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第1134回 G1馬2頭が直接対決! クイーンSを分析する

2017/7/27(木)

今週から始まる札幌競馬開幕週のメインレースは牝馬限定のクイーンS。今年は前走でNHKマイルCを勝利したアエロリット、ヴィクトリアMを制したアドマイヤリードとG1馬2頭が参戦予定で、その直接対決が大きな見どころとなりそうだ。今回はクイーンSをピックアップし、札幌競馬場で行われた近5回のデータからレースを分析していきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 クイーンS近5回の上位3着以内馬一覧(11〜16年の札幌開催/以下の表も同じ)

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前半1000m通過 レース上がり
2016
(良)
1 マコトブリジャール 1分47秒7 9 4 33秒8 61秒5 34秒3
2 シャルール アタマ 1 2 34秒0
3 ダンツキャンサー 2馬身1/2 11 7 34秒0
2015
(良)
1 メイショウスザンナ 1分47秒1 7 7 34秒1 59秒9 35秒1
2 レッドリヴェール クビ 1 3 34秒6
3 イリュミナンス 1馬身1/4 4 4 34秒6
2014
(良)
1 キャトルフィーユ 1分45秒7 2 3 35秒2 57秒8 36秒4
2 アロマティコ ハナ 6 10 34秒4
3 スマートレイアー クビ 1 10 34秒5
2012
(良)
1 アイムユアーズ 1分47秒2 1 4 34秒7 60秒2 35秒1
2 ラブフール クビ 10 12 33秒7
3 ミッドサマーフェア 1/2馬身 4 9 34秒6
2011
(良)
1 アヴェンチュラ 1分46秒6 1 5 35秒5 58秒4 36秒3
2 コスモネモシン クビ 10 7 34秒8
3 アニメイトバイオ 1馬身 3 7 35秒6

まず表1は札幌競馬場で行われた近5回の上位3着以内馬一覧。前半1000mが極端に速かった14年以外は勝ち時計が1分46秒6〜47秒7でおさまっている。ペースに関わらず、逃げ馬は好走しておらず、毎年差し・追い込み馬が1頭は3着以内に入っていた

人気を見ると、1番人気馬は【2.2.1.0】で複勝率100%と崩れていない。逆に2番人気以下は下位人気まで幅広く好走しており、6番人気以下の伏兵が毎年1頭は馬券に絡んでいる。特に人気薄の差し馬は要注意で、1番人気馬からのヒモ荒れが目立つ一戦だ。

■表2 クイーンS近5回の馬番偶数奇数別成績

馬番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
偶数 4- 4- 4-20/32 12.5% 25.0% 37.5% 190% 111%
奇数 1- 1- 1-30/33 3.0% 6.1% 9.1% 8% 42%
大外 1- 2- 0- 2/ 5 20.0% 60.0% 60.0% 650% 312%

表2は出走馬の馬番偶数奇数別成績と大外番の成績。黄色で強調したように、偶数馬番の馬が勝率・連対率・複勝率いずれも奇数馬番を圧倒している。単勝回収率・複勝回収率ともに100%を超えており、要注目だ。原則ゲート入れが後になる偶数馬番のアドバンテージが大きく反映された結果だといえるだろう。

また、大外の馬番になった馬も一昨年のメイショウスザンナが勝利しており、連対率・複勝率60%と非常に高い。連対馬3頭はいずれも7番人気以下の伏兵で、差し・追い込みで激走していた。まだ馬番発表前ではあるが、注目しておきたいデータだ。

■表3 クイーンS近5回の所属別成績

調教師分類 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
美浦 1- 1- 2-23/27 3.7% 7.4% 14.8% 10% 44%
栗東 4- 4- 3-27/38 10.5% 21.1% 28.9% 159% 99%

表3はクイーンS出走馬の所属別成績。黄色で強調したように栗東所属の関西馬が昨年のマコトブリジャールら4勝をあげており、14年以降の近3年は3着までを独占している。美浦所属の関東馬を勝率・連対率・複勝率ともに大きく上回っており、関西馬優勢の状況となっている。

関東馬は12年アイムユアーズの1勝のみ。3着以内馬4頭中3頭は上位4番人気以内の人気馬だった。対して、関西馬は3着以内馬11頭中5頭が6番人気以下の伏兵だった。

■表4 クイーンS近5回の前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ヴィクトリアM 1- 3- 1- 9/14 7.1% 28.6% 35.7% 37% 88%
マーメイドS 1- 0- 1-11/13 7.7% 7.7% 15.4% 250% 44%
オークス 1- 0- 1- 4/ 6 16.7% 16.7% 33.3% 48% 68%
福島牝馬S 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 505% 132%
漁火S(1600万下) 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 270% 150%
五稜郭S(1600万下) 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 190%
巴賞 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 120%
七夕賞 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 63%
安土城S 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 1070%
その他のレース 0- 0- 0-18/18 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は前走レース別成績。出走数が最も多いヴィクトリアM組は14年キャトルフィーユが勝利。昨年もシャルールが2着に入っており、連対率・複勝率ともに高い。12年を除いて毎年1頭は3着以内に好走している。

対してマーメイドS組は一昨年のメイショウスザンナが勝利するも、連対率・複勝率は低い。この組の3着も一昨年のイリュミナンスで、この年は10頭立てと頭数が少なかった。 その他ではオークス組から12年アイムユアーズ、福島牝馬S組から昨年のマコトブリジャール、漁火S組から11年アヴェンチュラがそれぞれ勝利している。

■表5 クイーンS近5回の前走クラス別成績

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1000万下 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
1600万下 1- 1- 0-10/12 8.3% 16.7% 16.7% 22% 60%
オープン特別 0- 1- 1- 3/ 5 0.0% 20.0% 40.0% 0% 262%
G3 2- 0- 2-17/21 9.5% 9.5% 19.0% 250% 61%
G1 2- 3- 2-15/22 9.1% 22.7% 31.8% 36% 75%
前走5着以内 2- 1- 0- 1/4 50.0% 75.0% 75.0% 203% 108%

表5は前走クラス別成績。出走数が多い前走G1組だが、その中でも前走5着以内だった馬は12年アイムユアーズ(前走オークス4着)、14年キャトルフィーユ(前走ヴィクトリアM5着)と2勝をあげており、好成績をあげている。前走G1実績馬が実力を発揮しやすい舞台といえるだろう。

他では少数ながら前走オープン特別組の複勝率が高く、注意しておきたい。なお、前走条件戦で今回昇級戦となる馬は11年アヴェンチュラが勝利するも、連対率・複勝率ともに低い。

■表6 クイーンS近5回の種牡馬別成績

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ディープインパクト 1- 0- 1- 0/ 2 50.0% 50.0% 100.0% 260% 165%
ジャングルポケット 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 90% 50%
ストーミングホーム 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 1010% 265%
アグネスデジタル 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 1625% 195%
ファルブラヴ 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 290% 150%
ゼンノロブロイ 0- 3- 1- 4/ 8 0.0% 37.5% 50.0% 0% 193%
ステイゴールド 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 24%
キングカメハメハ 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 40%
タニノギムレット 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 86%
マンハッタンカフェ 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 95%
アドマイヤジャパン 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 1070%
その他の種牡馬 0- 0- 0-30/30 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表6は種牡馬別成績。勝ち馬は種牡馬がそれぞれ違うものの、3着以内に複数好走馬を輩出しているのはディープインパクト産駒ゼンノロブロイ産駒。ディープインパクト産駒は14年の1、3着馬で、違う年で好走馬を出しているのはゼンノロブロイ産駒のみだ。同産駒からは勝ち馬こそ出ていないものの、3着以内馬4頭はすべて異なる馬だった。昨年もシャルールが2着に入っており、クイーンSとの相性の良さは注目しておきたい。

■表7 クイーンS近5回の間隔別成績

間隔 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収値 複勝回収値
連闘 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
中1週 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 135% 75%
中2週 0- 1- 0-10/11 0.0% 9.1% 9.1% 0% 51%
中3週 0- 1- 0- 2/ 3 0.0% 33.3% 33.3% 0% 80%
中4〜8週 1- 0- 3-13/17 5.9% 5.9% 23.5% 191% 108%
中9〜半年 3- 3- 2-22/30 10.0% 20.0% 26.7% 94% 72%
半年以上 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

最後に表7は前走からの間隔別成績。前走から中9週〜半年の馬が昨年のマコトブリジャールら3勝をあげ、3着以内馬8頭と好走馬の過半数を占めている。昨年は1・2着馬が該当しており、毎年1頭は3着以内に入っている。

対して、前走から中4〜8週の馬は前走マーメイドS組の一昨年メイショウスザンナのみ。昨年は11番人気ダンツキャンサー(前走安土城S2着)が3着に入っているが、連対率ではかなり低い。

<結論>

■表8 今年のクイーンSの出走予定馬(7/26時点)

馬名 種牡馬 前走成績
アエロリット クロフネ NHKマイルC 1着
アドマイヤリード ステイゴールド ヴィクトリアM 1着
マキシマムドパリ キングカメハメハ マーメイドS 1着
トーセンビクトリー キングカメハメハ マーメイドS 9着
パールコード ヴィクトワールピサ 船橋・マリーンC 5着
クインズミラーグロ マンハッタンカフェ マーメイドS 2着
ラインハート ステイゴールド 函館スプリントS 12着
シャルール ゼンノロブロイ 中山牝馬S 9着
ノットフォーマル ヴァーミリアン パラダイスS 6着
クロコスミア ステイゴールド 北斗特別 1着
ヤマカツグレース ハービンジャー オークス 18着
エテルナミノル エンパイアメーカー 垂水S 2着
ハツガツオ パラダイスクリーク マーメイドS 6着
ハッピーユニバンス ジャングルポケット 難波S 7着
サトノアリシア ハービンジャー 鳳雛S 9着
スズカゼ ディープブリランテ かもめ島特別 5着
※フルゲート14頭。サトノアリシア以下は除外対象。

人気を二分しそうなのがやはり前走G1勝ちのアエロリットとアドマイヤリードの2頭。 これまでのデータからこの2頭の比較では、前走ヴィクトリアMを勝利したアドマイヤリードを上にとりたい。表3で示した関西馬有利、また右回りで芝1800m戦の経験という点からもアドマイヤリードを本命視する。アドマイヤリードは今年に入って条件戦とはいえ芝1800m戦を連勝。対して、アエロリットはマイルまでしか経験がない点は不安が残る。ただし、表5で示した前走G1で5着以内が好成績のデータから崩れることはないだろう。

他の組では前走マーメイドS組の評価を下げて、昨年のクイーンSで2着に入ったシャルールを取り上げたい。近走は着順が振るわないが、関西馬でゼンノロブロイ産駒、得意の札幌で1800m巧者と条件は揃っている。前走から中9〜半年の間隔にも当てはまり、穴馬として推奨しておきたい。前走北斗特別を好時計勝ちしたクロコスミアは表5で示した昇級戦組苦戦のデータからやや厳しいと見る。

2017/5/14 東京11R ヴィクトリアマイル(G1) 1着 5番 アドマイヤリード 2016/2/6 東京10R 初音ステークス 1着 1番 シャルール

2017/5/14 東京11R ヴィクトリアマイル(G1) 1着 5番 アドマイヤリード

2016/2/6 東京10R 初音ステークス 1着 1番 シャルール

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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