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第1129回 今年も注目のセレクトセールに関するデータを分析!

2017/7/10(月)

7月10、11日の両日にわたり、国内のサラブレッド市場として最大の注目を集めるセレクトセールが開催される。近い将来、ターフを賑わせるであろう良血馬が続々と登場し、この2日間を楽しみにしているファンも多いはずだ。そこで今回は、セレクトセールで取引された馬についてのデータを調べてみた。集計対象は、2010〜2016年のセレクトセールで取引された全馬。集計期間は、2011年6月19日〜2017年7月9日。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 取引価格別成績

性別 取引価格 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率 1走当賞金
牡馬・セン馬 500万円未満 0-   0-   1-   2/   3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 73% 43万円
500万円〜1000万円未満 43-  47-  34- 396/ 520 8.3% 17.3% 23.8% 59% 81% 148万円
1000万円〜2000万円未満 342- 367- 353-3142/4204 8.1% 16.9% 25.3% 64% 77% 154万円
2000万円〜3000万円未満 264- 232- 221-2001/2718 9.7% 18.2% 26.4% 75% 78% 164万円
3000万円〜5000万円未満 361- 273- 251-2177/3062 11.8% 20.7% 28.9% 88% 71% 192万円
5000万円〜7000万円未満 149- 149- 103- 757/1158 12.9% 25.7% 34.6% 93% 76% 266万円
7000万円〜1億円未満 93-  86-  50- 319/ 548 17.0% 32.7% 41.8% 69% 92% 430万円
1億円〜2億円未満 58-  60-  39- 210/ 367 15.8% 32.2% 42.8% 57% 78% 390万円
2億円〜 26-  11-  10-  52/  99 26.3% 37.4% 47.5% 66% 65% 1106万円
牝馬 500万円未満 6-   0-   5-  60/  71 8.5% 8.5% 15.5% 61% 35% 123万円
500万円〜1000万円未満 57-  60-  63- 859/1039 5.5% 11.3% 17.3% 57% 67% 78万円
1000万円〜2000万円未満 164- 177- 159-1806/2306 7.1% 14.8% 21.7% 67% 74% 120万円
2000万円〜3000万円未満 102- 107-  98- 802/1109 9.2% 18.8% 27.7% 91% 90% 132万円
3000万円〜5000万円未満 77-  74-  62- 465/ 678 11.4% 22.3% 31.4% 68% 69% 261万円
5000万円〜7000万円未満 8-  18-  18-  84/ 128 6.3% 20.3% 34.4% 17% 82% 100万円
7000万円〜1億円未満 9-   5-   3-  40/  57 15.8% 24.6% 29.8% 81% 64% 270万円
1億円〜2億円未満 16-   8-   6-  34/  64 25.0% 37.5% 46.9% 115% 80% 967万円
2億円〜 1-   0-   0-   0/   1 100.0% 100.0% 100.0% 220% 110% 600万円

表1は、セレクトセールで取引された馬を「牡馬・セン馬」と「牝馬」に分けて、さらに取引価格別で示したもの。全体的な傾向としては、高額で取引された馬ほど好走率が高く、より活躍している様子が見てとれる。サラブレッドは経済動物ともいわれる通り、まずは妥当な傾向といっていいだろう。

ただし、部分的には逆転しているところもある。牡馬でいえば「7000万円〜1億円未満」と「1億円〜2億円未満」のゾーン。勝率と連対率は「7000万円〜1億円」のほうが若干ながら高く、1走あたり賞金でも優位に立っている。1億円の大台に乗った馬はなにかと注目されやすいが、わずかに届かなかった馬も負けず劣らずの実力を持っていると考えていいのではないか。

牝馬で目につくのは「5000万円〜7000万円未満」の1走あたり賞金が100万円にとどまっていること。同261万円の「3000万円〜5000万円未満」や、同132万円の「2000万円〜3000万円未満」だけでなく、同120万円の「1000万円〜2000万円未満」よりも低いのは意外な感がある。5000万円以上で取引された牝馬はそれほど多くはなく、「5000万円〜7000万円未満」の複勝率は優秀だから、一時的に偏った数字が出ただけかもしれないが、気になる傾向ではある。

■表2 種牡馬別成績(1走あたり賞金順・100走以上)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率 1走当賞金
ディープインパクト 210- 205- 152- 981/1548 13.6% 26.8% 36.6% 85% 81% 399万円
ハーツクライ 120- 103-  89- 683/ 995 12.1% 22.4% 31.4% 87% 79% 273万円
グラスワンダー 12-  10-   3-  82/ 107 11.2% 20.6% 23.4% 86% 68% 261万円
ファルブラヴ 27-  16-  16- 172/ 231 11.7% 18.6% 25.5% 95% 112% 237万円
キングカメハメハ 160- 139- 122- 928/1349 11.9% 22.2% 31.2% 88% 82% 208万円
サクラバクシンオー 34-  26-  25- 207/ 292 11.6% 20.5% 29.1% 91% 75% 190万円
ステイゴールド 73-  58-  63- 577/ 771 9.5% 17.0% 25.2% 66% 69% 186万円
アグネスデジタル 11-  16-  13-  79/ 119 9.2% 22.7% 33.6% 140% 113% 182万円
アドマイヤムーン 22-  19-  26- 213/ 280 7.9% 14.6% 23.9% 74% 73% 180万円
ヴィクトワールピサ 23-  30-  17- 168/ 238 9.7% 22.3% 29.4% 53% 87% 173万円

表2は種牡馬別成績。集計期間内に産駒が100走以上した種牡馬を対象に、1走あたり賞金順の上位10頭を掲載した。1位のディープインパクトは、集計対象とした2010年以降だけでもミッキーアイル、ラキシス、ミッキークイーン、サトノダイヤモンド、サトノアラジンと、セレクトセール出身のG1馬を5頭も出しており、1走あたり賞金は唯一の300万円台を記録した。また、人気になりやすいディープインパクト産駒にしては単複の回収率も高く、馬券的にも狙い目といえそうだ。2位に入ったのはハーツクライ。セレクトセール出身の代表産駒はジャスタウェイで、今年のダービーでもスワーヴリチャードが2着に入った。3位のグラスワンダー、4位のファルブラヴは意外といっては失礼ながら、5位のキングカメハメハを上回る1走あたり賞金を記録している。グラスワンダー産駒ではスマートオリオンが重賞2勝、ファルブラヴ産駒ではアイムユアーズが重賞4勝と、それぞれ活躍を見せたのが大きかったようだ。

■表3 馬主別成績(1走あたり賞金順・100走以上)

馬主 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率 1走当賞金
里見治 91- 59- 43-336/529 17.2% 28.4% 36.5% 100% 83% 566万円
野田みづき 60- 53- 41-298/452 13.3% 25.0% 34.1% 95% 85% 388万円
金子真人ホールディングス 64- 59- 52-341/516 12.4% 23.8% 33.9% 64% 86% 324万円
大川徹 21- 15-  9-112/157 13.4% 22.9% 28.7% 92% 73% 285万円
林正道 40- 27- 25-204/296 13.5% 22.6% 31.1% 78% 66% 275万円
キャロットファーム 23- 17- 12-103/155 14.8% 25.8% 33.5% 67% 77% 250万円
オースミ 16- 18- 11- 69/114 14.0% 29.8% 39.5% 74% 79% 250万円
原禮子 13-  4- 13- 77/107 12.1% 15.9% 28.0% 71% 65% 231万円
久米田正明 25- 18- 18-117/178 14.0% 24.2% 34.3% 85% 87% 226万円
前田幸治 22- 22- 19-139/202 10.9% 21.8% 31.2% 82% 86% 216万円

表3は馬主別成績。集計期間内に所有馬が100走以上した馬主のみを対象に、1走あたり賞金順の上位10オーナーを掲載した。1位となったのは里見治氏。2011年に購買したサトノアラジン、2013年に購買したサトノクラウン、サトノダイヤモンドと3頭のG1馬がいるほか、サトノアラジンとサトノラーゼンも重賞を勝っており、1走あたり賞金が500万台に達した唯一のオーナーとなった。2位の野田みづき氏も、ミッキーアイルとミッキークイーンがG1馬となり、ミッキーロケットが重賞を勝利。3位の金子真人ホールディングスは、集計期間内にG1を勝った馬こそいないものの、重賞勝ち馬が3頭いる。なにより、セレクトセールの目玉種牡馬となるディープインパクトやキングカメハメハのオーナーなのだから、真の主役といってもいいかもしれない。

2016/12/25 中山10R 有馬記念(G1) 1着 11番 サトノダイヤモンド 2016/11/20 京都11R マイルチャンピオンシップ(G1) 1着 16番 ミッキーアイル

2016/12/25 中山10R 有馬記念(G1) 1着 11番 サトノダイヤモンド

2016/11/20 京都11R マイルチャンピオンシップ(G1) 1着 16番 ミッキーアイル

■表4 クラス別成績

取引価格 クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
5000万円以上 新馬 47-  40-  23- 100/ 210 22.4% 41.4% 52.4% 67% 78%
未勝利 109- 103-  73- 313/ 598 18.2% 35.5% 47.7% 75% 90%
500万下 93-  92-  71- 570/ 826 11.3% 22.4% 31.0% 82% 77%
1000万下 39-  37-  16- 178/ 270 14.4% 28.1% 34.1% 98% 75%
1600万下 18-  16-  13-  63/ 110 16.4% 30.9% 42.7% 76% 82%
オープン特別 15-  17-   4-  67/ 103 14.6% 31.1% 35.0% 45% 66%
G3 17-  15-   8-  65/ 105 16.2% 30.5% 38.1% 102% 90%
G2 14-   9-  12-  68/ 103 13.6% 22.3% 34.0% 56% 73%
G1 8-   8-   9-  72/  97 8.2% 16.5% 25.8% 45% 65%
5000万円未満 新馬 165-  149-  155-  958/ 1427 11.6% 22.0% 32.9% 93% 87%
未勝利 511-  464-  425- 4160/ 5560 9.2% 17.5% 25.2% 66% 73%
500万下 424-  428-  375- 3886/ 5113 8.3% 16.7% 24.0% 78% 76%
1000万下 166-  166-  162- 1335/ 1829 9.1% 18.2% 27.0% 67% 78%
1600万下 68-   55-   49-  492/  664 10.2% 18.5% 25.9% 72% 71%
オープン特別 39-   29-   47-  337/  452 8.6% 15.0% 25.4% 70% 67%
G3 25-   23-   21-  243/  312 8.0% 15.4% 22.1% 66% 72%
G2 13-   15-    9-  197/  234 5.6% 12.0% 15.8% 64% 70%
G1 5-    8-    4-  102/  119 4.2% 10.9% 14.3% 38% 48%

表4はクラス別成績で、取引価格が5000万円未満の馬と5000万円以上の馬に分けて掲載した。好走率に関しては、どのクラスにおいても5000万円以上で取引された馬のほうが高い数字を記録。特に新馬戦や未勝利戦では大きな差がついているようだ。

5000万円以上の馬に関していえば、G2までのクラスでは高い好走率を残しているのだが、G1のみ好走率が大きくダウンしている。5000万円以上の高額で取引された馬にとっても、G1という最高峰のレースを踏破するのは容易でないことを思わせるようなデータだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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