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第1098回 春の短距離王決定戦・高松宮記念を展望する

2017/3/23(木)

大阪杯のG1昇格によって、春のG1シリーズは開幕から4週連続でG1が行なわれることになった。第1弾は、春の最強スプリンターを決める高松宮記念。昨年の覇者ビッグアーサーが戦列から離脱したのは残念だが、昨秋のスプリンターズSを制したレッドファルクスがスプリントG1連勝を達成するのか、それとも新しい王者が誕生するのか、桶狭間の電撃決戦に刮目したい。集計対象は中京競馬場のコースが改修された2012年以降の過去5年。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 2- 0- 2- 1/ 5 40.0% 40.0% 80.0% 104% 104%
2番人気 1- 2- 0- 2/ 5 20.0% 60.0% 60.0% 78% 96%
3番人気 1- 1- 2- 1/ 5 20.0% 40.0% 80.0% 154% 164%
4番人気 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 130% 52%
5番人気 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6番人気 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 98%
7番人気 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
8番人気 0- 1- 0- 4/ 5 0.0% 20.0% 20.0% 0% 70%
9番人気 0- 0- 0- 5/ 5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10番人気〜 0- 0- 1-43/44 0.0% 0.0% 2.3% 0% 27%

表1は人気別成績。過去5年の勝ち馬は、1番人気が2頭、2〜4番人気が各1頭と、すべて人気サイドから出ている。2、3着に人気薄が突っ込むケースも少なく、6番人気以下の好走は3回のみ。その3回にしても、短距離路線で長く活躍したハクサンムーン(13年10番人気3着、15年6番人気2着)が2回、同年の秋にスプリンターズSを制すことになるスノードラゴン(14年8番人気2着)だから、いずれも相当な実力馬によるものだった。この人気のデータを見る限り、コース改修後の高松宮記念では無理に高配当を狙うのではなく、確実な的中を目指したほうがよさそうだ。

■表2 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
4歳 1- 0- 4-14/19 5.3% 5.3% 26.3% 40% 105%
5歳 3- 1- 1-19/24 12.5% 16.7% 20.8% 37% 28%
6歳 0- 4- 0-19/23 0.0% 17.4% 17.4% 0% 52%
7歳以上 1- 0- 0-22/23 4.3% 4.3% 4.3% 28% 11%

表2は年齢別成績。目につくのは、過去5年で5歳馬が3勝を挙げていること。また、4歳馬は3着が多く、6歳馬は2着が多いという面白い傾向も出ている。7歳以上になるとハッキリ苦しく、好走例は香港馬のエアロヴェロシティのみ。日本馬の好走例はない。そのエアロヴェロシティは南半球出身で9月生まれのため、実質的には6歳馬といえる。このことを考えても、7歳以上の日本馬には割引が必要とみるべきだろう。

■表3 前走着順別成績

前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1着 2- 2- 2-10/16 12.5% 25.0% 37.5% 56% 61%
前走2着 1- 2- 1- 7/11 9.1% 27.3% 36.4% 59% 120%
前走3着 0- 1- 0- 8/ 9 0.0% 11.1% 11.1% 0% 17%
前走4着 1- 0- 0- 6/ 7 14.3% 14.3% 14.3% 55% 18%
前走5着 1- 0- 1- 4/ 6 16.7% 16.7% 33.3% 65% 53%
前走6着〜 0- 0- 1-39/40 0.0% 0.0% 2.5% 0% 30%

表3は前走着順別成績で、前走1〜5着と前走6着以下のあいだに大きな溝が生じており、前走で掲示板を確保できなかった馬はかなり苦戦。前走6着以下から巻き返したのは13年3着のハクサンムーンだけで、残りの延べ39頭はすべて4着以下に敗れている。前走で5着以内に入っていた馬、特に1、2着に好走していた馬を狙うのがセオリーといえる。

■表4 前走人気別成績(日本馬のみ)

前走人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
前走1番人気 3- 3- 2- 7/15 20.0% 40.0% 53.3% 60% 98%
前走2番人気 1- 1- 1- 9/12 8.3% 16.7% 25.0% 64% 50%
前走3番人気 0- 0- 1- 4/ 5 0.0% 0.0% 20.0% 0% 246%
前走4番人気 0- 0- 1- 7/ 8 0.0% 0.0% 12.5% 0% 28%
前走5番人気 0- 0- 0-11/11 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
前走6番人気〜 0- 1- 0-34/35 0.0% 2.9% 2.9% 0% 10%

表4は前走人気別成績(日本馬のみ)で、前項で確認した前走着順以上に厳然とした傾向が出ている。過去5年の高松宮記念で1、2着に入った馬の大半は前走で1、2番人気に推されており、例外は14年2着のスノードラゴンのみ。この馬は2走前まで24走連続でダート戦を走っていたため、前走の段階では芝での実力が未知数という事情があった。この馬を除くと、前走5番人気以下だった延べ46頭はすべて4着以下に敗れており、前走3、4番人気だった馬も3着までという結果が出ている。当日の人気だけでなく、前走時点での評価もかなり重要なレースといえそうだ。

■表5 前走クラス別成績(日本馬のみ)

前走クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1600万下 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
オープン特別 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G3 4- 5- 5-61/75 5.3% 12.0% 18.7% 22% 51%
G2 0- 0- 0- 2/ 2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
G1 0- 0- 0- 3/ 3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表5は前走クラス別成績(日本馬のみ)で、前走でG3を走っていた馬しか好走例がないという極端な傾向が出ている。具体的には、前走で阪急杯、オーシャンS、シルクロードSを走っていた馬のみに好走例は限られる。いずれも芝1200〜1400mのG3で、前哨戦という位置づけのレース。まずはここから有力馬を探すのがセオリーとなる。

■表6 前走阪急杯出走馬の斤量データ

斤量 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
今回減 1- 0- 1- 1/ 3 33.3% 33.3% 66.7% 43% 113%
増減なし 1- 2- 0- 3/ 6 16.7% 50.0% 50.0% 128% 95%
今回増 0- 0- 0-19/19 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表6は、前走で阪急杯に出走していた馬の斤量に関するデータで、「今回減(阪急杯より減)」「増減なし」「今回増(阪急杯より増)」の成績を比較したもの。これも明確な傾向が出ており、「今回増」の延べ19頭は好走例が皆無となっている。好走例があるのは「今回減」か「増減なし」に限られ、いずれも好走率は非常に高い。表3や表4のデータを満たしたうえで斤量の条件も満たす馬がいれば、かなりのチャンスがありそうだ。

■表7 前走オーシャンS出走馬の前走4角通過順別成績

前走4角 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番手 0- 1- 1- 3/ 5 0.0% 20.0% 40.0% 0% 344%
2〜5番手 0- 0- 0- 6/ 6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6番手〜 1- 1- 1-17/20 5.0% 10.0% 15.0% 19% 32%

表7は、前走でオーシャンSに出走した馬の、前走(=オーシャンS)における4角通過順のデータを見たもので、オーシャンSで4角2〜5番手だった馬の好走例が皆無という点が大きな特徴となっている。オーシャンSで1〜4番人気に推されたうえで、4角1番手から1〜5着に入った馬、もしく4角6番手以降から差して1〜5着に入った馬を狙いたいところだ。

■表8 前走シルクロードS出走馬の前走上がり3F順位別成績

前走上がり 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1〜5位 1- 1- 2- 2/ 6 16.7% 33.3% 66.7% 65% 101%
6位〜 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

表8は、前走でシルクロードSに出走した馬の、前走(=シルクロードS)における上がり3Fタイム順位のデータを見たものである。これまたわかりやすい傾向が出ており、好走例があるのはシルクロードSで上がり1〜5位だった馬に限られ、上がり6位以下だった馬の好走例は見当たらない。この場合も前走着順や前走人気の条件を満たしたうえで、シルクロードSの上がり順位も5位以内の馬を狙うのがいいだろう。

【結論】

今年の高松宮記念には海外馬の登録がなかったこともあり、やはり前哨戦3レースから見ていくのがいいだろう。もちろん、いずれの場合も、表3の項で確認した前走1〜5着に入っていること、表4の項で確認した前走で1〜4番人気に推されていたことを満たしておきたい。

2017/3/4 中山11R 夕刊フジ賞オーシャンS(G3) 1着 9番 メラグラーナ

まずは前走阪急杯組から。この組で1〜4番人気かつ1〜5着を満たすのは、4番人気2着だったヒルノデイバローのみ。しかし、この馬は斤量が阪急杯より1キロ増えており、前走阪急杯組の好走条件だった「今回減」もしくは「増減なし」を満たすことができなかった。また、阪急杯で12番人気3着だったナガラオリオンはデビュー39戦目のここが初めての芝のレースで、14年のスノードラゴンと同様に芝での実力が未知数だったため、12番人気という前走時点での評価は気にしなくていい。ただし、この馬は8歳という点が大きな減点材料となる。いずれにしても、今年の阪急杯組はあまり強調するところがないようだ。

続いて前走オーシャンS組だが、ここで1〜4番人気かつ1〜5着を満たすのは、1番人気1着のメラグラーナ、3番人気2着のナックビーナス、4番人気3着のクリスマスと3頭いる。そして、この組の好走条件となる「4角1番手」か「4角6番手以降」を満たすのは、4角9番手だったメラグラーナと4角6番手だったクリスマス。このうちメラグラーナは過去5年で3勝を挙げている5歳馬でもあり、かなり有力な存在かもしれない。

2017/2/18 京都11R 京都牝馬ステークス(G3) 1着 10番 レッツゴードンキ

前走シルクロード組で1〜4番人気かつ1〜5着を満たすのは、4番人気2着のセイウンコウセイのみ。シルクロードSの上がり順も4位で、この組の好走条件も満たしており、本番でもチャンスがあるのではないか。

この3レース以外では、前走京都牝馬S組にも注目すべきだろう。このレースが芝1400mという条件になったのは昨年のこと。そのため過去5年の出走例も昨年の2頭しかいないのだが、芝1400mのG3という条件を考えれば、これから高松宮記念のプレップレースとして機能するようになってもなんら不思議はない。実際、今年は1番人気1着のレッツゴードンキ、7番人気2着のワンスインナムーンの2頭が登録。このレース特有の好走条件は挙げられないが、1番人気1着のレッツゴードンキは有力な存在になってきそうだ。

もちろん、昨年末の香港スプリント以来3カ月半ぶりの出走となるレッドファルクスと、1200m戦に初挑戦するフィエロの2頭も、その実績を考えれば無視はできない。このうちレッドファルクスは、昨年のスプリンターズSを3カ月ぶりで勝っており、このローテーションを心配する必要はあまりないのかもしれない。また、同コースのCBC賞勝ちの実績もあり、コース適性も高い。調教やパドックで状態を確認することは不可欠だが、仕上がっているようなら押さえたほうが無難そうだ。一方のフィエロは、表2の項で不振を確認した8歳馬という点がマイナス材料となる。また、前走1600m以上から距離短縮で出走した馬は【0.0.0.7】というデータもあり、こちらは思い切って評価を下げてみたい。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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