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第1135回 補正タイムで振り返るダービーとオークス

2017/7/31(月)

今は夏競馬が真っ盛りだが、今年もこの時期に春のクラシックを振り返ってみたい。昨年も同じ時期に当コラムで、補正タイムに着目した分析を行った。今年も同じ手法で、ダービーに加えて、オークスも分析してみたい。データの分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 過去10年の日本ダービー優勝馬と補正タイム

馬名 人気 走破タイム 補正
17年 レイデオロ 2 2269 94
16年 マカヒキ 3 2240 93
15年 ドゥラメンテ 1 2232 92
14年 ワンアンドオンリー 3 2246 90
13年 キズナ 1 2243 92
12年 ディープブリランテ 3 2238 92
11年 オルフェーヴル 1 2305 94
10年 エイシンフラッシュ 7 2269 89
09年 ロジユニヴァース 2 2337 91
08年 ディープスカイ 1 2267 91
07年 ウオッカ 3 2245 93

補正タイムに関しては、昨年の当コラムやそれ以前の関連時期をご覧いただきたい。補正タイムは走破タイムを元に、そのレースのレベルを判定するのに役立つ。基本的には高ければ高いほど優秀だと評価できる。過去10年の日本ダービーを例に取ると、表1のような結果となる。昨年、ハイレベルと評判だった牡馬クラシック戦線は、日本ダービーでマカヒキが93という補正タイムをマークした。これは近年の中でもトップランクに位置づけられるもので、11年のオルフェーヴルに次ぐ優秀なものだった。マカヒキはその後、凱旋門賞の挑戦などで、もう一つ実績は残せてないが、サトノダイヤモンドが本格化し、秋は菊花賞を制覇。年末には有馬記念を制することになった。補正タイムの高さは、その世代のレベルの高さを十分証明できるものだと言える。

2017/5/28 東京10R 東京優駿(G1) 1着 12番 レイデオロ

では、今年の日本ダービーはどのような補正タイムが出たのだろうか。周知の通りレイデオロが勝利したわけだが、補正タイムは94だった。これは前述した11年のオルフェーヴルと同じ評価。つまり過去10年ではトップタイの評価となる。走破タイムが2分26秒9とかなり遅かったため、見えにくい面もあるとは思うが、スローペースによる影響が大きかったということだろう。レースレベルそのものは非常に高かったと判断したい。勝ち馬であるレイデオロはもちろん、0.1秒差の2着であったスワーヴリチャード。そして、1番人気で3着に終わったアドミラブルは明らかに枠順とペースが不利となる展開であった。上位に好走した3頭は強く、将来性も高いのではないだろうか。この秋以降、菊花賞はもちろん古馬との対戦となっても、互角以上の勝負になる可能性が高いと予想してみたい。

■表2 過去10年のオークス優勝馬と補正タイム

馬名 人気 走破タイム 着差 補正
17年 ソウルスターリング 1 2241 -0.3 90
16年 シンハライト 1 2250 0 87
15年 ミッキークイーン 3 2250 -0.1 85
14年 ヌーヴォレコルト 2 2258 0 88
13年 メイショウマンボ 9 2252 -0.2 85
12年 ジェンティルドンナ 3 2236 -0.8 93
11年 エリンコート 7 2257 0 86
10年 アパパネ・サンテミリオン 1、5 2299 0 90
09年 ブエナビスタ 1 2261 0 89
08年 トールポピー 4 2288 0 83
07年 ローブデコルテ 5 2253 0 86

今年は牡馬にとどまらず牝馬の方にも注目してみたい。表2は、過去10年のオークス優勝馬と補正タイムを示したもの。ダービーと同じように、牝馬の場合はオークスが参考になる。過去10年でトップの補正タイムをマークしたのは12年のジェンティルドンナ。この年はジェンティルドンナが翌週のダービーを上回る好時計をマークし、2着に0.8秒もの差をつける圧勝した。そのパフォーマンスに違わぬ、極めて強い内容であったことが言える。同馬はその後、三冠を達成し、古馬となってからはジャパンカップを連覇するなど、牡馬をも凌ぐ強さを示した。ブエナビスタやアパパネも素晴らしい実績を残したが、過去10年ではジェンティルドンナの存在が際立つ。オークスでの補正タイムの高さもまた、将来の活躍を予言させる大きなファクターであると言えるだろう。

2017/5/21 東京11R 優駿牝馬(G1) 1着 2番 ソウルスターリング

そうなると、今年オークスを勝利したソウルスターリングが、将来もかなり有望だと言える。補正タイムは90で、過去10年では2位タイの記録だった。桜花賞ではまさかの敗戦を喫したが、同世代の牝馬では1枚抜けた存在と言えるだろう。この秋は秋華賞ではなく、毎日王冠や天皇賞(秋)に向かう可能性が濃厚のようだが、決して無謀な挑戦ではない。古馬や牡馬を相手に、G1でも戦えると期待してもよさそうだ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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