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第1110回 混戦で好走するのは? NHKマイルカップを分析する

2017/5/4(木)

5月に入り、今週から東京競馬場で5週連続G1が行われる。その第一弾は3歳マイル王決定戦のNHKマイルカップ。昨年は1番人気に推された牝馬のメジャーエンブレムが優勝したものの、3着には12番人気レインボーラインが激走。毎年のように2ケタ人気馬が好走しており、波乱傾向が強い一戦としても知られている。今回は混戦ムード漂うNHKマイルカップにスポットを当て、2012年以降の近5年のデータから好走馬ならびに激走した穴馬の特徴を探っていきたい。なお、データ分析にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 NHKマイルC近5年の上位3着以内馬一覧

年/馬場 着順 馬名 勝ちタイム 人気 4角通過順 上がり3F 前半1000m通過 レース上がり
2016
(良)
1 メジャーエンブレム 1分32秒8 1 1 35秒1 57秒7 35秒1
2 ロードクエスト 3/4馬身 2 16 33秒8
3 レインボーライン クビ 12 9 34秒4
2015
(良)
1 クラリティスカイ 1分33秒5 3 5 33秒9 59秒3 34秒2
2 アルビアーノ 1馬身 4 2 34秒4
3 ミュゼスルタン クビ 2 9 33秒8
2014
(良)
1 ミッキーアイル 1分33秒2 1 1 34秒8 58秒4 34秒8
2 タガノブルグ クビ 17 7 33秒9
3 キングズオブザサン ハナ 12 11 33秒7
2013
(良)
1 マイネルホウオウ 1分32秒7 10 14 33秒7 57秒8 34秒9
2 インパルスヒーロー クビ 6 10 33秒9
3 フラムドグロワール クビ 8 4 34秒6
2012
(良)
1 カレンブラックヒル 1分34秒5 1 1 34秒6 59秒9 34秒6
2 アルフレード 3馬身1/2 3 4 34秒9
3 クラレント クビ 15 10 34秒4

まず表1はNHKマイルカップ近5年の上位3着以内馬一覧。近5年すべて良馬場で行われ、勝ち時計は1分32秒7〜34秒5と年によって大きく違う。今年も良馬場なら昨年のように前半1000m57秒台で入れば1分32秒台の決着となり、平均〜スローに落ち着けば1分33秒〜34秒台となりそうだ。

上がり3ハロンを見ると、昨年1着メジャーエンブレム以外はすべて33秒7〜34秒台の速い脚を使っている。12年・14年・昨年は逃げ切り勝ちとなっているが、それでも4コーナー9番手以降の差し・追い込み馬が毎年馬券に絡んでいる。単純な「行った行った」はなく、速い上がりを繰り出せる馬が上位に入る東京コースらしい傾向を示している。

また人気面では1番人気馬が【3.0.0.2】で昨年のメジャーエンブレムら3勝。これら3頭はすべて逃げ切り勝ちだった。また、一昨年を除いて毎年10番人気以下の伏兵が激走していることが大きな特徴だ。13年は10番人気マイネルホウオウが勝利し、3連単123万5600円の大波乱。14年は1番人気が勝利したにもかかわらず、ヒモ荒れとなって3連単68万4020円の波乱となっている。近2年は堅めの決着となっているものの、異なる路線から初めて対戦するケースが多く、混戦となって人気薄の激走が目立っている

■表2 NHKマイルC出走馬の所属別成績(過去5年)

調教師分類 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
美浦 2- 4- 2-35/43 4.7% 14.0% 18.6% 85% 73%
栗東 3- 1- 3-40/47 6.4% 8.5% 14.9% 25% 135%

表2は出走馬の所属別成績。関東馬が昨年のメジャーエンブレムら2勝をあげ、連対率・複勝率ともに関西馬を上回っている。ただし、関東馬の3着以内馬8頭のうち、13年の1〜3着馬を除く5頭はいずれも4番人気以内と上位人気馬が好走していた。

対して、関西馬は3着以内馬7頭のうち、過半数の4頭が10番人気以下の人気薄だった。複勝率でも100%を大きく超えており、穴馬が激走する傾向が強い。

■表3 NHKマイルCの枠番別成績(過去5年)

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1枠 0- 1- 1- 8/10 0.0% 10.0% 20.0% 0% 354%
2枠 1- 0- 0- 9/10 10.0% 10.0% 10.0% 23% 14%
3枠 1- 1- 0- 8/10 10.0% 20.0% 20.0% 37% 38%
4枠 2- 0- 0- 8/10 20.0% 20.0% 20.0% 407% 94%
5枠 1- 1- 0- 8/10 10.0% 20.0% 20.0% 19% 40%
6枠 0- 0- 3- 7/10 0.0% 0.0% 30.0% 0% 263%
7枠 0- 0- 0-15/15 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8枠 0- 2- 1-12/15 0.0% 13.3% 20.0% 0% 98%

表3は枠番別成績。勝ち馬5頭は内寄りから中央の2〜5枠に集中している。逆に外目の6〜8枠からは勝ち馬が出ておらず、連対率も低い。特に7枠からは3着以内馬が1頭も出ていなかった。

■表4 NHKマイルCの前走レース別成績(過去5年)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ニュージーランドT 2- 0- 1-28/31 6.5% 6.5% 9.7% 122% 50%
皐月賞 1- 1- 1- 5/ 8 12.5% 25.0% 37.5% 80% 252%
桜花賞 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 46% 28%
アーリントンC 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 95% 70%
スプリングS 0- 1- 1- 1/ 3 0.0% 33.3% 66.7% 0% 176%
ファルコンS 0- 1- 0- 5/ 6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 85%
橘S 0- 1- 0- 7/ 8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 242%
フラワーC 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 130%
弥生賞 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 815%
京成杯 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 770%
その他のレース 0- 0- 0-22/22 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表4は前走レース別成績。前哨戦のニュージーランドT組が12年カレンブラックヒル・13年マイネルホウオウと2勝をあげるも、連対率・複勝率は低い。皐月賞組は一昨年のクラリティスカイが勝利し、近3年で毎年1頭ずつ3着以内に入っている。桜花賞組は昨年のメジャーエンブレム、アーリントンC組は14年ミッキーアイルが勝利している。

他では少数ながらスプリングS組が好相性。また、フラワーC・弥生賞・京成杯といった中山重賞組からの好走馬が多い。

■表5 ニュージーランドT組好走馬の前走成績と過去のマイル実績(過去5年)

年度 馬名 着順 人気 前走成績 過去の芝マイル実績
2016 レインボーライン 3 12 ニュージーランドT 5着 アーリントンCなど2勝
2013 マイネルホウオウ 1 10 ニュージーランドT 7着 ジュニアCなど2勝
2012 カレンブラックヒル 1 1 ニュージーランドT 1着 ニュージーランドTなど3勝

表5はニュージーランドT組好走馬の前走成績と芝マイル実績。カレンブラックヒルはデビューから連勝を続けていたものの、他の2頭は前走のニュージーランドTで5着以下に敗れて人気を落としていた。ただし、3頭ともに過去に芝のマイル戦で複数回勝利しており、マイル適性の高さを示していた。この組は前走で敗れていても、マイル実績がある馬がいれば注目したい。

■表6 皐月賞組の前走脚質別成績(過去5年)

前走脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
逃げ 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 320% 105%
先行 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 1600%
差し 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 52%
追い込み 0- 0- 0- 1/ 1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表6は皐月賞組の前走脚質別成績。皐月賞で逃げた馬からは一昨年のクラリティスカイが勝利、先行した馬からは14年3着キングズオブザサンが好走している。これら皐月賞で前へ行った組が好成績をあげている。逆に皐月賞で差し・追い込みにまわった馬は昨年2着のロードクエストしか馬券に絡んでいない。

■表7 NHKマイルCの前走距離別成績(過去5年)

前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
1400m 0- 2- 0-23/25 0.0% 8.0% 8.0% 0% 98%
1600m 4- 0- 1-37/42 9.5% 9.5% 11.9% 100% 43%
1800m 0- 2- 1- 8/11 0.0% 18.2% 27.3% 0% 71%
2000m 1- 1- 3- 7/12 8.3% 16.7% 41.7% 53% 368%
今回延長 0- 2- 0-23/25 0.0% 8.0% 8.0% 0% 98%
今回短縮 1- 3- 4-15/23 4.3% 17.4% 34.8% 27% 226%

表7は前走距離別成績。出走数最多の前走1600m組が昨年のメジャーエンブレムら4勝と勝ち切る傾向が強い。勝率は高いものの2・3着が少なく、複勝率は低い。前走2000m組は一昨年のクラリティスカイが勝利し、複勝率は41.7%と非常に高い。昨年2着のロードクエストら毎年1頭ずつ3着以内に入っている。前走1800m組は勝ち馬こそ出ていないが、複勝率27.3%と高い。これら今回短縮組が8頭好走しており、3着以内馬の過半数を占めている

逆に今回延長組は2着2回のみで、複勝率も低い。好走した13年2着インパルスヒーローは前走ファルコンS、14年2着タガノブルグは前走橘Sでそれぞれ勝利をおさめていた。

■表8 NHKマイルCの種牡馬別成績(過去5年)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単勝回収率 複勝回収率
ダイワメジャー 2- 0- 1- 8/11 18.2% 18.2% 27.3% 54% 98%
クロフネ 1- 1- 0- 3/ 5 20.0% 40.0% 40.0% 128% 144%
ディープインパクト 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 31% 23%
スズカフェニックス 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 1715% 365%
ヨハネスブルグ 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 970%
マツリダゴッホ 0- 1- 0- 3/ 4 0.0% 25.0% 25.0% 0% 52%
シンボリクリスエス 0- 1- 0- 1/ 2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 150%
Harlan's Holiday 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 260%
ステイゴールド 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 220%
チチカステナンゴ 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 800%
キングカメハメハ 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0% 115%
ダンスインザダーク 0- 0- 1- 0/ 1 0.0% 0.0% 100.0% 0% 1630%
その他の種牡馬 0- 0- 0-49/49 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表8は種牡馬別成績。クロフネ産駒の一昨年クラリティスカイ以外はサンデーサイレンスの後継種牡馬の産駒が勝利している。なかでもダイワメジャー産駒は12年カレンブラックヒル、昨年のメジャーエンブレムと2勝をあげている。クロフネ産駒も連対馬2頭が出ており、好相性。連対馬はシンボリクリスエスを除いて、サンデー後継種牡馬かノーザンダンサー系の種牡馬で占められていた。

3着まで広げてようやくナスルーラ系のチチカステナンゴ産駒、ミスプロ系のキングカメハメハ産駒が出てくる。やはり中心はサンデー後継種牡馬の産駒もしくはノーザンダンサー系の種牡馬の産駒だ。

<結論>

■表9 今年のNHKマイルCの出走予定馬(5/3現在)

馬名 所属 種牡馬 前走成績
ジョーストリクトリ 栗東 ジョーカプチーノ ニュージーランドT 1着
ボンセルヴィーソ 栗東 ダイワメジャー ニュージーランドT 3着
モンドキャンノ 栗東 キンシャサノキセキ スプリングS 10着
リエノテソーロ 美浦 スペイツタウン アネモネS 4着
カラクレナイ 栗東 ローエングリン 桜花賞 4着
キョウヘイ 栗東 リーチザクラウン アーリントンC 7着
タイムトリップ 美浦 ロードアルティマ ニュージーランドT 5着
トラスト 栗東 スクリーンヒーロー 皐月賞 13着
アウトライアーズ 美浦 ヴィクトワールピサ 皐月賞 12着
レッドアンシェル 栗東 マンハッタンカフェ アーリントンC 2着
オールザゴー 栗東 ステイゴールド マーガレットS 1着
ディバインコード 美浦 ディープブリランテ 橘S 1着
ミスエルテ 栗東 フランケル 桜花賞 11着
アエロリット 美浦 クロフネ 桜花賞 5着
ブラックオニキス 美浦 ブラックタイド スイートピーS 8着
ナイトバナレット 栗東 ディープブリランテ ニュージーランドT 10着
プラチナヴォイス 栗東 エンパイアメーカー 皐月賞 10着
エトルディーニュ 美浦 エイシンサンディ スプリングS 6着
ガンサリュート 栗東 ダノンシャンティ 毎日杯 7着
タイセイスターリー 栗東 マンハッタンカフェ ニュージーランドT 7着
シーズララバイ 美浦 ファルブラヴ スイートピーS 9着
ダイイチターミナル 美浦 コンデュイット 橘S 10着
スズカメジャー 栗東 ダイワメジャー ニュージーランドT 6着
ニシノアップルパイ 美浦 リーチザクラウン 500万下 1着
メイショウオワラ 栗東 ディープブリランテ スイートピーS 10着
※フルゲート18頭。エトルディーニュ以下は抽選対象。

今年の出走予定馬は表9のとおり。

2017/2/11 東京11R デイリー杯クイーンカップ(G3) 2着 11番 アエロリット

今年は確固たる本命候補がおらず、混戦ムードが漂っている。まずは前哨戦のニュージーランドTは12番人気ジョーストリクトリが勝利。スローペースで人気薄の先行馬が上位を占めた。過去にマイル実績がある馬は注目したいのだが、残念ながらこの組の出走予定馬にはマイル戦で複数回勝利をおさめた馬はいなかった。強いてあげれば、ボンセルヴィーソがデイリー杯2歳S2着、朝日杯FS3着と重賞で上位に入ってはいるものの、緩い流れの前走でも3着と勝ち切れないあたりは不満が残るところだ。

データから推奨したいのが桜花賞で4着カラクレナイ、5着アエロリットの2頭。ただし、この2頭の比較では関東馬でクロフネ産駒のアエロリットを上位に推したい。過去10年で桜花賞組は07年ピンクカメオと昨年のメジャーエンブレムが勝利。この2頭はともに関東馬で、過去に東京芝での勝利経験があった。アエロリットは新馬戦を東京芝で勝利し、2走前のクイーンCでも2着と好走している。カラクレナイは桜花賞が初のマイル戦だったが、それでも4着と力は見せた。今年は牝馬のレベルが高く、マイル2戦目での上積みはあるだろう。

2016/9/3 札幌11R 札幌2歳ステークス(G3) 1着 5番 トラスト

また、皐月賞組からトラストを穴馬で挙げておきたい。前走の皐月賞は大外18番枠から先行して13着と敗れたが、それでも勝ち馬とは0秒8差。東京コースも昨秋の東スポ杯2歳Sで経験しており、すんなり先行できれば粘り込みも十分に可能性はあるだろう。見た目の着順で人気がガタ落ちしていれば、穴で狙って面白い一頭だ。

他ではスプリングS組のモンドキャンノ、皐月賞組からはプラチナヴォイスアウトライアーズ、穴で橘Sを勝利したディバインコードまで連下候補でおさえておきたい。

ライタープロフィール

ケンタロウ(けんたろう)

1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。


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