
6歳 2-0-1-18/21 9.5% 9.5% 14.3% 422% 274% 0-0-0-3
7歳以上 1-0-1-21/23 4.3% 4.3% 8.7% 94% 33% 0-0-0-0
牝馬 3歳 0-1-1-11/13 0.0% 7.7% 15.4% 0% 49% 0-1-0-3
4歳 2-3-4-6/15 13.3% 33.3% 60.0% 50% 185% 2-2-3-3
5歳 2-2-1-25/30 6.7% 13.3% 16.7% 119% 78% 0-1-1-10
6歳 1-0-0-14/15 6.7% 6.7% 6.7% 89% 33% 1-0-0-2
7歳以上 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-0

2015/8/23 小倉11R 北九州記念(G3) 1着 3番 ベルカント (牝4歳)

年齢は、牡・セン馬、牝馬ともに4歳馬の好走確率が高い。特に4歳牝馬は複勝率60.0%と抜群の安定感をほこる。また、1〜5番人気馬だけの成績を見ると、4歳(牡牝計)は【2.5.4.8】で複勝率57.9%、4歳以外(同)は【1.2.2.26】同16.1%。まず、人気馬に4歳馬が多いかどうかが、その年の波乱度を左右する可能性があることは覚えておきたい。

■表4 ハンデ別成績

ハンデ 牡・セン馬 牝馬
着別度数 連対率 複勝率 着別度数 連対率 複勝率
〜50kg 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0-1-0-17/18 5.6% 5.6%
51kg 0-0-1-2/3 0.0% 33.3% 0-0-1-8/9 0.0% 11.1%
52kg 1-1-0-7/9 22.2% 22.2% 2-3-1-6/12 41.7% 50.0%
53kg 0-1-0-10/11 9.1% 9.1% 1-1-2-17/21 9.5% 19.0%
54kg 2-1-2-18/23 13.0% 21.7% 0-0-0-7/7 0.0% 0.0%
55kg 2-1-0-10/13 23.1% 23.1% 1-0-0-3/4 25.0% 25.0%
55.5kg 該当なし 0-0-1-0/1 0.0% 100.0%
56kg 0-0-1-15/16 0.0% 6.3% 1-1-1-1/4 50.0% 75.0%
56.5kg〜 0-0-0-13/13 0.0% 0.0% 該当なし

続いてハンデ別の成績では、牡・セン馬の重ハンデ(56キロ以上)と、牝馬の軽ハンデ(51キロ以下)は不振。牝馬なら52キロが連対率41.7%の好成績で、55.5キロ以上を背負った馬も、該当馬は少ないが複勝率は非常に高い。牡・セン馬で好走馬が多いのは54〜55キロ。ただ、こちらも51キロや52キロの複勝率は悪くない。このように、ハンデ別で「良いほう」を探すとピントがぼやけてしまうため、まず牡・セン馬の重ハンデ、牝馬の軽ハンデは疑ってかかる、というところから手をつけるのが良さそうだ。

■表5 前走クラス別成績

前走 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1000万下 1-1-2-5/9 11.1% 22.2% 44.4% 160% 212%
1600万下 1-6-1-22/30 3.3% 23.3% 26.7% 243% 122%
OPEN特別 4-1-1-23/29 13.8% 17.2% 20.7% 223% 98%
G3 4-2-5-78/89 4.5% 6.7% 12.4% 44% 79%
G2 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 0-0-1-5/6 0.0% 0.0% 16.7% 0% 75%

前走クラス別の成績では、条件戦やオープン特別出走馬の成績が良い。重賞はG3組が好走馬11頭を数えるため、すべて軽視はできないが、好走確率や単複の回収率はオープン特別以下に比べると大きく低下している。このうち、1000万条件組は、12年の優勝馬・スギノエンデバーなど好走4頭すべてが、前走を0.1〜0.2秒差で勝ってきた4歳馬だったが、今年1000万組は不在だ。

■表6 前走1600万条件からの好走馬

馬名 性齢 ハンデ 人気 着順 前走 人気 着順
07 キョウワロアリング 牡6 52 11 1 北九州短距離S 5 6
08 マルカフェニックス 牡4 54 3 2 北九州短距離S 1 8
09 レディルージュ 牝3 50 2 2 ジュライS 1 2
10 スカイノダン 牝4 52 3 2 北九州短距離S 1 2
11 エーシンリジル 牝4 53 2 2 船橋S 1 1
13 バーバラ 牝4 53 2 3 佐世保S 1 1
14 メイショウイザヨイ 牝5 52 13 2 佐世保S 7 1
15 ビッグアーサー 牡4 55 1 2 水無月S 1 1

1600万条件以降は、それぞれ個別に見ていきたい。まず1600万条件組の好走馬は表6の8頭。うち6頭が3番人気以内、2頭が2桁人気と、人気面では両極端だ。また、前走は1番人気が8頭中6頭、そして前走着順も連対馬が同じく6頭。特に11年以降の4頭は1600万を勝ち上がってきているため、格上挑戦馬よりもオープン入り直後の馬を重視したい近年の傾向だ。

■表7 前走オープン特別からの好走馬

馬名 性齢 ハンデ 人気 着順 前走 人気 着順
09 サンダルフォン 牡6 54 8 1 米子S 8 4
11 トウカイミステリー 牝5 52 8 1 ルミエールS 2 7
12 シゲルスダチ 牡3 52 12 2 NST賞 7 8
13 ツルマルレオン 牡5 55 6 1 バーデンバーデンC 3 8
16 バクシンテイオー 牡7 54 8 1 バーデンバーデンC 7 3
オウノミチ 牡5 54 3 3 バーデンバーデンC 4 1

前走オープン特別組は、6頭中5頭が6番人気以下。ただ、2桁人気は1頭にとどまり、1600万条件組とは明らかに違う傾向を示している。また、唯一上位人気(3番人気)で馬券に絡んだ昨年のオウノミチは、同じオープン特別組で8番人気のバクシンテイオーに先着を許しての3着だった。人気馬を組み込む場合でも、3着、あるいは2着と連単系で下位に入れる形が良さそうだ。 そしてオープン特別組とはいえ、ハンデは6頭中5頭が54キロ以下。実績馬がオープン特別に出ていたわけではなく、その時点であまり実績のない馬がオープン特別に出走していたということが、ハンデ別の成績からは見て取れる。前走についてはひと桁人気、ひと桁着順であれば問題ない。

■表8 前走重賞からの好走馬

馬名 性齢 ハンデ 人気 着順 前走 人気 着順
07 アルーリングボイス 牝4 52 6 2 CBC賞 12 5
08 スリープレスナイト 牝4 56 1 1 CBC賞 4 1
09 カノヤザクラ 牝5 56 1 3 アイビスSD 3 1
10 メリッサ 牝6 52 5 1 アイビスSD 1 18
サンダルフォン 牡7 56 6 3 CBC賞 5 13
11 エーシンヴァーゴウ 牝4 55.5 1 3 アイビスSD 1 1
12 エピセアローム 牝3 52 6 3 オークス 12 16
14 リトルゲルダ 牝5 53 8 1 アイビスSD 7 4
カイシュウコロンボ 牡6 54 17 3 CBC賞 16 11
15 ベルカント 牝4 55 2 1 アイビスSD 1 1
ベルルミエール 牝4 53 4 3 CBC賞 5 4
16 ベルカント 牝5 56 1 2 アイビスSD 1 1

そして最後に表8は、前走重賞組の好走馬12頭で、うち10頭は牝馬。牡馬のサンダルフォンとカイシュウコロンボは、同じ重賞組の牝馬に先着されての3着と、こちらも連単系で組み合わせを絞れる傾向にある。人気は12頭中10頭が6番人気以内だ。 また、前走レースは3歳牝馬・エピセアローム(オークス)以外は、サマースプリントシリーズのCBC賞かアイビスサマーダッシュだ。前走の人気・着順はまったくバラバラだが、6番人気以下かつ6着以下だったのは、そのエピセアロームと、牡馬のカイシュウコロンボのみ。重賞組で4歳以上の牝馬なら、前走の人気か着順のいずれかは「5以内」の馬を選択したい。

以上、北九州記念の傾向をまとめてみた。まず表2で挙げたように、100万馬券級の大波乱になるのか、5万馬券以下くらいに収まるのかの見極めが重要だ。その見極めにはひとつ、人気馬の中に4歳馬がどの程度含まれるかがカギになる。また、前走クラスによって傾向がかなり異なる印象で、人気や性別、前走成績など、前走クラスごとにそれぞれ分けてしっかり考えて挑みたい。 本稿執筆時点でハンデは未発表だが、登録馬ではまず前走の1600万まで3連勝中で、恐らく人気になりそうな4歳牝馬・ダイアナヘイローが一番の注目馬。4歳牡馬・ファインニードルも上位人気なら見逃せない。ただ、今年は4歳馬の登録が4頭だけのため、この両馬次第では人気薄同士の波乱もあり得る。オープン特別ならバーデンバーデンC組の3頭、オウノミチ、ナガラオリオン、トウカイセンス。重賞組なら牝馬でアルティマブラッド、ラヴァーズポイントあたりがおもしろい存在だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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