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第1097回 産駒が好調なヴィクトワールピサを分析

2017/3/20(月)

ここにきて好調なヴィクトワールピサ。ただし、その産駒たちの走りを見ていると、父の現役時代と重なる部分もあれば、重ならない部分もあり、どこか特徴をつかみきれないような印象もある。そこで今回は、実際のところデータにはどのような傾向が出ているのかを調べてみたい。集計期間は、ヴィクトワールピサの産駒が中央競馬のレースに初出走した2015年6月13日から2017年3月12日まで。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用した。

■表1 牡牝別成績

性別 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
牡馬・セン馬 40- 52- 36-273/401 10.0% 22.9% 31.9% 47% 83%
牝馬 32- 33- 24-361/450 7.1% 14.4% 19.8% 79% 64%

表1は牡牝別成績で、セン馬は牡馬と合算している。桜花賞を勝ったジュエラー、秋華賞で2着に入ったパールコードと、これまでG1の大舞台では牝馬のほうが目立っているが、ヴィクトワールピサ全体で見ると牡馬のほうが数字は優秀なようだ。もちろん、牝馬より牡馬のほうが高い好走率を記録するのは普通のことだから、牝馬は水準以上の成績を残し、それ以上に牡馬の成績が優秀といったほうが正確かもしれない。ただし、牡馬には2着が多い傾向も見られるので、馬券を買う際にはその点に注意したほうがよさそうだ。

2016/4/10 阪神11R 桜花賞(G1) 1着 13番 ジュエラー 2017/3/18 中京11R 中スポ賞ファルコンS(G3) 1着 9番 コウソクストレート

2016/4/10 阪神11R 桜花賞(G1) 1着 13番 ジュエラー

2017/3/18 中京11R 中スポ賞ファルコンS(G3) 1着 9番 コウソクストレート

■表2 年齢別成績

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
2歳 31- 28- 22-192/273 11.4% 21.6% 29.7% 48% 79%
3歳 34- 53- 35-414/536 6.3% 16.2% 22.8% 56% 65%
4歳 7-  4-  3- 28/ 42 16.7% 26.2% 33.3% 266% 134%

表2は年齢別成績。なお、牡牝の傾向に顕著な差が見られなかったため、ここでは牡牝を合わせたデータを掲載している。この表で目につくのが、3歳の勝率が落ち込んでいること。2歳や4歳に比べると、3歳は1着数に対して2着数が非常に多くなっており、その影響がモロに反映されている。集計対象が2世代だけという点に留意する必要はあるが、2歳で勝ち上がったあと、3歳に入るとすこし勝ちあぐねるものの、4歳になって再び勝ちはじめるのがヴィクトワールピサ産駒の成長曲線と、現時点では考えられそうだ。

■表3 馬体重別成績

性別 馬体重 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
牡馬・セン馬 〜439キロ 2-  3-  2- 14/ 21 9.5% 23.8% 33.3% 71% 122%
440〜459キロ 0-  4-  2- 27/ 33 0.0% 12.1% 18.2% 0% 130%
460〜479キロ 10- 21-  7- 50/ 88 11.4% 35.2% 43.2% 35% 108%
480〜499キロ 17- 11- 13- 81/122 13.9% 23.0% 33.6% 68% 80%
500〜519キロ 7-  8-  8- 60/ 83 8.4% 18.1% 27.7% 39% 52%
520キロ〜 4-  5-  4- 41/ 54 7.4% 16.7% 24.1% 52% 51%
牝馬 〜439キロ 10-  4-  3- 85/102 9.8% 13.7% 16.7% 76% 55%
440〜459キロ 6-  9-  9-109/133 4.5% 11.3% 18.0% 129% 81%
460〜479キロ 5-  4-  5- 85/ 99 5.1% 9.1% 14.1% 23% 33%
480〜499キロ 5-  9-  4- 50/ 68 7.4% 20.6% 26.5% 36% 69%
500〜519キロ 4-  7-  2- 25/ 38 10.5% 28.9% 34.2% 128% 99%
520キロ〜 2-  0-  1-  7/ 10 20.0% 20.0% 30.0% 120% 63%

表3は馬体重別成績で、このデータでは牡牝を分けている。牡馬から見ていくと、数字が優秀なのは「460〜479キロ」や「480〜499キロ」のゾーン。もうすこし馬体重が大きい「500キロ〜519キロ」や「520キロ〜」のゾーンになると好走率が下がる傾向があり、牡馬は中型からやや大型の産駒がもっとも安定した成績を残しているようだ。一方の牝馬は「500〜519キロ」や「520キロ〜」の成績もよく、総じて馬体重が大きいほど数字が上がっていく傾向にある。普通は牡馬のほうが大きい馬体重に出やすいだけに、この傾向はなかなか興味深い。

■表4 競馬場別成績

馬場 競馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
札幌 3-  1-  3- 15/ 22 13.6% 18.2% 31.8% 116% 108%
函館 2-  3-  1- 13/ 19 10.5% 26.3% 31.6% 37% 75%
福島 1-  2-  0- 23/ 26 3.8% 11.5% 11.5% 13% 19%
新潟 4-  6-  3- 28/ 41 9.8% 24.4% 31.7% 35% 64%
東京 10- 11-  6- 62/ 89 11.2% 23.6% 30.3% 220% 106%
中山 11-  4-  4- 68/ 87 12.6% 17.2% 21.8% 65% 69%
中京 4-  1-  2- 35/ 42 9.5% 11.9% 16.7% 46% 29%
京都 10- 18- 11- 76/115 8.7% 24.3% 33.9% 39% 99%
阪神 7- 12-  6- 65/ 90 7.8% 21.1% 27.8% 81% 66%
小倉 3-  0-  4- 31/ 38 7.9% 7.9% 18.4% 23% 58%
ダート 札幌 0-  0-  0-  3/  3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
函館 0-  0-  0-  6/  6 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
福島 0-  0-  0-  9/  9 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
新潟 1-  0-  1-  6/  8 12.5% 12.5% 25.0% 46% 40%
東京 1-  4-  4- 30/ 39 2.6% 12.8% 23.1% 3% 41%
中山 2-  4-  3- 32/ 41 4.9% 14.6% 22.0% 9% 39%
中京 4-  4-  1- 22/ 31 12.9% 25.8% 29.0% 80% 100%
京都 2-  6-  4- 49/ 61 3.3% 13.1% 19.7% 42% 115%
阪神 5-  6-  5- 46/ 62 8.1% 17.7% 25.8% 38% 66%
小倉 2-  3-  2- 11/ 18 11.1% 27.8% 38.9% 76% 67%

表4は競馬場別成績で、芝・ダートに分けて示している。芝で真っ先に指摘すべきは、東京と中山の成績だ。勝率こそ中山のほうがわずかに上回っているものの、連対率、複勝率および単複の回収率は東京のほうが明らかに高い。皐月賞と有馬記念を勝った現役時代のヴィクトワールピサには中山巧者という印象も強いだけに、この産駒の傾向には意外な印象も受ける。そのほかでは札幌と函館の好走率が高く、洋芝コースも得意といってよさそうだ。

ダートは総じて関西圏のほうが数字はよく、なかでも中京と小倉の好走率は優秀。一方、関東圏や北海道は軒並み低調なので、ここでは過信しないほうがいいかもしれない。

■表5 距離別成績

馬場 距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1000m〜1300m 1-  1-  4- 38/ 44 2.3% 4.5% 13.6% 12% 61%
1400m〜1600m 17- 20- 12-143/192 8.9% 19.3% 25.5% 44% 66%
1700m〜2000m 35- 35- 21-201/292 12.0% 24.0% 31.2% 106% 80%
2100m〜2400m 2-  2-  1- 28/ 33 6.1% 12.1% 15.2% 156% 122%
2500m〜 0-  0-  2-  6/  8 0.0% 0.0% 25.0% 0% 43%
ダート 1000m〜1300m 2-  4-  3- 28/ 37 5.4% 16.2% 24.3% 34% 51%
1400m〜1600m 6-  5-  8- 47/ 66 9.1% 16.7% 28.8% 66% 86%
1700m〜2000m 8- 16-  9-133/166 4.8% 14.5% 19.9% 17% 66%
2100m〜 1-  2-  0-  6/  9 11.1% 33.3% 33.3% 126% 48%

表5は競馬場別成績で、芝・ダートに分けて示している。まずは芝から見ていくが、好走率を見る限り「1700〜2000m」の芝中距離をもっとも得意としているのは間違いない。現役時代に芝2000mの皐月賞を勝ち、芝1800mの中山記念でも非常に強い競馬を見せたことから、これは納得しやすいデータといえる。その一方で「1000〜1300m」の数字は低調で、短距離戦は不得手としているようだ。

ダートでは得意といえるほどの距離は見当たらないというのが正直なところだが、強いていえば「1400〜1600m」の成績がもっともいい。

■表6 馬場状態別成績

馬場 馬場状態 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
40- 46- 32-333/451 8.9% 19.1% 26.2% 79% 79%
稍重〜不良 15- 12-  8- 83/118 12.7% 22.9% 29.7% 77% 63%
ダート 10- 19- 17-112/158 6.3% 18.4% 29.1% 49% 95%
稍重〜不良 7-  8-  3-102/120 5.8% 12.5% 15.0% 16% 32%

表6は馬場状態を「良馬場」と「稍重〜不良馬場」に分けて、さらに芝・ダート別で示したもの。芝は、勝率、連対率、複勝率の好走率を表す3項目すべてで「稍重〜不良」のほうが高い数字を残している。また、「良」だと1着より2着のほうが多いのに、「稍重〜不良」だと2着より1着のほうが多く、しっかりと勝ち切れている様子も見てとれる。ヴィクトワールピサの産駒は総じて芝の道悪巧者と考えてよさそうだ。

逆にダートでは「良」のほうが「稍重〜不良」より明らかに数字が高い。普通、芝では道悪のほうが、ダートでは良馬場のほうが力を要し、走破タイムも余計にかかる傾向がある。そう考えると、ヴィクトワールピサは芝ダートを問わず、力の要る馬場を得意とすると判断しても大きく間違ってはいないだろう。

■表7 人気別成績

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
1番人気 30- 18-  7- 19/ 74 40.5% 64.9% 74.3% 85% 93%
2番人気 13- 17- 12- 38/ 80 16.3% 37.5% 52.5% 67% 87%
3番人気 10- 13- 13- 50/ 86 11.6% 26.7% 41.9% 58% 77%
4番人気 8- 11-  7- 50/ 76 10.5% 25.0% 34.2% 100% 76%
5番人気 3-  7-  6- 53/ 69 4.3% 14.5% 23.2% 36% 66%
6番人気 2-  6-  2- 59/ 69 2.9% 11.6% 14.5% 37% 56%
7番人気 3-  7-  2- 46/ 58 5.2% 17.2% 20.7% 136% 104%
8番人気 1-  2-  1- 58/ 62 1.6% 4.8% 6.5% 32% 29%
9番人気 0-  3-  1- 60/ 64 0.0% 4.7% 6.3% 0% 57%
10番人気〜 2-  1-  9-201/213 0.9% 1.4% 5.6% 72% 75%

表7は人気別成績。上から順に見ていくと、1番人気の好走率は水準より高く、しっかりと勝ち切れており、単複の回収率もなかなか優秀。その反動か、2、3番人気の単勝回収率が若干物足りないところもあるが、4番人気は良好で、人気サイドに推された場合の信頼性はまずまず高い。反面、5番人気以下の数字は、7番人気を除いて振るわない。ヴィクトワールピサ産駒には激走を期待するのではなく、上位人気でしっかりと好走する軸馬としての働きを求めたほうがよさそうだ。

■表8 クラス別成績

馬場 クラス 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回率 複回率
新馬 11- 12-  8- 78/109 10.1% 21.1% 28.4% 123% 100%
未勝利 24- 28- 21-200/273 8.8% 19.0% 26.7% 51% 71%
500万下 15-  7-  9- 82/113 13.3% 19.5% 27.4% 126% 82%
1000万下 2-  3-  0- 18/ 23 8.7% 21.7% 21.7% 18% 40%
1600万下 0-  3-  2-  3/  8 0.0% 37.5% 62.5% 0% 96%
オープン特別 2-  1-  0-  6/  9 22.2% 33.3% 33.3% 281% 87%
G3 0-  2-  0- 15/ 17 0.0% 11.8% 11.8% 0% 18%
G2 0-  1-  0-  8/  9 0.0% 11.1% 11.1% 0% 24%
G1 1-  1-  0-  6/  8 12.5% 25.0% 25.0% 62% 77%
ダート 新馬 0-  4-  4- 25/ 33 0.0% 12.1% 24.2% 0% 50%
未勝利 14- 18- 15-150/197 7.1% 16.2% 23.9% 36% 70%
500万下 3-  5-  1- 39/ 48 6.3% 16.7% 18.8% 51% 70%

表8はクラス別成績で、芝・ダートに分けて示している。芝の成績を見ると、新馬戦や500万下は優秀ながら、1000万下にひとつの壁があるようだ。そして、ここを突破すると、1600万下やオープン特別の好走率は高いものの、重賞ではすこし苦戦という傾向も見られる。とはいえ、ここにきて3歳馬が続けて重賞で好走していることを考慮しても、これから重賞に出走する産駒が増えてくれば数字も変わってくる可能性も十分にある。重賞に関しては、もうすこし様子を見てみたい。

ダートではこれまで1000万下に出走した馬が1頭もおらず、集計対象となったのは500万下まで。500万下に入ると未勝利戦より好走率が下がる傾向を考えても、やはりヴィクトワールピサ産駒はダートを不得手とするとみて間違いなさそうだ。

ライタープロフィール

出川塁(でがわ るい)

1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。


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