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第1111回 複数回の好走は困難!? 京王杯SCを分析

2017/5/8(月)

今週は土曜日に京王杯SCが行われる。安田記念のステップレースとして定着しており、過去にはヤマニンゼファーやタイキシャトルなどが優勝を飾っている。いつものように過去10年のデータを分析し、同レースの傾向を探ってみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 京王杯SC優勝馬(過去10年)

馬名 性別 年齢 騎手 斤量 人気 走破タイム 馬連
16年 サトノアラジン 5 川田将雅 56 3 1196 4380
15年 サクラゴスペル 7 戸崎圭太 56 5 1216 2630
14年 レッドスパーダ 8 北村宏司 56 10 1197 6900
13年 ダイワマッジョーレ 4 蛯名正義 56 1 1206 2630
12年 サダムパテック 4 ウィリアムズ 56 4 1201 22590
11年 ストロングリターン 5 石橋脩 57 4 1202 2990
10年 サンクスノート 5 蛯名正義 55 10 1198 18300
09年 スズカコーズウェイ 5 後藤浩輝 57 8 1206 4500
08年 スーパーホーネット 5 藤岡佑介 58 2 1208 6200
07年 エイシンドーバー 5 福永祐一 57 5 1200 8020

2010/5/15 東京11R 京王杯スプリングカップ(G2) 1着 15番 サンクスノート

まずは過去10年の京王杯SCの優勝馬を中心に結果を見ていこう。ここと本番の安田記念を連勝で制した馬はいないが、スーパーホーネットやストロングリターン、サダムパテックといった実績馬が勝っている。ただ、勝利時は1番人気ではない。同人気で勝ったのは13年ダイワマッジョーレだけだ。それに伴い馬連配当も波乱傾向。1000円台の配当はなく、2000円以上の配当がついている。万馬券も2回と、一筋縄では収まらないレースだ。

年齢は明け4歳馬の優勝が案外少なく、高齢馬の勝利がある。斤量は58キロ以上の勝利は1回のみ。牝馬の優勝はサンクスノートの1回のみだが、同馬が格下実績馬だったことを考えると、警戒を強めなければならない。そして走破タイムは2回レコードを記録(07年と10年)。馬場状態が良好な時期でもあり、かなりのスピード決着となりやすい一戦だと言える。

■表2 京王杯SCに複数回出走した主な馬(過去10年)

馬名 着別度数
ストロングリターン 1- 0- 0- 1/ 2
スズカコーズウェイ 1- 0- 0- 1/ 2
サクラゴスペル 1- 0- 0- 2/ 3
レッドスパーダ 1- 0- 0- 1/ 2
ダイワマッジョーレ 1- 0- 0- 1/ 2
サダムパテック 1- 0- 0- 1/ 2
シルポート 0- 1- 0- 1/ 2
インプレスウィナー 0- 0- 1- 3/ 4
ジョーカプチーノ 0- 0- 1- 1/ 2
ガルボ 0- 0- 1- 1/ 2
オメガヴェンデッタ 0- 0- 1- 1/ 2
エールブリーズ 0- 0- 1- 1/ 2
サンカルロ 0- 0- 0- 4/ 4

続いて過去10年、京王杯SCに複数回出走した馬についてスポットを当ててみた。ストリングリターンやスズカコーズウェイなど、優勝馬がいるわけだが、2回以上好走している馬はいない。普通は前年の勝ち馬として出走する場合、かなり期待を集めることになり、実際に好走してくるケースは少なくない。例えば同じG2の中山記念などはそうだ。いわゆるリピーターの存在というのが顕著なレースがある。ところが、京王杯SCでは複勝圏内まで広げても複数回の好走はない。

そして、サクラゴスペルのように前回出走した時は15着に大敗していながら、1着と大きく成績を上げてきた馬もいる(翌年は8着)。以前全然ダメだったからといって軽視するというわけにもいかない難しいレースだ。ただ、サンカルロのように根本的にこのレースに合わないタイプもいる。同馬は合計4回出走し、うち3回上位人気に支持されたがいずれも掲示板にも乗ることができなかった。同馬は阪神C優勝や高松宮記念2着など、明らかな実績上位馬であったが、京王杯SCというレースには縁がなかった。

その理由はおそらく、時計が速いスピード競馬に対応できなかったことにある。東京の芝1400mはラスト1ハロンも速い時計が出やすく、前がなかなか止まらない。よって、その流れを差し切るには相当な瞬発力が必要になる。同じ1400mのG2でも阪神の同距離のレースとは異なる点だ。スピードを前面に要求される競馬になると、馬体への負担も大きく、かなりピークに近い状態でないと好走は難しいはず。そうした点からも、実績馬の複数回好走が困難になっているのかもしれない。

■表3 京王杯SCの脚質別成績(過去10年)

脚質・上り 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率 主な好走馬
逃げ 0-  1-  2-  7/ 10 0.0% 10.0% 30.0% 0 106 シルポート
先行 2-  1-  2- 34/ 39 5.1% 7.7% 12.8% 200 55 レッドスパーダ
差し 7-  5-  4- 59/ 75 9.3% 16.0% 21.3% 76 87 ストロングリターン
追い込み 1-  3-  2- 39/ 45 2.2% 8.9% 13.3% 10 52 サトノアラジン
3F  1位 3-  4-  1-  4/ 12 25.0% 58.3% 66.7% 173 268  
3F  2位 2-  1-  1-  9/ 13 15.4% 23.1% 30.8% 112 80  
3F  3位 0-  2-  0-  5/  7 0.0% 28.6% 28.6% 0 80  
3F 〜5位 3-  0-  2- 19/ 24 12.5% 12.5% 20.8% 109 121  
3F 6位〜 2-  3-  6-102/113 1.8% 4.4% 9.7% 69 38  

続いて脚質別成績を見ていく。逃げ馬の優勝はなく、好走馬はシルポートら3頭がいる。同馬は前走マイラーズCを逃げ切っており、勢い・実績ともに十分だった。それぐらい目立つ存在でないと連対までこぎつけるのは難しいかもしれない。

先行馬はレッドスパーダなどが優勝している。同馬は当日10番人気だったが、過去に関屋記念を逃げ切った実績があった。あとはクラレントやオレハマッテルゼで、東京新聞杯で連対した実績があった。つまり直線が長い距離のマイル重賞で実績がある馬というわけだ。先行して押し切るにはそれぐらいの力がある馬でないと厳しいようだ。

2011/5/14 東京11R 京王杯スプリングカップ(G2) 1着 5番 ストロングリターン

差し馬は勝ち馬を7頭輩出している。同時に差しに回った該当馬も多いわけだが、連対率などでも最も優秀な成績となっている。ストロングリターンは次走安田記念でも2着に好走した実力馬だったが、前走は1600万クラスを勝ったばかりだった。あとはサダムパテックやエーシンドーバー、スーパーホーネットなど、G2などで実績がある馬が多い。単勝及び連軸としては差し脚を活かせる馬を狙う方が、ヒットする確率は高くなりそうだ。

追い込み馬は昨年優勝のサトノアラジンなどが該当。同馬は上がり3ハロン32秒4の決め手で勝っており、前述したようにかなりの瞬発力が要求される。これだけ速い上がりになると物理的に繰り出せない馬も出てくるはずだ。血統面で言うと、ディープインパクト産駒のように、スピード上位で決め手勝負に強いタイプでないと対応するのは困難だと思われる。

■表4 京王杯SC出走馬の前走レース別成績

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
高松宮記G1 3- 1- 4-24/32 9.4% 12.5% 25.0% 165 67
ダービーHG3 2- 0- 1-22/25 8.0% 8.0% 12.0% 36 29
東京新聞G3 1- 3- 0- 1/ 5 20.0% 80.0% 80.0% 144 204
マイラーG2 1- 2- 1-17/21 4.8% 14.3% 19.0% 37 63
阪神牝馬G2 1- 1- 0- 7/ 9 11.1% 22.2% 22.2% 442 132
難波SH1600 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 850 250
朱雀SH1600 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1430 400
谷川岳S 0- 1- 1-10/12 0.0% 8.3% 16.7% 0 89
オーストH 0- 1- 1- 3/ 5 0.0% 20.0% 40.0% 0 134
心斎橋S1600 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 1210
晩春S1600 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 1860
阪神カッG2 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0 180
春雷S 0- 0- 0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
オーシャG3 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

最後に前走レース別成績を見ていく(表4参照)。高松宮記念とダービー卿CT、マイラーズC組の出走馬が多い。順当に使われており、1600m以下の重賞をステップにしている馬が主力だ。ただ、G3のハンデ戦であるダービー卿CTの好走率、回収率はやや低い。それならば少し間隔がひらくが、東京新聞杯組を警戒すべきだろう。阪神牝馬Sは1400mから1600mになっているが、引き続き注目すべきだろう。

オープン特別組は勝ち馬が出てない。2〜3着止まりなので注意が必要だ。そして中山芝1200mの春雷S組は【0.0.0.10】で不振だ。一方、1600万クラス組からは勝ち馬が2頭、2〜3着馬も出ている。前走で勝っていることが条件だが、勢いがある素質馬がいれば積極的に狙ってみるのもいいだろう。複数回の好走が難しいというレースの性質があるため、過去の実績馬よりも新興勢力の発掘に力を入れてもいい一戦だ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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