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第1136回 グレイソヴリン系との相性が抜群!? 小倉記念を占う

2017/8/3(木)

今週は日曜日に小倉記念が行われる。サマー2000シリーズのハンデ戦はたいてい波乱含みのレースとなっており、このレースにも同じことが言える。過去10年で1番人気の優勝がないことに加え、二けた人気馬の激走が多いことが特徴だ。その点に注目し、今年のレースを占ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 小倉記念の人気別成績(過去10年)

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1番人気 0-  3-  2-  5/ 10 0.0% 30.0% 50.0% 0 84
2番人気 1-  1-  1-  7/ 10 10.0% 20.0% 30.0% 42 62
3番人気 3-  0-  1-  6/ 10 30.0% 30.0% 40.0% 197 88
4番人気 1-  2-  0-  7/ 10 10.0% 30.0% 30.0% 76 83
5番人気 0-  1-  0-  9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0 26
6番人気 2-  1-  1-  6/ 10 20.0% 30.0% 40.0% 169 119
7番人気 0-  1-  0-  9/ 10 0.0% 10.0% 10.0% 0 38
8番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0 49
9番人気 1-  0-  2-  7/ 10 10.0% 10.0% 30.0% 197 181
10番人気 0-  0-  1-  9/ 10 0.0% 0.0% 10.0% 0 115
11番人気 1-  0-  1-  8/ 10 10.0% 10.0% 20.0% 366 162
12番人気 0-  0-  0- 10/ 10 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
13番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
14番人気 0-  0-  0-  7/  7 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
15番人気 0-  1-  0-  5/  6 0.0% 16.7% 16.7% 0 226
16番人気 1-  0-  0-  3/  4 25.0% 25.0% 25.0% 1617 340
17番人気 0-  0-  0-  4/  4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
18番人気 0-  0-  0-  2/  2 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

表1は過去10年の小倉記念の人気別成績。1番人気の成績は【0.3.2.5】。複勝率は50%でそこまで悪くないものの、未勝利である点は非常に気になる。その一方で、二けた人気馬の激走が目立つ。16番人気の優勝や15番人気が2着の例がある。これだけでも一筋縄ではいかない難解なレースであることがわかる。

■表2 小倉記念を10番人気以下で好走した馬

着順 馬名 人気 ハンデ 前走レース名 前着 種牡馬 母父馬
16年 1 クランモンタナ 11 54 鳴尾記念G3 13 ディープインパクト トニービン
11年 2 キタサンアミーゴ 15 55 新潟大賞HG3 8 フジキセキ トニービン
09年 1 ダンスアジョイ 16 55 目黒記念HG2 13 ダンスインザダーク トニービン
08年 3 ケンブリッジレーザ 11 52 博多SH1600 6 タイキシャトル タマモクロス
07年 3 アラタマサモンズ 10 52 三木特別1000 1 タバスコキャット Fappiano

2016/8/7 小倉11R 小倉記念(G3) 1着 3番 クランモンタナ

では二けた人気で好走した馬はどんな馬なのか(表2参照)。調べてみると面白いことが分かった。昨年11番人気で優勝したクランモンタナをはじめ、過去10年では5頭が該当する。すべて牡馬であり、当日のハンデは52から55キロに収まっている。極端に重い馬や軽い馬はいなかった。前走レースは重賞だと、大きく敗れている馬がほとんど。1600万クラスで6着に敗れていたような馬もいる。10番人気以下なので前走着順は悪いことの方が多いようだ。

そして興味深いのは血統面。母父トニービンの馬が3頭もいる。しかも、クランモンタナ、キタサンアミーゴ、ダンスアジョイとすべて違う馬だ。ケンブリッジレーザはタマモクロスだが、系統的にはトニービンと同じグレイソヴリン系となる。父がヘイロー系であるという点も共通していることだが、それはさほどめずらしくない。母父の系統が偏ることの方がめずらしく、非常に面白い共通項だと言える。

■表3 小倉記念を1〜5番人気で好走した馬

着順 馬名 人気 ハンデ 前走レース名 前着 種牡馬 母父馬
16年 2 ベルーフ 4 56 新潟大賞HG3 9 ハービンジャー サンデーサイレンス
15年 2 ベルーフ 2 54 皐月賞G1 12 ハービンジャー サンデーサイレンス
3 ウインプリメーラ 3 53 マーメイHG3 4 ステイゴールド フォーティナイナー
14年 1 サトノノブレス 3 57 天皇賞春G1 8 ディープインパクト トニービン
3 メイショウナルト 2 57.5 七夕賞HG3 1 ハーツクライ カーネギー
13年 1 メイショウナルト 3 53 関ケ原S1600 2 ハーツクライ カーネギー
2 ラブリーデイ 5 53 東京優駿G1 7 キングカメハメハ ダンスインザダーク
3 マイネルラクリマ 1 58 七夕賞HG3 1 チーフベアハート サンデーサイレンス
12年 1 エクスペディション 3 55 七夕賞HG3 8 ステイゴールド Lyphard
2 トーセンラー 1 57 七夕賞HG3 2 ディープインパクト Lycius
11年 1 イタリアンレッド 4 55 七夕賞HG3 1 ネオユニヴァース Indian Ridge
10年 2 バトルバニヤン 4 57 七夕賞HG3 3 ジャングルポケット Crafty Prospector
3 スマートギア 1 57 宝塚記念G1 7 マーベラスサンデー パドスール
09年 2 ホッコーパドゥシャ 1 56 七夕賞HG3 3 マヤノトップガン ヤマニンスキー
08年 1 ドリームジャーニー 2 57 安田記念G1 10 ステイゴールド メジロマックイーン
2 ダイシングロウ 1 56 博多SH1600 1 ダンスインザダーク ジェイドロバリー

では1〜5番人気で好走している馬はどんな馬か(表3参照)。この点についても調べておく必要があるだろう。一応、好走馬の数では最も多い。1番人気は未勝利ではあるが、複勝率では最も高い。その他2〜4番人気の特徴というのはあまりなく、1〜5番人気までは一括りにして考えてみる。上位人気になるのでハンデは重くなるケースの方が多い。ハンデ57.5キロ以上でも好走例がある。ただし、連対例はなく3着止まり。連対馬は56から57キロが最も多い。軽い方では53キロまで好走例がある。

前走レースは重賞が多い。特に好ステップは七夕賞。そこで連対していた馬の好走例が多い印象だ。あとは皐月賞や天皇賞(春)、日本ダービーといったG1からの直行。安田記念や宝塚記念組よりも多い。あとは前走1600万クラスで連対をしている馬が有力だろう。

表2と同じように血統も見てみる。母父の系統はバラついているが、一応14年1着サトノノブレスの母父がトニービンだ。父系はサンデーサイレンスの系統が圧倒的。本当に同系統が多くなっており、他の系統はかなり厳しい。そんな状況だが、ハービンジャーやチーフベアハートといったダンチヒ系が少し目立つ。

■表4 小倉記念を6〜9番人気で好走した馬

着順 馬名 人気 ハンデ 前走レース名 前着 種牡馬 母父馬
16年 3 エキストラエンド 6 57 エプソムG3 10 ディープインパクト Garde Royale
15年 1 アズマシャトル 6 56 マレーシ1600 4 ゼンノロブロイ マルゼンスキー
14年 2 マーティンボロ 6 56 中日新聞HG3 1 ディープインパクト Nureyev
12年 3 ナリタクリスタル 9 58 新潟大賞HG3 7 スペシャルウィーク ペンタイア
11年 3 リクエストソング 8 55 米子SH 7 シンボリクリスエス トニービン
10年 1 ニホンピロレガーロ 9 56 新潟大賞HG3 3 アドマイヤベガ ニホンピロウイナー
09年 3 クラウンプリンセス 9 53 米子SH 1 スペシャルウィーク Seattle Slew
07年 1 サンレイジャスパー 6 53 マーメイHG3 2 ミスズシャルダン Cozzene
2 ニホンピロキース 7 54 七夕賞HG3 5 タマモクロス ニホンピロウイナー

こうなると残りの好走馬として6〜9番人気も見ておく必要があるだろう(表4参照)。前走芝2000mの重賞で掲示板に乗っていたような馬が複数頭いる点は意外なところ。普通はもう少し人気を集めてもいいようなタイプだ。重賞で掲示板を外していた馬の巻き返しはエキストラエンドやナリタクリスタルで、両馬ともにハンデは重め。57キロ以上であった点に注目か。

そして血統的にはやはりここでもグレイソヴリン系に注目。リクエストソングと、サンレイジャスパーのCozzeneが該当する。父系はヘイロー系が優勢だが、ミスズシャルダンやタマモクロスの馬が好走している。小倉記念は全般的に、グレイソヴリン系との相性の良さがうかがえる。

【結論】

それでは今年の小倉記念を展望してみよう。出走予定馬は表5の通り。

■表5 今年の小倉記念出走予定馬

馬名 ハンデ 前走レース名 前着 種牡馬 母父馬
カフジプリンス 55 目黒記念HG2 7 ハーツクライ シンボリクリスエス
クランモンタナ 56 障害未勝利 1 ディープインパクト トニービン
ケイティープライド 52 函館記念HG3 5 ディープインパクト フレンチデピュティ
サンマルティン 54 むらさH1600 1 ハービンジャー サンデーサイレンス
シャドウパーティー 54 福島民報H 15 King's Best Desert Prince
ストロングタイタン 55 マレーシ1600 1 Regal Ransom Tiznow
スピリッツミノル 55 宝塚記念G1 7 ディープスカイ ラムタラ
タツゴウゲキ 52 七夕賞HG3 6 マーベラスサンデー Singspiel
バンドワゴン 54 鳴尾記念G3 7 ホワイトマズル Unbridled's Song
フェイマスエンド 54 七夕賞HG3 12 シルクフェイマス エンドスウィープ
フェルメッツァ 55 七夕賞HG3 5 ディープインパクト トニービン
ベルーフ 57 エプソムG3 11 ハービンジャー サンデーサイレンス
ヴォージュ 55 七夕賞HG3 9 ナカヤマフェスタ タニノギムレット

2017/1/14 中山10R 初富士ステークス 1着 2番 フェルメッツァ

今年も出走頭数は寂しく、登録の段階でフルゲートを割っている。こうなると二けた人気の数自体が減ってしまうが、注目馬を見つけていく。まずは母父がグレイソヴリン系は2頭。クランモンタナとフェルメッツァ。クランモンタナは昨年の勝ち馬だが、障害帰りというローテーション。かなり買いにくい印象だが、大穴という意味では軽視してはいけないかもしれない。

フェルメッツァは前走七夕賞が5着。芝2000mの重賞で掲示板に入る善戦をしている。過去の傾向では、6〜9番人気ならば狙いやすいというタイプと言える。そこまで人気薄ではないかもしれないが、上位人気でもない可能性もあるため、注目馬として推奨してみたい。

大勢力のヘイロー系では上位人気に支持される馬があまりいないかもしれない。ストロングタイタンもバンドワゴンも血統面だけで言うと、このレースにはかなり違和感がある。父はヘイロー系以外では、ダンチヒの系統が狙い目。ハービンジャー産駒のサンマルティンあたりの方が、昇級馬ながら新興勢力として面白い存在かもしれない。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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