第1138回 中央唯一のダート1700m重賞・エルムSを分析|競馬情報ならJRA-VAN

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第1138回 中央唯一のダート1700m重賞・エルムSを分析

2017/8/10(木)

新潟の関屋記念と札幌のエルムSは、2015年から同日に開催されるようになった。当コーナーでは過去2年とも関屋記念を分析しているので、今回はエルムSを取り上げたい。集計の対象となるのは、過去10年のうち新潟開催の09年、函館開催の13年を除いた8年分。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 2- 0- 3- 3/ 8 25.0% 25.0% 62.5% 38% 77%
2番人気 3- 1- 0- 4/ 8 37.5% 50.0% 50.0% 143% 73%
3番人気 2- 1- 1- 4/ 8 25.0% 37.5% 50.0% 127% 90%
4番人気 0- 2- 0- 6/ 8 0.0% 25.0% 25.0% 0% 51%
5番人気 0- 2- 0- 6/ 8 0.0% 25.0% 25.0% 0% 83%
6番人気 0- 0- 1- 7/ 8 0.0% 0.0% 12.5% 0% 47%
7番人気 1- 1- 1- 5/ 8 12.5% 25.0% 37.5% 356% 210%
8番人気 0- 1- 1- 6/ 8 0.0% 12.5% 25.0% 0% 152%
9番人気 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気〜 0- 0- 1-26/27 0.0% 0.0% 3.7% 0% 31%

表1は人気別成績。集計対象の8年分で7勝を占める1〜3番人気から1着馬が出ることが多い。その1〜3番人気の好走率には大きな差がないので、回収率は2、3番人気のほうに魅力がある。1番人気だからと飛びつくのではなく、しっかりと吟味して狙いたいところだ。以下、4〜8番人気から馬券に絡む例は多数あるが、9番人気以下の好走は3着が1回あるのみ。極端な穴馬にはあまり期待できないレースとなっている。

■表2 枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 1- 0- 1- 6/ 8 12.5% 12.5% 25.0% 46% 35%
2枠 0- 0- 0- 8/ 8 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
3枠 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
4枠 3- 2- 1- 7/13 23.1% 38.5% 46.2% 263% 104%
5枠 1- 2- 1-11/15 6.7% 20.0% 26.7% 10% 99%
6枠 2- 1- 2-11/16 12.5% 18.8% 31.3% 55% 110%
7枠 1- 1- 1-13/16 6.3% 12.5% 18.8% 31% 59%
8枠 0- 2- 2-12/16 0.0% 12.5% 25.0% 0% 81%

表2は枠順別成績。真っ先に気づくのは内枠の成績が振るわないことだ。2枠と3枠の好走例は皆無。1枠から好走したのも1番人気と2番人気が1頭ずつで、回収率は伸び悩んだ。数字がいいのは4〜6枠で、真ん中から外目ぐらいの枠が好走しやすいようだ。ただし、今年から札幌ダート1700mはフルゲートが1頭増えて14頭になった。そのため、エルムSにおける枠の傾向も変わる可能性があることは記しておきたい。

■表3 脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
逃げ 0- 0- 4- 4/ 8 0.0% 0.0% 50.0% 0% 161%
先行 5- 8- 2- 7/22 22.7% 59.1% 68.2% 199% 222%
中団 0- 0- 1-33/34 0.0% 0.0% 2.9% 0% 4%
後方 0- 0- 1-30/31 0.0% 0.0% 3.2% 0% 12%
マクリ 3- 0- 0- 1/ 4 75.0% 75.0% 75.0% 235% 107%

表3は脚質別成績。ご覧の通り、エルムSでは前に行くことが好走の絶対条件といっても過言ないぐらいとなっている。「中団」や「後方」の好走率は極めて低く、連対例すらないほどだ。それでも位置どりが後ろになった場合は、「マクリ」の競馬で直線を向くまでにポジションを押し上げておきたい。なお、「逃げ」で好走した延べ4頭はすべて3着だから、軸馬にはしづらい印象もある。よって、もっとも手堅いのは「先行」できそうな馬ということになりそうだ。

■表4 前走4角通過順別成績

前走4角 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1〜5番手 7- 6- 8-30/51 13.7% 25.5% 41.2% 97% 121%
6番手〜 0- 2- 0-41/43 0.0% 4.7% 4.7% 0% 19%

表4は前走の4角通過順別成績。かなり明確な傾向が出ており、前走で4角6番手以降だった馬の好走率は悪く、2着2回があるのみとなっている。前項で「前に行くことが好走の必要条件」と述べたが、具体的には前走で4角を1〜5番手で通過した馬が狙い目となる。

■表5 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
3歳 0- 1- 1- 0/ 2 0.0% 50.0% 100.0% 0% 150%
4歳 2- 1- 2- 8/13 15.4% 23.1% 38.5% 50% 127%
5歳 5- 1- 3-22/31 16.1% 19.4% 29.0% 134% 61%
6歳 1- 2- 1-21/25 4.0% 12.0% 16.0% 20% 65%
7歳以上 0- 3- 1-24/28 0.0% 10.7% 14.3% 0% 58%

表5は年齢別成績。連対率および複勝率ベースで年齢が若いほど数字がいいという相関関係が綺麗に出ている。出走例はそれほど多くないが、3歳馬や4歳馬が出てきたら有力となりそうだ。5歳馬は最多の1着馬5頭を出しており、もちろんこちらも無視できない。6歳馬や7歳以上の馬にも好走例はあるものの、数字が落ちる。しっかりと絞り込むことが必要になるだろう。

■表6 前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1着 4- 2- 1-11/18 22.2% 33.3% 38.9% 196% 82%
2着 1- 2- 4- 7/14 7.1% 21.4% 50.0% 35% 132%
3着 1- 1- 1- 6/ 9 11.1% 22.2% 33.3% 45% 76%
4着 0- 1- 1- 5/ 7 0.0% 14.3% 28.6% 0% 155%
5着 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 46%
6〜9着 1- 1- 0-20/22 4.5% 9.1% 9.1% 23% 34%
10着〜 0- 0- 1-18/19 0.0% 0.0% 5.3% 0% 44%

表6は前走着順別成績。全体として前走着順がよかった馬ほど好走率が高い順当な傾向が出ており、基本的には前走着順がそのまま参考になる。前走6着以下から巻き返したのは3頭のみ。その内訳を確認すると、11年2着のオーロマイスターには10年のマイルCS南部杯、14年1着のローマンレジェンドには12年東京大賞典と、この2頭にはダートG1勝ちの実績があった。もう1頭は14年3着のインカンテーションで、この馬ものちにフェブラリーSで2着に入っている。エルムSで前走6着以下から巻き返せるのはG1級の馬のみと考えてもいいだろう。

■表7 前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000万下 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1600万下 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 2850% 440%
オープン特別 4- 2- 4-40/50 8.0% 12.0% 20.0% 21% 46%
G3 0- 3- 0-15/18 0.0% 16.7% 16.7% 0% 47%
G2 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 425%
地方 3- 3- 3-10/19 15.8% 31.6% 47.4% 73% 139%
海外 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表7は前走クラス別成績。なお、「G1」「G2」「G3」の重賞レースは中央のみが対象となり、交流重賞は「地方」に含まれる。

好走例が10回と最多なのは前走オープン特別。ただし、好走率、回収率ともに数字はひと息で、絞り込みが欠かせない。そこで前走着順を確認すると、前走1〜3着が【4.1.4.15】なのに対し、前走4着以下は【0.1.0.24】となっている。表6の項で確認した傾向以上にクッキリと明暗が別れており、前走オープン特別出走馬は1〜3着だった馬を狙いたいところだ。4着以下好走した唯一の馬は、前述したオーロマイスターだった。

前走が中央重賞だった馬は、前走1〜5着なら【0.3.0.7】、前走6着以下なら【0.0.1.12】と、掲示板が分水嶺となっている。6着以下から好走した唯一の馬は、これも前述したインカンテーションである。一方、前走で地方交流重賞にしていた中央所属馬は総じて好成績で、前走着順を問わず該当馬がいれば狙ってみたいところ。前走が条件戦だった馬の出走例は少ないが、昨年は1600万下を勝ったばかりのリッカルドが7番人気1着と穴をあけており、これも該当馬がいれば侮れない。

■表8 ダート1700mの1着実績の有無

実績 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
あり 7- 6- 5-53/71 9.9% 18.3% 25.4% 72% 63%
なし 1- 2- 3-22/28 3.6% 10.7% 21.4% 5% 92%

エルムSは中央競馬で唯一のダート1700m重賞。そこで、過去にダート1700mで1着実績のある馬とない馬の成績を比較してみた。結果は表8の通りで、勝ち馬の延べ8頭のうち7頭はダート1700mの1着実績を持っていた。唯一の例外は12年のローマンレジェンドで、同馬は近7走で6勝2着1回および4連勝中と絶好調だった。このぐらいの勢いがあれば別だが、特に軸馬に関してはダート1700m1着実績を持つ馬を重視したほうが無難ではあるだろう。

【結論】

2017/7/9 函館11R マリーンステークス 1着 11番 テイエムジンソク

まず、前走がオープン特別だった馬から見ていこう。この場合、表7の項で解説した通り、1〜3着に入っていることが重要だった。今年これを満たすのはテイエムジンソクのみ。前走4角1〜5番手という条件も満たしており、勝ち馬を多く出している5歳馬という点も好材料といえる。前走は逃げて圧勝するかたちになったが、2走前や3走前は先行抜け出しで快勝しており、先行する競馬も問題なくできる。有力な1頭といえそうだ。

前走が地方交流重賞だった中央馬は、前走着順を問わず好成績を収めている。今年該当する4頭のうち、タマモホルンは前走まで地方所属で今回が中央再転入初戦。以前は未勝利のまま地方に転出しており、さすがに厳しいか。残る3頭は、岩手のマーキュリーCで2〜4着に入ったピオネロクリノスターオードリームキラリで、いずれも前走4角1〜5番手も満たしている。面白そうなのは5歳のドリームキラリで、昨年当コースで勝った実績も持っている。対して、エルムS2着2回があるクリノスターオーに適性面の問題はないだろうが、ピオネロにはダート1700mの1着実績がなく、気になるところではある。

2017/1/7 中山11R ポルックスステークス 1着 4番 ドリームキラリ

前走が中央重賞だったのはモンドクラッセ、ラインハート、ロンドンタウンと3頭いるが、いずれも6着以下で、G1実績も持たない。ならば、前走でダート1700mの1600万下を勝った4歳馬のコスモカナディアンの上昇度に期待してみる手はあるだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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