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第1115回 皐月賞が波乱に終わった年のダービーは?

2017/5/22(月)

今週は競馬の祭典・日本ダービーが行われる。今年は皐月賞が9→4→12番人気という大波乱の決着を受けての一戦になるため、月曜掲載分の今回は、皐月賞が波乱に終わった年のダービーを振り返りたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。なお、通常の日本ダービー過去10年の傾向については、木曜掲載分で紹介する予定だ。

■表1 本年の皐月賞の結果

着順 馬名 タイム・差 騎手 人気 前走 前走人気 前走着順
1着 アルアイン 1.57.8 松山 9 毎日杯 2 1
2着 ペルシアンナイト クビ M.デムーロ 4 アーリントンC 1 1
3着 ダンビュライト 3/4 武豊 12 弥生賞 5 3
4着 クリンチャー 1 1/4 藤岡佑 13 すみれS 5 1
5着 レイデオロ クビ ルメール 5 ホープフルS 1 1
単勝:2240円 馬連:8710円 馬単:2万720円 3連複:17万6030円 3連単:106万4360円

2017/4/16 中山11R 皐月賞(G1) 1着 11番 アルアイン

まずは、今年の皐月賞の結果を改めて見ておこう。優勝したのは9番人気・単勝22.4倍だったアルアイン。2着には4番人気のペルシアンナイトが入ったものの、3着が12番人気のダンビュライトで、3連単は106万馬券の大波乱となった。そして4着13番人気クリンチャー、そして5着レイデオロは5番人気。1、2番人気のファンディーナ、スワーヴリチャードは7、6着、そして3番人気のカデナは9着と、1〜3番人気馬はすべて掲示板を外してしまった。 また、上位5頭のうち前走が「皐月賞トライアル」だったのは3着のダンビュライト1頭だけ。「トライアル」や「指定オープン(以前の若葉S)」組が1頭も連対しなかったのは、毎日杯組のワンツーだった88年・ヤエノムテキ→ディクターランド以来だった。

■表2 1997年のダービーと皐月賞

ダービー 皐月賞
着順 馬名 人気 前走 着順 馬名 人気
1着 サニーブライアン 6 皐月賞1着 1着 サニーブライアン 11
2着 シルクジャスティス 3 京都4歳特別1着 2着 シルクライトニング 10
3着 メジロブライト 1 皐月賞4着 3着 フジヤマビザン 12
単勝:1360円 馬連:4860円 単勝:5180円 馬連:51790円

1997/6/1 東京9R 東京優駿(G1) 1着 18番 サニーブライアン

今年のように、皐月賞の1〜3着馬がすべて4番人気以下だったのは、JRA-VAN Data Lab.でデータが提供されている86年以降では、サニーブライアンが優勝した97年の1度きりである。当時3連単の発売はなかったが、この年の1〜3着馬はすべて2桁人気の大波乱。同様の例は、同じく86年以降のG1ではほかに、89年のエリザベス女王杯(優勝馬サンドピアリス)での20→10→14番人気しかない。 では、そんな皐月賞の結果を受けた日本ダービーはどんな結末かといえば。サニーブライアンが皐月賞の10番人気からやや支持を上げたものの、それでも6番人気の評価にとどまりながら、鮮やかな逃げ切りで二冠を達成。2着には、京都4歳特別(現在の京都新聞杯に相当)を制してきたシルクジャスティス(3番人気)が入り、3着は皐月賞(4着)に続いて1番人気に推されたメジロブライト。配当は当時の馬連で4860円、Target frontier JVによる推定馬単オッズは155.2倍。3連単があれば10万馬券くらいにはなっただろうか。ともあれ、皐月賞馬が二冠を達成し、皐月賞以外の別路線組が2着だった、という点はまず覚えておきたい。

■表3 皐月賞1、2着とも4番人気以下だった年のダービー(2000年以降)

ダービー 皐月賞
着順 馬名 人気 前走 着順 馬名 人気
02 1着 タニノギムレット 1 NHKマイルC3着 1着 ノーリーズン 15
2着 シンボリクリスエス 3 青葉賞1着 2着 タイガーカフェ 8
3着 マチカネアカツキ 6 プリンシパルS2着 3着 タニノギムレット 1
06 1着 メイショウサムソン 1 皐月賞1着 1着 メイショウサムソン 6
2着 アドマイヤメイン 4 青葉賞1着 2着 ドリームパスポート 10
3着 ドリームパスポート 7 皐月賞2着 3着 フサイチジャンク 2
07 1着 ウオッカ 3 桜花賞2着 1着 ヴィクトリー 7
2着 アサクサキングス 14 NHKマイルC11着 2着 サンツェッペリン 15
3着 アドマイヤオーラ 4 皐月賞4着 3着 フサイチホウオー 2
08 1着 ディープスカイ 1 NHKマイルC1着 1着 キャプテントゥーレ 7
2着 スマイルジャック 12 皐月賞9着 2着 タケミカヅチ 6
3着 ブラックシェル 6 NHKマイルC2着 3着 マイネルチャールズ 1

皐月賞上位3頭が4番人気以下は期間内に1例だけだったため、もう少し緩く、1〜2着馬が4番人気以下だった年も見ておきたい。これは2000年以降だけで表3に挙げた計4回。このうち、表2のサニーブライアンと同様に二冠を達成したのが06年のメイショウサムソン。その他の3頭は、皐月賞3着後にNHKマイルC3着を挟んだタニノギムレット、桜花賞2着のウオッカ、そして毎日杯とNHKマイルCを連勝してきたディープスカイ。つまり、皐月賞馬が二冠を達成しなければ、優勝するのは別路線組、という傾向だ。加えて、タニノギムレットはシンザン記念とアーリントンC、ウオッカは阪神JFとチューリップ賞、そしてディープスカイは前走NHKマイルCと、皐月賞馬以外ならマイル重賞優勝実績馬が勝利を飾っていた。また、この4回の2着馬のうち、08年のスマイルジャックを除く3頭の前走は、いずれも皐月賞以外。こちらのデータからも、やはり皐月賞以外の「別路線組」は注目の存在となる。

このように、「皐月賞が荒れた年」という視点で今年の日本ダービーを考えると、まず注目はやはり皐月賞馬・アルアイン。表2のサニーブライアンは6番人気、一方で表3のメイショウサムソンは1番人気の支持を受けており、特に今回の人気順は気にせず、現時点ではまず本命候補として残しておくのが良さそうだ。

そして2着馬の多くや、皐月賞馬以外の優勝馬でカギを握るのは「別路線組」。今年は残念ながら、京都新聞杯の優勝馬・プラチナムバレットが戦線を離脱してしまったが、毎日杯でアルアインの2着だったサトノアーサーをはじめ、多くの別路線組が登録している。中でも1着候補は「マイル重賞優勝実績馬」。別路線組なら大穴になりそうなキョウヘイ(シンザン記念)やジョーストリクトリ(ニュージーランドT)。皐月賞組でも良ければ、アーリントンC優勝馬で皐月賞2着のペルシアンナイトが候補になる。

また、表1で少し触れた、皐月賞が「トライアル組以外のワンツー」だった年と考えると、その88年のダービー馬は皐月賞3着馬・サクラチヨノオー。今年ならダンビュライトということになるだろうか。冒頭でも触れたように、日本ダービー過去10年の傾向は木曜掲載分で分析する予定だが、少しひねったデータがお好きな方は、こんな傾向も参考にしてみてはいかがだろうか。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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