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第1105回 春の東京・京都、開幕週の芝を分析する

2017/4/17(月)

関東主場は中山、関西主場は阪神の連続開催が終了。舞台は東京、京都へと移る。そこで今回は、春の東京と京都の開幕週における芝コースの傾向を確認したい。集計期間は過去5年(2012〜2016年)。表1〜4で東京、表5〜8で京都について見ていこう。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 春の東京開幕週の芝・人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 26- 10-  4- 16/ 56 46.4% 64.3% 71.4% 110% 92%
2番人気 13- 13-  6- 24/ 56 23.2% 46.4% 57.1% 95% 88%
3番人気 5-  8-  9- 34/ 56 8.9% 23.2% 39.3% 51% 78%
4番人気 5- 11-  9- 31/ 56 8.9% 28.6% 44.6% 76% 103%
5番人気 0-  4-  6- 46/ 56 0.0% 7.1% 17.9% 0% 44%
6番人気 2-  3-  7- 44/ 56 3.6% 8.9% 21.4% 36% 56%
7番人気 2-  2-  1- 50/ 55 3.6% 7.3% 9.1% 64% 39%
8番人気 1-  3-  3- 47/ 54 1.9% 7.4% 13.0% 56% 75%
9番人気 2-  1-  2- 49/ 54 3.7% 5.6% 9.3% 102% 68%
10番人気〜 0-  1-  9-261/271 0.0% 0.4% 3.7% 0% 48%
全体 56- 56- 56-602/770 7.3% 14.5% 21.8% 42% 63%

表1は「春の東京開幕週の芝・人気別成績」で、表の一番下には全体成績を付記した。その全体成績を見ると単勝回収率が42%しかなく、総じて堅い結果に収まっている様子が見てとれる。実際、1番人気は勝率46.4%、単勝回収率110%と優秀で、2番人気の成績も水準以上。その一方で10番人気以下の1着はなく、2着も1回のみと苦戦の傾向が出ている。穴を狙うにしても、9番人気までに入っている馬に限ったほうがいいだろう。

■表2 春の東京開幕週の芝・枠番別成績

枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1枠 7-  3-  6- 64/ 80 8.8% 12.5% 20.0% 40% 39%
2枠 5-  7-  6- 64/ 82 6.1% 14.6% 22.0% 55% 48%
3枠 6-  5-  7- 64/ 82 7.3% 13.4% 22.0% 25% 86%
4枠 8-  3-  9- 65/ 85 9.4% 12.9% 23.5% 64% 50%
5枠 4-  7-  9- 72/ 92 4.3% 12.0% 21.7% 15% 93%
6枠 10- 15-  6- 70/101 9.9% 24.8% 30.7% 34% 73%
7枠 5- 10-  3-101/119 4.2% 12.6% 15.1% 11% 39%
8枠 11-  6- 10-102/129 8.5% 13.2% 20.9% 86% 76%

表2は「春の東京開幕週の芝・枠番別成績」。好走率で傑出しているのは6枠だが、単勝回収率は34%しかない。6枠の10勝中9勝を1、2番人気が占めており、上位人気馬が入る機会が多かっただけとみるのが妥当か。この6枠を除くと、連対率はほぼ横並び。春の東京開幕週の芝は、枠の有利不利はあまりないと判断してもいいだろう。

■表3 春の東京開幕週の芝・脚質別成績

脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
逃げ 5-  7-  6- 39/ 57 8.8% 21.1% 31.6% 98% 81%
先行 17- 16- 13-148/194 8.8% 17.0% 23.7% 28% 59%
中団 25- 18- 28-229/300 8.3% 14.3% 23.7% 42% 68%
後方 9- 13-  9-184/215 4.2% 10.2% 14.4% 42% 57%
マクリ 0-  2-  0-  2/  4 0.0% 50.0% 50.0% 0% 62%
※脚質は TARGET frontier JV の分類による

表3は「春の東京開幕週の芝・脚質別成績」。特徴といえるのは「逃げ」「先行」「中団」の勝率が互角ということ。連対率や複勝率、単複の回収率が他の脚質より高いことを考えれば「逃げ」にアドバンテージがあるのは間違いなさそうだが、極端に逃げ有利というほどではない。数字が落ちる「後方」まで後ろのポジションにならなければ、「中団」からの差しも十分に届くとみてよさそうだ。

■表4 春の東京開幕週の芝・種牡馬別成績(着別度数順)

種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
ディープインパクト 10- 7- 1-35/53 18.9% 32.1% 34.0% 43% 72%
キングカメハメハ 8- 7- 4-19/38 21.1% 39.5% 50.0% 114% 89%
ハーツクライ 6- 4- 6-30/46 13.0% 21.7% 34.8% 46% 69%
ゼンノロブロイ 4- 1- 3-19/27 14.8% 18.5% 29.6% 62% 63%
ジャングルポケット 3- 1- 2-24/30 10.0% 13.3% 20.0% 69% 44%
ダイワメジャー 3- 1- 1-18/23 13.0% 17.4% 21.7% 50% 49%
シンボリクリスエス 2- 3- 2-20/27 7.4% 18.5% 25.9% 46% 117%
タニノギムレット 2- 1- 1-15/19 10.5% 15.8% 21.1% 25% 21%
アドマイヤジャパン 2- 0- 0- 0/ 2 100.0% 100.0% 100.0% 930% 255%
ステイゴールド 1- 2- 6-33/42 2.4% 7.1% 21.4% 8% 80%

2016/4/24 東京11R サンスポ賞フローラS(G2) 1着 18番 チェッキーノ

表4は「春の東京開幕週の芝・種牡馬別成績」。最多の10勝を挙げたディープインパクトの好走率はさすがの高さだが、それを上回る好走率、回収率を残した2位のキングカメハメハこそが本当の注目種牡馬だ。16年フローラSをチェッキーノが勝ったほか、古馬オープンのメトロポリタンSでも13年にカフナ、14年にラブリーデイが制しており、上級クラスでの活躍が目立っている。一方、注意すべきはステイゴールドで、出走42回で1勝しかできなかった。複勝率はそれほど悪くないものの、好走しても3着までのケースが多くなっている。

■表5 春の京都開幕週の芝・人気別成績

コース 人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
内回り 1番人気 6-  4-  3-  6/ 19 31.6% 52.6% 68.4% 75% 88%
2番人気 4-  4-  1- 10/ 19 21.1% 42.1% 47.4% 95% 78%
3番人気 3-  4-  4-  8/ 19 15.8% 36.8% 57.9% 83% 112%
4番人気 2-  3-  2- 12/ 19 10.5% 26.3% 36.8% 92% 81%
5番人気 2-  1-  2- 14/ 19 10.5% 15.8% 26.3% 108% 73%
6番人気 1-  0-  2- 16/ 19 5.3% 5.3% 15.8% 120% 58%
7番人気 1-  1-  2- 15/ 19 5.3% 10.5% 21.1% 81% 94%
8番人気 0-  0-  0- 19/ 19 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
9番人気 0-  0-  2- 17/ 19 0.0% 0.0% 10.5% 0% 93%
10番人気〜 0-  2-  1-125/128 0.0% 1.6% 2.3% 0% 36%
全体 19- 19- 19-242/299 6.4% 12.7% 19.1% 41% 58%
外回り 1番人気 9-  9- 12- 11/ 41 22.0% 43.9% 73.2% 51% 94%
2番人気 12-  7-  6- 16/ 41 29.3% 46.3% 61.0% 115% 89%
3番人気 9-  3-  2- 27/ 41 22.0% 29.3% 34.1% 155% 73%
4番人気 2-  4-  6- 29/ 41 4.9% 14.6% 29.3% 38% 57%
5番人気 2-  5-  4- 30/ 41 4.9% 17.1% 26.8% 82% 76%
6番人気 2-  5-  1- 33/ 41 4.9% 17.1% 19.5% 127% 72%
7番人気 2-  3-  2- 34/ 41 4.9% 12.2% 17.1% 163% 70%
8番人気 3-  3-  2- 33/ 41 7.3% 14.6% 19.5% 157% 94%
9番人気 0-  0-  2- 35/ 37 0.0% 0.0% 5.4% 0% 25%
10番人気〜 0-  2-  4-167/173 0.0% 1.2% 3.5% 0% 37%
全体 41- 41- 41-415/538 7.6% 15.2% 22.9% 67% 62%

表5は「春の京都開幕週の芝・人気別成績」。内回りの特徴は、全体の単勝回収率が41%しかないこと。ただし、1、2番人気の成績は水準並で、41%という数字ほど堅い決着というわけでもなさそうだ。むしろ、8番人気以下が全然来ないために回収率が伸び悩んだといったほうが正確か。必然的に3〜7番人気の成績がよくなっており、内回りで狙うならここだろう。

外回りも9番人気以下が1勝もできず、全体の回収率は単複ともに60%台にとどまっている。数字がいいのは、2、3番人気や、6〜8番人気あたり。1番人気も複勝率は高いので軸馬としては信用できるが、勝率22.0%という点には不満も残る。外回りでは1番人気の取りこぼしに注意して、対抗格の2、3番人気や、中穴の6〜8番人気を1着に据える作戦が有力になりそうだ。

■表6 春の京都開幕週の芝・枠番別成績

コース 枠番 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
内回り 1枠 3- 3- 2-24/32 9.4% 18.8% 25.0% 83% 101%
2枠 2- 4- 2-24/32 6.3% 18.8% 25.0% 12% 48%
3枠 5- 0- 2-25/32 15.6% 15.6% 21.9% 132% 123%
4枠 2- 0- 2-28/32 6.3% 6.3% 12.5% 27% 32%
5枠 2- 3- 2-28/35 5.7% 14.3% 20.0% 28% 36%
6枠 1- 3- 2-30/36 2.8% 11.1% 16.7% 7% 58%
7枠 4- 3- 5-38/50 8.0% 14.0% 24.0% 61% 52%
8枠 0- 3- 2-45/50 0.0% 6.0% 10.0% 0% 36%
外回り 1枠 4- 4- 4-42/54 7.4% 14.8% 22.2% 94% 56%
2枠 9- 7- 3-38/57 15.8% 28.1% 33.3% 77% 66%
3枠 3- 8- 7-42/60 5.0% 18.3% 30.0% 52% 72%
4枠 3- 5- 5-49/62 4.8% 12.9% 21.0% 49% 35%
5枠 1- 1- 3-61/66 1.5% 3.0% 7.6% 4% 20%
6枠 2- 4- 6-56/68 2.9% 8.8% 17.6% 53% 52%
7枠 10- 5- 7-61/83 12.0% 18.1% 26.5% 130% 97%
8枠 9- 7- 6-66/88 10.2% 18.2% 25.0% 69% 79%

表6は「春の京都開幕週の芝・枠番別成績」。内回りは、勝率ベースの1位が3枠、2位が1枠、連対率および複勝率ベースの同率1位が1、2枠となっている。8枠が45戦0勝ということを考えても、内回りは基本的に内枠有利と考えていいのではないか。

外回りは、内の1〜3枠と外の7、8枠の成績がよく、真ん中の4〜6枠は数字が落ちるという面白い傾向が出ている。

■表7 春の京都開幕週の芝・脚質別成績

コース 脚質 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
内回り 逃げ 3-  1-  3- 12/ 19 15.8% 21.1% 36.8% 115% 78%
先行 11- 13-  7- 37/ 68 16.2% 35.3% 45.6% 116% 133%
中団 5-  5-  9- 99/118 4.2% 8.5% 16.1% 20% 59%
後方 0-  0-  0- 94/ 94 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
マクリ 0-  0-  0-  0/  0          
外回り 逃げ 7-  6-  4- 24/ 41 17.1% 31.7% 41.5% 280% 138%
先行 15- 13- 15-103/146 10.3% 19.2% 29.5% 83% 63%
中団 13- 15- 13-147/188 6.9% 14.9% 21.8% 50% 61%
後方 5-  7-  7-139/158 3.2% 7.6% 12.0% 18% 39%
マクリ 1-  0-  2-  0/  3 33.3% 33.3% 100.0% 90% 246%
※脚質は TARGET frontier JV の分類による

表7は「春の京都開幕週の芝・脚質別成績」。驚くべきことに、内回りで「後方」の位置取りになった94頭は一度も3着以内に入れなかった。「中団」も厳しく、差しや追い込みの競馬をするのが確実な馬は評価を下げたほうがいいだろう。もうひとつの特徴といえるのが、「逃げ」より「先行」のほうが好成績ということ。内回りでは好位につけられる馬を重視すると的中につながりそうだ。

そして興味深いことに、春の京都開幕週の芝における「逃げ」の成績は、最後の直線が長い外回りのほうがいい。「逃げ」は単勝回収率も非常に高く、激走の期待も持てる。「後方」は内回りほど絶望的ではないものの、基本的に外回りでは前に行ける脚質の馬ほど安心して狙える数字が残っている。

■表8 春の京都開幕週の芝・種牡馬別成績(着別度数順)

コース 種牡馬 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
内回り アドマイヤムーン 3- 1- 1-12/17 17.6% 23.5% 29.4% 74% 61%
フレンチデピュティ 2- 0- 1- 3/ 6 33.3% 33.3% 50.0% 491% 196%
ディープインパクト 1- 5- 2-18/26 3.8% 23.1% 30.8% 7% 45%
キングカメハメハ 1- 2- 0-10/13 7.7% 23.1% 23.1% 30% 43%
ハーツクライ 1- 0- 2- 8/11 9.1% 9.1% 27.3% 30% 38%
外回り ディープインパクト 8- 8- 9-35/60 13.3% 26.7% 41.7% 107% 85%
アグネスタキオン 5- 2- 0-15/22 22.7% 31.8% 31.8% 334% 81%
シンボリクリスエス 3- 1- 1- 7/12 25.0% 33.3% 41.7% 163% 76%
ダイワメジャー 2- 2- 1-15/20 10.0% 20.0% 25.0% 66% 81%
ネオユニヴァース 2- 1- 1- 9/13 15.4% 23.1% 30.8% 37% 40%

2014/4/27 京都11R 読売マイラーズカップ(G2) 1着 4番 ワールドエース

表8は「春の京都開幕週の芝・種牡馬別成績」で、内回りと外回りに分けた母数が少なくなるため、着別度数順5位までの掲載とした。ここでの注目はディープインパクトで、内回りでは26戦1勝と取りこぼしが目立つのに対して、外回りでは安定した成績を残し、単勝回収率も107%と優秀だ。重賞のマイラーズCでも集計期間の12〜16年で毎年1頭は好走を果たしており、14年などは1着ワールドエース、2着フィエロ、3着エクストラエンドと1〜3着を独占したほど。外回りのディープインパクト産駒には無理に逆らわないほうがいいだろう。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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