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第1119回 にわかに注目!? ハービンジャー産駒を探る

2017/6/5(月)

今春のクラシックは幕を閉じ、優勝こそならなかったがハービンジャー産駒の活躍が印象的だった。皐月賞ではペルシアンナイトが2着に好走。オークスでは4頭もの出走馬を送り出し、モズカッチャンが6番人気で2着とソウルスターリングと好勝負を演じた。惜しくも4着のディアドラは9番人気での善戦だった。

2017/4/23 東京11R フローラS(G2) 1着 1番 モズカッチャン

ハービンジャー産駒は、現3歳馬が3世代目。初年度産駒から重賞ウイナーを出していたが、これまでは大きな舞台での活躍はなかった。普通は初年度に良質な肌馬が集まると考えられるため、3世代目でのブレイクというのはめずらしい印象を受ける。産駒が古馬になって活躍というケースではない点からも、意外性を感じさせる。また、ハービンジャーは血統的にも興味深い。非サンデーサイレンス系であるデインヒルの系統。世界的には主流と言える血脈だが、日本ではそうではない。特に芝ではディープインパクトらを中心とするサンデーサイレンスの系統が強く、デインヒルのようなノーザンダンサー系が太刀打ちするのは容易ではないからだ。そのあたりの血統面も含め、ハービンジャー産駒について調べていきたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 ハービンジャー産駒、現3歳世代の年齢・時期別成績(2017/5/28まで)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
2歳・7-9月 8-  7-  5- 46/ 66 12.1% 22.7% 30.3% 43 67
2歳・10-12 17-  7- 15- 74/113 15.0% 21.2% 34.5% 74 118
3歳・1-3月 9-  8- 15-102/134 6.7% 12.7% 23.9% 57 85
3歳・4-6月 7-  6-  7-101/121 5.8% 10.7% 16.5% 49 53

■表2 ハービンジャー産駒、現4歳世代の年齢・時期別成績(同)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
2歳・7-9月 3-  8-  9- 47/ 67 4.5% 16.4% 29.9% 25 47
2歳・10-12 14-  8- 17-102/141 9.9% 15.6% 27.7% 80 61
3歳・1-3月 11- 20- 15-126/172 6.4% 18.0% 26.7% 28 96
3歳・4-6月 16- 17- 12-164/209 7.7% 15.8% 21.5% 74 72
3歳・7-9月 11- 16- 10-166/203 5.4% 13.3% 18.2% 26 51
3歳・10-12 8- 10-  4- 57/ 79 10.1% 22.8% 27.8% 95 85
4歳・1-3月 2-  5-  7- 46/ 60 3.3% 11.7% 23.3% 21 136
4歳・4-6月 7-  6-  4- 34/ 51 13.7% 25.5% 33.3% 71 83

■表3 ハービンジャー産駒、現5歳世代の年齢・時期別成績(同)

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
2歳・7-9月 7-  7-  5- 39/ 58 12.1% 24.1% 32.8% 35 56
2歳・10-12 14- 12- 14- 96/136 10.3% 19.1% 29.4% 37 67
3歳・1-3月 11- 18- 26-140/195 5.6% 14.9% 28.2% 31 70
3歳・4-6月 19- 11- 12-147/189 10.1% 15.9% 22.2% 96 54
3歳・7-9月 16-  9- 17-139/181 8.8% 13.8% 23.2% 97 72
3歳・10-12 6-  5-  9- 52/ 72 8.3% 15.3% 27.8% 61 106
4歳・1-3月 9-  3-  7- 71/ 90 10.0% 13.3% 21.1% 57 55
4歳・4-6月 6-  5-  7- 58/ 76 7.9% 14.5% 23.7% 87 76
4歳・7-9月 7-  5-  2- 52/ 66 10.6% 18.2% 21.2% 28 54
4歳・10-12 6-  8-  7- 37/ 58 10.3% 24.1% 36.2% 38 151
5歳・1-3月 2-  3-  5- 41/ 51 3.9% 9.8% 19.6% 13 42
5歳・4-6月 2-  1-  4- 27/ 34 5.9% 8.8% 20.6% 28 141

まずはハービンジャー産駒の各世代の成績を時期別に調べていく。集計期間は今年の5月28日の開催終了までとなっている。表1が現3歳世代、表2が現4歳世代、表3が現5歳世代の成績。注目するきっかけとなった現3歳世代の3歳4−6月の成績は【7.6.7.101】。6月分の成績はこれから加わることになるが、現状、勝率や連対率、複勝率が他の世代に比べて優秀というわけではなかった。初年度産駒、つまり現5歳世代の3歳4−6月の勝率は10.1%、連対率は15.9%、複勝率は22.2%で、現3歳世代よりも優秀だった。現4歳世代の同時期成績も、現3歳世代より優秀だった。各世代の2歳時の成績を見ても、今年の世代の成績が特別優秀というわけでもない。G1で好走したという意味では、事情が異なると言えるだろうが、総合的な成績では現3歳世代が突如ブレイクしているわけではなかった。

そして、今後の予測としては、現4歳世代が3歳秋から4歳にかけて連対率や複勝率を伸ばしている。現5歳世代も若干そのような傾向がある。同様に現3歳世代の成績も推移する可能性が高く、今後の成長・活躍は十分期待できそうだ。

■表4 ハービンジャー産駒の競馬場別芝成績(2017/5/28まで)

場所 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
札幌 15-   8-  10-  85/ 118 12.7% 19.5% 28.0% 44 63
函館 12-  11-   7-  76/ 106 11.3% 21.7% 28.3% 51 61
福島 5-  12-  17- 103/ 137 3.6% 12.4% 24.8% 40 76
新潟 9-   5-   8- 121/ 143 6.3% 9.8% 15.4% 35 48
東京 30-  19-  38- 216/ 303 9.9% 16.2% 28.7% 52 75
中山 29-  26-  25- 192/ 272 10.7% 20.2% 29.4% 55 73
中京 13-  15-  16- 138/ 182 7.1% 15.4% 24.2% 71 79
京都 39-  36-  36- 285/ 396 9.8% 18.9% 28.0% 75 79
阪神 31-  31-  35- 223/ 320 9.7% 19.4% 30.3% 92 94
小倉 19-  22-  13- 140/ 194 9.8% 21.1% 27.8% 68 89
東開催 73-  62-  88- 632/ 855 8.5% 15.8% 26.1% 48 70
西開催 102- 104- 100- 786/1092 9.3% 18.9% 28.0% 78 85
中央開催 129- 112- 134- 916/1291 10.0% 18.7% 29.0% 70 80
ローカル 73-  73-  71- 663/ 880 8.3% 16.6% 24.7% 54 72

次に競馬場別の成績を見ていく(表4参照)。表では示さなかったが、ハービンジャー産駒は完全に芝向き。ダートの成績は良くないので、芝の成績に絞って競馬場別成績を出している。勝率は札幌や函館、中山が10%以上。連対率も同コースが上位。複勝率は比較的フラットだが、新潟だけは15.4%と低い。洋芝の成績がいいことと、中山の成績が好調ということは、一般的には力がいる馬場が向いていると言える。急坂がある阪神の複勝率も30.3%と最も高い。中央開催とローカル開催との成績の差が、あまりない点も特徴と言えるだろうか。少なくとも平坦巧者ではない。ローカルの中で、新潟だけが良くないのは何故かは不明。福島の勝率も3.6%と悪く、軽くて平坦で、小回りのコースはあまり良くないタイプなのかもしれない。

■表5 ハービンジャー産駒の馬場状態別成績(2017/5/28まで)

馬場状態 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
芝・ 良 169- 139- 167-1234/1709 9.9% 18.0% 27.8% 55 73
芝・稍重 24-  36-  26- 233/ 319 7.5% 18.8% 27.0% 54 76
芝・ 重 9-  10-  11-  95/ 125 7.2% 15.2% 24.0% 203 135
芝・不良 0-   0-   1-  17/  18 0.0% 0.0% 5.6% 0 29
ダ・ 良 11-  11-  15- 215/ 252 4.4% 8.7% 14.7% 25 54
ダ・稍重 1-   6-   8-  86/ 101 1.0% 6.9% 14.9% 6 95
ダ・ 重 3-   2-   5-  55/  65 4.6% 7.7% 15.4% 10 57
ダ・不良 1-   1-   2-  22/  26 3.8% 7.7% 15.4% 37 52

表5は馬場状態別の成績。こちらは一応、ダートの成績も記載した。あまりサンプル数は多くないが、不良馬場の成績が【0.0.1.17】と悪く、かなり不振の傾向。重馬場での好走実績は増えるが、連対率などは良馬場よりも下がる。力(パワー)がいる馬場は得意と思われるが、のめることがある芝の道悪はまた別問題。あまり得意ではなさそうだ。前述したようにダートは苦手。仮に馬場が悪化し、脚抜きのいい馬場となっても、成績は良馬場時とさほど変わらない。

■表6 ハービンジャー産駒の芝距離別成績(2017/5/28まで)

距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1000m 0-   0-   1-   3/   4 0.0% 0.0% 25.0% 0 127
1200m 4-  11-   6-  80/ 101 4.0% 14.9% 20.8% 54 92
1400m 6-   4-  13-  81/ 104 5.8% 9.6% 22.1% 34 71
1500m 2-   1-   4-  14/  21 9.5% 14.3% 33.3% 15 55
1600m 32-  38-  42- 256/ 368 8.7% 19.0% 30.4% 88 85
1700m 1-   0-   0-   1/   2 50.0% 50.0% 50.0% 320 95
1800m 52-  46-  52- 418/ 568 9.2% 17.3% 26.4% 43 75
2000m 70-  59-  60- 462/ 651 10.8% 19.8% 29.0% 65 71
2200m 12-  14-   8- 110/ 144 8.3% 18.1% 23.6% 63 71
2300m 2-   0-   3-   5/  10 20.0% 20.0% 50.0% 76 84
2400m 12-   8-   8-  90/ 118 10.2% 16.9% 23.7% 101 90
2500m 2-   0-   1-   7/  10 20.0% 20.0% 30.0% 122 75
2600m 7-   4-   6-  46/  63 11.1% 17.5% 27.0% 80 84
3000m 0-   0-   1-   5/   6 0.0% 0.0% 16.7% 0 31
3200m 0-   0-   0-   1/   1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
1000m〜1300m 4-  11-   7-  83/ 105 3.8% 14.3% 21.0% 52 93
1400m〜1600m 40-  43-  59- 351/ 493 8.1% 16.8% 28.8% 73 81
1700m〜2000m 123- 105- 112- 881/1221 10.1% 18.7% 27.8% 55 73
2100m〜2400m 26-  22-  19- 205/ 272 9.6% 17.6% 24.6% 80 80
2500m〜 9-   4-   8-  59/  80 11.3% 16.3% 26.3% 78 78

次に芝での距離別成績を見ていく(表6参照)。1200mでの1着数よりも2着の回数が多い点、1000〜1300mでの成績が示す通り、短距離向きではない。1400〜1600mでの成績は上昇し、1400mよりも1600mの方が成績はいい。特にマイル戦は思っていた以上にこなし、複勝率は30.4%と優秀だ。また、1700〜2000mの勝率は10.1%まで上昇。2000mの複勝率は29.0%で、予想通り中距離向きと言える。2100m以上となっても成績は落ちず、2600mでの成績はなかなかいい。3000m以上では連対例はないが、長丁場の距離も苦にしない。1600〜2600mまで幅広くこなせるタイプと言えるだろう。

■表7 ハービンジャー産駒の母父別芝成績(2017/5/28まで)

順位 母父馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 主な産駒
1 サンデーサイレンス 82- 64- 72-484/702 11.7% 20.8% 31.1% ペルシアンナイト
2 ダンスインザダーク 18- 16- 25-117/176 10.2% 19.3% 33.5%  
3 フジキセキ 17- 16- 12- 80/125 13.6% 26.4% 36.0% トーセンバジル
4 アグネスタキオン 12-  7- 13-136/168 7.1% 11.3% 19.0%  
5 スペシャルウィーク 8-  7- 13- 84/112 7.1% 13.4% 25.0%  
6 フレンチデピュティ 6-  9-  6- 51/ 72 8.3% 20.8% 29.2% アグネスフォルテ
7 スウェプトオーヴァーボード 6-  1-  2- 25/ 34 17.6% 20.6% 26.5%  
8 クロフネ 5-  6-  3- 23/ 37 13.5% 29.7% 37.8%  
9 キングカメハメハ 5-  5-  8- 27/ 45 11.1% 22.2% 40.0% モズカッチャン
10 ジャングルポケット 5-  3-  5- 23/ 36 13.9% 22.2% 36.1%  
11 シンボリクリスエス 4-  5-  3- 13/ 25 16.0% 36.0% 48.0%  
12 アドマイヤベガ 4-  4-  1- 31/ 40 10.0% 20.0% 22.5%  
13 Include 4-  1-  2-  4/ 11 36.4% 45.5% 63.6%  
14 Rahy 3-  1-  0-  7/ 11 27.3% 36.4% 36.4%  
15 エルコンドルパサー 2-  3-  2- 26/ 33 6.1% 15.2% 21.2%  
16 タニノギムレット 2-  3-  2- 10/ 17 11.8% 29.4% 41.2% プロフェット
17 バブルガムフェロー 2-  3-  1- 11/ 17 11.8% 29.4% 35.3%  
18 グラスワンダー 2-  3-  1- 13/ 19 10.5% 26.3% 31.6% ヤマカツグレース
19 ステイゴールド 2-  1-  3- 24/ 30 6.7% 10.0% 20.0%  
20 ディープインパクト 2-  1-  0- 20/ 23 8.7% 13.0% 13.0%  

最後に母父別の芝成績を見ていく。産駒数が圧倒的に多い関係で、母父サンデーサイレンスが1位。代表産駒はペルシアンナイトらがいる。2位はダンスインザダーク、3位はフジキセキ、4位はアグネスタキオン、5位はスペシャルウィークと、サンデー系の種牡馬が上位を占めている。ハービンジャー自身の血統構成事情もあり、肌馬にはサンデー系が多くなっている。ただ、ディープインパクトは20位。まだ産駒数は少ないが、連対率や複勝率が平凡である点が気になる。今後注目して見ていきたい特徴だ。

上位トップ5まではサンデー系が独占しているが、実はその他の系統の成績は決して悪くない。モズカッチャンの母父であるキングカメハメハは複勝率が40.0%とハイアベレージ。ジャングルポケット、シンボリクリスエスも好走率は高い。クロフネとフレンチデピュティはともに同系統で、なかなかの成績。7位にはスウェプトオーヴァーボードがランクイン。ダートの短距離というイメージの異色肌だが、意外と好走している。ロベルト系のタニノギムレットやグラスワンダーからは重賞好走馬が出ている。つまり、サンデー系以外でも活躍馬は多く出ており、肌馬のタイプを選ばない点が特徴。この点は種牡馬としてかなり優秀な資質と思わせるもので、大きな強みと言える。今後のハービンジャー産駒の動向には、大いに注目したい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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