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第1104回 69年ぶりの快挙なるか!? 皐月賞との相性を探る

2017/4/13(木)

今週は牡馬クラシックの皐月賞が行われる。注目はファンディーナの参戦だろう。牝馬による皐月賞制覇は1948年のヒデヒカリまで遡り、84年のグレード制導入以降は皆無。もしも勝てば69年ぶりの快挙となる。おそらく簡単ではない大仕事にはなるだろうが、07年にはウオッカが日本ダービーを制している。ファンディーナは当日上位人気に支持されることになるだろうし、決して無謀な挑戦ではないはずだ。ただ、データによる取捨となると、かなり難しい。前例がほとんどないだけに、分析しにくい状況だ。そこで今回は、ジョッキーや調教師、馬主や生産者にスポットをあて、近年の皐月賞との相性を考えてみることにしてみたい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 皐月賞の騎手別成績(過去10年)

順位 騎手 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 岩田康誠 2- 1- 1- 4/ 8 25.0% 37.5% 50.0% 105 92
2 蛯名正義 2- 0- 0- 7/ 9 22.2% 22.2% 22.2% 400 80
3 M.デムーロ 2- 0- 0- 2/ 4 50.0% 50.0% 50.0% 207 82
4 川田将雅 1- 2- 0- 5/ 8 12.5% 37.5% 37.5% 213 92
5 内田博幸 1- 0- 2- 5/ 8 12.5% 12.5% 37.5% 88 225
6 田中勝春 1- 0- 0- 5/ 6 16.7% 16.7% 16.7% 288 98
7 池添謙一 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 216 60
8 福永祐一 0- 3- 0- 6/ 9 0.0% 33.3% 33.3% 0 51
9 松岡正海 0- 1- 1- 4/ 6 0.0% 16.7% 33.3% 0 376
10 柴田善臣 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0 76

まずは過去10年の皐月賞の騎手別成績(表1参照)を見てみよう。岩田康誠騎手と蛯名正義騎手、M.デムーロ騎手が2勝をマーク。そのほか、川田騎手ら4人の騎手が勝利している。福永祐一騎手は未勝利だが、2着が3回もあり複勝率は高い。連対馬の数では関西の騎手が優勢だが、関東の騎手もまずまず結果を残している。相性の良さという意味では、2勝を挙げている3騎手に注目すべきだろう。

■表2 皐月賞の調教師別成績(過去10年)

順位 調教師 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 (栗)池江泰寿 1- 2- 2- 6/11 9.1% 27.3% 45.5% 98 119
2 (栗)角居勝彦 1- 2- 0- 3/ 6 16.7% 50.0% 50.0% 38 291
3 (栗)友道康夫 1- 1- 0- 2/ 4 25.0% 50.0% 50.0% 152 110
4 (美)堀宣行 1- 0- 0- 6/ 7 14.3% 14.3% 14.3% 65 27
5 (美)二ノ宮敬 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 772 132
6 (栗)音無秀孝 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 576 196
7 (栗)森秀行 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 570 143
8 (栗)須貝尚介 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 355 105
9 (美)田中剛 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 370 140
10 (美)栗田博憲 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 510 190

続いて調教師別成績を見てみる(表2参照)。過去10年、勝利調教師はすべて異なり10人がランクイン。関東馬も頑張っており、以前ほど関西馬が優勢という雰囲気はない。ただ、池江泰寿厩舎は2着と3着が2回ずつあり、角居勝彦厩舎は2着が2回ある。例年リーディングで上位争いをする名門厩舎の層の厚さは見逃せない。高い確率で高素質馬を送り込んでいる。

■表3 皐月賞の単勝オッズ別成績(過去10年)

単勝オッズ 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1.0〜 1.4 0-  0-  0-  0/  0          
1.5〜 1.9 0-  0-  0-  1/  1 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
2.0〜 2.9 1-  1-  1-  2/  5 20.0% 40.0% 60.0% 46 82
3.0〜 3.9 1-  5-  2-  2/ 10 10.0% 60.0% 80.0% 37 125
4.0〜 4.9 1-  0-  1-  0/  2 50.0% 50.0% 100.0% 230 165
5.0〜 6.9 2-  0-  1-  6/  9 22.2% 22.2% 33.3% 124 74
7.0〜 9.9 1-  0-  1-  8/ 10 10.0% 10.0% 20.0% 71 50
10.0〜14.9 1-  1-  0-  9/ 11 9.1% 18.2% 18.2% 98 52
15.0〜19.9 2-  1-  1- 12/ 16 12.5% 18.8% 25.0% 215 121
20.0〜29.9 0-  0-  2- 14/ 16 0.0% 0.0% 12.5% 0 83
30.0〜49.9 1-  0-  1- 25/ 27 3.7% 3.7% 7.4% 114 46
50.0〜99.9 0-  1-  0- 29/ 30 0.0% 3.3% 3.3% 0 49
100.0〜 0-  1-  0- 39/ 40 0.0% 2.5% 2.5% 0 52

次に単勝オッズ別成績を調べた(表3参照)。一言で言うと、これほど人気馬から伏兵馬まで好走を果たしているレースもめずらしい。一般的には単勝オッズが低い方に好走馬はかたまるが、皐月賞はかなり散っている。単勝10倍以上の勝利も多く、単勝100倍台の馬の連対まである。かなり波乱傾向が強いレースと言えるだろう。そうなっている要因はさまざまで、中山芝2000mというコースに起因する面ももちろんあるだろう。同時に、出走各馬の力関係を正確に把握しきれていないということも要因としてあるのではないだろうか。例年、初対戦となるケースが多くなっており、その点の読みが難しい。昨年もふたを開けてみればディーマジェスティが上位人気馬をまとめて差し切った。皐月賞はなかなか前評判通りには決まらない

■表4 皐月賞の馬主別成績(過去10年)

順位 馬主(最新/仮想) 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 サンデーレーシング 3- 2- 2- 8/15 20.0% 33.3% 46.7% 143 94
2 社台レースホース 2- 1- 0-11/14 14.3% 21.4% 21.4% 158 71
3 吉田照哉 1- 0- 0- 2/ 3 33.3% 33.3% 33.3% 123 46
4 市川義美 1- 0- 0- 1/ 2 50.0% 50.0% 50.0% 115 65
5 嶋田賢 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 3090 530
6 合同会社小林英一ホールディングス 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 710 210
7 近藤英子 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 1730 590
8 キャロットファーム 0- 3- 0- 9/12 0.0% 25.0% 25.0% 0 147
9 金子真人ホールディングス 0- 1- 0- 9/10 0.0% 10.0% 10.0% 0 16
10 蛭川正文 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 280

表4は馬主別成績。過去ではサンデーレーシングが3勝、そして社台レースホースが2勝。吉田照哉氏も1勝を挙げており、社台系の強さが際立っている。8位だがキャロットファームは2着が3回。近年相性がいい馬主と言えるだろう。

■表5 皐月賞の生産者別成績(過去10年)

順位 生産者 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 ノーザンファーム 3- 6- 3-38/50 6.0% 18.0% 24.0% 56 75
2 社台ファーム 3- 1- 1-23/28 10.7% 14.3% 17.9% 82 64
3 社台コーポレーション白老ファーム 2- 1- 0- 9/12 16.7% 25.0% 25.0% 132 51
4 服部牧場 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 3090 530
5 出口牧場 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 710 210
6 道見牧場 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 2110
7 橋本牧場 0- 1- 0- 0/ 1 0.0% 100.0% 100.0% 0 280
8 ビッグレッドファーム 0- 0- 2- 1/ 3 0.0% 0.0% 66.7% 0 206
9 パカパカファーム 0- 0- 1- 2/ 3 0.0% 0.0% 33.3% 0 66
10 ヤナガワ牧場 0- 0- 1- 1/ 2 0.0% 0.0% 50.0% 0 145

表5は生産者別成績。表4ですでに傾向は出ているが、社台系が強いことは明らかだ。ノーザンファームと社台ファームが3勝。社台コーポレーション白老ファームが2勝を挙げている。皐月賞に限らないが、クラシックにおける社台ブランドの強さは伝統だ。

■表6 皐月賞出走馬の前走レース別成績(過去10年)

順位 前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1 共同通信G3 4- 0- 2- 4/10 40.0% 40.0% 60.0% 477 186
2 スプリンG2 3- 2- 2-42/49 6.1% 10.2% 14.3% 42 70
3 弥生賞G2 2- 5- 3-35/45 4.4% 15.6% 22.2% 43 59
4 若葉S 1- 3- 1-18/23 4.3% 17.4% 21.7% 75 129
5 きさらぎG3 0- 0- 1- 8/ 9 0.0% 0.0% 11.1% 0 16
6 京成杯G3 0- 0- 1- 3/ 4 0.0% 0.0% 25.0% 0 180
7 毎日杯G3 0- 0- 0-13/13 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
8 すみれS 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
9 アーリンG3 0- 0- 0- 4/ 4 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
10 シンザンG3 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

最後に出走馬の前走レース別成績を見ていく(表6参照)。注目すべきは1位が共同通信杯組で4勝をマーク。昔からクラシックへの登竜門と言われる重要なレースではあるが、近年の勢いがすさまじい。12年ゴールドシップ、14年イスラボニータ、15年ドゥラメンテ、そして昨年のディーマジェスティが勝ち馬として該当。つまり3年連続で共同通信杯からの直行馬が優勝しているというわけだ。これは特筆すべき傾向で、弥生賞やスプリングSといったトライアル組を押さえている点で驚きだ。その他の組では若葉Sから好走馬が出ており、好走率は弥生賞などに比べてヒケは取らない。連対馬に関して言えば、この4レースからしか出ておらず、共同通信杯組VSトライアル組という図式が成り立っている。

【結論】

それでは今年の皐月賞を見ていこう。出走予定馬は表7の通り。

■表7 今年の皐月賞出走予定馬(1)

馬名 騎手(予定) 厩舎 馬主 生産者
アウトライアーズ 田辺 小島茂之 丸山担 ノーザンファーム
アダムバローズ 池添 角田晃一 猪熊広次 服部健太郎
アメリカズカップ 松若 音無秀孝 谷掛龍夫 社台ファーム
アルアイン 松山 池江泰寿 Sレーシング ノーザンファーム
ウインブライト 松岡 畠山吉宏 ウイン コスモヴューファーム
カデナ 福永 中竹和也 前田幸治 グランド牧場
キングズラッシュ 柴田善 久保田貴 諸江幸祐 ノーザンファーム
クリンチャー 藤岡佑 宮本博 前田幸治 平山牧場
コマノインパルス 江田 菊川正達 長谷川芳信 新井牧場
サトノアレス 戸崎 藤沢和雄 里見治 社台ファーム
スワーヴリチャード 四位 庄野靖志 NICKS ノーザンファーム
ダンビュライト 武豊 音無秀孝 Sレーシング ノーザンファーム
トラスト 柴田大 中村均 岡田繁幸 中本牧場
ファンディーナ 岩田 高野友和 ターフ・スポート 谷川牧場
プラチナヴォイス 和田 鮫島一歩 本間茂 矢野牧場
ペルシアンナイト デムーロ 池江泰寿 G1レーシング 追分ファーム
マイスタイル 横山典 昆貢 寺田千代乃 猪野毛牧場
レイデオロ ルメール 藤沢和雄 キャロットファーム ノーザンファーム

まず騎手で注目できるのは岩田騎手、デムーロ騎手。そして福永騎手あたりになるだろうか。厩舎では池江泰寿厩舎。アルアインとペルシアンナイトの2頭出しとなる。音無秀孝厩舎も過去10年で勝ち鞍があり、2頭出してもある。

馬主ではサンデーレーシングの2頭で、アルアインとダンビュライト。キャロットファームからはレイデオロが出走予定だ。生産者部門ではノーザンファームを中心に社台系が多数出走予定。今年も層の厚さを感じさせるラインナップだ。

■表8 今年の皐月賞出走予定馬(2)

馬名 前走レース 前着
アウトライアーズ スプリンG2 2
アダムバローズ 若葉S 1
アメリカズカップ きさらぎG3 1
アルアイン 毎日杯G3 1
ウインブライト スプリンG2 1
カデナ 弥生賞G2 1
キングズラッシュ 東京スポG3 4
クリンチャー すみれS 1
コマノインパルス 弥生賞G2 6
サトノアレス スプリンG2 4
スワーヴリチャード 共同通信G3 1
ダンビュライト 弥生賞G2 3
トラスト 毎日杯G3 5
ファンディーナ フラワーG3 1
プラチナヴォイス スプリンG2 3
ペルシアンナイト アーリンG3 1
マイスタイル 弥生賞G2 2
レイデオロ ホープフG2 1

2017/2/25 阪神11R アーリントンカップ(G3) 1着 8番 ペルシアンナイト

前走レース別(表8参照)では、共同通信杯組のスワーヴリチャードに注目。トライアル組では弥生賞を勝ったカデナ、スプリングSを勝ったウインブライトを中心に多数いる。

これらの要素を総合的に考えると、池江泰寿厩舎のアルアインペルシアンナイトに目が行く。前者は馬主がサンデーレーシングで、生産者がノーザンファーム。ただし、前走が勝っているとはいえ実績がない毎日杯組。騎乗予定の松山騎手もG1ではまだ勝利がない。後者のペルシアンナイトはデムーロ騎手が騎乗予定なのが強み。馬主はG1レーシングで、生産者は追分ファームだが、結局は社台系であるのでプラス材料と考えていいはずだ。ただ、前走がアーリントンCであるという点がマイナス材料だ。

2017/2/12 東京11R 共同通信杯(G3) 1着 1番 スワーヴリチャード

注目のファンディーナは、岩田騎手が騎乗するという点が頼みの綱。ライバルとなりそうなスワーヴリチャードは共同通信杯からの直行だが、近年の流れからは逆にプラスと考えられる。ノーザンファーム生産馬である点も好感が持て、有力馬の1頭とみたい。あとは、音無秀孝厩舎で馬主がサンデーレーシング、ノーザンファーム生産馬で前走弥生賞組のダンビュライトに注目。近年武豊騎手は皐月賞であまり実績はないが、軽視はしたくない。当然ながら腕は確かで、過去の実績も十分だ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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