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第1083回 2歳リーディング5位! 新種牡馬・ルーラーシップの傾向は?

2017/1/30(月)

年明けのひと開催も終わり、徐々にクラシックの足音も近づいてきた。そのクラシックに今年、新たに産駒を送り出せそうなのが、現3歳世代が初年度産駒となるルーラーシップだ。昨年の2歳リーディングは5位と上々の結果を残したが、その産駒にはどんな傾向が出ているのか、データから分析したい。データの分析には、JRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用し、集計対象は本年1月22日までとした。

■表1 ルーラーシップ血統表

ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
マンファス ラストタイクーン
Pilot Bird
エアグルーヴ トニービン カンパラ
Severn Bridge
ダイナカール ノーザンテースト
シヤダイフエザー

2012/1/22 中山11R アメリカジョッキークラブカップ(G2) 1着 3番 ルーラーシップ

ルーラーシップは09年、2歳暮れに阪神芝2000mで新馬勝ち。その後、10年のプリンシパルSを制し日本ダービーにも出走(5着)、同年の鳴尾記念(当時12月)では重賞初制覇を飾った。翌11年は日経新春杯、金鯱賞(当時5月)とG2を2勝。そして12年にはアメリカJCCを制すると、4月には香港のクイーンエリザベス2世CでG1制覇を果たしている。同年は宝塚記念2着、秋の天皇賞、ジャパンC、有馬記念が連続3着と国内のG1制覇はならずに引退したが、サンデーサイレンスを持たない血統構成から種牡馬としての人気は非常に高く、血統登録を受ける産駒は毎年130頭台を数える。 父はNHKマイルCと日本ダービーを連勝し、8戦7勝で引退したキングカメハメハ。そして母は秋の天皇賞やオークスを制した名牝・エアグルーヴ。産駒は、サウジアラビアRC2着のダンビュライトが母の父サンデーサイレンス、若駒S2着のダノンディスタンスが母の母の父サンデーサイレンスなど、勝ち上がった馬の多くが牝系にサンデーサイレンスの血を持っている。

■表2 芝・ダート、馬場状態別成績

コース 馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
13-8-13-90/124 10.5% 16.9% 27.4% 56% 54%
稍重 1-2-3-23/29 3.4% 10.3% 20.7% 24% 50%
1-0-0-6/7 14.3% 14.3% 14.3% 60% 21%
不良 1-0-0-1/2 50.0% 50.0% 50.0% 245% 95%
16-10-16-120/162 9.9% 16.0% 25.9% 53% 52%
ダート 1-2-0-9/12 8.3% 25.0% 25.0% 63% 43%
稍重 3-0-2-12/17 17.6% 17.6% 29.4% 211% 145%
2-2-0-6/10 20.0% 40.0% 40.0% 131% 104%
不良 0-1-0-1/2 0.0% 50.0% 50.0% 0% 145%
6-5-2-28/41 14.6% 26.8% 31.7% 138% 105%

まず、産駒の芝ダート別成績を見ると、出走したレースの4分の3ほどは芝だった。ただ、サンプルは少ないながらもダート戦のほうが好走確率はやや高く、単複の回収率も100%を突破している。父・キングカメハメハは現3歳世代でも、芝複勝率37.5%、ダート複勝率42.9%を記録。これまで二冠馬・ドゥラメンテや牝馬三冠・アパパネのほか、短距離王・ロードカナロア、ダート王・ホッコータルマエなどさまざまなタイプの活躍馬を輩出したが、ルーラーシップも芝馬、ダート馬、兼用型など産駒によって大きく特徴が違ってくる可能性がありそうだ。このあたりは、もともとダート短距離型のミスタープロスペクター系の中では異質と言える、キングマンボの流れを継ぐ種牡馬らしい成績とも言える。父の代表産駒は2〜3歳時から長きに渡って一線級で活躍する馬も多く、ルーラーシップ自身も5歳でG1(海外)初制覇を果たしており、成長力を見せる産駒も出てくるだろう。

■表3 距離別成績

コース 距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収 新馬戦
1200m 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-2
1400m 0-0-2-14/16 0.0% 0.0% 12.5% 0% 21% 0-0-1-10
1600m 2-2-2-41/47 4.3% 8.5% 12.8% 25% 35% 1-0-0-18
1800m 6-3-6-32/47 12.8% 19.1% 31.9% 80% 51% 3-3-2-11
2000m 8-5-6-28/47 17.0% 27.7% 40.4% 77% 88% 4-2-5-8
2200m 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-0
〜1200m 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-2
1400m〜1600m 2-2-4-55/63 3.2% 6.3% 12.7% 18% 31% 1-0-1-28
1800m〜2000m 14-8-12-60/94 14.9% 23.4% 36.2% 78% 69% 7-5-7-19
2100m〜 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-0
ダート 1200m 0-1-0-5/6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 48% 0-0-0-0
1400m 3-1-1-6/11 27.3% 36.4% 45.5% 322% 230% 0-0-0-1
1600m 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0% 0-0-0-1
1700m 0-1-0-0/1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 360% 0-0-0-0
1800m 2-2-1-15/20 10.0% 20.0% 25.0% 67% 42% 0-0-0-6
1900m 1-0-0-0/1 100.0% 100.0% 100.0% 760% 280% 0-0-0-0
〜1200m 0-1-0-5/6 0.0% 16.7% 16.7% 0% 48% 0-0-0-0
1400m〜1600m 3-1-1-8/13 23.1% 30.8% 38.5% 273% 195% 0-0-0-2
1700m〜1900m 3-3-1-15/22 13.6% 27.3% 31.8% 95% 67% 0-0-0-6

距離別の成績を見ると、芝2000mで【8.5.6.28】複勝率40.4%の好成績をマーク。一方で、芝1400m以下では連対馬がまだ出ていない。ダート戦ならアディラートがはこべら賞を圧勝するなど1400mあれば問題ないようだが、芝なら中距離(以上)が向きそうなことが現時点の成績からは想像される。 また、表の右に記したように、新馬戦だけに限定すると、芝1800〜2000mでは計【7.5.7.19】で複勝率50.0%。自身も阪神芝2000mで新馬勝ちを飾ったが、産駒も特に新馬戦は芝中距離での成績が良い。逆に、芝のマイル以下の好走馬は2頭、ダートでは不在のため、新馬なら「芝1800m以上」以外では買わないという手もある。いずれにしても、今後、芝中距離以上のレースが増えてさらに成績が向上する可能性はありそうだ。

■表4 前走距離別成績(芝→芝)

今回距離 前走距離 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
全芝 今回延長 2-1-1-25/29 6.9% 10.3% 13.8% 26% 25%
同距離 4-3-2-31/40 10.0% 17.5% 22.5% 57% 45%
今回短縮 2-1-5-15/23 8.7% 13.0% 34.8% 89% 71%
芝1800m 芝1400m 0-0-0-3/3 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
芝1600m 0-0-0-5/5 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
芝1800m 2-0-1-8/11 18.2% 18.2% 27.3% 93% 39%
芝2000m 1-0-3-5/9 11.1% 11.1% 44.4% 150% 75%
芝2000m 芝1400m 1-0-0-0/1 100.0% 100.0% 100.0% 350% 150%
芝1600m 0-0-0-4/4 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
芝1800m 1-1-1-6/9 11.1% 22.2% 33.3% 46% 64%
芝2000m 2-2-0-10/14 14.3% 28.6% 28.6% 90% 51%

芝中距離が良いとなれば、距離延長馬が穴になりそうにも思えてくるもの。しかし、芝での前走距離別成績を見ると、距離延長馬は【2.1.1.25】で複勝率13.8%止まり。むしろ距離短縮馬のほうが34.8%の高複勝率という意外な結果が出た。表は掲載していないが、もう少し詳しく見ると、芝1600m以下から芝1800以上への延長馬が計【1.0.0.12】で、好走したのは600m延長で9月に阪神芝2000m未勝利戦を勝ったエリンソード(母はオークス馬エリンコート)のみ。表3に掲載した新馬戦の成績からしても、現状ではデビューから中距離を選択した馬のほうが良いという結果だ。今後は、距離延長2戦目以降の馬にも注意したい。

■表5 競馬場別成績

コース 競馬場 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
札幌 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
福島 1-0-1-2/4 25.0% 25.0% 50.0% 85% 70%
新潟 2-0-2-7/11 18.2% 18.2% 36.4% 38% 57%
東京 1-2-3-20/26 3.8% 11.5% 23.1% 18% 47%
中山 3-1-2-12/18 16.7% 22.2% 33.3% 78% 63%
中京 1-1-1-15/18 5.6% 11.1% 16.7% 27% 49%
京都 3-5-5-36/49 6.1% 16.3% 26.5% 35% 57%
阪神 4-1-2-23/30 13.3% 16.7% 23.3% 95% 46%
小倉 1-0-0-4/5 20.0% 20.0% 20.0% 180% 36%
ダート 福島 0-1-0-0/1 0.0% 100.0% 100.0% 0% 360%
東京 0-0-0-2/2 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
中山 0-0-0-10/10 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
中京 2-2-0-3/7 28.6% 57.1% 57.1% 127% 90%
京都 1-1-1-8/11 9.1% 18.2% 27.3% 284% 208%
阪神 3-1-1-5/10 30.0% 40.0% 50.0% 164% 104%

続いて競馬場別の成績を見ると、こちらはダートではっきりとした特徴が出ている。ダートの東京・中山では計【0.0.0.12】。3番人気以内馬が1頭しかいなかった影響もあるだろうが、好走馬がまったく出ていない。ただ、表2で記したようにもともとダート全体の成績は良かっただけに、その分、関西での成績は良い。こちらは関東と違って人気馬も多い中、中京以西(小倉は不出走)のダート戦は計【6.4.2.16】複勝率42.9%、単複の回収率も202%、141%となる。まだサンプルが少ない上、ここまでの差がつく原因も不明だけに過信は禁物ながら、一応頭には入れておきたい傾向だ。

■表6 クラス別成績

クラス コース 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
新馬 8-5-8-57/78 10.3% 16.7% 26.9% 44% 56%
未勝利 11-7-7-75/100 11.0% 18.0% 25.0% 93% 71%
6-2-5-59/72 8.3% 11.1% 18.1% 53% 40%
ダート 5-5-2-16/28 17.9% 35.7% 42.9% 197% 150%
500万下 2-0-2-10/14 14.3% 14.3% 28.6% 75% 42%
OPEN特別 1-2-0-2/5 20.0% 60.0% 60.0% 70% 96%
G3 0-1-1-3/5 0.0% 20.0% 40.0% 0% 66%
G1 0-0-0-1/1 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%

2016/9/25 中山9R 芙蓉ステークス 1着 3番 キングズラッシュ

クラス別の成績は表6の通り。わずかひと世代の半年少々だけにオープン・重賞出走馬は多くないが、芝のオープン勝ちはキングズラッシュの芙蓉S。ほかにG3の新潟2歳Sでイブキが3着、サウジアラビアRCではダンビュライトが2着などの成績を残している。 サンプルが多い中で特に好走確率が高いのは、ダートの未勝利戦だ。表3で触れたようにダートの新馬戦で好走した馬は不在だが、未勝利戦では複勝率42.9%。内訳は、芝→ダート替わりが【4.3.0.8】連対率46.7%を記録し、アディラートのようにダート替わり初戦で勝ち上がり、500万を連勝した馬もいる。その一方、未勝利戦ではダート連戦馬でも【1.2.2.8】連対率23.1%、複勝率38.5%と悪くはない。12月25日に阪神ダート1800m未勝利戦を制したグランドディアマンは、芝で2連敗の後、ダート戦で5→3→2→3着と好走を重ね、デビュー7戦目で勝利を飾った。

■表7 未勝利戦出走馬のキャリア別成績

キャリア 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収 複回収
1戦 5-1-3-41/50 10.0% 12.0% 18.0% 68% 39%
2戦 3-1-2-20/26 11.5% 15.4% 23.1% 175% 109%
3戦 2-3-1-8/14 14.3% 35.7% 42.9% 75% 112%
4戦 0-2-0-4/6 0.0% 33.3% 33.3% 0% 78%
5戦 0-0-1-2/3 0.0% 0.0% 33.3% 0% 50%
6戦 1-0-0-0/1 100.0% 100.0% 100.0% 330% 130%

最後に、サンプルが多い未勝利戦について、キャリア別成績を調べたのが表7で、もっとも複勝率が低いのはキャリア1戦馬で18.0%、つまり新馬戦を1戦したのみの馬だった。キャリア2戦馬は同23.1%、そして3戦目なら同42.9%まで跳ね上がる。4戦以上はサンプル不足だが、前述のグランドディアマンのようにレースを重ねて勝利を飾る馬もいる。表3で記したように、芝1800m以上なら新馬戦で好成績を残していたが、たとえそこで勝てなくても、経験を積んで勝利を挙げる馬が今後も続々と出てくることが予想される。

以上、ルーラーシップ産駒の傾向をまとめてみた。まだ産駒デビューから1年も経過していないためサンプル不足の感もあるものの、まず新馬戦では芝1800m以上、そして2戦目以降ならダート替わりの馬には特に注目したい。また、芝なら中距離以上が良さそうなことや、どうやらレースを重ねて悪いタイプでもなさそうなだけに、今後さらに成績を伸ばしてくる馬もいるだろう。産駒数も多いだけに、「2歳リーディング5位」という結果以上のものを期待した方も多くいるだろうが、今後はそういった大きな期待に応えてくれる馬が出現する可能性もじゅうぶんに考えられる、現時点での産駒傾向だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


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